Page 59 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼基地航空隊(陸上)VS機動部隊(艦船) ニルス曹長 02/6/15(土) 11:59 ┣Re:基地航空隊(陸上)VS機動部隊(艦船) SUDO 02/6/15(土) 14:23 ┣Re:基地航空隊(陸上)VS機動部隊(艦船) 若葉マークの通りすがり 02/6/15(土) 23:36 ┣条件次第と思います 勝井 02/6/16(日) 5:26 ┃ ┣Re:条件次第と思います 若葉マークの通りすがり 02/6/16(日) 12:20 ┃ ┃ ┗Re:条件次第と思います SUDO 02/6/16(日) 15:54 ┃ ┗条件次第と思います・補足 勝井 02/6/17(月) 5:34 ┃ ┗比較対象が不適当なのでは? BUN 02/6/17(月) 6:15 ┃ ┗やはり機動部隊のほうが集中は容易! 若葉マークの通りすがり 02/6/17(月) 18:21 ┃ ┣Re:やはり機動部隊のほうが集中は容易! SUDO 02/6/17(月) 20:14 ┃ ┗規模は小さく、そして長続きしない BUN 02/6/17(月) 20:55 ┃ ┗何と・・ BUN 02/6/17(月) 20:57 ┣航空基地の定義 BUN 02/6/16(日) 6:47 ┃ ┗Re:航空基地の定義 jn6xlm 02/6/16(日) 11:16 ┃ ┗Re:航空基地の定義 BUN 02/6/17(月) 6:50 ┃ ┗Re:航空基地の定義 jn6xlm 02/6/17(月) 21:37 ┗Re:基地航空隊(陸上)VS機動部隊(艦船) 川崎まなぶ 02/6/16(日) 12:21 ┗空母は主力なのか? BUN 02/6/17(月) 7:59 ┣Re:空母は主力なのか? 空冷星形 02/6/17(月) 21:18 ┃ ┣簡易空母と旧式機転用 BUN 02/6/17(月) 21:35 ┃ ┃ ┗Re:簡易空母と旧式機転用 空冷星形 02/6/17(月) 23:23 ┃ ┃ ┣連合艦隊旗艦 BUN 02/6/17(月) 23:47 ┃ ┃ ┗Re:簡易空母と旧式機転用 ルージュ 02/6/17(月) 23:52 ┃ ┃ ┗Re:簡易空母と旧式機転用 空冷星形 02/6/18(火) 0:09 ┃ ┣Re:空母は主力なのか? SUDO 02/6/17(月) 21:43 ┃ ┃ ┣Re:空母は主力なのか? SUDO 02/6/17(月) 21:51 ┃ ┃ ┗Re:空母は主力なのか? 空冷星形 02/6/17(月) 23:33 ┃ ┃ ┗Re:空母は主力なのか? SUDO 02/6/18(火) 15:16 ┃ ┃ ┗Re:空母は主力なのか? 空冷星型(空冷星形改め) 02/6/18(火) 22:05 ┃ ┗護衛空母は不要 まなかじ 02/6/17(月) 22:16 ┃ ┣ぬああ まなかじ 02/6/17(月) 22:19 ┃ ┃ ┗だだだっだっ まなかじ 02/6/17(月) 22:39 ┃ ┃ ┗Re:だだだっだっ 空冷星形 02/6/17(月) 23:50 ┃ ┗Re:護衛空母は不要 空冷星形 02/6/17(月) 23:47 ┗Re:空母は主力なのか? 川崎まなぶ 02/6/18(火) 1:30 ┣わかるけれど・・ BUN 02/6/18(火) 6:07 ┃ ┗「戻る」を押してしまった 川崎まなぶ 02/6/18(火) 19:26 ┃ ┗お疲れ様です BUN 02/6/18(火) 19:30 ┃ ┗Re:お疲れ様です 川崎まなぶ 02/6/19(水) 1:58 ┗私が解説してしまえば・・ BUN 02/6/18(火) 7:04 ┗建艦計画と基地航空の拡充 伊号 02/6/18(火) 17:29 ┣建艦計画が軍備計画にあらず BUN 02/6/19(水) 5:54 ┣マル五策定時にある「迷い」 BUN 02/6/19(水) 7:34 ┗更に付け加えれば BUN 02/6/19(水) 9:35 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 基地航空隊(陸上)VS機動部隊(艦船) ■名前 : ニルス曹長 <mutoh-jt@zj8.so-net.ne.jp> ■日付 : 02/6/15(土) 11:59 -------------------------------------------------------------------------
基地航空隊(陸上)と機動部隊(艦船)はどちらが強いんでしょうか? 基地航空隊が有利:とする説では、機動部隊と比較して機数や飛行場が多いこと、損害を受けても後方基地からの補充が可能なこと、陸上機は普通艦載機より高性能なこと、空母と異なり陸上基地は撃沈される危険性がないことを理由に挙げてます。 機動部隊が有利:とする説では、機動部隊は空母を集中して兵力集中が可能なこと、空母は修理施設を持っており陸上基地以上のメインテナンス機能を持つこと、護衛艦艇の対空火器で空母は陸上の飛行場とは比較にならない数の対空砲火で守られてる理由を挙げてます。 あ号作戦、台湾沖航空戦、捷一号作戦では米機動部隊は日本軍基地航空隊に圧勝しました。が、基地航空隊側には練度低下、各陸上基地間の連携不備、レーダー・索敵網の欠陥などがあり両軍イーブンの条件とはとても思えません。 果たして基地航空隊と機動部隊はどちらが有利なんでしょうか? 皆さんの意見をお願いします。 |
丁度一年前に同様の話題で盛り上がってますので先ずはその過去ログをどうぞ http://www.warbirds.nu/discussion/g0278.html |
