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水上偵察機紫雲は傑作機か駄作機か 備後ピート 13/3/23(土) 19:43

失敗作。それだけのこと。 ささき 13/3/25(月) 16:53
┗ 当たる飛行機、当たらない飛行機 備後ピート 13/3/31(日) 22:35
┗ Re:当たる飛行機、当たらない飛行機 ささき 13/4/1(月) 7:17
┗ 紫雲と強風 青江 13/4/20(土) 0:37
┣ 同じことだと思いますが ささき 13/4/20(土) 21:12
┗ Re:紫雲と強風 13/4/21(日) 5:13
┗ Re:紫雲と強風 青江 13/4/23(火) 23:06
┗ 紫雲と強風は別もの、十四試リ号と十七試カ号も別もの 13/4/24(水) 5:47

失敗作。それだけのこと。
 ささき  - 13/3/25(月) 16:53 -
  
> 日本海軍の高速水上偵察機紫雲は1.二重反転プロペラ、層流翼、落下式単フロートなどの新機軸を盛り込んで作られた野心作で、惜しくも戦局の推移により少数機の生産に終わったものの機体そのものは実戦配備された実績を持つまごうことなき傑作機2.高速と言っても500キロにとどかないので敵機を振り切ることもできず、落下式フロートも一度も試されたことないし、単フロートのため胴体下に25番吊るすこともできず、何より試作機、増加試作機、量産機含めてもせいぜい15、6機しか生産されなかった期待外れの駄作機、という両極端の説があるようです。識者の皆様のご意見とできれば理由もお伺いしたいと思います。どっちでもないよ凡作機というのでも理由を添えていただければ結構です。

「両極端の説」なんてあるんですか?「戦闘機より速い水偵」…少なくとも敵制空権を突破できる強行偵察機を目指して開発され、しかし実現できた性能は強行偵察には使えないものでしたから、当初の開発目的に対しては明らかな失敗作でしょう。
製造された機体が限定的に実戦運用されたことも、取り立てて本機の価値を「傑作機」に持ち上げるようなものでもないでしょう。せっかく作ったのだから使ってみた、水偵としては速かったけど実用性は低かった。当たり前の結果が出ているだけだと思います。
傑作、駄作、凡作という言葉の定義も曖昧ですが、大雑把には

傑作…飛び抜けた高性能を発揮した、あるいは実戦で大活躍した
凡作…取り立てて欠点もないが見るべき性能もなく、大した活躍もしなかった
駄作…他国の同程度機に対し欠陥的に劣り、事故や戦闘で大被害を出した

というような定義になるでしょうか?そうすると紫雲はどれにも当てはまらないと思いますが、いかがでしょうか。
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当たる飛行機、当たらない飛行機
 備後ピート  - 13/3/31(日) 22:35 -
  
> 傑作、駄作、凡作という言葉の定義も曖昧ですが、大雑把には
>
> 傑作…飛び抜けた高性能を発揮した、あるいは実戦で大活躍した
> 凡作…取り立てて欠点もないが見るべき性能もなく、大した活躍もしなかった
> 駄作…他国の同程度機に対し欠陥的に劣り、事故や戦闘で大被害を出した
>
> というような定義になるでしょうか?そうすると紫雲はどれにも当てはまらないと思いますが、いかがでしょうか。

うう、本の題名から素直に持ってきた持ってきただけなんですが、カテゴライズするというのはなかなか難しいものですね。
ところで別の件で世傑No.141Me210/410を見ていたところその51ページに疋田遼太郎氏の言として「学校を出て海軍に入ったころ、先輩たちが『アノ飛行機は当たった』『アレは当たらなかった』と話しているのを聞いて、ヒコーキは、当たったり、当たらなかったりするのかと思った。…」という記載があるのですが、これに従えば紫雲は当時の海軍では「当たらなかった飛行機」ということなりますでしょうか。

ただ飛行機ににも運の強いのがいて、太平洋ではダメダメでもフィンランドで大奮戦F2Aバッファローとか、米英では低評価でもレンドリース先のロシアで大活躍ささき様大好きP39エアラコブラとか一概に言えないものもあります。

