Page 75 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼22型くらいまでの大戦初期の零戦の迷彩 クラッペパン 02/8/7(水) 1:45 ┗結論を出す為には何が必要か BUN 02/8/7(水) 7:03 ┗Re:結論を出す為には何が必要か クラッペパン 02/8/8(木) 0:02 ┗余談ですので聞き流してください BUN 02/8/8(木) 8:41 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 22型くらいまでの大戦初期の零戦の迷彩 ■名前 : クラッペパン ■日付 : 02/8/7(水) 1:45 -------------------------------------------------------------------------
いろいろな説がありますね、プラモのボックスアートで見る灰色そのもののゼロ、 某イラストレーターの描くクリーム色のゼロ、それから某モデラーが主張する 畳色のゼロ。 もちろん色なんて塗膜の経年変化、光の当たり方、見る人の主観で大きく 変わるものなんでしょうが、塗装したてで極端な変化の無い気象条件下での 零戦の迷彩はどんな色だったんでしょうか? Warbirdでの認識はどのようなものか、是非お伺いしたいです。 若輩者ですがよろしくお願いします! |
他にも塗装の色調が不明確な機体は沢山あるのですが、零戦の場合は通説の明るい灰色と残存している機体に残された茶褐色との落差が大きく、その色調を素直に受け容れ難いという感情の問題がまず先にあったのではないかと思っています。 「現物はこの色なので受け容れるしかない」という意見と「それは変色しているのかもしれない」という意見とがあり、後者はそこから推定によって色調を導き出しているのですが、この論争に結論を出す為には何が必要なのか考えてみましょう。 軍用機の塗料には規格がありますので、まず必要なのはその色見本です。 幸い後期のD2、J3などの色見本は公開できました。また19年頃の色見本帳も存在します。 しかし初期の色見本は未発見、または未発表です。 次に必要なのは実際にその塗料が使われたかどうかを示す文献史料です。 製造会社がどの塗料会社に何の塗料を発注しているか、という文書があれば実際に塗られている塗料がわかります。 そして、公式に定められた塗装要領や現地で行われたかもしれない補修塗装の内容を示す文献史料も確認すべきものでしょう。 実はそのうちの幾つかは既に把握されています。 具体的にはお話できませんが、そこから判明している事をひとつ挙げるならば、機体外面に塗られた塗料は「灰緑色ではない事は確実」で色名を「鼠色」と呼ばれる塗料だということです。そこから先もいずれ判明する事と思いますが、今まで得られた成果を少しお話すればそんな所です。 |
BUNさんが自らの足と知恵で得られたであろう貴重な研究成果を 提供してくださる事に敬意を表します。 「灰緑色で無い事は確実」というのは驚きでした、というのも私は 堀越二郎氏の著書「零戦」の。「黒いカウリング以外は全体に鈍く光る灰 緑色」という記述について「設計主任が述べた事なので信憑性は高いだろう」 として初期型零戦のイメージとして緑がかった灰色」が自分の中で定着しつつ ありました。 研究成果による「鼠色」と呼ばれる塗料ですが全く緑がかっていない灰色なので しょうか?私はまた某モデラーが主張する十二試艦戦の開発がスタートした 昭和12に日本海軍が輸入したハインケルHe-112の迷彩塗装が十二試艦戦、つまり 後の零式艦上戦闘機の迷彩に影響を与えたのではないかという仮説にも 非常に現実性を感じるのですが・・・ いずれにしましても初期型零戦の迷彩色に関する研究方針としては BUNさんが挙げられた事が現時点ではもっとも現実的でスマートではないかと 思います。結論が出るまで一航空機ファンとして見守っていきたいと思います。 |
堀越さんの著書の一部の版では「灰緑色」という記述のあるものが存在します。 この「灰緑色」が何処から来た言葉なのかを考えて見ると、やはり陸軍機なのではないかと思ってしまいます。 というのも、陸軍機の場合、制式制定される際に必ず構造要領書が作られるのですが、この時期の陸軍機は必ずと言って良いほどに表面は「灰緑色」に塗装されている、と書いてあります。各務ヶ原へ搬出される陸軍機を眺めていれば「灰緑色」という言葉は自然に出るものではないだろうか、と思ってみたのです。しかしその後の版にはこの記述が見られません。なぜ無いのか、あまり深くは考えていないのですけれども、堀越「零戦」中の「灰緑色」はそんなはかない存在でもあります。 これと「鼠色」であって「灰緑色」ではない、という話とはまた別です。 「鼠色」が「灰緑色」ではないというのは「灰緑色」という色名が同文書中に別の用途として記載されているからです。 またHe112の塗装の影響で零戦の外面塗粧が行われたという説は大変興味深いものなのですけれども、やはりこれも文書が存在します。零戦が機体全面に塗粧を施したのは抵抗低減の為で、迷彩効果の為ではありません。そしてHe112輸入以前に抵抗軽減の為に塗粧を施した機体も存在します。ダイナミックで面白い仮説なのですが、残念ながら反証ばかりが出現してしまいます。 |