Page 76 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼ドイツ海軍は通商破壊海軍か? ニルス曹長 02/7/20(土) 16:19 ┣ドイツ海軍だけが通商破壊海軍か? strafe 02/7/21(日) 1:19 ┃ ┗論点は・・ BUN 02/7/21(日) 6:23 ┃ ┗自分では通説への反証のつもりでした strafe 02/7/21(日) 12:33 ┣一次歐州大戰での活躍 あるめ 02/7/21(日) 3:39 ┣Re:ドイツ海軍は通商破壊海軍か? 中村 02/7/21(日) 9:12 ┃ ┗補足します ニルス曹長 02/7/21(日) 22:09 ┃ ┣O級だけは、ね 勝井 02/7/22(月) 1:43 ┃ ┗Re:補足します 中村 02/7/22(月) 14:12 ┃ ┣Re:補足します 勝井 02/7/22(月) 15:24 ┃ ┃ ┣不思議は無いかも? BUN 02/7/22(月) 17:34 ┃ ┃ ┣レキシントンはケチなだけかも・・・ 中村 02/7/22(月) 18:34 ┃ ┃ ┗Re:補足します SUDO 02/7/22(月) 20:22 ┃ ┣Re:補足します SUDO 02/7/22(月) 22:52 ┃ ┃ ┗Re:補足します まなかじ 02/7/24(水) 23:33 ┃ ┣遊撃作戦は艦隊決戦の支援 大塚好古 02/7/23(火) 10:39 ┃ ┃ ┗ツェッペリンの目的 ベロウ 02/7/26(金) 15:16 ┃ ┃ ┗Re:ツェッペリンの目的 大塚好古 02/7/26(金) 16:03 ┃ ┃ ┗Re:ツェッペリンの目的 まなかじ 02/7/26(金) 22:23 ┃ ┃ ┗Re:ツェッペリンの目的 大塚好古 02/7/27(土) 6:26 ┃ ┗Re:補足します ニルス曹長 02/7/23(火) 12:34 ┃ ┗誤解していませんか・・・ 中村 02/7/23(火) 14:16 ┃ ┗Re:誤解していませんか・・・ strafe 02/7/23(火) 19:10 ┃ ┗参考までに モーグリ 02/7/24(水) 23:56 ┃ ┣Re:参考までに 勝井 02/7/25(木) 1:09 ┃ ┗私も参考までに 新参親爺 02/7/26(金) 8:54 ┣Re:ドイツ海軍は通商破壊海軍か? SUDO 02/7/21(日) 22:07 ┃ ┗Niftyの会議室では モーグリ 02/8/8(木) 0:04 ┃ ┣Re:Niftyの会議室では SUDO 02/8/8(木) 0:27 ┃ ┗結果だけでは語れない ささき 02/8/8(木) 13:51 ┃ ┗Re:結果だけでは語れない BUN 02/8/9(金) 0:14 ┗素朴な疑問 露西亜艦まにあ 02/7/23(火) 21:45 ┣Re:素朴な疑問 ooi 02/7/24(水) 0:48 ┣ドイツには忍耐が必要だった dg 02/7/27(土) 13:32 ┗Re:素朴な疑問 山家 02/7/27(土) 15:06 ─────────────────────────────────────── ■題名 : ドイツ海軍は通商破壊海軍か? ■名前 : ニルス曹長 <mutoh-jt@zj8.so-net.ne.jp> ■日付 : 02/7/20(土) 16:19 -------------------------------------------------------------------------