基地が機動部隊を攻撃する場合、先ず索敵機を多数発進させ、発見した後に攻撃隊を発進させて攻撃する事になります。(場合によっては、索敵機や攻撃隊が機動部隊を発見出来ない場合もあります。)当然攻撃が遅くなる。 それに対して機動部隊が基地を攻撃する場合、基地の位置は判っているのでいきなり早朝から攻撃隊を発進させる事が出来ます。 したがって、しばしば基地は機動部隊に先制奇襲攻撃を受けます(ミッドウェーは暗号解読によりほぼ同時) 以上の事情から、機動部隊の方が基地よりも有利ではないでしょうか。 過去に同じような書き込みがあったらすみません。 |
結局は展開できる戦力次第でしょう。 孤島のように限られた戦力しか展開できず、 また支援を受けられるような隣接基地が無ければ 空母機動部隊のやりたい放題です。 少々基地戦力の規模が大きかろうと、 それ以上の戦力を持っていけばいいのですから。 (もっとも、それが出来るのは金持ちアメリカの特権かもしれませんが) |
> 結局は展開できる戦力次第でしょう。 > 孤島のように限られた戦力しか展開できず、 > また支援を受けられるような隣接基地が無ければ > 空母機動部隊のやりたい放題です。 > 少々基地戦力の規模が大きかろうと、 > それ以上の戦力を持っていけばいいのですから。 > (もっとも、それが出来るのは金持ちアメリカの特権かもしれませんが) もし基地戦力の規模のほうが大きい場合、空母機動部隊は敢えて基地の攻撃圏内に入らず戦闘を回避すると言う選択肢が有ります。 しかし、空母機動部隊が優勢な場合でも、基地は逃げる訳には行きませんよね!(当たり前 笑) せいぜい航空隊を退避させるのが精一杯で、基地施設は空襲にさらされます。 結局、戦うか戦わないかの選択権は空母機動部隊側にあり、基地は受動的にならざるを得ないのではないでしょうか。一発の爆弾で大損害を受けると言う空母の脆弱性を差し引いても、やはり空母機動部隊が有利ではないでしょうか。 |
> もし基地戦力の規模のほうが大きい場合、空母機動部隊は敢えて基地の攻撃圏内に入らず戦闘を回避すると言う選択肢が有ります。 つまり大戦力を確保する事で敵の侵攻進撃を阻止できるのですから制海権保持という目的は達していると思います。 > しかし、空母機動部隊が優勢な場合でも、基地は逃げる訳には行きませんよね!(当たり前 笑) > せいぜい航空隊を退避させるのが精一杯で、基地施設は空襲にさらされます。 戦力の補充増援や別方向からの支援も可能です。 例えば台湾沖航空戦では沖縄や比島からも日本軍攻撃隊は出撃しています。これは比島戦でも同様で、更に攻撃隊は出撃基地に戻るとも限りません。 同規模の航空戦力を集めた場合でも陸上基地群の柔軟性は無視できない要素になります(機動部隊はそれらに勝てるだけの戦力を投入すれば良いのですがそのコスト基地機よりも大きくなります) つまり空母機動部隊は何でもできる代わりに非常にコストパフォーマンスが悪く、陸上基地は動けないというマイナスがある代わりにコスト面で有利。 双方の最大の差異である動けるか否かが戦争遂行上重要な場面な場合には空母機動部隊を、そうではない場合は陸上基地を中核として用いればよいだけの事です。(湾岸戦争やコソボでは陸上基地、朝鮮戦争では空母が中核になったのはそう言うことです) どちらが有利かどうかは、必要な戦力を必要な場所に集められるのかどうかという一点に集約すると考えられます。 対空火力も同様です。同程度の効力を発揮する対空火力を用意するのに護衛艦建造と基地に高射砲設置するのとどっちが安価なのかで変わる話です。どちらが有利不利かではなく、同じだけの戦力を確保するのにどちらの方が安いのかで決まる話です。 空母機動部隊は敵に殴り込みをかけることが出来て、陸上基地はそれが限定される。よって攻勢においては空母機動部隊の比重は高まり、敵が来るのを待つ防戦なら機動部隊である必要は無いのでより安価な陸上基地の比重が高まる。それだけのことです。 |
ただ、空母が一度に多数機を送り込めるのと比べると、 基地航空隊の攻撃は基地同士が離れているため相互連携が難しく、 どうしてもある程度五月雨式・逐次投入になる傾向があります。 その辺りを考えると、同数対決なら空母の方が有利かもなー、とも思います。 無論、コスト的なことを考えれば基地航空隊の方が数的優位を得やすいのでしょうが。 |
> ただ、空母が一度に多数機を送り込めるのと比べると、 > 基地航空隊の攻撃は基地同士が離れているため相互連携が難しく、 > どうしてもある程度五月雨式・逐次投入になる傾向があります。 それは逆でしょう。 第二次大戦では陸上基地からの発進は200機、500機、1000機以上の規模で何十回もの実績がありますが、機動部隊の攻撃隊は航空母艦には単発機しか搭載していないにもかかわらず、このような例は稀です。日本側の実績でさえ3週間程度で設営した例もあるジャングルの中の一本滑走路と多数の母艦を集めた機動部隊を比較してはまずいのではないでしょうか。 |
> 第二次大戦では陸上基地からの発進は200機、500機、1000機以上の規模で何十回もの実績がありますが、 それは戦略爆撃の事でしょうか。陸上基地からの空母機動部隊攻撃がそれ程の大編隊で行われた事は無かった筈です。たとえ戦域に1000機を保有していても離れた基地に分散配備されている以上、一つの編隊規模はせいぜい数十機にしかならなかった筈です。 > 機動部隊の攻撃隊は航空母艦には単発機しか搭載していないにもかかわらず、このような例は稀です。 例えば、真珠湾攻撃の時の南雲機動部隊の一編隊は、保有機の約半数の百数十機で構成されています。これはかなりの多数機の集中と云えるのではないですか。史実は機動部隊のほうが集中が容易な事を物語っています。 |