私個人としては紫雲はあの当時二重反転プロペラを実用化して実戦参加したというだけで、傑作機としたいところですが…。この記載にあたり各種の日本海軍の「偵察機」「水上機」についての解説本を見ましたが、機種一覧のなかに紫雲の名がないものや、記載自体が全くないものがままあります。ただコンセプトとかメカニズムには妙にそそられるものがありますね。どっかで1/48でプラモ出しませんかね。
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Re:当たる飛行機、当たらない飛行機
 ささき  - 13/4/1(月) 7:17 -
  
> > 傑作、駄作、凡作という言葉の定義も曖昧ですが、大雑把には
> >
> > 傑作…飛び抜けた高性能を発揮した、あるいは実戦で大活躍した
> > 凡作…取り立てて欠点もないが見るべき性能もなく、大した活躍もしなかった
> > 駄作…他国の同程度機に対し欠陥的に劣り、事故や戦闘で大被害を出した
> >
> > というような定義になるでしょうか?そうすると紫雲はどれにも当てはまらないと思いますが、いかがでしょうか。
>
> うう、本の題名から素直に持ってきた持ってきただけなんですが、カテゴライズするというのはなかなか難しいものですね。

「傑作」の大安売りもどうかと思いますが、「駄作」という表現には貶しのニュアンスがあるので、私は濫用をためらいます。笑って済ませるネタならそれでも良い場合もあると思いますが。

> ところで別の件で世傑No.141Me210/410を見ていたところその51ページに疋田遼太郎氏の言として「学校を出て海軍に入ったころ、先輩たちが『アノ飛行機は当たった』『アレは当たらなかった』と話しているのを聞いて、ヒコーキは、当たったり、当たらなかったりするのかと思った。…」という記載があるのですが、これに従えば紫雲は当時の海軍では「当たらなかった飛行機」ということなりますでしょうか。

製品が商業的に成功するか否かは企画や設計が適切であることはもちろんですが、「運」というファクターもあると思います。構想段階では正鵠を得た企画だったのに、開発が済んでいざ販売に漕ぎ付けた頃には状況が変わって売れなくなる場合もありますし、特定顧客からの非常に特殊な要求を受けて既存品を無理やり改造して作ったような「でっちあげ」製品が、いざ発売してみると意外な客筋に好評でヒット商品になることもあります。
技術動向予測も含めて行うのが企画であり、顧客さえも意識していない需要を拾い出すのがマーケティングだ、それを運だとか当たり外れというのは甘えであり言い逃れだと言われればそれまでですが…。

> ただ飛行機ににも運の強いのがいて、太平洋ではダメダメでもフィンランドで大奮戦F2Aバッファローとか、米英では低評価でもレンドリース先のロシアで大活躍ささき様大好きP39エアラコブラとか一概に言えないものもあります。

「その製品(兵器)が実現しようとしたこと」「実際に実現された性能」「現場(戦場)において評価された性能」は必ずしも一致しないと思います。
P-39 については散々語ってきたので F2A に関して言えば、米海軍が求めたものは複葉艦戦に代わる低翼単葉・全金属製・引き込み脚の近代的艦戦であり、F2A はこの目的には合致した飛行機でした(だから XF3F を差し置いて採用されたのでしょう。性能的には確かにパッとしませんが、1939 年の段階で世界にどれだけの単葉艦戦があったでしょう?)
しかし 1930 年代の技術進歩はめまぐるしく、太平洋戦争が始まった頃には旧式化しており、欧州の戦訓を受けた「改良」であるはずの武装・防弾強化による重量増加も災いして 0.5 世代ほど新しい零戦・隼には太刀打ちできない機体になってしまいました。F4F がやったように二段過給エンジンにパワーアップしサッチウィーブ戦法である程度対抗できた可能性が無いわけでもありませんが、本機は主脚強度が弱いとか縦安定性が悪いとかの根本的設計に遡る問題を抱えており(そういう意味では凡作〜駄作に近い機体かも知れません)、艦載機としてより素性の良い F4F に取って代わられたのはやむなしという気がします。