よく軍事書籍で「(ヴェルサイユ条約〜第二次大戦期の)ドイツ海軍は通商破壊に特化した海軍だ」という説を聞きます。 その根拠とされるのが一般に「通商破壊用」とされるポケット戦艦やその発展系のP1級装甲艦です。また、長大な航続距離と軽巡クラスの大口径砲を持つ未製空母<グラーフ・ツェッペリン>も通商破壊用空母と言われる事があります。O級巡洋戦艦もディーゼル併用で航続距離が長い事やシャルンホルストと比較して弱装甲である事から通商破壊用だと言われています。 しかし、ポケット戦艦やP1級は「真実一路」の内容や、ヴェルサイユ条約でドイツ海軍の最強艦=実質的主力艦がポケット戦艦であることから、通商破壊用でなくバルト海の制海権確保や二線級戦力と見る方が正しいように思います。 空母<グラーフ・ツェッペリン>の存在も艦隊決戦時に弾着観測機を使用するために制空権確保用の空母が必要である事から説明がつきます。 O級も「防御力より攻撃力を重視した艦」と見ればむしろ諸外国の建艦思想を採用したともとれます。 通説で言われているように本当にドイツ海軍は通商破壊海軍なのでしょうか? |
> 通説で言われているように本当にドイツ海軍は通商破壊海軍なのでしょうか? というより海軍は通商破壊のためにあるんじゃないの?アリラックの頃から。 Uボートをどう思いますか?日本に通商破壊戦を行ったアメリカ海軍は? |
> > 通説で言われているように本当にドイツ海軍は通商破壊海軍なのでしょうか? > > というより海軍は通商破壊のためにあるんじゃないの?アリラックの頃から。 > Uボートをどう思いますか?日本に通商破壊戦を行ったアメリカ海軍は? strafeさんの御指摘はもっともです。 しかしニルス曹長さんは、ドイツ海軍は艦艇同士の戦闘による制海権奪取に関心が薄かったのか、短絡的に商戦攻撃用の大型水上戦闘艦艇を建造するような海軍なのか、という事をおっしゃっているのでしょう。 |
ニルス曹長さんの文章が前半は通説を紹介し後半で自説を展開し最後は通説への評価を 求めているように読めたので、通説への反証のつもりで書きました。うまく伝わらなかっ たようです。修行が足りません。 てゆうか僕の認識している通説がニルス曹長さんの文章の後半なんですけど、どーゆー 書籍に文章前半の通説が載っているのかが気になる。 |
南洋諸島から青島にかけて日本の貨客船を悩ませたのは獨逸帝國海軍の假装巡洋艦でした。すくなくとも歐州の一般的な海軍は通商破壊戰力を備えるのが普通だったようです。獨逸は主力艦隊が余り大きくなかったので、かえって通商破壊戰力の活躍が目立ったのではないでしょうか。どんなものでせう。 |
通商破壊に特化したというより、準備不足のためそれ以外の選択が無かったという事ではないでしょうか、Z計画が完成していればそれなりの行動をとったと思います。 P1級は条約型巡洋艦よりも強力な巡洋艦という艦なのではないでしょうか、グラーフ・ツェッペリンの兵装は、予想される戦場が狭いため、自衛用の火器が必要だと考えたとしても不思議ではないでしょう。 だからといって、Z計画が艦隊決戦用という訳でもなさそうです、O級の足の長さは通商破壊も顧慮に入れているでしょう。 つまりドイツ海軍が目指したのは、何でも出来る海軍だと思います、さすがに通商護衛までは考えてないでしょうが、どこかの海軍に比べればなんと健全な事でしょう。 |
補足します BUNさんの書いている内容の通りです。 >ドイツ海軍は艦艇同士の戦闘による制海権奪取に関心が薄かったのか、 >短絡的に商戦攻撃用の大型水上戦闘艦艇を建造するような海軍なのか という質問です > グラーフ・ツェッペリンの兵装。 想定戦場の北海は濃霧が多いため、航空機が使用不能の状況で敵水上艦艇(巡洋艦・駆逐艦クラス)と遭遇戦になることを想定したのではないかと? > O級の足の長さは通商破壊も顧慮に入れているでしょう。 ディーゼル機関搭載は大和でも計画されてます。ディーゼルのメリットである「航続距離の増大」「巡航速度の高速化」を単純に通商破壊に結びつけるのはどうでしょうか? > どーゆー書籍に文章前半の通説が載っているのかが気になる。 普通の本屋で簡単に手に入る軍事関係書籍(学研・コーエー・新紀元社etc)です。最近、某所で軍事マニアの人に「ドイツ海軍艦艇(戦艦・空母)は通商破壊用に特化してる」という説を聞かされたもので(^^; 結構 最近では三木原慧一氏が(確か「歴史群像」でだと思った)「ビスマルク級戦艦は通商破壊用に開発された」と書いてました。 |
