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戦闘準備の程度は砲兵の戦闘力に影響すること大なるを以って 状況の許す限り各種の手段を尽して諸準備を整えるを要す
然れども 之が為 苟も戦機を逸するが如きは 砲兵として適当ならざるは勿論なり
時間なきときは 先ず応急の準備を整えたる後 爾後時間の余裕を得るに従い逐次諸準備の完成に努むべきものとす
但 戦闘綱要第二十九第四項 に示す如く 師団長としては砲兵をして適時其威力を有効に発揮せしむる為 為し得る限り準備に必要なる時間を与えること肝要なり
射撃は射弾の平均点を所望の位置に導き以って所期の効力を収むるを本旨とし 之が為 目標に対し効力を収むる為に行う射撃を効力射と謂い 効力射の基準諸元を求むるを効力準備と為す 其準備の方法に依り射撃を二大別して射撃の結果に依り効力射を準備するものと 計算法に依り効力射を準備するものとに分類す(註 中隊未だ効力準備の為の射撃を行わざるとき 測地等を利用し目標又は地点に対し求めたる諸元を基礎諸元と云い 射撃を実施し其結果を利用して其他の目標又は地点に対して求めたる効力射の為の諸元を基準諸元と云う )
射撃の結果に依り効力射を準備するものは 所謂試射にして 従来と何等異なることなし 之を左に細別せん
以下 各種効力射準備の概要を説明せんとす
本射撃の特徴は 射撃の準備迅速簡易なるのみならず 射撃指揮亦容易なるに在り
地域射撃を実施するには 目標を所望の遠近二距離の間に夾叉し 其両極限を決定(其中数表尺を概定表尺と云う)するものと 一距離射撃を為す為 最少夾叉濶度に夾叉し 其中数射距離にて発射せる数射撃の結果に基き一距離の表尺 即ち決定表尺を決定するものとあり
最初の夾叉濶度は 通常二百米若は四百米を標準とし 最少夾叉濶度は五十米、百米、二百米等(実用射距離公算躱避の四倍)(曳火試射は百米以下にせず)にして 左の場合には百米を標準とするものなり
両極限 及 最少濶度の両極限は 少なくも観測せる二射弾にて決定す 決定表尺は六乃至十二射弾の遠近弾数の差と 全観測弾数との比を最小濶度の半量に乗じたるものを 中数射距離に修正するものとす
方向は目標中に導き 破裂高は約四射弾の平均破裂高の所望の破裂高に対する偏差を修正するのみ
遠隔観測の特徴は 方向破裂高は放列観測のものと其量を異にし 特に射距離の偏差が観目線に関し方向偏差として現わるに在り 而かも 射弾を観目線上に導きて遠近を観測すること緊要なり 従って通常多くの弾薬と時間とを要し 射撃の施行困難なるものとす 遠隔観測射撃法は第一法 第二法 第三法に分類す
射弾を観目線上に導く為には 観測所にて観測せる方向偏差に基き 砲車に与えるべき方向 及 射距離の修正量を求めざるべからず 之が為 方向比、観測率 及 修正率を用いる
方向比とは 目標附近に於て砲目距離略々同一にして方向に若干の差ある二点に対する 放列測定の水平角と 観測所測定の水平角との比を謂う 方向比は小数以下一位に止む
観測率とは 目標附近に於て 距離差百米の二点に対し 観測所に於て測定せる水平角の密位数なり 修正率とは 方向比と観測率との積なり
P、Q、Sは図解、射弾、表 何れにても算出し得るなり
試射に於て 第一法はPを乗じ修正するのみにして放列観測に同じく 第二法は方向Pを修正し観目線に入れ遠近を観測し射距離を修正すると共に 其百位数にSを乗じたるものを方向に修正し射弾を観目線に握り 逐次遠近の夾叉を為すものとす
第三法は方向夾叉を為すものにして 射距離を修正して射弾を観目線上に入れ 次いで若干の差ある二方向間に目標を夾叉し 逐次方向夾叉を折半すると共に 射弾を観目線に導く如く射距離を修正し 終に射弾を所望の点に導くものとす
最後の方向夾叉濶度は 着発射撃は約四密 曳火射撃は約十密とし 両極限各一発にて毛っていするものとす
以上の如く 純粋の遠隔観測は修正困難なるを以って 射線を目標に導く為 左の如き他の手段を講ずること肝要なり
故に遠近観測は往時の如く難物に非ざるなり 此際 方向交会法 及 方位交会法を説明せんとす
射弾 | 第一発 | 第二発 | 第三発 |
---|---|---|---|
甲 | +12 | +22 | -4 |
