サンノゼ/ソルトレイク飛行日誌
2002年12月以前の飛行日誌ログです。
- 2002年 11月28日 12:00−
N25348H 2.8h/128.2h 81th
サンクス・ギビング・デイ前の木曜日、今日から会社は休みに入っているのだ。少し長め(4時間)飛行機を借りて今日こそウェンドオーバーを目指す。しかしフライトプランを作るのに(ほとんど直線コースなのに)手間取り、飛行場でもまたしょーもないトラブルが2、3あり、出発は 13:05 までずれ込んでしまった。連休初日に飛ぶ人も少ないのか空はガラガラに空いている。風もほとんど無風で、6000ft あたりにヘイズがかかっている事を除けば絶好の飛行日和。SLC からウェンドオーバーまでは I-80 に沿って飛べば良いだけの単純コースで、I-80 の北・南は軍の実弾演習場で R 空域だからこれ以外に飛びようもない。SLC の管制を抜ければあとはテキトーに飛んでいればいずれ着くはずなのだが、練習も兼ねて一応フライトプランを追跡しながら飛んでみる。
コースの西半分は昔の湖底で、今は地平線まで真っ平らな塩の大地となっている。一部のエリアには水が入っており、まるで流氷原のような様相を呈しているところもある。やがて遠方に見えてくるウェンドオーバー空港はもともと第 509 混成爆撃航空団…広島に原爆を落とした B-29 の部隊である…の訓練用に作られた軍事基地であり、遠目には3〜4本の滑走路が交差しているように見えるが、現在は 30-12 と 26-08 の2本しか機能していない。という事を今更機上で確認している私…ダメじゃん(_ _;)。
ウェンドオーバーに CTAF をかけるが応答なし。聞いているのか?確か FBO があった筈なのだが、ド田舎のことだし既に祝日に入っているのかも知れない。高度 6500ft で飛行場上空に入って風向きを調べてみるが、何処にウィンドソックがあるのかもわからない。軍事施設の跡やら朽ちかけたハンガーがゴチャゴチャ累々と残っており、まるで廃虚のようにも見える。風はほとんど無風のようなので、駐機場に最も近い 30 に降りることにした。またしても下手糞なタッチダウン。ここの滑走路は元々過重装備の B-29 が使っていたので 8000ft(2.4Km) もあり、しかもタキシーウェイがない。滑走路を延々と転がり、26-08 の交差点を突っ切り、ようやく Clear of active した。
ウェンドオーバーの FBO はかつての軍事施設をリストアして使っており、いかめしい軍隊式の管制塔が建っているが、実際に機能している訳ではない。思ったとおり「サンクスギビングデーのため木曜日から休みます」と張り紙があり、しかも自動給油機もない。出発時に 26 ガロンを満タンにし、残量は約 3/4 だから SLC に帰るには全く問題ないのだが…。
せっかくだからウェンドオーバーの町まで出かけてみる。ここは町の真ん中にネヴァダ・ユタの境界線がある珍しいところで、法律も税金も両側で異なり、酒飲み放題でカジノもあるネヴァダ側と矢鱈につつましいユタ側で町の様子が全く異なる。困ったことに飛行場はユタ側にあり、ゴミの散らかった砂漠の道をトボトボ歩いてメインストリートまで出て、更に西側に数百メートル歩かないと何もないのだ。ガソリンスタンドでスナックと飲み物を買い、カジノをちょっと覗いたあとまた引き返す。飛行場近辺にはまるで人気がないが、何処かで大音量の音楽が鳴っていて狐にでも化かされた気分になってくる。
エンジンスタートしてタキシング開始。Rwy 12 で「Taking Active」コールをかけたら「ちょっと待った、今 30 上をタキシングしているとこだ」と無線が入ってびっくりする。あまりに人気がないのでトラフィックもカラッポだろうと思い込んでいたから、うっかりそのまま離陸したら滑走路上で正面衝突するとこだった(-_-;)。