> > O級の足の長さは通商破壊も顧慮に入れているでしょう。 > ディーゼル機関搭載は大和でも計画されてます。ディーゼルのメリットである「航続距離の増大」「巡航速度の高速化」を単純に通商破壊に結びつけるのはどうでしょうか? 他はともかく、O級だけは遊撃戦用の艦と思ってます。 まともに主力艦と戦える装甲厚とは思えませんので。 |
> 想定戦場の北海は濃霧が多いため、航空機が使用不能の状況で敵水上艦艇(巡洋艦・駆逐艦クラス)と遭遇戦になることを想定したのではないかと? 気象条件のことも考えていたと思いますが、むしろ日米が赤城やレキシントンを造ったときに抱いた不安と同じものがあったと思います。 どこまで役に立つのか分からない初めての空母、足の短い艦載機、もし敵の巡洋艦が突っ込んできたら間を取って対応できるか分からない、この辺の不安があの武装の理由ではないでしょうか。 > ディーゼル機関搭載は大和でも計画されてます。ディーゼルのメリットである「航続距離の増大」「巡航速度の高速化」を単純に通商破壊に結びつけるのはどうでしょうか? 大和がディーゼル機関搭載した時の航続距離は九千海里ほどです、それに対しO級の航続距離は一万六千海里もあります、なぜ活動範囲の狭いドイツ海軍にアメリカ並みの航続距離をもつ艦が必要なのでしょうか。 この艦は、巡洋艦的な使い方を考えて造られたとしか思えないのですが、ニルス曹長様は航続距離の長い訳をどのように考えますでしょうか? |
> 日米が赤城やレキシントンを造ったときに抱いた不安と同じものがあったと思います。 それはどうでしょう? そういうことであればほんの少し情報収集すれば、 世界の最新空母が備砲を対空オンリーに統一する流れにあったことくらい 容易く把握できるでしょう。 彼女の武装はやはり、ドイツ特有の地勢条件が背景にあるものと考えます。 |
> それはどうでしょう? > そういうことであればほんの少し情報収集すれば、 > 世界の最新空母が備砲を対空オンリーに統一する流れにあったことくらい > 容易く把握できるでしょう。 そんなことないですよ。 日本が前部に15サンチ砲、後部に飛行甲板という空母デザインを最後に検討したのは1940年の丙巡空母化案です。前衛部隊の空母が敵巡洋艦と交戦する可能性についてその頃まで本気で検討されているんです。そう簡単に否定できるものじゃありません。 |
> 世界の最新空母が備砲を対空オンリーに統一する流れにあったことくらい > 容易く把握できるでしょう。 > 彼女の武装はやはり、ドイツ特有の地勢条件が背景にあるものと考えます。 本当にそう言い切れるのでしょうか、レキシントン級が高角砲に積み替えたのは戦争が始まってからです、蒼竜の原案もかなりの重武装です、赤城は大改装を受けながらケースメイトはそのままです、以上のことを踏まえれば、条約で制限を受けていたので十分な武装を施せなかった、という解釈もできるのではないでしょうか。 少なくとも、グラーフ・ツェッペリンが設計された30年代なかばの時点で、空母を運用した事のないドイツが、対艦武装はいらないと判断するのは難しいと思います。 もちろん地勢条件や気象条件を否定するつもりはありません、これらの条件が複合してあの空母が出来たと思っています。 |
> 世界の最新空母が備砲を対空オンリーに統一する流れにあったことくらい > 容易く把握できるでしょう。 まあ、この部分については皆が指摘していることだからおいて置くとして。 現実として、多くの空母機動部隊に水上戦闘艦艇の護衛がついているという事実を考えてみれば面白いと思う。 空母という単体の艦艇だけで考えるから混乱しやすいわけで、それを空母機動部隊という戦闘単位で考えてみた場合、部隊には常に一定レベルの水上戦闘能力が要求されていたのも無視出来ません。 大きな海軍の場合、空母に大きな水上戦力を持たせなくても、重巡や高速戦艦の護衛を加える事で解決します。 (ただし条約等で水上戦闘艦の保有数量に制限があれば、空母の護衛に回す余裕はなくなりますし、また空母の戦力に対する評価(重要性)が低い場合も有力戦闘艦の護衛は期待できなくなります) ツェッペリンの場合は、護衛に回せる有力高速戦闘艦がまったく期待できないという現実と、有力水上戦闘艦を(戦力未知数な)空母如きの護衛に回すことへの不安・不満等が、ああいった形の武装に現れており、そしてそれは他国海軍でも大同小異で同様の傾向があったのだと言えるでしょう。 あの英重装甲空母の防御は甲板だけではなく、舷側の広い範囲に有力装甲を備えていた事を考えれば、空母や空母部隊に水上戦力や水上戦への備えを要求するのは至極当然の事だったのではないでしょうか? |
> 大和がディーゼル機関搭載した時の航続距離は九千海里ほどです、それに対しO級の航続距離は一万六千海里もあります、なぜ活動範囲の狭いドイツ海軍にアメリカ並みの航続距離をもつ艦が必要なのでしょうか。 でも同世代のH級戦艦や、新型軽巡(大型駆逐艦?)も同様に非常に長い航続力を持っています。H級だけが突出しているわけではないとも言えます。 まともに外洋作戦をする場合、ある程度の航続力は必須なのではないでしょうか? (随伴タンカーにどれだけ期待できるのかという要素も考えるべきでしょう) 個人的には、すさまじい長距離作戦を前提としていないからこそ、あのような航続力が与えられたのではないかとも考えます。 |
> > 大和がディーゼル機関搭載した時の航続距離は九千海里ほどです、それに対しO級の航続距離は一万六千海里もあります、なぜ活動範囲の狭いドイツ海軍にアメリカ並みの航続距離をもつ艦が必要なのでしょうか。 > > でも同世代のH級戦艦や、新型軽巡(大型駆逐艦?)も同様に非常に長い航続力を持っています。H級だけが突出しているわけではないとも言えます。 以前に別のスレでも書いたような気がしますが、 作戦期間のかなりの部分を高速航行するために多量の燃料が必要だったのではないかと思います。 つまり、H級の燃料搭載量は巡航速度の航続距離で測るべきではないような気がします。 チャンネルダッシュのときのシャルンホルストは、ブレスト〜ヴィルヘルムスハーフェン間を丸一日かけて平均28ノットで突っ走った結果、燃料はほとんど空になってます。 17ノットなら1万浬走れる艦なのですが。 むろん、シャルは蒸気タービン艦ですからそのまま比較はできませんが、H級も出港から帰港までを30ノット近くで突っ走れば2日と持たないでしょう。 しかし、北海で英海軍のほぼ全力と対峙するとすれば、O級が重巡や巡戦を大西洋遠くにひきつけていてくれたとしても、その豊富な軽巡洋艦戦隊や水雷戦隊の追撃や待伏せを回避あるいは突破しなければならない状況は常にあるものと考えた方が自然です。 ドイツ海軍としては戦艦にいつなんどきでも高速発揮をさせる戦術的必要性があり、これが大量の燃料搭載となって現われているのではないでしょうか。 また、第一次大戦時には英艦隊の釣り出しのために巡戦(大巡)隊がヒット&アウェーで英本土の沿岸砲撃をしばしば仕掛けましたが、こういった作戦的要請にも高速発揮は必須となります。 H級を洋上遠くに作戦させる必要性というものは、どういったものでしょうか。 北海で英艦隊主力を撃滅すれば、ドイツにとって全ての用が足りるのではないでしょうか。 そのうえ、ドイツ海軍が遠洋で作戦するとなれば、ただでさえ弱体な軽巡戦力と駆逐艦戦力、とくに充実した近海用水雷艇や魚雷艇の戦力をまったく計算に入れることができなくなります。 Z計画の計画艦は、PまたはO級が後方撹乱のために「大航続力」を必要とした他は、北海での高速維持に対応した「大燃料搭載量」を特徴としたものだと考えています。 もちろん、PまたはO級を北海で使うとなれば、その航続力は当然高速維持に回すことができます。 しかし、H級や軽巡の燃料搭載量を航続力に応用する必要性は薄い・・・というかまったくないといってもいいのではないでしょうか。 ヤーデ湾からスカパフローまでは、直航すれば500浬もないのです。 |