> 例えば、真珠湾攻撃の時の南雲機動部隊の一編隊は、保有機の約半数の百数十機で構成されています。これはかなりの多数機の集中と云えるのではないですか。史実は機動部隊のほうが集中が容易な事を物語っています。 それはどうでしょうか? 例えば台湾沖航空戦10/14の第三航空艦隊の攻撃は二派380機でした。 ニューギニアでの対艦攻撃でも100機近い編隊での攻撃例が幾つかあり、この多くは当時その基地にあった出撃可能機全てによるものでした。 単に一つの滑走路(飛行甲板)から放てる飛行機の数には限度があり、空母はその制限が大きく、飛行場は比較的制限が緩く、あとは滑走路(飛行甲板)の数の問題です。 確かに一つの編隊規模を大にするのは困難ですが、例えばそれはマリアナ沖海戦のおける両軍の放った空母搭載機の編隊も同様のことです(そしてそれは対地攻撃においても同様でした) 真珠湾の事例を述べられておりますが、真珠湾の攻撃隊規模が一つの任務部隊から放てる最大規模の一つの目安ではないかと愚考します。あれよりも多くの空母を一つの任務部隊に組み込むのは現実的では無いでしょう>マリアナ等でも米空母は適度な数量ごとの任務群になってましたね。 そして過去多く作戦からも判るように別の任務群に含まれる空母搭載機は必ずしも同一編隊にはなりません。それは陸上基地からの場合と結局同じ事でしょう。 攻撃編隊規模を大にするには、比較的密集した基地群・空母から出すことが望まれ、あとはそれがどちらの方が容易なのかで決まります。 確かに空母の多数投入が可能ならば、戦場においてそれを集中させる事は容易です。ですが前提条件である多数の空母を用意する事は容易ではありません。 そして極普通の設営部隊による飛行場でも空母数隻分の攻撃隊発進が可能であり、ある程度近接していたならばそれらが合同しての攻撃編隊を作り上げる事もまた可能であり幾つもの実例がありました。 太平洋の実例でも空母機動部隊(任務群)以上の攻撃編隊は比較的容易に作られていたのです。 |
>たとえ戦域に1000機を保有していても離れた基地に分散配備されている以上、一つの編隊規模はせいぜい数十機にしかならなかった筈です。 > 例えば、真珠湾攻撃の時の南雲機動部隊の一編隊は、保有機の約半数の百数十機で構成されています。これはかなりの多数機の集中と云えるのではないですか。史実は機動部隊のほうが集中が容易な事を物語っています。 発進時の各母艦の分散の度合いは陸上基地群とあまり変りません。空中集合の困難さも同じことで、編隊の規模は同じようなものです。また数十機が陸上基地の限界とおっしゃいますが、それは滑走路一本と掩体数十個の規模の小型飛行場の限界でしかありません。陸上基地は離れ小島に滑走路が一本ずつある訳ではなく、複数の飛行場を持つ航空基地群として計画されるものです。地形上から基地を設営しにくく全てが後手に回って設営が遅れたマリアナ諸島でさえ、建設着手された全ての飛行場を数えれば第一機動艦隊よりも多数の同時発進能力があることがわかるでしょう。 実際にラバウル後期の出撃で「数十機」とは護衛の零戦の数になってしまいます。しかも長期の反復攻撃と大規模な邀撃戦闘が行われているのですから航空基地の戦力と戦闘の規模は機動部隊の比ではありません。来襲する敵陸上基地航空部隊も連日一波ごとに100機、200機の数です。 編隊の規模が集中の難易度を表しているのではなく、一作戦正面にどれだけの兵力を短期間で機動して運用できるかが一番重要なことですから、日本海軍でさえ一回の航空決戦兵力を1000機で見積もることが出来る陸上航空基地は重要なのです。 |
のんびり書いてる間にSUDOさんが既に言い尽くしてますね。 失礼いたしました。 |
日本海軍は母艦の脆弱さと継戦能力(整備補給も含めて能力が低い)事と母艦機の低性能の為に基地航空兵力こそが海軍の主力と唱え、航空派からさえ将来母艦は全廃するという提案まで出ています。戦争全期間を通じて母艦への評価、期待はあまり高くありません。 また、機動部隊の優位性として挙げられた内容についてですが、何を以って機動部隊と比較しているのかが問題でしょう。恐らく滑走路一本と航空母艦を比較しているのではないでしょうか。出典はさる小説家の文章だと思いますが、もしそうであれば、あれは小説の展開を説明する為に書かれたフィクションですから事実を示している訳ではありません。機動部隊と比較するのであれば、何本かの滑走路を持つ飛行場が更に幾つも集まった航空基地、そして複数の航空基地によって形成される航空基地群と比較するべきでしょう。 >機動部隊は空母を集中して兵力集中が可能 これはそうしなければ母艦航空兵力が有効に使えないからで、兵力集中という点では基地航空兵力が有利で、設備に劣る日本側でさえ1000機の集中が可能でしたから機動部隊の特徴とは言い難いのではないでしょうか。 >空母は修理施設を持っており陸上基地以上のメインテナンス機能を持つ 一般に母艦は作業条件も悪く、設備も劣る為に修理、整備能力は低く、補給品も限られています。陸上基地には全く及びません。これは各地に置かれた航空廠の活躍を見れば明白でしょう。 >護衛艦艇の対空火器で空母は陸上の飛行場とは比較にならない数の対空砲火 不安定な艦上から撃ち出す対空砲火よりも、要地防空用の対空砲火は精度と門数で優るのが普通ではないでしょうか。 |
ここだけ >護衛艦艇の対空火器で空母は陸上の飛行場とは比較にならない数の対空砲火 > 不安定な艦上から撃ち出す対空砲火よりも、要地防空用の対空砲火は精度と門 数で優るのが普通ではないでしょうか。 確かに、対空砲火の数量と統制装置(射撃指揮装置)が完備されている基地であればそうだろうと考えるのですが、基地にそこまでの設備工事をするのにかかる時間と手間を考えると、護衛艦艇の対空砲火のほうが精度は別にしても、移動できる分使い勝手に勝るのではと考えます。 実際、機動部隊と航空基地群では航空機に与えられるリソースがまったく異なるので(TF38はべつ)航空基地の方が有利だと考えます。 |
