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歩兵操典
第七篇 連隊教練
第一章 戦闘
第652
連隊は、軍旗を奉じ有ゆる難局を克服して其の特色を発揮し戦勝の獲得に邁進するものとす
連隊は他の援助をを胸算することなく、自力を以って戦闘を終始す
第653
連隊を展開するには、連隊長は成るべく大隊長等を集め状況及び自己の企図を示し任務を与う。此の際、協同すべき戦車、砲兵等の指揮官をも会同せしめ得ば有利なり
第654
連隊長は攻撃に在りては通常各大隊に連隊の攻撃目標を示し、第一線大隊に其の攻撃目標及び戦闘地域を示す
大隊の攻撃目標を示すには、通常攻撃すべき敵若しくは敵の第一線と、爾後攻撃して進出すべき地線若しくは攻撃前進すべき方向とを示す
第655
連隊長は展開に方り、第一線の兵力を努めて節約するを要す
状況に依り、予備隊たる大隊の重火器、時として第一線大隊の所要の対戦車火器を直轄使用し、或は一時他の大隊に転属す
第656
連隊砲は、敵の重火器、特に大隊砲の威力の及ばざる目標、時として砲兵の火制困難なる地区の近き目標、其の他必要なる目標を射撃し、第一線大隊、特に重点方面に於ける大隊の攻撃に協同せしむ。之が為、通常連隊長直轄使用し、状況に依り第一線大隊に配属す
連隊砲に任務を与うるには、協同すべき部隊又は射撃区域(目標)を以ってし、且つ要すれば陣地の概要、行動の準拠、使用弾薬の概数等、所要の事項を示す
第657
連隊に速射砲を有するときは、連隊長は通常之を第一線大隊に配属す。状況に依り連隊長直轄使用することあり
第658
作業隊は、障碍物の破壊、陣地内の掃蕩、主要なる瓦斯勤務等の為、通常第一線大隊に配属す
第659
通信隊は、通常戦闘の全経過に亙り連隊長と所要の部下指揮官、要すれば関係ある戦車、砲兵、隣接部隊の指揮官等との連絡の為用う。状況に依り、一部を所要の部下指揮官に配属することあり
第660
連隊本部諸機関に関しては大隊に示せる所に準ず
第661
戦車を配属せられたるときは、連隊長は戦車に其の攻撃目標等所要の事項、若しくは協同すべき部隊を示し、第一線歩兵の戦闘に直接協同せしむ。戦車を第一線大隊に配属する場合に於いては、勉めて中隊の分割を避く
連隊長は戦車を大隊に配属する場合に於いても、為し得れば使用の時機及び地点を示して統合戦闘力の発揮に遺憾なからしむ
第662
砲兵を配属せられたるときは、連隊砲及び砲兵には状況及び砲の特性に応じ射撃区域(目標)を示して任務の分界を明かにし、或は達成すべき目的を示して弾丸先の協調を為さしむ
第663
制毒部隊を配属せられたるときは通常之を直轄使用す。状況に依り、一部の歩兵をして制毒部隊の作業を援助せしむることあり
第664
近接戦闘の為、連隊に特種の資材を交付せられたるときは、連隊長は適宜之を大隊に配当して固有装備を増強し、又は一部の固有装備に代え、要すれば特種の部隊を編成し、近接戦闘の威力を遺憾なく発揮せしむ
第665
連隊長は戦闘の進捗に伴い第一線に近く進出し、各大隊の戦闘を指導して所期の突撃を実行せしめ、要すれば自ら有する火力等を以って突撃を誘起し、又は戦機を看破して突撃を命ず
連隊長は予備隊を以って機を失せず第一線大隊の獲得せる戦果を拡張す
第666
連隊長は防御に在りては抵抗地帯の前縁、第一線大隊の戦闘地域、要すれば其の占領区域を示し、側防の関係を律し、且つ拠点相互の間隙に対する処置を講ず。而して、戦闘地域は通常抵抗地帯の後端付近より警戒陣地の付近に亙り画定す
連隊砲は通常連隊長直轄使用し、時として第一線大隊に配属す。状況に依り予備隊の重火器をして第一線大隊に協同せしむることあり
作業隊は重要なる作業、主要なる瓦斯勤務等に任ぜしむ
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