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作戦要務令
第三部
第1篇 輸送
第1章 鉄道
第2節 戦場に於ける鉄道の利用
第40
戦場に於ける鉄道の利用に方りては、高級指揮官は良く其の状態を明らかにし、速やかに軍事鉄道機関又は鉄道隊等に行動の憑拠を与え、特に準備の余裕を得しむるを要す
状況急を要し準備の余裕少なき場合に於いては、高級指揮官は速やかに輸送の時期、区間、数量等の概要を軍事鉄道機関又は鉄道隊に通報し、機を失せず輸送の準備に着手せしめ、逐次之を補正すると共に、軍隊に対しては乗車すべき地点及び時刻を指示して其の集結を図り、到着する軍隊を逐次乗車せしむる如く処置するを要す
戦場に於ける鉄道の利用に方りては規定積載量を超過せしむることあり
第41
敵地の鉄道を利用するは極めて有利なり。之が為、兵力を以って神速に占領し、或は其の後方を遮断し、以って鉄道施設及び資材の破壊、散逸を防止し、従業員の逃避を予防すると共に、機を失せず之が修理及び運転の準備を為すこと緊要なり
第42
戦闘を予期する輸送に在りては、通常警戒隊列車と本隊列車とに区分して集団運行を行うものとす。而して、捜索、警戒、連絡等の為には装甲軌道車、装甲列車、単行機関車等を利用す
前項の場合其の他危険地域に於ける輸送に方りては、列車内に鉄道修理に要する若干の人員及び材料を準備す。状況に依り、修理列車及び工作列車を運行することあり
第43
追撃、退却に際し鉄道を利用し得ば大なる価値を発揮するものとす。而して、追撃に方りては勉めて敵に運行妨害の余裕を与えざる如くし、退却に方りては機を失せず之を遮断すること緊要なり
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