ランウェイ・エンドですれ違って 15:15 に今度こそ離陸、高度 7500 で東へ向かう。帰りのフライトプランを取り出してみたが、慌てて作ったものだから方位も距離もいい加減で役に立たない(-_-;)。「陸軍式レール航法」でひたすら I-80 をフォローして飛ぶ。コース左手にはボネビル(Bonneville)のスピードコース、塩の大地に好き勝手にぶっ飛ばした車の轍が刻まれている。I-80 沿いに見えるのは「生命の樹」と称する巨大オブジェ、車が 120K/mh でビュンビュン通り過ぎるだけの所にこんなモンおっ建てる神経がよくわからん。
乗っている機体 N25348 は放っておくと左に傾く癖があり、チャートを読んだりカメラを弄ったりするとフラフラ揺れる。セスナ 152 にエルロン・トリムなんて贅沢な装備は無いんだよなぁ。無線周波数はウェンドオーバーのまま、50 マイルほど飛んだところで後ろから同コースを同高度で追いかけてくる機体のコールが入った。向こうはパイパーだからこっちより少し速いはずだ、スロットルを軽く押して 90Kt+ KIAS で飛ぶ。
Cevar Valley をくぐったところで Toole に周波数を変え、Tooele の北で 6500ft に高度を落としガーフィールドでコンタクト。余程空いているのか一発でクリアランスが出て、I-80 から左旋回で 35 に着陸(普通は 35 を通り過ぎたあと右旋回でダウンウィンドに入ってから降りる)。現地時間 16:30…本日のログタイム 2.8 時間。プラン作成と推測航法の技術再確認を痛感したフライトでした…。
- 2002年 11月16日 13:00−
N25348H 2.4h/125.4h 80th
…なんか月に一度しか飛んでいないような気がする今日この頃だが、SLC の空にも慣れてきたような気がするので、少し遠出してみる事にした。飛行機は 1300-1700 まで4時間借りたのだが、どうせ離陸前に小一時間ほど費やすので、西のウェンドオーバー(Wendover)に行くには少々心もとない。ウェンドオーバー行きは後日に諦めて、Tooele から南下して山の裏側を通り、Utah Lake のあたりから回り込んで SLC に戻る一周コースを飛ぶことにする。
まず Tooele で Touch And Go の腕慣らし。今日は風が南から吹いており、いつもとは逆に 17(以前は 16-34 だったが、どういう理由か 17-35 に変更された) のレフト・パターンを回ることになる。ユタは渡り鳥の季節で、何度か飛行機の前方を鳥の大群が横切ってヒヤリとさせられる。3回回ったあとストレート・アウトで南向きに出発。Tooele の南には米軍の兵器庫があり W や R の空域があるが、それは線路との位置関係で判断して避けて飛ぶことにする。いわゆる「陸軍のレール航法」だ。
Tooele Valley の奥に肩を寄せ合うように民家が並んだ小さな町があり、よく見ると滑走路の跡らしいものがある。チャートにも×マークで「廃棄された滑走路」が記されている。ユタは GA の人口が少ないから、飛行場を作っても運営を続けられる程の利用率にならなかったのかなぁ。
Tooele Valley を抜けると荒涼とした風景が広がっている。畑も民家も飛行場もなく、寒々とちた荒れ地に数本の道路と線路が伸びているだけ。左前方には例の兵器庫が見える。噂によれば、この兵器庫はAとかCとかヤバイ代物を保管しているそうだ。兵器庫上空は 7700ft MSL 以下が立ち入り禁止なので、思い切って高度を 9500 まで上げる。谷を囲む左右の山は 10000ft 級なので、丁度稜線に並んで飛ぶことになる。山の頂上は雪をかぶっており、だいたい 8000ft あたりが氷結限界のようだ。これから冬が深まるにつれ、これが下に降りてくるんだろうなぁ。眼下には動くものもなく、付近を飛んでいる飛行機も見えず、無線の交信も入らないが、トランスポンダのランプが点滅してレーダー照射を受けていることを伝えている。トランスポンダが作動するたびジャッ、ジャッというノイズがヘッドセットに紛れてくる。
