サンノゼ/ソルトレイク飛行日誌
彩華:夏は暑くて冬は寒く、ソルトレイクとオグデンの2つしかタワー空港のないド田舎・ユタ州ソルトレイクシティで頑張るささきさんの飛行日誌です。
うまく送信できない方はにメールを送ってください。掲示板もよろしくお願いしまーっす♪
- 2006年 4月7日 13:30−
N88353 0.5h/131.1h 93th
kiyo 師匠のデブリーフィングを済ませてすぐ、今度は私がエロバティック体験ツアーへの飛び入り参加となる。使う機種はベランカ・シタブリア、FAA の規定にもとづきパラシュートも身につけ、更に両肩ベルトでがっちり固定される。もし飛行機が墜落しても、たぶん飛び出す暇なんて無いと思う…。前席にサニー横山氏が乗って離陸、こちらはお客さんなので気楽なものだ。自分で操縦している時はあまり見られない RHV まわりの風景を見てみるが、以前には無かった住宅地があちこちに増えている。高度 4500ft でクリアリングターン、まずは単純なループから。機首を突っ込み、グーンと持ち上げるとGがかかる。シタブリアの透明天井から空が見え、それがひっくり反って地面になり、肩ベルトにぶら下がったまま水平飛行に戻る。早くも頭は貧血気味、お腹の底にキモチワルイ感じが溜まるが、ループ一回でメゲる訳にはゆかない。「どうですか?」「休み休みなら、何とか持つと思います」。ということでエルロンロール、ハンマーヘッドターン、背面飛行。「そろそろ戻りましょう」という事だが、「最後に一度スピンリカバリーをやってください」と頼んで2旋転ほどスピンに入れて貰う。片翼がストンと落ち、落ちた翼を中心に世界が上下左右にぐるぐる回る。ぐわわっ、こりゃキモチワルイ…。結局自分では一度もコントロールを取らなかったが、一応デュアル・レッスンということでフライトログを付けてもらう。ログタイム 0.5 時間。
キモチワルクなったときはドクターペッパーを飲むことに決めているのだが、ナイスエアの自動販売機から我が愛しのドクターペッパーが消えていた!仕方なくコカコーラを飲んで気分を落ち着かせる…。
- 2006年 4月7日 12:00−
N5090Q 1.3h/130.6h 92th
またえらいブランク…結局2005年は一度も飛ばず。今回また仕事でサンノゼに来たついでにナイスエアで kiyo 師匠と飛ぶ。まずサウスカウンティへ飛んでスティープターンとパワー OFF/パワー ON ストール。一年以上ブランクがあった割には意外と覚えているものだ。ただしストールリカバリの手順は多少バタバタしてしまう。サウスカウンティのパターンに入って3回ほどタッチ&ゴーを繰り返す。空気が薄くてパワーを抜くとへろへろ落ちてしまうユタと違い、やはり標高の低いサンノゼは飛びやすい。サウスカウンティをデパーチャーして SJC にコンタクトすると、右前方から黄色いシタブリアが飛んでくる。エアロックと NICE AIR の共同プロジェクトで「サニー横山と飛ぶ!アクロバット体験ツアー」というのをやっており、知人のK氏をそそのかして一緒に飛び入り参加したのだが、ちょうどK氏を乗せて帰ってきた所のようだ。本日のログタイム 1.3 時間…だけどまだ続きがあるのだ。
- 2004年 9月26日 13:00−
N24373 1.1h/129.3h 91th
サンノゼ出張ついでに久しぶりのフライト。日曜日の RHV は混んでいるのでクラスCの SJC へ行く。サンノゼは旅客機の使う 12/30 の二本(9700ft)とは別に小型機用の 11/29(4600ft)があり、RHV よりずっと空いているのだそうな。久々に飛ぶサンノゼはユタの田舎と違って見渡すかぎり住宅の海、お尻がむずむずする。右側の 30R で発着する 737 やら A320 を見ながらパターンを4回ほど回るが、29 からはその間に1機出て行ったきりで確かに空いている。常時 2〜3 機がパターンを回っている RHV とはえらい違いだ。本日のログタイム 1.1 時間。
- 2004年 8月29日 12:00−
N8244B 1.5h/143.7h 90th
今年の夏はドタバタと忙しく、やっと一息ついたらもう2ヶ月近くのブランク…しかもフライトバッグを開けてみたらヘッドセットとニーボードが見つからず、どうやら前回飛行時に事務所に置き忘れたらしく、メゲる。
しかし雲一つない快晴無風、視界は数十マイル先までくっきり見え、気温も爽やかな絶好の飛行日和。今日は趣向を変えて山向こうの Heber まで行く。パイパー N8244B は新しく入った機体で、エンジンが新品だそうで快調に上昇する。トランスポンダの調子が悪くデパーチャー時に「シグナルが入らない」と言われ引き返しそうになるが、寸前で「今シグナルが入った」と言われ再びコースに戻る。
山向うの平地で軽くマニューバーをかけ、Heber の手前で 10,000ft からサイドスリップ+スティックフォワードで一気に TPA の 6600ft まで落す。先行機が 13 を使っているので Left Downwind 13 に入るが、地上から「Touch-and-Go は 21 でやってくれ」と言われコースを変える。どうも 13 Crosswind の直下に民家の集合があるためらしい?
