1.概要
陸軍は20ミリ機関砲として、ホチキス系の98式高射機関砲をほぼそのまま航空機に搭載した旋回機関砲はホ1が有ったが、大きいのはまだしも、発射速度が400発毎分と低すぎ、中央工業にてブローニング12.7ミリ機銃のデッドコピーのホ103を20ミリに拡大してホ5が開発された。
ホ5はそのままで旋回機関砲としても使用でき、四式重爆の飛龍の胴体後部上方機銃としても用いられた。
1)昭和15年後期より立川の航技研にて開発に着手
2)ホ103の量産に移行したばかりとの事情から、試作には造兵廠を使用せず、民間の中央工業株式会社研究所にて試作。 量産は小倉造兵廠、名古屋造兵廠傘下の沼津兵器製作所及び日立兵器製作所にて分担。
3)ホ103の量産を逐次減少させ、ホ5の量産開始する決定は昭和17年末。
4)昭和19年3月三式戦闘機胴体砲、四式戦闘機翼砲、四式重爆後上砲に搭載、実戦参加、以降殆どの試作戦闘機の主武装となった。
5)量産を急いだため量産図面を確定させずに、各造兵廠や民間工場の実状に併せて生産させたため、各製造元毎に異なった故障や不具合が続発し、収拾困難な混乱を生じた。
6)大戦末期には弾薬の不具合による腔発等も続発し、稼働率が低かった。
2.使用状況
- 3.その他
- 1)2式榴弾弾薬筒 弾頭に100式小瞬発信管を装着した榴弾
- 2)2式曳光榴弾弾薬筒 約1000メートルの曳光機能を付加した榴弾で、2式榴弾弾薬筒と同じく弾頭に100式小瞬発信管を装着している。
- 3)2式曳光徹甲弾弾薬筒 侵徹威力は射距離100メートルで20ミリの優良防弾鋼販貫通する。弾丸体は銃身鋼第3種が用いられている。
- 4)マ202 ホ103のマ102と同一機能を有する。いわゆる空気信管付の榴弾である。
- 5)平時訓練用弾薬 教育訓練及び機能点検用弾薬としては、2式榴弾代用弾薬筒と2式曳光榴弾代用弾薬筒があった。
- 4.参考文献
- ホ5の実物が航空自衛隊入間基地修武台記念館に所蔵されている。
- またスミソニアン博物館にも1挺有るようだ。
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| 「BUN氏提供」
| 航空自衛隊入間基地修武台記念館所蔵のホ5
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