兵器庫の南側を充分クリアしたところで東に変針、高度を 7500ft まで落とす。Provbo のトラフィックを聞くと離着陸でごった返している様子なので、Provo の南にある Spanish Fork へ行くことにする。丁度ユタ・ネヴァダのチャート境界になっている山の南側を飛んでいると、左前方 1000ft ほど下を横切る機体が見えた。慌てて左側(相手機の進行方向と反対側)に回避したが、後でよく考えてみたら Right of way に従って向こうが右側に回避すべきなんだよなぁ…こっちが左に曲がって、向こうが右に曲がったら正面衝突だもんなぁ。でも高翼のセスナは上方視界が悪いから、向こうはこちらを視認していなかったのかもしれない。
CTAF をかけて Spanish Fork にアプローチ。Rwy30 から離陸する飛行機があるそうなので、こちらもそのつもりでパターンに入るが、一体どういう理由なのか逆パターンを回って 12 に降りる奴がいる。確かにほとんど無風に近いけど、二機が Rwy30 を使うとアナウンスしているのに何を好き好んで逆パターン回るかなぁ?!危ないので一度トラフィックパターンを離れ、12 から Touch-And-Go で出ていったあとにもう一度ダウンウインドに入る。しかし Provo から追い出されたのか2機、3機と Spanish Fork のトラフィックも混んできたので、2回だけでパターンを抜けて I-15 上を北に向かう。相変わらず Provo のトラフィックは混んでおり、東に抜ける谷に出入りする機体の呼び交わす交信も入ってくる。SLC で GA が流行らないのは「空が狭い」からなんだよなぁ…。
Point of Mountain でコールをかけ、Squark を貰って SLC にアプローチ。さすがにこの手順でパニくることはなくなってきた(笑)。SLC の手前でクリアランスを貰い、Rwy35 にストレートインで着陸。本日のログタイム 2.4 時間。
- 2002年 10月6日 15:00−
N25348H 2.0h/123.0h 79th
また一ヶ月も空いてしまった。あまりにブランクが長いので、とりあえず Touch and Go を鍛えるべく Tooele に行く。最初の着陸…ドスン。二度目の着陸…ドスン。ベースに入るタイミングも、ファイナルでの速度と降下率も安定せず、タッチダウン直前はゴム紐で引っ張ってるみたいに機首がびょんびょん揺れる。うぅ、恥ずかしい…。
低空で振り回しすぎて気分が悪くなってきたので、一度 Full Stop / Taxi Out して FBO を探す。…人気がない。FBO は何処じゃあぁぁぁっ!!ユタのエアポート・ガイドは米国運輸局(Department Of Transportation)発行のものを使っているのだが、これはお役所らしい無愛想さに溢れた仕様で、飛行場の見取り図も必要最小限のことしか書いていない。仕方なく飛行機をタイイングしてウロウロしているとトイレらしき建物を見つけたが、入り口がロックされている。そして隣に簡易式の移動トイレがポツネンと置いてある。…これで用を足せと言うのか(-_-;)。まぁ、立ち○○せずに済んだだけでもマシであろう。
この手の移動トイレでは手を洗うことができない。なんだか空港の端に妙な移動プールみたいな物があるので、手を洗えるかと近寄ってみたら青ミドロの茂るドロンと濁った水で、余計に不潔そうだ。「飲むべからず」と看板が立っているが、誰がこんな水飲むもんか。しかし一体この水桶は何だろうと考えることしばし、思い付いたのは森林消火隊のヘリコプターが使う消火用水のゴンドラらしい。
3時間ほど粘ってずっと Touch And Go を続けようと思っていたが、8回でギブアップして SLC に戻った。本日のログタイム 2 時間。
- 2002年 8月25日 15:00−
N25348H 1.2h/121.0h 78th
何だかんだで一ヶ月以上空いてしまった。今日は初めてクラスBからソロで飛ぶのである。まるでファーストソロの時みたいに緊張している。行き先は Provo の更に南にある Spanish Fork という空港だが、着陸する価値があるかどうかわからない。飛行機のレンタルが2時間、しかも事務所が5時に閉まってしまうので時間オーバーできない。行って帰るだけになるかもな。
