零戦物語

好敵手1 PART-6
今回は零戦の好敵手 米海軍編です。

 対ブルースターF2Aバッファロー
緒戦のころ、アメリカ及びイギリス両軍によって基地戦闘機として使用され、
F4Fよりも古くかつ性能が劣り、零戦にはよい餌食であった模様。

 対グラマンF4Fワイルドキャット
艦上機らしい性格という点では零戦と似ており、本機のほうが馬力が少し大きく
急降下速度が同程度という以外、いかなる高度でもあらゆる性能で零戦が優って
いた。同性格の戦闘機であることから、緒戦のころ格闘戦がよく行なわれ、零戦
の特徴が100%発揮された相手だった。
しかしながらガダルカナル争奪戦では、アメリカの設営力、補給力と絶対多数の本機の
働きが、アメリカ側に勝利をもたらした中核的戦力だといえよう。

 対チャンスヴォートF4Uコルセア 
単発戦闘機で零戦の好敵手として初見参したのが、海軍のF4U戦闘機でだった。
本機は高速を狙ったため着艦性能と視界が悪く、母艦上では使用できなかったが
主反攻は陸上基地を使用できるガダルカナル島から始まったので、日本軍が撤退した
昭和18年2月からソロモン戦線に投入された。
本機は最初の2000馬力級エンジンを装備し、零戦よりも相当優速で特に急降下速度が
大きく、数が少ない間は零戦で何とかなったが数が増し、戦法が研究されてから
はその特有の性能がものをいい、うるさい相手となった。

 対グラマンF6Fヘルキャット
F4Uと同じく零戦の二倍にあまる馬力の「ダブル・ワスプ」を装備し、低翼面荷重を
玉条とした設計方針によって、主翼は31平方メートルという大面積となり、大面積は重量
増加を呼び起こすという循環の結果、自重は4180キロ(烈風の約25%増し)、総重量は
5800キロに達する大型戦闘機となった。
しかし馬力荷重、翼面馬力が零戦より有利で、急降下速度、火力、防弾で零戦に
優り、航続力、旋回性能で劣っていた。特に垂直面内の空戦では零戦について
ゆけず、零戦が得意とするひねり上げるような旋回を行なった場合、四分の一周
も追従できなかった。零戦に追尾されたら急降下によって離脱するしか方法が
なかった。
上昇力は高度3000メートルまでは零戦が優り、5000メートル以上では本機が優っていた。
まともに零戦と戦ってよい勝負をしたのは、アメリカ機中本機だけであった。


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