> 確かに、対空砲火の数量と統制装置(射撃指揮装置)が完備されている基地であればそうだろうと考えるのですが、基地にそこまでの設備工事をするのにかかる時間と手間を考えると、 これは実際に調べると色々と面白い事がわかります。 一般艦艇では高嶺の花だった長10サンチ連装高角砲を指揮装置共に装備した基地もありますし、陸上基地侮り難し、です。 |
> これは実際に調べると色々と面白い事がわかります。 > 一般艦艇では高嶺の花だった長10サンチ連装高角砲を指揮装置共に装備した基地もありますし、陸上基地侮り難し、です。 ひえー、勉強不足でした。 まあ、よく考えてみれば、対空砲火の据付工事は陸上基地の方が艦艇に比べ簡便に行えるのですから、強力な武装が集まることもありますね。とはいえ、陸上基地の対空砲火は一回すえつけると、移動が困難という面もあり、少々、柔軟性に欠けるところもあるのかなと考えます。(対空砲火に限ってです。)まあ、艦艇でも、対空戦闘はじまる前に潜水艦に撃沈されてしまった摩耶の例もあるから、どちらが有利かということは一概に言えないのですね。 |
基地航空隊(陸上)は、そもそも相手の基地航空隊との交戦が必ずあります。それに勝つ戦力の整備が第一であり、対機動部隊の攻撃戦力の整備は第2以降となるでしょう。 陸上基地で整備力が落ちるのは、日本側の場合南方では約20%の整備員が病に倒れる、補給が滞るのが原因で、設備は基地の方が面積的に極めて有利であろう、と考えます。 日本軍基地航空隊は、要因は色々ありましょうが対機動部隊どころか基地航空戦で苦戦してまともな状態で敵機動部隊を迎えていません。戦績から検討するのは適当ではナイトも思えます。 機動部隊は極めて有力な攻撃兵力ですが、日本海軍も米軍も機動部隊単独で基地航空隊と交戦するのは自制していたように思えます。日本海軍はインド洋作戦やミッドウェー作戦ではかなり機動部隊を過信した作戦を実施して、ミッドウェー海戦ではひどい目に遭いました。米軍は、基地航空隊の偵察やら爆撃を組み合わせていますよね。昭和20年に入ると機動部隊が奥深く進入して積極的に作戦を始めますが。 ということで、対機動部隊ということであれば、「基地航空隊(陸上)VS機動部隊(艦船)」という図式ではなく、「基地航空隊(陸上)&機動部隊(艦船)」という考え方だろうと思います。 |
> 基地航空隊(陸上)は、そもそも相手の基地航空隊との交戦が必ずあります。それに勝つ戦力の整備が第一であり、対機動部隊の攻撃戦力の整備は第2以降となるでしょう。 海軍が十八年以降実施しようとした航空基地群は基本的には対米機動部隊邀撃作戦が第一、航空基地推進による侵攻作戦は建前のようなニュアンスがありますね。横空の研究やその後の邀撃帯の考え方としては機動部隊接近時に前線へ向けて後方から主力を機動するという戦術が主、というか実際にはほぼ唯一のものなのではないかと思います。もちろん川崎さんのおっしゃる通り、基地航空隊と機動部隊は連携して戦うのが開戦前からの本筋で、興味深いのは特に戦争中期以降、機動部隊は基地航空隊を支援する遊撃戦力としての位置付けにあること、すなわち機動部隊は海軍の主力として考えられていないという点に注目したいのです。 大東亜戦争戦訓や海軍の諸研究から見える海軍航空隊の理想の形としては、 基地航空隊の充実→対米戦争に必要最低限の母艦整備→母艦全廃、護衛艦と潜水艦中心の艦隊へ という構想が少なくとも紙の上にはあり得たと言うこと、そして 大艦巨砲主義への固執→遅過ぎた空母重視への転換 といった通説とは少し異なる軍備の実態をよく見るべきかな、と思っています。 日本が開戦前から終戦まで一貫して空母の建造をあまり熱心に行わなかった事を単純に国力の問題として説明するには無理があると感じられている方には興味深い事ではないでしょうか。 |
初めまして。 数ヶ月前にこのサイトを知って、小躍りしつつ読みふけっておりました。 以後宜しくお願いいたします。 > 基地航空隊の充実→対米戦争に必要最低限の母艦整備→母艦全廃、護衛艦と潜水艦中心の艦隊へ > > という構想が少なくとも紙の上にはあり得たと言うこと、そして > > 大艦巨砲主義への固執→遅過ぎた空母重視への転換 > > といった通説とは少し異なる軍備の実態をよく見るべきかな、と思っています。 > 日本が開戦前から終戦まで一貫して空母の建造をあまり熱心に行わなかった事を単純に国力の問題として説明するには無理があると感じられている方には興味深い事ではないでしょうか。 なるほど、これまた(いえ、このサイトを拝見していていつも新鮮な驚きを 感じるのです)、おもしろいご指摘です。 (「海上護衛戦」の大井氏(?)も、これを知っていれば小躍りされたに 違いありません。) ただ、護衛艦・潜水艦中心の構想が有り得たとしても、直衛の航空機運用艦に ついてはその構想の萌芽は見られたのでしょうか? (とりわけ対潜用には、カタパルト発進の使い捨ての旧型機でもよいから、 護衛艦隊内に持っておきたいと考えるように思うのです。 実際に存在した一万トン超の空母は、贅沢にすぎると思います。) |
> ただ、護衛艦・潜水艦中心の構想が有り得たとしても、直衛の航空機運用艦に > ついてはその構想の萌芽は見られたのでしょうか? > (とりわけ対潜用には、カタパルト発進の使い捨ての旧型機でもよいから、 > 護衛艦隊内に持っておきたいと考えるように思うのです。 > 実際に存在した一万トン超の空母は、贅沢にすぎると思います。) こちらこそはじめまして。 ここで書くのは何度目になるかわかりませんが、日本側の航路を防衛する為には陸上機が最も合理的であるという判断を護衛艦隊自体が下しています。 しかし、旧型機の対潜機への転用は考えられていなかった訳でもなく、九六艦攻のエンジン換装と追加装備によって対潜機とする計画が昭和18年に持ち上がっています。こうした機が艦上で運用される可能性はあったかもしれません。また、特設空母は実際に完成した形態は本格的な航空母艦でしたが、開戦前から「戦時案」と呼ばれる簡易改造計画があり、格納庫側壁などをキャンバスで張り、甲板は鉄板張り、エレベーターは一基のみという案が浅間丸クラスの特設空母の急速改造計画中には存在しています。 こうした簡易空母が実現する可能性は皆無ではなかったということでしょう。 |