とりあえずプリフライトチェック、燃料はほぼ満タン、ではいざ出発とエンジンを…エンジンを…エンジンがかからない。25348 号は前からエンジンスタートが渋る機体で、いつも教官にスタートしてもらっていたのだが、自分でやるのは初めてだ。スターターをかけスロットルを前後に動かしてもバスン、ブスンと2、3回発火しては止まってしまう。6回目か7回目でようやく始動。これ、もし空中でエンストしたら再始動不能じゃん。ヤな飛行機だな…とりあえず 1000rpm を切らないように回そう…。
クリアランスを貰って 35 から離陸、右クロスウィンドから I-15 南向き 5500ft に乗る。ここまでは上出来。と、デパーチャーから何か言ってきた。Resume Navigation 何とか言っているが聞き取れない。二回繰り返して貰って、Request Altitude というのが聞き取れた。げ、高度なんて考えてなかったよ。東が奇数で西が偶数だろ、南向きはどっちだ?あぁ、Panic Set In。とりあえず 5500ft をリクエスト。よく考えたらこれって殆ど 1000 AGL じゃん、低すぎるよな…一応 SLC あたりは -14 度ほど東に磁方位がズレており、真方位の南は東向きに入るので奇数高度は正しいには違いないのだが。
State Prison のあたりでレーダーサービスを抜け、XPDR を 1200 にセットし 7500 まで上昇することにする。もう夏の盛りは過ぎたが、相変わらず O-235 エンジンは薄い空気にあえぎ、クルーズ・クライムではほとんど上昇しない。左手の山脈は飛行機の高度より高く、Provo River の流れる谷間がV字に切れ込んでいるのが見える。あそこを通れば Heber に行けるのだろうが、スターウォーズのデススター攻撃みたいな飛行(古い)はやりたくないなぁ。ユタ・レイク湖畔に突き出した Provo のX字の滑走路が遠目にも見える。Spanish Fork が何処にあるのか見えない。この時点で 15:45PM、Touch and Go して帰る時間も無さそうだな…。
Provo の南まで行ったところで時間切れ。I-15 上空で 180 度反転し帰路に付く。Point of Mountain でアプローチコール、I-15 6000ft で北上、35 に着陸。前回に覚えた、セスナ 172 なみにゆっくり引き起こすフレアーでタッチダウンの衝撃は少なかったが、ラダーが乱れて少々首を振ってしまった。
ATC の理解率は 60% くらいか。自信喪失しそうになるが、「あくまで主人公はパイロット、コントローラは使用人」「わからない時は何度でも聞き返す」という鉄則を忘れるべからず。本日のログタイム 1.2 時間。
- 2002年 7月21日 10:00−
N4869H 1.5h/120.0h 77th
ここ数回のフライトでどうも着陸が納得できないので、今日は Tooele に行って徹底的にタッチ&ゴーを鍛えることにする。今日の飛行機はいつもと違うが、同じ 152 でも排気温度計や ILS が付いてちょっと高級だ。燃料が半分弱だったので、念のため満タンにして出る。17 から離陸しダウンウィンドに入り、ナンバー 17 - 16 を飛び越して Barn Transition に乗る。まだ気温がそれほど高くないので飛行機の調子も良く、気流も殆ど無く滑るように飛ぶ。こんな日は「飛行機に乗って良かったなぁ」とつくづく思う。Antelope Island に達する前に「Resume navigation」が出たので機首を翻して Tooele Valley に向かう。ただし、まだクラスB管制下なので XPDR コードは変えない。眼下には塩の大地と湿地帯と入り組んだ水路が独特の地形を見せている。やがて管制塔から Rader service terminate のコールが入り、XPDR コード 1200 に設定して Tooele を目指す。
