二、五番は轅桿を脱し砲の左後ろに置き、五番は前砲架の中間に入りて之を支え、横材被を脱して前砲架右箭材に縛り、二番、後砲架を結合せば架尾を下ろす
一番は表尺被を脱して六番に渡し、転輪止革を解き、砲身を砲架に略々平行にし、照準機、表尺托架を点検し、解脱管の爪を後ろに倒し両手似て表尺を装し爪を徐ろに旧に復し、次いで左手にて眼鏡装着バネを圧し、右手にて眼鏡を装し、照準具を点検し、諸分画を定位にし、照準坐を起こす
三番は砲尾被を脱して六番に渡し、砲腔、砲尾機関等を点検し、発射坐を起こす。六番は後砲架を二番の位置に搬送し、砲口被及び洗桿を脱し、砲腔、軸駐楔等を点検し、表尺被及び砲尾被と共に七番に渡す。七番は照準具箱を一番の許に運び、先ず表尺、次いで眼鏡を渡し、旧に復し、砲尾被及び表尺被を負い、洗桿及び砲口被を持つ。八乃至十一番(脱駕に在りては八番以下)は弾薬を点検す
一番は砲身に俯角を取らしめ、方向を正すと共に照準機を点検し、二番は提桿を脱して砲の左に置き、脚を約80糎開く。一番は砲の左に、三番は右に位置し軸臂止板を開き、二番は脚頭架に近く両脚を持ち、五番は砲の前より両手にて揺架を持ち「宜シ」と唱えて砲を上げ、一、三番は一斉に軸臂を270度廻わし止板を閉ず。一番は砲身を略々水平にし、二番は砲尾被を脱し帯革に縛着す。三番は砲口被及び洗桿を脱して五番に渡し、砲腔、砲尾機関等を点検し閉脚止を引き、二番は脚を閉ず。五番は照準具箱を一番の許に運び、先ず表尺、次いで眼鏡を渡す。一番は照準具托架を点検し、左手にて握把を引き、右手にて表尺の眼鏡室の下を右より持ち照準具托架に装し、次いで連隊砲に準じ眼鏡を装し、照準具を点検し、諸分画を定位にし、砲尾を提げ緊定桿を緊む。六乃至九番は弾薬を点検す
高射界射撃の場合に於いては、「射撃用意曲射」の号令にて、砲手は前項に準じ操作す。但し、軸臂の旋回は90度とし、一番は眼鏡の装着後、右手にて眼鏡室の下を握り、左手にて表尺の解脱子を左下方に倒し、眼鏡托架を前方に廻わし表尺を定位にす
射向修正量を号令せらるるや、五番は其の量に応じ三番と協同して架尾を左右し、一番と協同して砲を固定す
(砲を固定するには、五番は駐鋤の中央を地上に標示し、一番と協同して砲を前に移し、駐鋤溝を掘開し、駐鋤を正しく駐鋤溝に嵌む)
四番は所命の射向修正量を回転盤に、高低修正量を高低水準器の分画板に、射距離を表尺に装し、其の結果を分隊長に報告す
砲の固定終れば、一、三番は位置に就き、三番は拉縄を解きて発火装置にし、一番と協同して装填す
(装填するには、三番は左手に拉縄を持ちたる侭、右手にて閉鎖機を開き、一番は弾薬を取出し安全栓を抜き、弾薬次いで砲腔を点検し、要すれば拭浄し、左手にて弾薬の重心位置を支え右手にて弾薬筒後端を握り、弾薬を砲身托架の後端まで挿入し、次いで右手を薬莢底部に致して砲身軸の方向に押し込み、薬莢起縁部を砲身後端面に接着せしむ。三番は閉鎖機の槓桿を稍々前方に押す如く軽く握り、槓桿少しく後方に回転せんとするとき閉鎖機を閉じ、一番は三番の閉鎖を始むると同時に右手を退く)
装填終れば、三番は四番の動作に注意す。四番は高低照準を為し、標定点に対し射向附与に準じ方向照準を行い、照準終れば右手を方向転輪に、左手を高低転輪に致したる侭、頭を眼鏡の外側に離すと同時に「宜シ」と唱う。分隊長は「準備終リ」と報告す
射向修正量を号令せらるるや、二、三番は其の量に応じ脚を左右し、砲を固定す
(砲を固定するには、二(三)番は左(右)脚駐鋤の中央及び両端を地上に標示し、協同して砲を前に移し、駐鋤溝を掘開し、駐鋤を正しく駐鋤溝に嵌む)
分隊長は偏流版に依り、射距離に応ずる偏流の修正を命ず(曲射に在りては砲の固定前に之を命ず)
四番は所命の射向修正量を回転盤に、高低修正量を高低水準器の分画板に、射距離を表尺に装し、其の結果を分隊長に報告す
砲の固定終れば、四番は標定点に対し脚を左右せしめて概略の照準を為し、三番は四番の照準に協同したる後、右脚上に腰を下ろし、左手にて発火装置にし、装填す
(装填するには右手にて閉鎖機を開き、砲腔を点検し、要すれば拭浄し、弾薬を取出し安全栓を抜きて点検し、右手にて弾体を握り、左手指を薬莢底面に添え、弾薬を砲身軸の方向に押し込み、薬莢起縁部を薬室底面に圧着し弾底を支え、右手にて閉鎖機を閉ずると同時に左手を上方に退く)
装填終れば、三番は高低照準を行うと共に傾斜水準器の気泡を中央に導く。四番は転輪に依り方向照準を行い、照準終れば右手を方向転輪に致したる侭、頭を眼鏡の外側に離すと同時に「宜シ」と唱う。三番は緊定桿を緊め左手に拉縄を持ち、分隊長は直ちに「準備終リ」と報告す