Z計画におけるドイツ海軍の艦隊決戦構想は高速な装甲艦Pによって、 外洋での遊撃作戦を展開することにより、英艦隊の主力を分散させた上で、 H級の戦隊が英主力艦を各個撃破する、というものです。ドイツ海軍の 遊撃作戦の方針は艦隊決戦とともにあったのです。 巡洋戦艦Oは巡洋艦Pの対案として研究が続けられていたものが、プレート河 におけるシュペーの敗北から装甲艦が巡洋艦との交戦で優位に立てないという 結論となり、Pに変わって整備されることが決定したものです。高速かつ 長航続力というP級の性格を引き継いだのはある意味当然だと言えるでしょう (あの論議の的となるO級の防御力も、「巡洋艦キラー」として策定されたことを 考えれば、不思議に思える点はありません)。 ツェッペリンの15cm砲装備は、同艦の計画時に「自衛のため水雷戦隊旗艦の 巡洋艦と交戦出来る砲力」という要求があったことによるものです。ドイツの 空母用法は戦前の米に近いもので、偵察艦隊と共に行動することを考慮しています。 エセックス級が最上型との交戦を考慮して対6in砲弾防御を付けたのと 考え方は一緒です。 蛇足ながら、ツェッペリンは当初8in砲を搭載する予定でしたが、予定の計画 排水量に収まらないのと、空母としての能力に影響が出るため見送られています。 この際「空母は単独で行動することはあり得ず、またその搭載機が防衛手段となる」 ということから、8in砲装備が見送られていますが、これから時折言われる事がある 「ツェッペリンは単独で通商破壊に当たる」は誤りだと言う事が出来ます。 |
> ツェッペリンの15cm砲装備は、同艦の計画時に「自衛のため水雷戦隊旗艦の > 巡洋艦と交戦出来る砲力」という要求があったことによるものです。ドイツの > 空母用法は戦前の米に近いもので、偵察艦隊と共に行動することを考慮しています。 > エセックス級が最上型との交戦を考慮して対6in砲弾防御を付けたのと > 考え方は一緒です。 すみません。 以前2ちゃんねるでドイツ海軍の話題が登場しました。 http://yasai.2ch.net/army/kako/1002/10029/1002944565.html ここの168でツェッペリンは単艦で索敵行動を行い、Fw200の行動半径外敵船団の位置をUボートに通報する為に設計された空母だとありますが、コレは間違いなんでしょうか? |
ツェッペリンを含めドイツ空母にそういう要求がなされたことは ありません。因みに1942年の段階でドイツ空母に要求されたのは (1)PQ船団に対する短距離攻撃に対する索敵及び航空援護 (2)陸上基地航空機の中継基地 (3)沿岸の航空基地が破壊された場合の代替基地 であり、単艦でFW200が飛べないような遠距離に進出するような作戦は 考えられていません。空母は単艦で行動する事はない、というのが 基本的に戦前からの前提となっています。 P.S. 実を言いますと、この他に要求された任務には (4)練習艦 というのもあるんですけどね(笑)。 |
> 実を言いますと、この他に要求された任務には > > (4)練習艦 > > というのもあるんですけどね(笑)。 こいつは、たとえばエムデンとかブルンマーとかブレムゼが期待されたような「練習兼用艦」なのでしょうか。 それとも、鳳翔とかアーガスとかレンジャーみたいに「航空母艦の運用そのものを練習する艦」という位置付けなのでしょうか。 |
「エムデン」同様の訓練兼用艦ですね。ツェッペリンはこの訓練支援任務が重視されており、索敵・上空直衛用空母としては改装空母(商船からグナイゼナウ・ポツダム、巡洋艦からザイドリッツ)の作戦運用が重視されている節が在ります。 |