Tooele は SLC からほど近い Class-E 空港として Touch and Go 訓練などに多用されているようだが、ここにはスカイダイビングクラブがあり、毎週末には滑走路東側でドロップをやっているので要注意とのこと。Left-pattern で 34 に降りるため、ソルトレイク沿岸を西に飛んで迂回し 45 度に入る。一回目の着陸は例によってドスン、しかも奥まで流されすぎたのでタキシーバックする事にする。滑走路脇のハンガーで何やらパーティーみたいなのをやっていたが、それがスカイダイビングクラブだったらしい。もう一機がパターンを回っているが機種名は聞き取れない。男性の CFI と女性の生徒が乗っているようだ。二度目は思い切って速度を保ったままアプローチ、パワーアイドルにして滑走路に乗ったあとすぐフレアーをかけず、しばらく水平を維持したまま速度低下に合わせてじわじわ引き起こす作戦で着地してみた。…なるほど。こうすれば良いのか。
念のためあと2回タッチ&ゴーを繰り返す。多少風に取られて左右にぶれるが、フレアーのタイミングは掴んだ感じ。思い通りに飛行機が動くようになると、やはり嬉しい。4回目のタッチ&ゴーからそのまま離陸、ソルトレイク沿岸で 6000ft に高度を上げガーフィールド・スタックでアプローチコンタクト。アプローチが忙しいのか Clear コールを貰えないが、どうせ Barn Transition だろうという CFI の判断でクラスBのすぐ外側を北に向かう。さっき Tooele で一緒に回っていた機体がすぐ後ろにいるようだ。追いかけられているような気がして、スロットル高めにして Barn Transition を飛ぶ。管制塔から「大型の鳥に注意せよ」とのアドバイザリーが入る。モモイロペリカンがソルトレイクに来ているらしい。
滑走路ナンバー 16R-16L を飛び越えたところで「Clear to land 17」のコール。すぐ「Clear to land 17, 69H」とリードバックしたのだが、聞こえなかったのか「Cessna 69H?」と聞いてきた。少々ドタバタする。ラジオでジタバタすると飛行機の操縦が疎かになり、ずるずると高度が落ちるのを CFI が修正する。2、3度のすれ違いのあとやっとクリアランス、左旋回で小さく回って練習通りの接地を決める。ふぅ。
今日は気候も良かったしトラフィックも空いていた事もあるが、自分でも 80 点くらいの満足できる飛行だった。さて、それじゃ次回はソロで飛んでみるか…?本日のログタイム 1.5 時間。
- 2002年 7月14日 13:00−
N25348 1.2h/118.5h 76th
先日のフライトでだいぶ自信も付いたのだが、おさらいを兼ねて北のオグデン(OGDEN)まで飛んでみることにする。35 から離陸、ストレートアウト。今日は記録的猛暑で空気が薄く、飛行機がなかなか上昇しない。空域はかなり混雑しており、おまけに管制官が物凄い早口だ。他機との交信は3割くらいしか聞き取れない。SLC-OGD は直線距離で 30 マイルそこそこなのだが、間に Hills 空軍基地がでーんと横たわっており、クリアランスのない限り上空を突っ切ることはできない。チェックポイントの LAGOON AMUSMENT PARK で西に曲がり、ソルトレイク沿岸に沿いつつ北上する。目の前 500ft くらい下に一機いるのが気になる。
そろそろ OGD の ATIS を聞いてアプローチしなければならないのだが、SLC のデパーチャーから VFR Clear が出ない。と思ったら「Cessna 348, contact Ogden tower 118.7, information Golf wind 170 at 5 altimeter 2992」ときた。急なのでメモを取る暇もなく、すぐ Ogden tower にコンタクト。Ogden には 3-21, 16-34, 7-25 三本の滑走路があるが、Right Pattern で 16 に降りるよう指示される。ただし Downwind で 25 の前を突っ切るとき、離陸する T-6 に気を付けろとのこと。T-6 とはむろんテキサンの事であるが、やる事が多くて眺めている暇などない。