乙 | -4 | -10 | -22 |
本法は第二 第三法の如く 方向指導困難なるものには 殆ど革命的価値を有す 実験に依るに 通常二密位以内の誤差を以って目標に射面を通せしめ得べし 本法の特徴は 測地の成果を使用する必要なく 又 曳火弾なれば地形の影響を受けざるに在り
二箇の観測所より観目線に関する弾着点 若は破裂点の方向を観測し 之を総合して射弾の遠近を判定するものなり
-- | 甲 | 乙 | 判定 |
---|---|---|---|
I | 内 | 内 | − |
II | 外 | 外 | + |
III | ± | 内 | − |
IV | ± | 外 | + |
V | 内 | ± | − |
VI | 外 | ± | + |
VII | ± | ± | ?目標に接近す |
VIII | 内 | 外 | ? |
IX | 外 | 内 | ? |
此際 方向偏差を観測し得るとき 前項 VIII IX の場合の疑弾を減ずるを得 (俗称密位交会法)
甲 | 乙 | 判定 |
---|---|---|
+20 | +10 | − |
-10 | -20 | − |
+10 | +20 | + |
-20 | -10 | + |
即ち 其方向偏差を観測せる量の 小なる方は方向中に 大なる方は観測せる方向にありとするものなり
又 其差 通常二密位以内なるときは 共に方向中に観測したるものと見做し遠近疑わしきも目標に接近せるものとす
両観測者の観目距離に大なる差異あるときは 甲の観測せる方向偏差に観測比(遠隔観測に於ける方向比に同じ)を乗じたる量を 乙の観測せる方向偏差と比較するものとす
偏差交会法射撃は目標、放列 及 二箇所以上の観測所の測地的関係位置を測定し得たる場合に於て 此等観測所より観測せる射弾の方向偏差に基き 目標に対する射弾の偏差を求めて射撃を行うものとす
本法は関係位置なる故 精密なる座標を既知せざるも可なり
即ち 図上又は計算に依り ZA1 ZA2 ZA3 及 Θ1 Θ2 Θ3を知れば可なるものとす 然るときは予め準備せる交会法線図に之を移すか 又は三交会法用具に之を準備したるのみにて一射弾毎に偏差を求め平均するか 各観測所の観測地を平均し 以って全射弾の偏差を求め所望の射撃を指向し得べし 試射には四射弾の平均点の偏差を求め之を方向距離上に修正し 夾叉弾を得れば其射距離を概定表尺とするか 更に射撃を行い前の四射弾と合せて六乃至十二射弾の平均偏差を修正して決定表尺と為す
Zは目標なることあり 又は 観測の基準点なることあり
本法は目標を認識し得ざるも其附近に位置を既知せる地物の存在するときは之を観測の基準として 観測は観測手之を為し 線図は部下之を描書するが故に 中隊長としては殆ど特別の技能を要せず 試射完了迅速 同弾数小なる利を有し 準備と観測正確なれば夾叉法に優る精度を有するものとす
実験に依るに 其精度は二乃至五千米に於て 射距離上十乃至三十米 方向上最大五密位の誤差あるに過ぎず
本法適用の場合は概ね左の如し
本射撃は曳火弾の破裂目標距離(Xm)を測定し 且 破裂高さ(ym)に依り 破裂距離(xm)を算出し 弾道終末点の目標に関する偏差(△xm)を求め射撃を行うものなり 之が為破裂点の観測は偏差交会法射撃(此の準備を必要とす)に於ける観測法に依り 破裂距離の算出は曳火高破裂交会法用具を使用するものとす
本法の特色は 地形 並びに 信管燃焼躱避の影響受くること少なく 概ね正確に弾道終末点の目標に関する偏差を知り得るを以って 左の如き場合に適用せらる
実験に依るに 本法の精度と昼間射距離二千五百 乃至 四千米に於て射距離上の誤差二十 乃至 六十米 夜間は破裂高の観測に誤差伴うを以って 最大誤差八十米に及ぶことあり 要するに偏差法より誤差大なり
本法の要領は次に示すが如し
通常先ず一、二弾にて所望の高さに修正す(射表の破裂高さを理想とす)
目標に対する破裂点の破裂高観測
xを求めるには 落点を原点とする真空中弾道の方程式(本式は空気中の弾道終末部を表わすものとして可なり)より誘導するものとす
本式を解くに y Yを以ってx tan wを求め 更にx tan w中のwを定むれば xを求むることを得
又 射撃に方りては 曳火破裂交会法要具(甲板、乙板)を用い実施するものにして 配置 及 作業の要領を図示すれば次の如し