山稜がすぐそこに迫っているため、21 からのパターンはどうしても小さくなる。スロットルを絞り、フラップを出し、旋回しながら高度を落と…さなければならないのだが、どうしても高度が残ってしまう。教官からはしっかりスティックフォワードをかけて高度を落すこと、ラインナップ時に操縦桿ではなくラダーを積極的に使うようにとのアドバイス。3回パターンを回って SLC に戻る。SLC への着陸はまぁまぁの点か。
忘れ物のヘッドセットについては、「確かどこかに保管した筈なのだが、今担当がいない」とのことで、後日電話連絡で確認することになった。本日のログタイム 1.5 時間。
- 2004年 7月5日 12:00−
N8432H 1.9h/142.2h 89th
また一ヶ月のブランク。今日もまたマニューバーと Touch-and-Go を鍛えるため Tooele に行く。風が斜めから入って横風着陸には絶好の機会だが、これがぜんぜんうまく決まらない。ラダーではなくエルロンで直してしまうため、滑走路上に入るとスーッと風下に流されてしまう。パイパーの座席が低すぎ、フレアーをかけると滑走路が見えなくなってしまうのも原因か。座席の上下機構がある筈なのだが、上空で飛びながら調整できるものではなく、3回ほどパターンを回って引き上げる。I-80 トランジションで Tooele から SLC に戻りつつ、等速直線飛行の練習。実はパイパーに乗ってから 10 時間近くも経っているのに、いまだに高度速度がビシッと決まらずフワフワ波を打ってしまうのだ。高度計や昇降計の針を見ながら操縦桿・スロットルをチョコマカ動かすのが悪くて PIO を起こしているらしい。計器よりも景色を見て、機首と地平線のなす角度が一定になるようトリムを調整し、「沈むような気持ち」「浮くような気持ち」を抑えてパワー・操縦桿の操作を必要最低限に留めるように言われる。本日のログタイム 1.9 時間。
- 2004年 6月5日 1:00−
N4869H 1.8h/140.3h 88th
11:00からウォリアーを予約していたのだが、車の検査/登録で午前中が潰れ、午後はパイパーが空いていなかったので久々にセスナ 152 に乗る。またしても出発時に2クォートほどオイルが足りず、今度は予備オイルが見当たらず FBO まで取りに戻るので時間を食われてしまう…。
ナンバー 33 までタキシーアウトしてグラウンドコンタクトするが、SLC は気違いじみた忙しさで、10 分以上も待たされた挙句、Rwy35 までタキシーしてまた延々と待たされる。旅客機が出たり入ったりしているので無線も殺気立った混雑ぶりを示しており、ほとんど教官の Chris がハンドルする。今回も急かされるように 32 から離陸、上で旋回して I-80 へ。ATC に慣れようということで、上空で Chris と「ATC ごっこ」をやりながら Tooele を目指す。
Tooele Valley の東側で失速、急旋回、エンジンフェールのマニューバーを行う。やはり乗り慣れた C152 はしっくり来る。Tooele で Touch and Go を3回ほど。自分ではかなり綺麗な着陸だと思ったのだが、教官に言わせれば機首がフラフラしすぎ、速度も低すぎだそうな。サンノゼと違って標高が高いユタでは +5〜+10kts でアプローチしないと失速する危険があるのだが、どうもまだ慣れていないらしい。
再び I-80 を通って SLC に戻るが、またしても空港は混雑しており、旅客機の隙間を縫って急降下、ノーフラップ 100kts の「ホット」な状態で 32 に入り滑走路上で「ブリード・オフ」して速度を殺す。…もっとも、これは教官の操縦だったのだが。本日のログタイム 1.8 時間。
- 2004年 5月30日 11:00−
N8285Y 1.3h/138.5h 87th