> この艦は、巡洋艦的な使い方を考えて造られたとしか思えないのですが、ニルス曹長様は航続距離の長い訳をどのように考えますでしょうか? SUDOさんに書かれてる部分もありますが。 Z艦隊計画後期のH級戦艦やP1級装甲艦もディーゼル機関を採用して長大な航続力を持ってます。O級巡洋戦艦もZ艦隊計画全体からみれば「Z艦隊計画後期に計画された大型艦艇のディーゼル化に習った」と考えられないでしょうか?(O級だけが突出して航続距離が長いわけじゃないんです) O級巡洋戦艦に通商破壊艦としての役割も期待されていたことは否定しませんが、だからといって単純に「O級巡洋戦艦は通商破壊を第一に設計された」とすることには否定的です。 |
> 「O級巡洋戦艦は通商破壊を第一に設計された」 こんな事書いた覚えはないのですが・・・ |
> > 「O級巡洋戦艦は通商破壊を第一に設計された」 > > こんな事書いた覚えはないのですが・・・ 中村さんの書き込みではなく、学研・コーエー・新紀元社etcの軍事関係書籍に書かれていたのでは? なんだかその軍事関係書籍が読みたくなってきた。 |
> 中村さんの書き込みではなく、学研・コーエー・新紀元社etcの軍事関係書籍に書かれていたのでは? > なんだかその軍事関係書籍が読みたくなってきた。 手持ちのコーエーの『未完成艦名鑑』に「O級は通商破壊艦」という記述が見られます。タイトルは忘れましたが、それ以外の軍事本でも同じ事が書かれていた記憶があります。(海人社の本だったかな?) これは架空戦記(小説)ですが、佐藤大輔『レッドサン・ブラッククロス』や横山信義『蒼海の尖兵』の艦艇説明の中にも「O級は通商破壊が主目的」という記述があります。 実は私もさっきまでO級は通商破壊用だと思っていました。 |
> 実は私もさっきまでO級は通商破壊用だと思っていました。 まあ通商破壊=遊撃戦と捉えれば 間違いではないのかも。 |
世界の艦船増刊「ドイツ戦艦史」にも同様の記述が見られます。 |
海軍とは制海権の獲得と維持が基本任務です。 極論するなら制海権とは輸送ルートを通す事だと言っても良いでしょう。 制海権の維持には、適性戦力の排除や阻止が望まれます。 艦隊決戦は、この敵戦力の行動を根底レベルから排除しようと言う思想です。 若しくは、勝利する事で敵輸送ルートを完全遮断する事を狙う行動だともいえます(制海権を失えば輸送ルートが通らなくなるのです) コレに対して、遊撃戦力(通商破壊型艦艇や潜水艦)による通商破壊も存在しますね。 よく誤解されるのですが、通商破壊は基本的には妨害行動であって阻止行動ではありません。 単純に考えても、広大な大海原で輸送船を発見して撲滅する事は容易ではありません(勿論通商破壊艦が輸送船に接触できれば虐殺は成立しますが接触が容易ではない) 本当に完全阻止を狙うならば、積み下ろしする港を封鎖する事が要求されます>往時の帆船時代はそれで封鎖と封鎖突破が艦隊戦の一つの理由であり目的でした。 まず以上の事を理解した上で、第二次大戦時のドイツ海軍を考えてみましょう。 基本として、ドイツ海軍は自国の生存に必要な洋上通称ルートを直接・間接的に守らないといけない。 例えば、バルト海から大西洋に抜けるスカゲラック海峡を完全に押さえられれば、バルト海内部の敵性戦力を始末すれば、バルト海の制海権および通商ルートは安泰です(このためドイツの戦力は此処を重点的に確保してます) 言い換えるなら、バルト海確保が最優先で、余力を持って、英国の制海権を妨害するのが、小規模なドイツ海軍としては最善の手段になります。 第二段階としては、スカゲラック海峡への潜在的な侵攻能力を摘み取る事になります。 よって、スカゲラックへの入り口に当たる北海の制海権はドイツとしては第二段階として確保したいところです(第一次大戦時のドイツ海軍の置かれた環境はそういうことだと思っても良いでしょう) 恐らくZ計画艦隊でも同様の考えが根底にあるものと理解します。 海軍の目的とは、自国に必須な領域の確保が第一義であり、余力をもって敵の制海権を妨害・奪取するという事になるのです。 例えば、太平洋戦争の日本海軍は、自国の通商ルートへの潜在的な攻撃を行える範囲を制圧して、輸送ルートへの真っ当な攻撃を阻止しました。 その上で余力をインド洋等への通商破壊に投入しています。 