1.概要
陸軍が開発した最初の航空機用機銃は、地上用の3年式機関銃を改造した航空機用試製機関銃である。大正7年3月にモ式6型に装着して各務原で空中試験を行い、翌4月から部隊で使用開始となった。しかしこの機関銃は発射速度が不足で、しかも布弾帯の給弾方式であったため不満足な点が多かった。注1) このため大正11年、甲号と乙号の遊動式機関銃が試作された。注2)どちらも7.7ミリの回転弾倉式であったが、甲号は発射速度が不十分で大正14年7月審査中止、大正14年3月から審査が開始された乙号が昭和3年まで試験がくり返された結果、昭和4年10月「89式旋回機関銃」として採用され、戦闘機以外の殆ど全ての機体に搭載された。この機関銃は連装機関銃であり、発射速度は1400発/分であった。後に改良されて挿弾子が飛散しないようにした「89式旋回機関銃(特)」や単装の「試製単銃身旋回機関銃(2型)」がこの機銃を元に開発されている。
注1)初期のベルト給弾の弾帯は現在の様な金属リンクでは無く、布製であったので、発射後布製の弾帯がばたついて不具合を起こすことが多かった。
注2)遊動式機関銃は旋回式機関銃が一般的になるまでの呼称。
1)大正11年、甲号と乙号の遊動式機関銃試作開始
2.使用状況
八七重爆、八八偵、八八軽爆、九三重爆、九三双軽、九三単軽、九二偵、九八軽爆
- 3.その他
- 4.参考文献