また日本に帰っていてブランクが開いてしまった…。今回は同じパイパーでも、少し馬力に余裕のあるアーチャーに乗る。プリフライトでオイルが1クォートほど足りないことが判ったが、機体後部に予備オイルを積んでいたので補給して出発する。行き先は何時もの Tooele。
SLC は 34R/16L がクローズしており、旅客機が 35/17 を使っているので矢鱈に混雑している。散々待たされたあと、急かされるように 35 を横切って 32 から離陸。右に 270 度旋回し I-80 から Tooele を目指す。流石に馬力に余裕があると上昇力がよく、水平飛行に入れるとたちまち 100kts を超える。ただしエレベーターレスポンスの悪い癖はこの機体も同じらしく、高度がなかなか安定せず苦労させられる。
Tooele で失速とエンジンフェールをやったあとパターンに入る。ほとんど無風で、ショートランディングには難しい条件。乱気流で「ガブられ」て、気分も少し悪くなる。あまり出来の良くないタッチ&ゴーを3回やって SLC に戻る。本日のログタイム 1.3 時間。
- 2004年 5月2日 12:00−
N8432D 1.8h/137.2h 86th
微風、晴天、25000ft に薄雲。飛行日和の昼下がりである。今日はパイパーの練習を兼ねて谷間を飛んで山向うの HEBER 飛行場へ行くのだ。SLC から東に行くのは始めてなのでワクワクする。が、ガソリン補給車がなかなか来ずに出発が 20 分ほど遅れてしまった。大きい飛行場はこれだから嫌なんだよなぁ。
17 から離陸、Fwy15 を南下。Resume Naviagaion を貰って左旋回、Fwy80 が通るパーレイズ峡谷(Parleys Canyon)に入る。上昇姿勢を取り、Vy Climb の 75kts を維持しながら谷沿いを飛ぶ。右手は 10000ft 以上のピークが連なる山脈、左手は谷間のスキー場&別荘地帯。時々気流に煽られてガクンと突き上げられる。あまりに気流が強い場合は迷わず 180 度回頭して峡谷から抜け出せ、と教官の言葉。
山稜を3つほど超えると左手に Jordannel Reserver が見え、Provo Valley の平地が見えてきた。HEBER はほぼ中央にある。標高 5637ft、滑走路方位 03-21 で長さ 6900ft。普段使っている TOOELE の 6100ft より長いのだが、幅が狭いためか一回り小さく感じる。一回目の着陸はソフトに決まったが、二回目はバルーニングしたあとストールでドスンと落ちた。三回目は教官の操縦で見本を見せられる。
あと2〜3回タッチ&ゴーしてみたかったが、燃料車の遅れで時間が押しているのでトラフィックパターンを離れて 7500ft まで上昇、Provo Canyon を超えて南へ出ることにする。Deer Creek Reserver を超えるとV型の壁が立ちはだかっている…右は 11749ft でこの辺一帯の最高峰、左も 10908ft で飛行高度 8500ft より遥かに高い。反対側から飛行機が来たら衝突しかねないので、飛行機を左右に振って前方視界を取りながら谷を抜ける。
谷を抜けて 7500ft まで高度を落とし、Orem の町並みを下に見ながら飛ぶ。平地の午後は不規則なサーマル(上昇気流)があり、飛行機はユサユサ揺られてあまり気分が良くない。Point of mountain でアプローチコンタクト、スクォークを貰って Fwy15 上を 6000ft で飛ぶ。
…が、どうも高度が一定しない。5900ft〜6100ft の間をフラフラしている。教官に「操縦桿と取っ組まずにトリムを使え」と言われるが、どうもセスナと違ってピッチ反応が鈍い。つまりトリムを弄ると数秒経ってから姿勢が変化し、姿勢が変化して更に数秒してから高度に変化が出るという具合である。管制塔との交信はほとんど教官に任せ、ひたすら高度計・昇降計・速度計とニラメッコしながら Straight and Level を目指して飛ぶ。