米国は同様に、日本の占領地域を奪い返す事で、陸上航空機・艦隊を日本の通商ルートに送り込めるようにしました(米潜水艦の活動は確かに無視できませんが、ルート遮断は陸上航空機と艦隊によるプレゼンスによるものです) 潜水艦等による通商破壊は、通商ルートの運用コスト増大ではあっても切断ではないのです。 この事を混同すると話が厄介になります。 望ましいのは制海権の獲得と、その制海権領域の拡大なのです。 領域拡大の前準備段階、もしくは領域拡大が果たせない時の次善オプションが通商破壊活動なのです。 ですから第二次大戦時のドイツの場合は、自国の最低限必要な領域は確保したので、残る余力を英国の制海権妨害に投入しただけの事です。 そして制海権獲得手段として重要視される艦隊決戦においても、有力艦艇による遊撃運動の一環としての通商破壊活動は決して無視出来ない要素になりますので、艦隊決戦式海軍と通商破壊とは充分に両立するのです。 |
今から数年前の97年初め頃、NiftyのFsF3の10番会議室でこの話題と同じドイツ海軍の話題が出たそうです。私はNiftyに加入していませんし、その頃はまだインターネットを始める前だったので直接見たわけではないのですが、最近Niftyの古参の方から当時の過去ログを見せてもらいました。 Niftyの会議室で軍事マニアの方々が討論しあった結果、 ・WW2時のドイツ海軍は通商破壊戦に特化した海軍である ・ビスマルクは通商破壊用に建造された大型艦 という結論が出たそうです。 ここの結論とあまりに違いますが、なぜなのでしょうか? |
> ここの結論とあまりに違いますが、なぜなのでしょうか? 5年前だからでしょう |
> ・WW2時のドイツ海軍は通商破壊戦に特化した海軍である > ・ビスマルクは通商破壊用に建造された大型艦 > という結論が出たそうです。 > > ここの結論とあまりに違いますが、なぜなのでしょうか? たとえば ・英国空軍爆撃隊は夜間都市爆撃に特化した空軍戦力である ・ランカスターは夜間都市爆撃用に設計された重爆撃機 と言えるでしょうか? 結果から言えばイエスとも言えるでしょう。 しかし最初から夜間都市爆撃をかけるつもりで爆撃隊を組織し、それに 特化した機材としてランカスターを設計したかと言えば、イエスとは いいがたいと思います。 |
単純に誰も建造計画周辺の資料や、独海軍の戦略について調べずに話しているだけだからでしょう。それでは何もわかりません。 |
スレッドに関連して以前から気に掛かっていた点がありますので、勝手ながら 意見ではなく便乗質問をさせて頂きます。 さて、「第二次大戦に際して、ドイツ海軍は準備不足だった」というのは、良く 聞きますし、当時の彼ら自身もその様な言葉を残していますから、事実と考えて 間違い無いとは思います。 そこで、次のような点が疑問として残ります。 はたして、あとどれほど開戦が後ろにずれ込めば、準備が完了していたのか。 あるいは、開戦に間に合わせるためには、あと何が必要だったのか。 純粋にIFの話ですので、明確な答えを出すことが困難であろうとは思いますが、 実際、どの程度惜しかったのでしょう? それとも、Z計画云々というものは、 やはり絵に描いた餅に過ぎなかったのでしょうか? また、どこかに当時のドイツ経済の見通しまで絡めて、この点を論じた文章等が 御座いましたら御紹介頂けると幸いです。 |
> 純粋にIFの話ですので、明確な答えを出すことが困難であろうとは思いますが、 > 実際、どの程度惜しかったのでしょう? それとも、Z計画云々というものは、 > やはり絵に描いた餅に過ぎなかったのでしょうか? > また、どこかに当時のドイツ経済の見通しまで絡めて、この点を論じた文章等が > 御座いましたら御紹介頂けると幸いです。 世界の艦船1987年4月号 特集「海軍と軍縮」にある「英独海軍協定」が多少は参考になるかと思います。 どの様な思想に基づいて計画が考えられたかと言うのが、ある程度は解るかと。 |
