まえがき

(と、無理すれば言えなくも無いモノ)

「The Purple Sea」は私、烈風天駆が個人の記憶用に書いておいたクレタ島の戦いの経過を公開連載する企画です。

何分若造が自分の思うままに書き連ねていったものですので、何かと不備が多かろうとは思いますが、ごらんの皆さん、年末年始の酒入っている時に、おおらかな目で見てもらえてば嬉しく思います。

クレタ戦い(Battle of Crete)は改めて述べるまでもないドイツ軍降下猟兵対英連邦軍の激烈な死闘で有名ですが、空挺作戦についての過程経過戦訓分析ばかりが取り上げられるのが常で、クレタ戦全体についての多様な視点、特に、「海上に浮かぶクレタ島」を巡って海上でも激しい戦いが繰り広げられていたことは日本ではほとんど知られていません。

少なくとも、私が目に届く範囲では総合的なものは殆ど無いといって良いかと思います。

しかし、このクレタ海上の戦いは、第2次世界大戦で始めて航空機対艦船という形式の戦闘が大規模で行われた戦いでした。

その中には、後の戦闘の中で現れるケースの雛形と呼べるような展開が豊富に含まれています。

大変難解な戦闘ですが、私の舌足らずな文章で少しでもお伝えできたらと思います。

従って、この「The Purple Sea」をぶっちゃけて言えば、クレタを巡る海上の戦いのありましを1個人で手に入る断片的な記述をかき集めて編集とも言えない整理をしたものです。

幸いにも早川書房より刊行されている『海戦-連合軍対ヒトラー』(ドナルド・マッキンタイア)に、クレタ戦について前半期の海軍作戦について言及されており、私の「The Purple Sea」は大まかにはこの『海戦』の文章の展開に肉付けしていったものと考えて良いと思います。

また、朝日ソノラマの『ドイツ空軍戦史』(S・W・ミッチャム)にあるクレタ戦についての記述も大幅に取り入れました。

「The Purple Sea」はこの2つが無ければ絶対にできなかったと言い切れます。

「The Purple Sea」に出てくる文章に上記2作と類似の表現が出てくるのは上記の事情により、ここで予め了解を得させていただく次第です。

なお、タイトルの「The Purple Sea」(紫の海)とは、クレタ島の周囲で流された血によってエーゲ海の青い海が染め上げられていく様子をイメージしたものです。上記『ドイツ空軍戦史』の著者S・W・ミッチャムは「まえがき」で「戦争において最も基本的なものは人間的な要素であると私は信じている」と述べていますが、私も全面的にこの主張に同意するものです。

クレタで戦っていたのは飛行機対艦船ではなく、人間同士であるということを忘れないためのネーミングだと思っています。

内容は基本的に複数の情報源から摂取するように努めておりますが、何分探りの届き難い分野であり、やむなく単一情報源により内容も多く含まれます。どれがどれだと説明することは煩雑になるので省きますが、中にある数字情報はいずれも目安程度に思っておいていただけると幸いです。

◇烈:
という訳で、一人で延々と喋っていても空しいので、アシスタントを用意しました(笑
◆飛:
いえーい、お久しぶりです。飛燕乱舞です。
◇烈:
ニセモノだけどな
◆飛:
え、嘘!?
◇烈:
これがマジ話だ。三次元の本人は足を洗ったがイメージとしては定着しているようなのでな、ここに登場させるのに都合が良かったという(笑
◆飛:
それって一人二役の猿芝居って言うんじゃ…?
◇烈:
しーっ。余計なことは言わなくて良いんだよ。どうせ大して出番は多くない(笑
◆飛:
じゃあ一体何のために役なんか作ったんですか…?
◇烈:
気分(どきっぱり)<<バキャッ(殴った音)
◆飛:
役に立たないのは向こうの方なので私が勝手に進めちゃいます。
基本的に2日に一回進めていきます。原則として一回2〜4章づつ、内容によって多少増減します。
一応正月明けまでには終る予定…で良かったのね?
◇烈:
イテテ…。ああ、一応そのつもりをしている。まだ末尾まで書きあがってる訳じゃないので変わるかもしれないけど
◆飛:
本当に適当な人ですね(ジト目
◇烈:
臨機応変と言ってくれ
◆飛:
(無視)。それで、文章が英語の訳本っぽいのはどういう理由なのよ?
◇烈:
外語文の文章を訳したものがベースだからな、意味を崩さず文章だけ崩すというのは難しいんだ。
◆飛:
尤もらしい事言って、自分に文章力が無いのをごまかしてますよこの人…
◇烈:
白状すると、最近ハヤカワNFばかり読んでいたせいもあるんだがな(笑
◆飛:
それでは、前書きがちょっと長くなってしまいましたが
◇烈:
みなさま、葡萄酒なせる海に浮かぶ神話の島にご案内します。

2004年12月24日