マウザー20mm機関砲
直線上に配置
直線上に配置
2002.3.10 Renewal
1.概要
航空本部の駒村調査団がドイツを訪問した際購入が決定し、機関砲800門、弾薬40万発とともにドイツ潜水艦によってもたらされ、洋上で日本潜水艦に積み替えられて日本に到着した。入手した機関銃は、3式戦飛燕の機首に左右各1門の計2門搭載された。弾薬の関係から比較的速く消耗し、国産のホ5が完成すると順次飛燕に搭載されたので、搭載期間は非常に短い。 装備位置は陸軍現用試作機一覧表/航空本部/20.2.25によれば、3001号機から3401号機までの飛燕1型丙の翼内にマウザーX2,胴体にホ103X2となっており、現存する写真からも立証されているが、胴体にマウザー砲を搭載していたとする文献があとを絶たない。
弾薬は舶着の弾薬を用いたとされている。なかでも榴弾は薄肉であり、模倣による国産化を図ったが成功しなかったとの話がある
前後の事情
陸軍航空技術沿革史 厚生省復員局の中で陸航本技術部部員の片桐彌之吉は「昭和18年後半期に於て、
二十粍級機関砲の研究参考とし、且つ一部実用に供し度下心の下に独国「マウザー」式二十粍機関砲を購入した。相当大量に注文したが実際に入手したのは約200門と弾薬若干であった。重量初速共に「ホ三」と略々同一であるが発射速度は稍々「ホ5」に劣るものの、弾丸の威力は優れていた。手入せる現品は翼砲なりしため、三式戦闘機翼下に装備し、「ニュウギニア」戦線に於て一部実用に供したが大なる効果ありしを聞かず。
唯、弾薬の一種に薄肉榴弾と称し、弾肉薄く収容炸薬量を大ならしめ、其の榴弾的効果を大ならしめたる外、自爆信管と称し、敵機に命中せざる場合は一定時間後(約3秒)空中に於いて自爆する如く設計せらたるものである。陸軍航空に於いては之を模倣し、「ホ5」用及「ホ103」用薄肉榴弾を試作せるも、材料不良及び技術低位なるため、種々の困難に遭遇したが兎に角制式弾の一部として制定、多量整備に移行せんとしたのであるが、目的を果たさざるに終戦となったのである。此の外「ホ5」用の威力向上を策し前記空気信管に対し遅発装置を付し確実に翼内に貫入せる後、弾丸が炸裂如く企画せる弾薬を考案し、試作の上一部試験を実施せる外、TNT剤充填弾の研究「マ202」威力向上に関する研究等半ば着手したるのみにて終わりたるもの等ありたるも航空審査部も前述の続出する故障対策にのみ追われ、充分なる研究の遑なき状態にて終わってしまった次第である。」と語っている。

2.使用状況
3.その他
4.参考文献

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陸軍が使用した
マウザー二十粍機関砲