> > はたして、あとどれほど開戦が後ろにずれ込めば、準備が完了していたのか。 > あるいは、開戦に間に合わせるためには、あと何が必要だったのか。 dg:日銀によれば、 1940年初頭において、ドイツの正貨(金の裏付け有)は払底していた・とされて います. 1920年代半ば以降、米国を中心とする外国資本の投資によって、 WW1後混乱を極めたドイツ経済は次第に順調な成長を始めていました. 国際連盟がまとめた工業生産指数(1913=100、1921→1925→1929)は、 米国:98→148→181 英国:55→86→100 フランス:61→114→143 ソ連:23→70→181 日本:167→222→324 ドイツ:75→95→117 ということで、発展途上国のソ連や日本の高度成長はともかく、 ドイツは英国よりはずっとましな状態でしたが、 ここから、巨額の賠償金を支払い続け、外資へ配当をしていたのですから、 ドイツ資本そのものは、強固とはいえない状況だったでしょう. そこに、米国発の世界恐慌がおそいかかりました. 先の工業生産指数を続けてみますと(1932→1935) 米国:94→140 英国:83→108 フランス:105→109 ソ連:326→534 日本:309→458 ドイツ:70→117 全体主義ソ連の順調な経済発展というものが、消費縮小にさいなまれた 資本主義諸国から見て天国にみえたかも知れません. ワイマール共和国体制ではダメだ、もっと国力を結集しないと・という ナチスの主張が受け入れられる土壌は充分すぎるほどありました. そのナチスも、政権をとれば、政治責任というものが生じてきます. 国民の不満をそらすために、共産主義やユダヤ人・といった、常に攻撃対象 を要したわけですね. 一方で、当時8000万国民の中で600万の失業者の問題を解決する必要も ありました(現在のドイツの失業者は400万人). ナチス政権は、産業資本にも注力したのは当然ですが、世界的な貿易不振 とブロック経済に阻まれ、こちらはなかなかうまく進みません. そこで、高速道路などの公共事業や軍備といったものに次第に依存せざるを 得なくなります. 再軍備宣言や1935の英独海軍協定は、こういう経済政策としての視点から 鑑みる必要もあるわけです. しかし、公共事業や軍備といったものは、なかなか再生産につながりません ので、次第に国家財政を圧迫していきます. 1937におけるGNPと、軍事費のウエイトを、Q.ライト氏の資料を参照すると、 米国:680億ドル、1.5% 英国:220億ドル、5.7% フランス:100億ドル、9.1% ソ連:190億ドル、26.4% 日本:40億ドル、28.2% ドイツ:170億ドル、23.5% と、ソ日独などの全体主義国家が突出していたことがよくわかります. 米英仏というものは、既得権者で、 ソ日独というものは、武力を背景に、それら既存枠組みに変更を迫る政策 を選択したと言えるでしょう. ドイツが拡張主義政策を実施していく上で、 疲弊したフランスが、口先はともかく、実力行使に出る可能性は低い・ と見積もったことは、おそらく正解だったのでしょう. しかし、英国の資産力と、ソ連の潜在能力を過小評価しすぎていたことは 否定できそうもありません. (長くなるので、いったん、ここまで) |
以前、「独逸海軍Z艦隊計画は実現可能か?」というトピックで、この議論ボードで似たようなことが取り上げられたことがあります。そちらに私が書いたことと、ほぼ重なってしまうので、内容の詳細はそちらをご覧いただきたいのですが、日本版コマンド・マガジン3号で「国力を無視した海軍増強計画」という表題の記事で、ドイツ海軍のZ計画が論じられています。ただ海軍軍人の練度の問題は、この記事には出ておらず、何か別の文章から探し出したようですが、ちょっと何を基に書いたか、思い出せません。 私としては、Z計画というのは、八八艦隊計画と同様に、絵に画いた餅だったのでは無いか、仮に無理をして完成できても、燃料不足で作戦不能だったのでは、と今は考えています。 |