ホ3(試製20粍固定機関砲) 2002.07.10
直線上に配置
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1.概要
ホチキスの高射機関砲をほぼそのまま航空機に搭載した旋回機関砲のホ1を固定式に改造した機関砲、この砲は暫定的なものであり、屠龍に盛んに装備されつつあった昭和17年後半には既に後継の20ミリ機関砲「ホ5」の量産が決定していた。 しかしホ5の不調による量産の遅れにより屠龍の胴体内の固定砲として終戦まで使用されていた。 ホ3は試製20粍固定機関砲2型と呼ばれていたとする資料もある。  
1)昭和16年に225門の製造訓令に対し171門竣工
2)キ45およびキ45改甲型及び丙型の胴体下方(プロペラ圏外)に搭載

2.使用状況
キ45およびキ45改(屠龍)甲型及び丙型の胴体下方(プロペラ圏外)に搭載、
屠龍以外に装備された形跡は無い。
3.その他  弾薬
平時訓練用
1)榴弾代用弾弾薬筒 全備弾量127.4 全備弾薬筒重量296.0
2)曳光榴弾代用弾弾薬筒 全備弾量130.0 全備弾薬筒重量300.0
戦用弾薬
1)榴弾弾薬筒 全備弾量127.4 全備弾薬筒重量296.0 弾丸長83.85
2)曳光榴弾弾薬筒 全備弾量130.0 全備弾薬筒重量300 弾丸長89
3)曳光徹甲弾弾薬筒 全備弾量160.0 全備弾薬筒重量332.0
4)マ201
弾薬は97式自動砲、ホ1、ホ3用と98式高射機関砲とは同一とする意見と、97式自動砲、ホ1、ホ3用と98式高射機関砲の弾薬には互換性が無いとする意見(木村益雄氏)があったが、長年の調査結果遂に互換性は無い事が判った。

疑問点
1)ホ1の初速は820m/s、ホ3は800m/sと違うが、理由不明である。
2)世界の傑作機「屠龍」の24頁に掲載されている98式高射機関砲改造砲と名づけられた砲は実はホ3である。
3)同上23頁の97式自動砲と解説されている砲も、機関砲の砲口制退機の形状がホ3の取説と一致し、装備する機体も機関砲取付部のハッチがヒンジタイプの開閉型で有ることから、キ45では無くキ45改(屠龍)と推定され、この事から搭載機関砲は初期に搭載された97式自動砲では無く、ホ3の後期型と推定される。

4.参考文献
1)榴弾弾薬筒      陸軍航空兵器仕様図(航空弾薬)二十粍旋回固定機関砲弾薬榴弾弾薬筒 昭和16               年8月7日改正 
2)曳光榴弾弾薬筒 
3)曳光徹甲弾弾薬筒
4)陸軍制式兵器図 98式高射機関砲 砲車砲身 昭和16年7月21日制定

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