とりあえず一度目の着陸…ナンバー上で機首を引いて、地平線に合わせてフレアーをかけるとスイスイ流されかなり奥に降着。飛行機の上昇率が悪いのでフルストップしようとしたが CFI が「Go, go!」と言うので離陸。アタフタしている私に代って交信の一部を彼が担当していたのだが、Touch-and-go のクリアランスしか貰っていなかったらしい。右パターンを回ってもう一度 16 に降りようとしたが、Downwind を回り終わったところで「Cessna 348, make left 2-70 and back on base」と来た。一機先行するのが居るらしく、右 90 度の代わりに左 270 度旋回でベースに入って時間を稼げ、ということ。言われた通りぐるり 270 度左旋回してベースに入る。二度目のタッチダウンもドスンと落ちる冴えないもの。CFI いわく「フレアーが高すぎる」そうだが、サンノゼとはどうも勝手が違う。
かなり疲れてきたので、そのまま離陸し SLC へ向かう。そう言えば SLC からは遂に VFR Clearance が出ずじまいで、ずっと離陸時に貰った XPDR コードで飛んでいた。来たときとは違って Hills AFB にコンタクトし基地のすぐ横を通り抜ける。一応基地内には入らないよう I-15 に沿って南下するのだが、I-15 も決して真っ直ぐではなく油断すると基地に入ってしまいそうになる。相変わらず殺気立っている交信の合間を縫ってアプローチコンタクト、I-15 に沿って南へ飛べと言われる。このままでは飛行場を通り過ぎてしまう、そう思った時に「Cessna 348, clear to land 16」と来た。16 って何だ?普段使っている 35-17 と南側で交差する、斜めに走る短い着陸専用滑走路である。ほとんど距離がない、いきなりフラップ2段降ろしサイドスリップ気味にして高度を殺す。速度が 80kts 近い、パワーアイドル・機首引きをやったら高すぎるところでフレアー姿勢に入ってしまった。少しパワーを入れて降ろしたので滑走路の奥に着いてしまう。着地するとほぼ同時に「Cessna 348, exit taxiway November」と来る。Nって何処だ?もう通り過ぎてしまったぞ?CFI が素早くマイクを取り、滑走路上 180 度ターンのクリアを取り付ける。やれやれ…今日はトラブルと交信ミス続きで先日付いた自信なんか吹っ飛んじまいました。本日のログタイム 1.2 時間。
- 今日覚えた言葉その1「Intention」
- 管制塔から「What's your intention」などと聞かれる。つまりは「What's your request?」と聞いているのと同じなのだが、Request は要望側が使う言葉なので、受け手が聞く場合は「Intention」として混同を避けているらしい。
- 今日覚えた言葉その2「No Factor」
- 管制塔からのトラフィック・アドバーザリーで「The traffic is behind you and no factor」などと言ってくる。「気にする必要はない」という程度の意味か。
- 2002年 7月8日 19:00−
N25348 1.5h/117.3h 75th
珍しく平日の夕刻フライト、今日上手くゆけばチェックアウト完了。今まで行ったことのない Provo へ行くことにする。35 から離陸、チェックポイントを視認しつつ I-15 上空を南へ向かう。ソルトレイク市の南端に東から断崖が突き出したところがあり、チェックポイント Point of the Mountain と呼ばれている。ここで管制離脱、周波数を切り替え Provo を目指す。Provo には 13-31 と 18-36 の二本の滑走路があるが、CTAF では数機が両方に降りたり上がったり中々賑やかだ。聞けば Provo はソルトレイク周辺で飛行教習生が離着陸訓練に好んで使う空港とのこと。げげ。知らなかった。
