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作戦要務令
第四部
湿地及び密林地帯に於ける行動
第2章 密林地帯に於ける行動
第3節 作業の実施
第2款 進路の開設
第60
進路設定隊の部署は状況、特に使用器材の種類に依り異なるも、通常之を経始隊、開設隊、要すれば整備隊に区分し、開設隊を更に所要の区隊に分つ。其の編組の例、附表第二
其の一
、
其の二
の如し
第61
経始隊は通常誘導隊に準じて編成し、誘導隊に続いて勉めて前方に先行し、之と密に連絡し、其の標示する進路を基準とし進路開設の目的に応ずる如く路線を選定、経始するものとす。此の際、過度に誘導隊の進路を墨守することなく、地形と林相とを考慮し、多少迂路となるも作業及び爾後の通過容易なる如く路線を選定す。之が為、先ず誘導隊の概定せる進路上の要点又は之に至る間の著明なる目標を確認し、之を連綴するを通常とす。路線の選定に方りては上空に対する顧慮を失することなきを要す
第62
経始隊長は、進路上の地形、林相等に就き、絶えず報告、通報すると共に、大なる作業を必要とする場所に遭遇したるときは速やかに其の状況ならびに進路開設に関する意見を報告、通報し、以って機を失せず必要なる処置を構ぜしむること緊要なり
第63
密林地帯内に開設せる進路は、其の路面通常柔軟粗鬆にして樹根、岩石等の為硬軟一様ならず。路面崩壊し車馬の行進を阻害し易きを以って、勉めて路幅、傾斜、及び曲半径に余裕を存せしむるを要す
状況に依り、軽易なる進路2條を開設し行軍長径の延長を緩和するを有利とすることあり
第64
進路設定隊長は勉めて前方に位置し、絶えず進路上の地形に注意し、困難なる地形、林相に於いては機を失せず先行して自ら偵察し、速やかに路線を決定するものとす
第65
開設隊は経始せられたる路線に従い進路を開設するものとす。而して、数箇の開設隊を設けたる場合に於いて、各開設隊を逐次前方に推進し作業せしむべきや、或は各開設隊をして其の担任の区間に進出して作業せしむべきやは状況に依る
第66
特殊の作業を必要とする地障に於ける設備は、地障隊を以って之に任ぜしむるものとす
地障隊編組の例、
附表第三
の如し
第67
地障隊は通常進路設定隊の後方より前進するも、状況に依り其の前方を前進し、常に進路設定隊と緊密なる連絡を保持し、且つ斥候を派遣して進路上の地形を偵察せしめ、機を失せず作業の計画、準備に着手すること緊要なり
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