フィンランドの冬戦争で本機が活躍できたのは改良前の軽量な B-239 だったこと、対戦相手のソ連機がまだ I-153, I-16 など若干古い世代の機体が主力を占めていたことが幸いしたのでしょう。B-239 の防弾装備が弱いことが大きな問題点となっていないのも、この時期のソ連機の主武装が 7.62mm 機銃だったことに助けられていると思います。

> 私個人としては紫雲はあの当時二重反転プロペラを実用化して実戦参加したというだけで、傑作機としたいところですが…。この記載にあたり各種の日本海軍の「偵察機」「水上機」についての解説本を見ましたが、機種一覧のなかに紫雲の名がないものや、記載自体が全くないものがままあります。ただコンセプトとかメカニズムには妙にそそられるものがありますね。どっかで1/48でプラモ出しませんかね。

メカニズムがユニークだとか、兎にも角にも実戦参加記録があるというだけで「傑作機」の称号を与えていたら、傑作機の大安売りになってしまいませんか?まぁ傑作だの駄作だの評論するのは個人の感性なので、正しいとか間違っているとか言っても始まらないですが…。
私としては「敵制空権下で活動できない水上艦載機の限界を、技術的革新で突破しようとした意欲作。当初の目的は果たせず企画としては失敗だったが、二重反転プロペラや引き込み式翼端フロート・緊急投棄式主フロートなど世界的にも類例の少ない機構を備えたユニークな機体だった」というような評論が妥当なところではないか、と感じます。
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紫雲と強風
 青江  - 13/4/20(土) 0:37 -
  
同じメーカーの製品ですが、両方とも時を得ないでそのままであれば、同じような評価になったのではないでしょうか?

方や紫電改のベースになったことで評価されてますけど、もし、紫雲が、早い時期に火星で戦闘機として、または、エンジンをハ42あたりの2300PSなどで改造されて投入されていたなら、如何評価されていたでしょう?
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同じことだと思いますが
 ささき  - 13/4/20(土) 21:12 -
  
> 同じメーカーの製品ですが、両方とも時を得ないでそのままであれば、同じような評価になったのではないでしょうか?
>
> 方や紫電改のベースになったことで評価されてますけど、もし、紫雲が、早い時期に火星で戦闘機として、または、エンジンをハ42あたりの2300PSなどで改造されて投入されていたなら、如何評価されていたでしょう?

そもそも「同世代の想定敵機とせめて劣らない程度、あわよくば卓越した性能を得る水上機」という開発目的を両機とも果たせていません。
強風の初飛行は 42 年ですから、同世代の米軍機といえば P-47 や F6F です。仮に「時期を得て」投入されたとしても、強風がこれらの機体に対し善戦できたとは私には考えられませんし、2000 馬力エンジンに換装すれば陸上機・艦載機に対し優位に立てるほどの性能向上が見込めたとも考えられません。
もし強風が 1941 年頃に実用化され F4F やハリケーン相手に戦っていれば、史実の二式水戦と同等ないしそれ以上の評価を得ていたかもしれませんが、そんなナンセンスを想定したところで虚しいだけだと思います。
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Re:紫雲と強風
   - 13/4/21(日) 5:13 -
  
> 方や紫電改のベースになったことで評価されてますけど、もし、紫雲が、早い時期に火星で戦闘機として、または、エンジンをハ42あたりの2300PSなどで改造されて投入されていたなら、如何評価されていたでしょう?