Airport Advisory から Left Pattern 31 に降りることを決意、Utah Lake を越えて Left 45 に入る。18-36 の Left Downwind を丁度横切ることになるので見張りが大変だ。一回目の着陸ではランウェイエンドとタッチパッドを見間違い、手前に降ろし過ぎそうになって慌ててパワーで引っ張ったので速度が 50kts あたりまで落ちてしまい、フレアーも早すぎてかなりの高さからドスンと落ちた。二回目はまぁまぁ。
時間が遅いので、タッチ&ゴーを2回で切り上げて 31 からストレートに出る。Point of the Mountain 上空に鳥みたいなのが沢山居ると思ったらパラグライダーだ、AGL 2000ft くらいまで昇っている。危ないから西に迂回して飛ぶが、あまりに西にずれると Class B の底が 6000ft に迫っており Violate してしまう。とりあえず I-15 の東側なら 9000ft まで大丈夫なので、ここから ATIS を聞いてアプローチコンタクト。Follow I-15 と指示されたが、うっかり I-15 の東側を飛び続けてしまった。
左手にはジェット旅客機が何機も行列を作って降りてゆく。西日が眩しくて空港が見えにくい。South Interchange のあたりでアプローチからタワーに回され、「Salt Lake Tower, Cessna 25348 at 6000ft」とコンタクトするが返事がない。北から入ってくる Twin Cessna やら西から入ってくる Citation の相手ばかりしている。忘れられたのか?CFI に「Should we call again?」と聞くと首を横に振った。Squawk Code がレーダーで見えている以上、そのうち指示があるはずだ。ある筈だと思いつつもうダウンタウンの上ぐらいまで来てしまい、やっと 「Cessna 348, Turn left to enter the base to land 35」と来た。
と言っても滑走路は何処だ?夕日でよく見えない。すぐに続けて「Cessna 348 Clear to land 35, fly toward the number, beyond number landing approved」と指示。気が付けば滑走路は目の前で、まだ高度が 1500AGL ほど残っている。慌ててフラップを出しサイドスリップをかけるが、速度計が White Arc(フラップ操作許可速度)を越えていることに気が付かなかった(^_^;)。慌てて操縦桿を引っ張り過ぎてまたもや速度殺しすぎ、高めからドンと落ちる着陸になった。すぐに「Cessna 348, exit Kilo-4 quickly, behind traffic」と来た。急ブレーキをかけつつ K4 から誘導路に出、ホールドラインを越えてやれやれとグラウンドに周波数を切り替えたら忙しくてなかなか割り込めない。後から着陸したでかいターボプロップが K4 に入ってきて、こちらは前に出ざるを得なくなる。交信の隙間を見つけて割り込んだら誰かと重なってしまったが、管制塔から呼び返してくれたので何とかグラウンド・コンタクト。ターボプロップに急かされるようにタキシングして駐機場へ帰る。やれやれ。
「今日の交信は良かったが、着陸が遅すぎ・フレアが高すぎた。今までそんな事なかったのに、どうしたんだい」と CFI の評。それで気が付いたのだが、今日は前方視界確保のため座席の高さを上げていたのだ。カウリングの見えかたが変わったのでアプローチ姿勢が狂ってしまったらしい。慣れない事はやるもんじゃないな。
まぁ、クラス B の ATC にもだいぶ自信がついた。要は相手が言うであろう言葉のパターンを自分で理解していれば、単語を1つ2つ聞き落としてもパニくらないってことかな。多分ソロは大丈夫でしょう、次に来たらチェックアウトの書類手続きをしましょうとの由。本日のログタイム 1.5 時間。
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