着陸指示は滑走路 32。現在 SLC は 16L-34R が工事中なので、普段は GA 用に使っている 17-35 にも旅客機を降ろしており、「邪魔な」小型機はなるべく 14-32 に回しているらしい。フレアーをかけた後またバルーニングしそうになったので、ちょいとパワーを足して「吊り上げ」てから降ろす。本当はショートフィールドで降ろして手前の誘導路 Y から出たかったのだが、まぁこれでも及第点か。本日のログタイム 1.8 時間。
- 2004年 4月25日 10:00−
N8432D 1.9h/135.4h 85th
またもや長いブランクがあったので、ソロで飛ぶのが不安になっている。また何時までもセスナ 152 では芸がないと思い、今日はパイパー・ウォリアーをチェックアウトすることにした。前回までのインストラクター・ショーンは転職で居なくなってしまうので、今日はクリス・ブライアンに CFI を頼む。
まず簡単なグラウンドレクチャーと紙一枚両面のチェックアウトシート。パイパーはセスナで言えば 172 クラスで、152 の 1.5 倍の排気量とパワーを持つ一回り大型で低翼の飛行機だが、上昇速度や失速限界などの飛行緒元はあまり変わらない。ただし低翼で燃料タンクがエンジンより低い位置にあるため燃料ブーストポンプを持ち、飛行中に時々左右タンクの切り替えを行う点が異なっている。
グラウンドはサッサと済ませて飛行機へ向かう。ウォリアーのドアは右側一箇所しかなく、コクピットへの出入りはセスナより若干悪い。プリフライトチェックの手順もセスナとあまり違わないが、機首のカバーが左右でガバッと開きエンジン後部が丸見えになるのはセスナよりもアクセス性が良い。
エンジン始動、スクォークとクリアランスを貰って Rwy17 へタキシーアウト。SLC は現在 34R/16L が閉鎖されており、エアラインのカナディア CRJ や B-737 までが 17 を使うので少々混雑している。大型機のタービュランスを避けるため上昇後すぐに左に寄り、早めに左旋回してダウンウインドに入る。操縦の感覚は思ったほど違わないが、若干ラダーが敏感で、またトリムがシートの付け根あたりにあるので操作しにくい。操縦桿には電動トリムのスイッチが付いているが、どの位回したのか感覚的に掴みにくいので慣れが要りそうだ。
Fly over the numbers で Barn Transition へ。ソルトレイクの上は乱気流がなく、トリムを合わせると飛行機は滑るようにスムーズに飛ぶ。アンテロープ島の岸辺で左旋回、南下して Tooele を目指す。いつものように岸辺の手前でコール、飛行場上空を TPA + 500ft で超えて右旋回、45 からダウンウインドに入って着陸準備。パイパーのフラップは自動車の駐車ブレーキみたいなでっかいレバーで、これをガシャンと引っ張ると3段階に引っかかって止まるようになっている。これもセスナと違って慣れが必要なところだ。
アプローチラインの取り方はまぁまぁだった。低翼のパイパーは旋回中でも外がよく見えるのでありがたい。ただし低翼の特性上、フレアーをかけたあとフラフラ浮く傾向があるので、思わず操縦桿を押してしまう悪癖を指摘された。二回目はソフトフィールドの離着陸、離陸後フラップを下げるとき操縦桿が振れてしまいフラフラする。三度目はアボートして上昇、左旋回上昇して谷の西へ行きマニューバーを行う。
失速特性がセスナほど急激ではなく、うまくストールさせるのに苦労する。スティープターンは問題なし。ただしエマージェンシー手順はどうもスムーズに出てこない。
ソルトレイクに戻る途中、ほんの 500ft ほど下を緑と白の低翼機がスッと通り抜けてドキリとする。交信を聞いているとコマンダーという機体らしい、こちらより少し速く先に SLC にコンタクトしている。こちらも SLC にコンタクト、スクォークとクリアランスを貰って I-80 Transition に乗り、34 と 35 のナンバーを飛び越えて Red wood road で右旋回、ピラタス PC-9 に続いて No.2 で 35 に降りる。フレアーをかけたあとフラフラ浮く感覚を我慢して操縦桿を引き続け、うまくスピードを殺して降ろすことができた。
