歩兵操典

第五篇 大隊教練
第四章 弾薬及び資材の補充、大隊弾薬班及び行李の行動
  1. 第565
    大隊長は、緊要の方面と時機とに於いて弾薬、資材の補充に遺憾なきを期すると共に、常に之が節用に留意するを要す
    大隊長は通常戦闘開始に先だち、弾薬班をして所要の弾薬、資材を中隊に交付し、且つ大隊弾薬班に行動の準拠を与え、勉めて大隊に跟随せしむ
    大隊長は、大隊弾薬班、連隊弾薬班、要すれば弾薬交付所の位置を所要の指揮官に通報し、弾薬、資材の補充を円滑ならしむ
  2. 第566
    戦闘間、中隊の弾薬、資材は、通常大隊長の命令に依り、大隊弾薬班に就き補充す。状況に依り大隊弾薬班の一部を分進せしめ、或は予備隊の人員を利用して前送せしむることあり。歩兵砲弾薬に於いて特に然り
    大隊長は戦闘間弾薬、資材の現況を適時連隊長に報告し、要すれば補充を請求す。而して、之が補充は、大隊弾薬班をして通常連隊弾薬班、状況に依り弾薬交付所に就き之を行わしむ
  3. 第567
    地形、特に道路の状態に依り大隊弾薬班の跟随を許さざるときは、大隊長は中隊の弾薬小隊を直轄使用し、又は大隊弾薬班をして別路(自己の戦闘地域外なるときは連隊長の命令に依る)を前進し、所要に応じ馬背を利用して補充せしめ、或は此等を併用する等、各種の手段を講ず。何れの場合に於いても衛生材料其の他緊要の資材は常に大隊に跟随せしむ
  4. 第568
    戦闘間、大隊弾薬班は地形を利用し、隊形を選び、勉めて遮蔽し、為し得る限り第一線に近く跟随す。之が為、大隊長との連絡を確保して前線の状況を明かにし、爾後の前進を考慮して進路を偵察し、要すれば補修する等諸準備を整え、又、常に上空及び四周を警戒し自衛の処置を講ず
  5. 第569
    戦闘に方り大隊行李の一部跟随しあるときは、大隊長は通常大隊弾薬班長の区処を受けしむ。此の際、行李の行動は大隊弾薬班に準ず