早々のご教示をありがとうございました。 > ここで書くのは何度目になるかわかりませんが、日本側の航路を防衛する為には陸上機が最も合理的であるという判断を護衛艦隊自体が下しています。 過去ログの読み込みが不足し、失礼しました。 そのような判断がなされたということですから、 安定した航空支援が可能であるということなのでしょう。 > こうした簡易空母が実現する可能性は皆無ではなかったということでしょう。 ご教示ありがとうございました。 航空機運用艦もナシとなるとひょっとしたら水上戦闘艦艇は、 ほぼ海防艦だけを量産することになるのかも知れませんが、 一抹の寂しさがあります。 (連合艦隊旗艦も海防艦・・) |
> 航空機運用艦もナシとなるとひょっとしたら水上戦闘艦艇は、 > ほぼ海防艦だけを量産することになるのかも知れませんが、 > 一抹の寂しさがあります。 > (連合艦隊旗艦も海防艦・・) 連合艦隊司令部は陸上基地の「第一航空艦隊」(研究当時では第十一航空艦隊)を直率するんです。フネには乗りません。 |
>航空機運用艦もナシとなるとひょっとしたら水上戦闘艦艇は、 >ほぼ海防艦だけを量産することになるのかも知れませんが 戦後の水上艦艇の変遷を見ると順当な変化かもしれませんよ。 米ソを見ると判り難いですけれど英海軍の建造艦を見ると 大戦後起工の巡洋艦以上の艦艇はありませんし。 |
初めまして。コメントをありがとうございます。 > 戦後の水上艦艇の変遷を見ると順当な変化かもしれませんよ。 > 米ソを見ると判り難いですけれど英海軍の建造艦を見ると > 大戦後起工の巡洋艦以上の艦艇はありませんし。 海防艦と言っても、第一号型第二号型程度(800トンちょっと) を想像していまして・・ その狭い艦内に連合艦隊司令長官をはじめとするお歴々が、 押し合いへし合いイスを奪い合ってむすっとしている様子を 想像しました・・ 1000トン超えちゃったら贅沢過ぎると思いまして。 日本海軍があのサイズでつくったのですから、きっと 十分に使用に耐える航海性能があったのでしょう。 (そ、想像でものを申して、すみませんっ! このサイトではタブーらしいのに。) |
> (とりわけ対潜用には、カタパルト発進の使い捨ての旧型機でもよいから、 > 護衛艦隊内に持っておきたいと考えるように思うのです。 > 実際に存在した一万トン超の空母は、贅沢にすぎると思います。) 使いすて航空機ですと精々半日しか空中に居ないのですから、それは対戦護衛の役には余り立ちません。 航空機と船団の護衛に関しては、航空機は有用だが空母は要らないとの結論が既に出ています。航空機の傘が欲しいなら哨戒機を航路に差し向ける方が効率的です。 勿論、陸上基地航空機が充分なカバーを出来ないような遠隔地では話は変わりますが、日本のシーレーンと日本軍が持っていた航空機の特性では問題は無いものと考えます。 |
しまった、BUNさんに先に的確に答えられてしまってる(笑) |
初めまして。ご教示ありがとうございます。 > 使いすて航空機ですと精々半日しか空中に居ないのですから、それは対戦護衛の役には余り立ちません。 はい。相当な機数を捨て続けても、 ホンの一時の穴埋めでにしかなりませんね。 > 勿論、陸上基地航空機が充分なカバーを出来ないような遠隔地では話は変わりますが、日本のシーレーンと日本軍が持っていた航空機の特性では問題は無いものと考えます。 そうですか。そうなのかも知れません。 「天気悪いので遅れます。かわりをさっき頼んだけど、 そっちに着く頃には、日が暮れちゃっているかなあ。ゴメンネ。」 なんていうメールを陸上基地から受け取ったときに備えて、 護衛艦隊が自前で持っていると安心かと思ったのですが・・ 「自分でできるもん。」 |
> > 勿論、陸上基地航空機が充分なカバーを出来ないような遠隔地では話は変わりますが、日本のシーレーンと日本軍が持っていた航空機の特性では問題は無いものと考えます。 > 「天気悪いので遅れます。かわりをさっき頼んだけど、 > そっちに着く頃には、日が暮れちゃっているかなあ。ゴメンネ。」 > なんていうメールを陸上基地から受け取ったときに備えて、 > 護衛艦隊が自前で持っていると安心かと思ったのですが・・ 天気等のコンディションは確かに重要な要素ですが 飛行場が別の場所にもあって、また哨戒機の航続力が大きければ 条件の良い別の飛行場から出してもらえば解決します。 少なくとも日本軍航空機の性能からしたら問題にはならないでしょう。 また直衛機は引継ぎロスタイムを見込んだローテーションを組んでいますので スコールで発進が遅れる等でしたら別に問題になりません。 悪天候の場合は発進は出来ても帰還が困難になりますが、これは言い換えると来る事は来るわけです(たぶん帰還は別の天候の良い基地になる) 日本軍の場合の最大の敵は飛行機の数で、そういったイレギュラーな事態に耐えられるだけの予備機材を確保できるかどうかが一つの鍵になるでしょう。 水雷史に館空の見積もりが紹介されてますが、主要航路全域に直衛機を日中常時2機貼り付けるのに必要な員数は常用4+補用2を一つのチームとして計算して約850機だそうです。 ま、困った事態が連続して起こらない限りはそのチームで吸収できるでしょう またチームあたりの担当空域が比較的小さいので隣接どころか日本海軍機なら相当はなれた担当区の機体でも対応が可能です。 ここらは機材の数量や性能よりは、それを手配し指揮する能力の問題になるとは思いますが・・・。 |