CFI の曰く、「これくらい出来ればチェックアウトしても良いくらいだが、フレアーが安定しないのとエマージェンシーに若干不安がある」とのこと。いずれにせよ、American Aviation では低翼で5時間飛ばないとソロで貸してくれないので、あと2,3回はお世話になることになる。次は東に行って山向うにある Heber に行ってみようとのこと。本日のログタイム 1.9 時間。
- 2003年 9月22日 11:00−
N4869H 1.9h/133.5h 84th
「調子が悪い」ということには3種類あると思う。(1) 絶好調だと思っているのに何をやっても上手くゆかない場合、(2) ダメダメっぽいのに意外と何事もスムーズにできる場合、(3) ダメダメっぽくて実際に何をやってもトラブルだらけの場合。今回のフライトは最初から最後まで (3) だった。
予約は11時からだったのだが、駐機場へ行ってみると燃料は半分以下のうえ機内にフュールサンプ(*1)もトウバー(*2)もないという有様。Million Air に燃料を要請したがなかなかトラックが回ってこず、トウバーとサンプも FBO に要求したのだがなかなか都合がつかず、30分以上も待ちぼうけを食ってしまった。NICE AIR ならこんなの5分で解決するのに…。
「69H」はあまり乗りなれない機体で、DME 付き VOR(*3) とか EHT/EGT 計(*4)が付いているなど見た目には豪華っぽい。しかし左の燃料計は振り切ってるし(叩くと正常指針を示す ^_^;)、EHT はピクリとも動かないし、まぁ大抵のレンタル C152 はそうなのだがあちこちガタが来ている。SLC No.2 空港への飛行でクリアランスを貰い、Rwy17 へタキシング。ランアップの合間に聞いていると他の機体は反対側の 35 を使っているようだ、風向きが変わったか?「Salt Lake Ground, Is active Runway 35? Cessna 69H」と尋ねると「Cessna 69H, contact tower 118.30, they will give you a clearance」だと。微風だからどっちから離陸しても大差はなく、その辺の調整は管制塔が付けてくれるということか。
35 側から着陸する2機を待ったあと Takeoff。右ラダー、上昇トリムともに一発で決まらず姿勢がフラフラする。5500ft 上昇経路で右旋回、Hwy15 沿いに南へ向かう。デパーチャー 120.90 に周波数切り替え指示、5 マイル向こうから 6500ft でパイパーが来ているとアナウンス。相手を右上に見てやり過ごす。SLC No.2 が真横に見えたあたりで右旋回、レーダーサービス中止と、VFR スクォーク(*5)への切り替え、周波数切り替え許可の指示が矢継ぎ早に来る。相手の言っている事はわかるのだが返答が即座に出ず「あー」とか「うー」が交信に混じる。情けない…。
SLC No.2 の上空を飛び越えて風向きを確かめ、35 でパターンを回ることにする。久しぶりのフライト、おまけに飛びなれていない空港なので距離感がわかりにくい。ベースで近く曲がりすぎて高度が残り、スピードを殺してフォワードスリップ気味に降りる。ガタン、ドスンとぶざまな着陸、すぐパワーを入れてタッチ&ゴー、アップウィンドからサーマル(*6)にガブられて急速に気分が悪くなる。次のタッチダウンでフルストップを宣言、スロットルを引いてブレーキをかけた途端猛烈な震動がきた。スピードが速すぎたかとブレーキを強くすると震動はますます酷くなり、計器板がブレて針が読めないほど。ノーズギヤを壊したかと思い慌ててタキシーウェイに出、手近な駐機場に引き入れてエンジンカット。飛行機を降りてノーズギヤを眺め回し、トウバーで押したり引いたりしても特に異常は認められない。アレは一体何だったのだろう?
