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タッカー XP-57 小型軽量戦闘機

 タッカーとは聞き慣れないメーカーです。原語では Tucker Aviation Company of Detroit ということなので、自動車メーカーのタッカーが飛行機にも手を出していたのかも知れません。さて XP-57 はタッカー社が 1940 年 5 月に軍に提案した小型軽量安価な戦闘機で、液冷直列8気筒のミラー(Miller)L-510 エンジン(720hp) を搭載し機体は木金混合でした。一風変わっていたのはベル P-39 エアラコブラのようにコクピット後方にエンジンを埋め込み、延長軸で機首のプロペラを駆動する点です。
 こういった自家用機に毛の生えたような、いわゆる「ミゼット・ファイター」はヨーロッパで流行ったことがあるのでそれに影響されたのか、それとものちの ベル XP-77 のように戦略資材を使わない点が評価されたのか、とくかく軍は興味を示して試作機を発注しました。しかしろくに設計図も揃わないうち 1941 年 2 月にタッカー社は資金難に行き詰まり XP-57 の開発はストップ、この頃には軍もミゼットファイターに興味を失っていたので資金援助もなく、XP-57 は幻と消えてゆきました。
(文・ささき)


緒元(XP-57 予定性能)
製作--
生産数0
乗員1
全幅28ft 5in(8.67m)
全長26ft 7in(8.10m)
全高8ft(2.44m)
主翼面積120ft2(11.1m2)
乾燥重量1920LBs(871Kg)
全備重量3000LBs(1361Kg)
武装12.7mm 機銃×3(ペラ軸+機首上×2)
または
20mm 機銃+12.7mm 機銃(ペラ軸?+機首)
発動機ミラー L-510-1 液冷8気筒 720hp
最高速度308mph(496Km/h) 海面高度
実用上昇限度26000ft(7925m)
航続距離960ml(1545Km)


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