緊急用のバックアップを艦隊に持たせるよりは、それまた 陸上基地からの提供で十分であり、かつコストパフォーマ ンスがよいという見積もりがなされていたということなの でしょうか。 それにしても、十分なバックアップ機材を見積もり始める と、これだけ用意するならいっそ攻勢に出て、禍根をもと から断つという誘惑に駆られそうです。 |
> ただ、護衛艦・潜水艦中心の構想が有り得たとしても、直衛の航空機運用艦に > ついてはその構想の萌芽は見られたのでしょうか? > (とりわけ対潜用には、カタパルト発進の使い捨ての旧型機でもよいから、 > 護衛艦隊内に持っておきたいと考えるように思うのです。 > 実際に存在した一万トン超の空母は、贅沢にすぎると思います。) 日本海軍の対潜哨戒航空隊は基地航空隊(水上機含む)であり、現実にその行動範囲内にほとんどのシーレーンをカバーすることができています。 基地の間隔は九七艦攻でも間に合う程度(実際に使われています)に密なものでしたが、主要使用機材はやたらと航続距離(航続時間)の長い九六陸攻や九四式・零式の三座水偵、のちには専用機の東海も用意されます。 機数さえ揃えれば旧式機を積んだ護衛空母など要らないのです。 これが破綻したのは水上部隊の決戦にしくじって、米機動部隊が潜水艦とともに奥深くに入り込むようになり制空権が怪しくなってからのことです。 1943年後半から1944年春あたりまでは、日本海軍はかなり効果的な対潜哨戒航空作戦を展開できていると思います。 日本の商船改造空母ははじめから艦隊空母を補完すべき攻撃空母として計画されていますが、それには能力不足だったことはご承知のとおりかと思います。 しかし、これをありものの転用策として護衛空母に振り向けるには「航空機運搬艦」としての任務が多すぎます。 実際にはそれを押して大鷹や雲鷹が投入されていますが、どれも潜水艦に返り討ちに遭っていますね。 もちろん大西洋の連合軍とは護衛艦の密度の差もありますが、ドイツ潜水艦よりも有能な米潜水艦を相手にするには護衛空母システムはあまり有効でないという例証になるのでは。 大西洋でも護衛空母は1942年いっぱいまでの大西洋中央部の「エア・ギャップ」を埋める存在として運用されていたのであり、それがアゾレス諸島の基地の使用権獲得とB-24(PB4Y-1)の投入とによって埋められてからは、直接に船団護衛というよりも、潜水艦ハンターとして少数艦が遊動機動部隊として大西洋を遊弋して間接護衛する運用にシフトしていきます。 ちなみに、それと呼応して太平洋方面に大量の護衛空母を投入できるようになり(もちろん大量建造が軌道に乗ってきたこともあります)高速艦隊空母を攻勢部隊、護衛空母を防勢部隊に振り分けることも可能になってきます。 船団護衛に空母を張りつけるのは、実のところあまりいい方法ではありません。 空母というのは風上に向かって直進せねばならない搭載機発着の間は非常に無防備です。 これを護るために護衛艦を振り向ける必要があり、その間は船団の護衛が手薄になります。もちろん、哨戒飛行のためにはかなりしょっちゅう発着作業をやる必要があり、その度に護衛に穴を開けることになります。 風向きによっては船団と離れてあさっての方向に全速で走ることもままあるでしょうし、そうなれば船団に合流するのに時間がかかり、なおさら不利を招くことになります。 この不利を感じていたからこそ大西洋の後半戦では護衛空母の遊動機動部隊運用につながっていくわけですが、護衛艦艇自体が少なく、また燃料も少ない日本海軍としては、基地航空隊でカバーできる海域(空域)に二重に護衛空母ハンター隊を航行させる意味合いが薄いのではないでしょうか。 |
40分近くもかけて一生懸命クドく書いたのに!!! BUNさんとSUDOさんが・・・(自爆) |
しかもハズしてるし! お題は護衛空母ぢゃないぢゃないか・・・ まあ、結論はそう変わりませんが。 CAMシップは対潜機ではなく触接機や攻撃機を撃退するために戦闘機を持ち出そうというもので、洋上航空兵力が貧弱かつ脆弱なドイツ空軍相手の方策ですし。 MACシップは代打の代打という地位を脱することはありませんでしたしね。 というより、空母戦力が思い切り不足しているろいやるねーびーと、航続距離の短い飛行機ばかりのRAFコースタルコマンドという条件があってはじめて出てくる対策ではないかと。 日本の船団はそれほど切羽詰った飛行機欠乏症には陥っていませんし、両軍が交戦している戦闘地域への輸送航路・・・というか『補給航路』以外では、よほど末期にならなければ敵機の脅威はほとんどないのです。 対潜機運用をする航空機搭載艦船については『やっちまったョ護衛空母の巻』で述べたことがほぼ当てはまるかと思います。 とにかく、日本の護衛艦隊は自前の航空戦力は必要としていない、ということを言いたかったんです、ボクわ(あうあうあう |
> しかもハズしてるし! いえ、そんなことはありません。 私は航空機運用艦とのみ考えておりましたので、 その範疇にはもちろんご教示の内容があてはまっております。 > とにかく、日本の護衛艦隊は自前の航空戦力は必要としていない、ということを言いたかったんです、ボクわ(あうあうあう ありがとうございました。 |
初めまして。 丁寧なご教示をありがとうございます。 > 実際にはそれを押して大鷹や雲鷹が投入されていますが、どれも潜水艦に返り討ちに遭っていますね。 そう言えばおっしゃるように、航空機を運用できさえすればと 考えるのは楽観に過ぎました。 (もちろん、あったほうが安心ですが。) > 風向きによっては船団と離れてあさっての方向に全速で走ることもままあるでしょうし、そうなれば船団に合流するのに時間がかかり、なおさら不利を招くことになります。 そうですね・・ 重装備の攻撃隊を多数発進させるにはまさしくご懸念の事態となると 思います。 対潜機をカタパルトで散発的な打ち出しをする場合でも、やっぱり そうなってしまうものでしょうか。 とは言え、この疑問は傍論です。 皆様からご指摘いただいたように、陸上基地を主体とした 船団護衛に私も賛成です。 |