FBO でトイレを済ませて再び 35 から離陸、飛行場南西にあるブリガム銅鉱山を少し見物したあと北へ向かい、ガーフィールド・スタックの煙突を見ながら Fwy80 に乗って Tooele を目指す。Tooele ではパラシュート降下をやっていると CTAF に聞こえてくる。スカイダイブの母機なのか、エプロンには見慣れない DC-3 が停まっている。えらい年代物を使っているものだ…。フレアーが安定せずバルーニングしてしまい、タッチ&ゴーはいまいち。ノーズギアの調子も気になり、1回だけで Tooele を後にする。ガーフィールドの手前で SLC にアプローチコールを試みるが、パイパーが二機ほどコンタクトしているので旋回しながら待つ。パイパーとアプローチの合間に American Air のもう一機、N25348 が自分の位置も高度も告げずに下手糞なコンタクトを試みているのが飛び込んでくる。下手糞は自分だけではないと思い少し安心。アプローチにつながるとすぐ Fwy80 トランジションを指示された。滑走路とオーバー・ザ・ナンバーで飛び越え Redwood Road で右ダウンウインドに入り 35 に降りる。
風は 270、久々の完全なクロスウィンド。操縦桿を風上側、ラダーを風下側に踏んで片輪から降ろし着陸…の筈が、頭と機体の動きが一致しない。機首があらぬ方向を向き、慌てて操縦桿で補正し、自分が何をやっているかわからなくなりかけてフレアーが迫る。失速警報のブザーが鳴り、何が何やらパニック寸前。こんな時はゴーアラウンドすべきなのだが、祈るような気持ちで滑走路に降ろす。ガクン、機首を風下側に向けた状態で思いっきり下手糞なクロスウィンドラインディング。スピードを落とすと例のノーズギアシミーが始まる。操縦桿を一杯に引き、少しパワーを加え前輪を浮かせ気味にして走るが震動は止まらない…。
ほうほうの呈でタキシーアウトしたが、疲れていたせいか慣れた筈の空港で曲がり角を間違えUターンする羽目になった。…最初から最後までトラブルだらけの酷いフライトでした。本日のログタイム 1.9 時間。
* 脚註
- フュールサンプ…燃料タンクの下側から差して燃料を採取、正しい燃料(100LL ブルーのガソリン)が入っていることを確認する小さなカップ。
- トウバー…ノーズギヤにひっかけて押したり引いたり、飛行機の地上操作に使う道具。
- DME 付き VOR…距離測定装置が付いた電波方位計。
- EHT/EGT 計…エンジンヘッド温度計、排気ガス温度計。
- VFR スクォーク…地上管制を受けていない機体がトランスポンダを 1200 にセットすること。
- サーマル…上昇気流による乱流。
- 2003年 8月24日 11:00−
N25348H 1.4h/131.6h 83th
2003 年、二度目のフライト…あははーっ(汗;)。免許取得から丸二年(24 calender month)が過ぎているので、フライトレビュー(Flight Review)という技能検定を受ける必要がある。CFI はチェックアウトの時と同じショーン(Shawn)。地上教習はウェイト&バランスの算出とチャートの読み方に関する応答だけ。いよいよ半年ぶりの飛行は自信がないので Tooele に行くつもりだったが「それじゃ練習にならない」という CFI の判断で Ogden に行くことになった。Ogden は管制塔のある Class-D 空港だし、すぐ手前に Hills 空軍基地があったりして少々空域がややこしいのである…。
久しぶりに二人で乗る C152 は狭い。エンジン始動、クリアランス・コンタクトしてタキシング開始。ラダーの使い方は身体が覚えていた。Rwy17 でランナップ、離陸直後に「I-15 に沿って北上せよ」と指示を受けるが、うっかり I-215 を間違えそうになった。
チェックポイントの Amusement Park で Resume Navigation、Hills AFB を避けて西へ飛びソルトレイク湖岸 7000ft でマニューバーを行う。パワー OFF ストールとスティープターン、止めにパワー ON ストール。あまり自信は無かったのだが、結構身体で覚えているものだ…。
SLC のコントローラーに周波数変更を告げ、VOR トラッキングしながら Ogden へ向かう。滑走路3本のうち2本が閉鎖されており、南北に伸びる 16-34 だけが空いているようだ。しかも滑走路東側ではパラシュートジャンプをやっているらしい。北から 16 のベースに入り、慌ただしくタッチ&ゴー。ファイナルで速度に気を取られすぎ、中心線から思いっきり左寄りに降りてしまった…。そのまま Hills を避けつつ I-15 沿いに南下、SLC のアプローチにコンタクトし 6000ft まで上昇。だいぶ自信を取り戻してきた所で管制塔へのコンタクト指示を聞き落として CFI にフォローされる。パターン高度 5500ft に落とし、Rwy17 にランディング。高めから持って行ったのだが、速度を RHV のつもりで合わせて高度を失い、タッチダウン手前でパワーを入れる羽目になる。4500+ の高度にくわえ、多少マシになってきたとはいえ夏の高温はセスナの性能を著しく下げてしまう…。