強風が紫電改になったことと並べて書かれていますから、「戦闘機」とありますがひょっとして紫雲を陸上機とした場合のことかとあえて曲解してみました。

紫雲は翼幅14.00m、翼面積30.00u。
これは紫雲登場よりも一年も前からすでに飛んでいる二式艦偵の翼幅11.5m、翼面積23.6uと比べて、あまりに低速機然としていないでしょうか。
もっとずっと遅く登場してくる彩雲と比べてみても同様です。
一方で強風−紫電改の主翼は翼幅11.99m、翼面積23.5uであって、二式艦偵−彗星と同じ範疇であることがわかります。
翼幅・翼面積だけで見る限り紫雲はむしろ、あの低速で苦しんだ烈風とほぼ共通しているわけです。

ならば主翼を交換したら、と発想してしまえば、それはもう別の飛行機になってしまいます。

こうしたことからわかるのは、紫雲の基礎設計は、何が何でも高速を得たいという目的の割りには、あまりにもとんがり過ぎていなかった、ということなのだと思います。
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Re:紫雲と強風
 青江  - 13/4/23(火) 23:06 -
  
> > 方や紫電改のベースになったことで評価されてますけど、もし、紫雲が、早い時期に火星で戦闘機として、または、エンジンをハ42あたりの2300PSなどで改造されて投入されていたなら、如何評価されていたでしょう?
>
>
> 強風が紫電改になったことと並べて書かれていますから、「戦闘機」とありますがひょっとして紫雲を陸上機とした場合のことかとあえて曲解してみました。


それも含めて言ってました。


> 紫雲は翼幅14.00m、翼面積30.00u。
> これは紫雲登場よりも一年も前からすでに飛んでいる二式艦偵の翼幅11.5m、翼面積23.6uと比べて、あまりに低速機然としていないでしょうか。
> もっとずっと遅く登場してくる彩雲と比べてみても同様です。
> 一方で強風−紫電改の主翼は翼幅11.99m、翼面積23.5uであって、二式艦偵−彗星と同じ範疇であることがわかります。
> 翼幅・翼面積だけで見る限り紫雲はむしろ、あの低速で苦しんだ烈風とほぼ共通しているわけです。
>
> ならば主翼を交換したら、と発想してしまえば、それはもう別の飛行機になってしまいます。
>
> こうしたことからわかるのは、紫雲の基礎設計は、何が何でも高速を得たいという目的の割りには、あまりにもとんがり過ぎていなかった、ということなのだと思います。

エンジンが高出力であれば問題無い話でしょう。
ハ42という2300PSのエンジンは、早いうちに出来ているのですから、熟成がすんでませんけど、誉やハ43など無い時点でもう出来ている。

そして早い時期であるならば、十分火星でもその時点で最低限必要な性能は出た可能性はある。
ある時点で投入できる必要な性能と数が、問題で、大きさは陸上気でも水上機でも(特に陸上気では)そう問題ではないはずです。
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紫雲と強風は別もの、十四試リ号と十七試カ号も別...
   - 13/4/24(水) 5:47 -
  
> エンジンが高出力であれば問題無い話でしょう。
> ハ42という2300PSのエンジンは、早いうちに出来ているのですから、熟成がすんでませんけど、誉やハ43など無い時点でもう出来ている。

ハ42を夢のエンジン的に引き合いに出される方にはこの手の間違いが多いのですが、2300馬力は十七試カ号MK10のことで、これは終戦時まだ試作実験中で完成していません。
十四試リ号MK6A/四式1900馬力はこれとは別のものです。


> そして早い時期であるならば、十分火星でもその時点で最低限必要な性能は出た可能性はある。
> ある時点で投入できる必要な性能と数が、問題で、大きさは陸上気でも水上機でも(特に陸上気では)そう問題ではないはずです。

主翼の大きさはすなわち抗力の大きさですから、大きければ速度面で不利です。
この点において、同じメーカーの開発でありつつ、紫雲と強風はまったく異なった方針に基づいて設計されています。強風に出来得ることが、紫雲には出来ないのです。

そして、こうした点では、高翼面荷重で一定の高速を引き出せる二式艦偵がすでに存在し、紫雲の試作1号機がようやく海軍に領収された17年後期には生産に移され始めています。
後発でありながら低翼面荷重で低速の紫雲には、機材数を整えるという点でさえも出る幕はないのです。
そもそも紫雲はマル4計画艦である大淀への搭載用である割りには、開発が遅く、実質的にマル5計画用の機材である十四試となってしまっています。出遅れすぎているのです。
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