歩兵操典

第四篇 歩兵砲教練
第一章 密集
第一節 隊形
  1. 第350
    分隊の隊形、及び分隊長以下の定位、第十乃至第十三図の如し
    第十図
    連隊砲
    車輪、車軸、小架は輪馬に、前砲架、後砲架、轅桿1は大架馬に、揺架、轅桿1、担棍1は揺架馬に、砲身托架、担棍1は托架馬に、砲身は砲身馬に、防楯(轅桿共)、器具箱、携帯箱、照準具箱、曳綱、担綱、弾薬箱1、諸被は防楯馬に、他の弾薬箱は弾薬馬に駄載す
    大隊砲
    砲架、担棍、携帯箱、轅桿は砲架馬に、砲身、提桿、車輪は砲身馬に、揺架、照準具箱、属品箱、防楯、標桿、曳綱は揺架馬に、弾薬箱は弾薬馬に駄載す
    速射砲
    砲架は砲架馬に、揺架、車輪は揺架馬に、脚、防楯、属品箱、諸被は脚馬に、砲身、轅桿、予備轅桿、担棍は砲身馬に、弾薬箱4、両頭槌、曳綱、担綱は第一弾薬馬に、他の弾薬箱は第二弾薬馬以下に駄載す
    第十一図
    砲は洗桿を砲腔に挿し、安全装置にし、拉縄を握把に掛け、諸被を装し、発射坐及び照準坐を内方に倒し、砲身を砲架に略々平行にし、方向転輪、高低転輪は転輪止革にて縛る
    其ノ一に於いては、後砲架は大架馬に、担棍は揺架馬及び托架馬に、器具箱、携帯箱、照準具箱、曳綱、担綱は防楯馬に、弾薬箱は弾薬馬及び防楯馬に駄載す
    其ノ二に於いては、後砲架、照準具箱、携帯箱、曳綱、担綱は第一弾薬車に、器具箱及び担棍は第二弾薬車に積載す

    第十二図
    大隊砲
    砲は運搬の姿勢にし、洗桿を砲腔に挿し、砲尾を砲尾受に托し、緊定桿を緊め安全装置にし、諸被を装す
    携帯箱、担棍は砲架馬に、提桿は砲身馬に、照準具箱、属品箱、標桿、曳綱は揺架馬に、弾薬箱は弾薬馬に駄載す
    速射砲
    砲は高低角を零(歯弧と歯弧準板との上端を一致せしむ)にし、砲尾を砲尾托架に托し、安全装置にし、諸被を装す
    属品箱は脚馬に、担棍、予備轅桿は砲身馬に、両頭槌、曳綱、担綱は第一弾薬馬に、弾薬箱は弾薬馬に駄載す
    第十三図
    連、大隊砲
    携帯箱及び照準具箱(弾薬箱)は提把(負革)を上に、蓋を前(内)にす
    連隊砲は砲身を略々水平にし、後砲架は駐鋤を下にす
    速射砲
    両頭槌は重ね、属品箱(弾薬箱)は負革を下(上)にし、提把を右にす
    脱駕の隊形は卸下に準ず。但し、連隊砲に在りては十二番は弾薬箱を携行す
  2. 第351
    中隊の隊形は横隊及び縦隊とす。横隊は集合及び運動に、縦隊は主として運動に用う
  3. 第352
    駄載又は繋駕に於ける横隊、第十四図の如し
    卸下(脱駕)に於ける隊形は駄載(繋駕)に準ず
    第十二図
  4. 第353
    縦隊は、通常指揮班及び小隊の縦隊(分隊を重畳す)を、其の順序に距離2歩(馬又は車両の後端より直後の徒歩者の踵迄)に重畳す。分隊間の距離亦同じ。中隊長は中隊の先頭2歩(馬の後端より直後の徒歩者の踵迄)に位置す