何時の間二やらにぎやかに。 日本海軍の第2段作戦はガダルカナルからの撤退で幕を閉じましたが、ガダルカナル撤退が決まったころになると第3段作戦の構想が練られ始めます。第2段作戦は勢いで進められましたが、第3段作戦はじっくりと検討するように考えられていました。 18年1月に戦備考査部会議が開かれます。この時軍令部第一部長からは第3段作戦の方針が示されました。 戦争の様相が艦隊決戦から戦略要点の争奪戦にかわり、航空戦、作戦基地の争奪戦が起きそれに伴い艦隊の戦闘が起きる、と現実的な判断をしていました。その対策として、防備強化、航空兵力、対空兵器、小型艦艇多数の整備、機知の強化と相俟って艦艇の機動力、弾発力発揮などが示されています。また、艦政本部から「船の整備に充当すると基地整備が不十分になる」という報告がなされます。が、特に何かが変わったわけでもありませんでした。 18年4月に連合艦隊司令長官らが戦死したために第3段作戦は命令が出されないまま、になっていましたが、5月になり連合艦隊司令部と軍令部の打ち合わせで、2航戦の取り扱いを巡って議論がありました。 2航戦は第2艦隊に編入してインド洋方面に備えるという考え方があったのですが、 (第3段作戦の)邀撃帯の支援には従来ほど空母の支援が緊要ではない。米英の空母は太平洋方面に出現する可能性があり、空母を分散することなく集中使用、決戦兵力はなるべく集中使用したい、と意思表示があった。つまり、空母は集中使用にして敵空母との決戦に使用する、という意志が現れている。 しかし、このころ護衛用のふねの損害は増すばかりで、このままでは遠からず連合艦隊は護衛艦不足で行動不能になることも予想された。護衛艦の大量建造となると、まず資材がない。空母の充実は今の計画では昭和23年頃になってしまうが、そんなころには当に破綻していることが予想できる。 昭和20年以降に完成する空母9隻の建造を止めればどうにか資材はなんとかなる。昭和20年までに戦局を、と壮大な基地群構成による第3段戦備が18年8月にスタートする。 |
川崎さん、わかるけど、この話は「やる場所」が違うような・・。 軍備計画の流れだけを解説なしで書いてもわからない人がいると思いますよ。 |
消えてしまった・・・ > 軍備計画の流れだけを解説なしで書いてもわからない人がいると思いますよ。 細かく書かないとわからないかなあ、と思って書きました。けど、途中で疲れてしまって・・・。しかも、折角書いたのも消しちゃった。 日本海軍は基地航空隊と母艦部隊を含めた艦隊と潜水艦などが連携しての邀撃作戦だと思います。状況により順番に差はあるものの、基本姿勢は艦隊と潜水艦隊が粉砕されるまで変わらないように思えます、ということを書きたかった。 |
前から川崎さんに聞きたいと思ってたんですけれど、 マリアナの第一機動艦隊は米空母をどれだけ喰えると思っていたんでしょう。 いや、ホント、素直な質問なんです。 |
> 前から川崎さんに聞きたいと思ってたんですけれど、 > マリアナの第一機動艦隊は米空母をどれだけ喰えると思っていたんでしょう。 > いや、ホント、素直な質問なんです。 第3艦隊時代から「空母が同数ならやれる」という認識のようです。それ故、奇襲的爆撃で飛行甲板をつぶしなんとか同数にしようと考えていたみたいです。搭乗員にも現状(明らかに米軍が優勢)は率直に話がなされているそうです。 第1機動艦隊の戦闘詳報を読むと、「なんとか同数になってくれ」という願望があったように感じられます。 私は高松宮日記の5月に出てくる見積もり(第1撃で大型空母4隻撃沈破)がいいところに思えます。基地部隊の方は陸攻が昼間攻撃になっていて、いつの見積もりだ?という気もしますが。 第1機動艦隊よりもわかんないのは第1航空艦隊ですね。基地の方です。 基地の第1航空艦隊は本来機動力をつかって決戦する筈が、はりつけ航空艦隊が中部太平洋になく、結局矢面で受けてたつことになり実力を発揮できませんでした。 機動力はあるのは整備員を乗せている陸攻と大艇ですが、これらが使えなくなり銀河や彗星が主体になった時、基地航空機動作戦は非常に困難になったように思えます。搭乗整備員がいれば一番心配なエンジンについて操縦員にかかる不安はなくなりますし、行った先で整備員がいなくても整備することも出来るでしょう。そういう意味で、本来機動力がないといけない銀河が搭乗整備員を乗せないというのは変だなあ、と思っています。 |
これは以前川崎さんと日本の母艦建造計画が縮小した理由についてディスカッションした際の川崎さんの主張で、戦況を反映して縮小されたという内容ですが、私からの提議は以下のようなものでした。 1.戦況も大きな理由だが、それを実施できた思想的な背景があり研究が存在する。 2.時系列的には基地航空隊主兵論(従来から存在、軍令部内にある意見)→実施研究(17年末〜18年春)→第三段戦備(邀撃帯構想の現実化)と見るべき。 3.元々海軍の軍備計画、マル四計画、マル五計画、改マル五計画の重点は艦隊よりも基地航空の充実にあるのは計画の詳細を見れば明らか。 4.当の軍令部第一部長の残した記録からも基地航空主兵論は読む事ができる。 5.米国の空母建造計画はほぼ把握されており母艦の不足は明らかだったがドラスティックな促進策はとられていない。(航本案簡易空母の却下と三段戦備での再浮上と再度の却下など) 6.実際の建造計画は基地航空隊主兵論の側から提示した最低限の母艦整備数にも及ばない。 こんな内容で議論した事があるのですが、今の議題とは微妙に異なりますのでここでの展開は遠慮したく思います。 |