破裂高yミ = 破裂高y米 / 観目距離d粁 にて ymを、 更に之とY(最大弾道高)にて x tan w を求め
x tan w と wにてxを求め、更に之とXにて△Xを求む
x と X と △X との各種関係次の如し
目標を目視し得ざる場合 破裂高観測の基準は 左の要領に依り之を定む
本射撃は放列 目標 及 試射点の三者の関係位置を略々同一の精度にて測定し 気象諸元略々同一看做し得るとき 試射点に対し通常決定表尺を求め 該点に対する測定距離との距離比(射弾散布の射距離公算躱避以内なる為 小数点以下三位)を砲目距離に乗じ効力射を為さんとするものなり
本法は 通常目視し得ざるか 又は射弾の観測困難なる目標に対して行うものなるも 転移の範囲に制限を受け 且 試射に引き続き効力射を実施するを要するものとす
右の場合を比例法と称し 試射点との離隔度小なるとき単にA Zの方向角、高低角、射距離差をxに修正して直ちに射撃を行うを簡易法と云う
比例法の適用範囲は左右各三百密位以内 距離上に於て3/4乃至4/3 (X1/X = 3/4〜4/3) を標準とす(弾道に感響する各種原因の同一値の範囲)
是に依って 目標に対して試射すること無く 急襲の効果を及ぼすを得るものとす
本法は 気象 及 測地上の誤差よりの偏差を同時に修正するものにして 関係位置正確なるは 真の位置にあらずとも大なる誤差なきものとす 従って 同一観測手が同一測遠機を以ってA、Zを測定し 又は同一空中写真上のA、zなれば 定誤差と見做し実用に供するを得べし
此転移射を逆に考えて 各中隊の放列陣地と目標との関係位置既知なるときは 第一中隊の試射を直ちに第二第三中隊に利用せしめ距離比を乗ずることに依りて試射を行うことなく集中射を行うことを得べし
本法は 目標に対する効力射諸元を爾後必要に応じ直接点検すること能わざるを予想したるとき 適時任意の一点に(比例法の範囲)対し試射し 通常決定表尺を求め 目標に対する効力射諸元(例えばX)と試射点に対する射撃諸元(例えばX1)との比(標定比)を保留し 爾後効力射を行わんとするとき 更に試射を行い其諸元(例えばX2)に保留諸元の比を乗じたるもの(例えばX3)を効力射の基準諸元とし転移射に準じ射撃するものとす
本法の特徴は 試射点と目標との関係位置を確知するを要せざるに在り 本法は空中観測に依り遮蔽目標Zを射撃せしとき 更に将来 時間の経過後同一目標を射撃せんとするが如きに利ありとす
第六項迄は射撃の結果に依る法なりしも 計算法は射撃することなく計算に依り効力射を準備して行う射撃なるが故に 不意急襲を為すを得るものなり 又 範囲に制限を有せず
而して 計算法は真の無試射無観測に達して始めて意義ありと雖も 本邦砲兵は 本法に於ても 為し得る限り射撃の点検を行い 又は精密に剰余修正量(計算に依り求め得ざる偏差)を修正し 射撃諸元の精度を判定し其増進勉むる如く着意しあり 然るときは実験上効力射に於て 正面には左右各々五密、縦長には前後に射距離の百分の一を増加したる射撃地域を射撃すれば可なりとす
本法は 元来弾道を正しく理解するに依り成立するものなり、抑々射表は標準火砲標準弾薬を使用し 標準気象状態(地上気温摂氏十五度、地上気圧七百五十粍、高空気温低減率毎粁摂氏五・六度にして 空気静止せる場合)にて射撃せる結果の表なるが故に 実際射撃に方りては射表の条件と異なるを以って 方向 信管距離 射距離に偏差を生じ 弾道は射表の如くなるものにあらず
之が為 計算法に依り効力射を準備して行う射撃に在りては 効力射の基準諸元は 測地成果を使用して求めたる基礎諸元に 気象、弾道癖、装薬、弾量等の弾道に及ぼす偏差 及 為し得れば剰余偏差に応ずる修正を射撃計算表 或は 之と射撃修正計算板とを併用し 算定して決定するものとす
剰余偏差とは 算定せる射撃諸元に伴う偏差にして 計算に依り求め得ざるものなり
其計算準備の要目左の如し
前述せる弾道に対する諸修正の基礎諸元たる砲目方向角、砲目高低角、砲目距離は 測地の準備に依り生じたるものなり
計算射撃は 陣地戦等に於て移動弾幕射撃を実施するの根本を為すものなるを以って 国軍は本法に熟達すると共に 将来更に本法の軽易化に研究の歩を進むるの要ありと信ず