今度は滑走路の真ん中に降ろしてタキシーアウト。タキシーウェイ上でビジネスジェットとすれ違う手順で少々バタバタしたが大きな問題なし。ランプエリアに T-45 ゴスホーク練習機が停まっているのが見え、CFI に聞くと個人所有の機体だと言う。カッコいいなぁ…。
まぁ、半年以上もブランクが空いた割りには ATC もマニューバーも離着陸もそれなりにこなせ、結構自信を取り戻しました。本日のログタイム 1.4 時間。
- 2003年 1月19日 11:00−
N25348H 2.0h/130.2h 82th
2003 年の初フライト。また2ヶ月近くもブランクが開いたので ATC が心配だったが、ATC は意外に問題なし。南風なので Rwy17 から離陸することになり、長いタキシーウェイをゴロゴロ転がってゆく。無線では何やら緊急着陸する機体と、消防車とグラウンドの交信が入ってくる。16L に降りるらしいのでこちらには直接関係ないが…。ランアップチェック、管制塔にコンタクトを取り、Taxi into Rwy17 and hold を貰ったものの、その後の交信がない。例の緊急着陸に気を取られて、こっちを忘れているらしい?!交信の合間を見つけて「SLC Tower, Cessna 348, we're waiting for clearance at 17」を入れると「Sorry, I've forgot that. Cessna 348 clear to takeoff Rwy17」ときた。やれやれ…。
Rwy 17 から左旋回で Downwind に入り、Over the number 16L and 16R で Barn Transition に乗る。視界は良く、気流は落ち着いており、絶好の飛行日和。あんまり気持ちが良いもので、Departure から Aircraft Type を聞かれてることに気づかなかった(^_^;)…何だか飛行機が右に回っている気がする?計器は直進を示しているのに…。考えることしばし、左下に見える風景が流れているための錯覚だった(操縦席は左側だから、右下の風景は見えない)。
Resume Navigation で左に回り Tooele を目指す。今日は最初っからマニューバーをビシバシやり直すことにしていたのだ。East Side Slope(East Lamp とも言う)上空 7500ft でパワー ON/OFF ストール、スローフライト、スティープターンを繰り返す。やっぱりブランクが空くとストールリカバリがぎこちないなぁ…。スティープターンでバンクが深くなってちょっとGがかかり過ぎ、急速に気分が悪くなる。全身から一気に冷や汗が吹き出し、汗が目に入って操縦しにくい。コクピット換気を全開にして深呼吸しつつ、眼下の Tooele に着陸。フルストップで滑走路から離れそのままタキシーバック、ランウェイ・エンドのランナップエリアでエンジンアイドルのまま一分ほど休む。
気分が復活したので再び離陸、しばらくパターンを回ってタッチ&ゴーを繰り返す。またフレアーのかけかたを忘れてるよぉ…。海面高度に近いサンノゼと違って、海抜 4500 のユタではセスナ 172 みたいにゆっくり機首を起こさないと、失速に近い状態でドスンと落ちるのだ。
5回ほどパターンを回り、再び East Lamp でストールをやり直したあと SLC に戻る。珍しく Fwy80 Transition で南側からアプローチ。つい Fwy80(空港直前で南側に寄っている)をそのままフォローして右にずれるが、管制塔から「Cessna 348, Please fly direct over the numbers」と言われて修正する。Rwy17 にはセスナ・サイテーションが一機南からストレート・インでアプローチしており、その後に続く No.2 で着陸クリアランスを貰う。サイテーションはいわゆる「ヘビー」な飛行機ではないが、それなりに大きいので真後ろを飛ぶのはあまり気持ちよくない。相手がタッチダウンしたポイントを覚えておいて、その向こうに降りるよう高めのアプローチパスに持ってゆく。本日のログタイム 2.0 時間。
2002年の記録
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[6月以前のログ]
[2月以前のログ]
2001年の記録
[9月以前のログ]
[5月以前のログ]
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2000年の記録
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