横レス失礼致します。 本議論とは全然別の事で恐縮ですが気になりましたので念の為伺います。 > 3.元々海軍の軍備計画、マル四計画、マル五計画、改マル五計画の重点は艦隊よりも基地航空の充実にあるのは計画の詳細を見れば明らか。 勉強不足や視点の違いによる見解の相違であれば御容赦下さい。 建艦計画(別途記載)を見る限り上記の御意見とはかなり乖離していると感じます。 BUN様の御意見にある艦隊よりも基地航空の充実を建艦計画上でどう見ればよいのか御教示願えないでしょうか。 マル五、改マル五計画における空母、巡洋艦、駆逐艦の建艦計画。 空母 改マル五計画における計画数 雲龍型15隻(完成数2隻)、改大鳳型5隻(計画放棄)、千歳型2隻、海鷹、神鷹、信濃(千歳型以下全艦完成) 巡洋艦 マル五計画 33000トン型重巡2隻、改阿賀野型8250トン型軽巡5隻、5800トン型防空巡洋艦4隻(後の見直しで8520トン型2隻のみを残し他は計画放棄) 駆逐艦 マル五計画 島風型16隻、秋月改型(秋月型の後期簡易型?)16隻(島風型以下計画放棄) 改マル五計画 夕雲型8隻、秋月型23隻(マル五計画を含め秋月型の竣工艦はどの計画で竣工したかは勉強不足で不明) 蛇足 マル四計画にて大和型戦艦2隻、マル五計画では改大和型1隻、50センチ砲搭載戦艦2隻 マル六計画戦艦4隻(詳細不明)(上記計画で竣工したのは空母改装の信濃のみ) |
超大和型に超甲巡と派手な計画艦ばかりが有名ですが、マル四からマル五、マル六、改マル五計画の時代には大型軍艦の建造計画は既に軍備計画の主体ではありません。 (前に読んだ、と言う方はどうか御容赦) 海軍の軍備計画が航空優先の方針を打ち出したのは第四次、いわゆるマル四計画からです。この時に後に比島攻略以降の南方侵攻作戦で活躍した中攻部隊と台南空など陸上基地零戦隊の編成が計画されます。マル四計画はその理念として艦艇よりも航空軍備の優先を方針としていましたが実際には航空と艦艇が肩を並べた程度と言えるでしょう。 しかし、その後のマル五計画は米国の艦艇建造計画拡大により対米戦力比が悪化する事に対して、中部太平洋での制空権確立を狙った大規模な航空軍備の充実をテーマとしたものです。マル五で新規増勢67隊 1320機、練習航空隊新規増勢93隊 2138機の計画で、マル六の規模はマル五の約1.5倍。改マル五以前にこれだけの計画が立案されているのは異様ですが、無条約時代を迎えて当初の見通しと異なり、戦艦の保有比率が対米5割を切り、母艦の比率もまた絶望的な情勢下で、航空基地の設定しにくい内南洋での邀撃戦の主力として構想されたのが、水上戦闘機、水上爆撃機、飛行艇の隊数の多さが目立つマル五航空軍備、攻勢作戦を視野に入れて整備を計画したのがマル六航空軍備と見てよいと思います。 改マル五計画は空母の計画隻数だけ見れば空母の再評価のように見えますが、計画全体として見れば母艦航空隊の兵力は大して増加していません。改マル五航空兵力は作戦部隊347隊の増勢でマル五平時に比べて215隊増、マル五戦時計画に対しても83隊増となっています。 この中で艦上機の隊数増加はマル五戦時18隊に対して18隊増の36隊に過ぎず、飛行艇を除く基地航空部隊が155隊増の299隊増勢になっていることから見ても、改マル五計画が決して空母を最重点に置いている訳ではないことが判ります。改マル五航空軍備でひとり大きな減勢を見ているのは飛行艇ですが、これはK60などの大型攻撃飛行艇計画の頓挫が影響していると考えられます。(大型飛行艇24隊は白紙撤回、中型飛行艇は24隊から半減の12隊) 改マル五は母艦建造計画だけが肥大したのではなく、基地航空兵力増勢計画もまた同じように水増しされています。 大まかな数字は以上のようなものですが、肝心なマル四、マル五計画の理念についてはあの「中沢ノート」の中でも触れられています。華々しい軍艦の建造計画に気を取られがちなんですが、計画を立案した人々の考え方も航空優先、実際の計画においても航空優先の軍備計画なのです。 |
マル五軍備は即時、対米開戦に使用できるようなスケジュールではありませんが、将来、このような形で海軍の主体を基地航空兵力に置くことに対しては迷いがあったようです。 それは、マル五のような航空軍備は対米戦を文字通りの国家総力戦の様相に傾けるもので、日本が避けるべき長期消耗戦への道を開いてしまうのではないか、という懸念です。これは計画立案時にはっきりと不安要因として書き残されています。 理論の上では、マル五軍備を実施して中部太平洋での制空権を安定的に維持しなければ日米艦隊決戦もままならない、という予測の下に計画が進められているのですが、もし艦隊決戦に持ち込めない場合、両軍の水上部隊他が対峙したまま局地戦を繰り返して戦争を長期化させてしまうのではないかとの疑問が強くあり、既に成立するかどうか疑問もある旧来の機動部隊プラス水上部隊による短期決戦指向を捨て切れません。 開戦以来の南雲機動部隊の活躍はあえて旧思想の戦術でとにかく敵の侵攻部隊の槍の穂先を折ってしまえれば、という期待によって存在したのだと解釈できるでしょう。ソロモンの戦闘が始まり日本側が望む時期に望む形での艦隊決戦を行える可能性が潰えた時、ようやく基地航空隊の運用構想がまとめられ、十八年になって形を定めて実施されるのは開戦前から存在した「迷い」の結果だと見ることができるかもしれません。 |
マル四、マル五計画の理念に沿って、海軍は開戦時に間に合う機動航空兵力として太平洋全域で戦う事を目的とした第十一航空艦隊という小空軍を持っていたんですけれども、これが南東方面に張り付けになってしまう。そこで第十二航空艦隊以降の方面別航空艦隊を編成して、更に決戦用の機動兵力の第一航空艦隊を編成するのだけれども、マリアナ以降、第二、第三、第五とやはり方面別航空艦隊が編成され担当正面に張り付けになってしまう。そんな状況を横目で見ていた機動部隊には「早くスパっと決戦させて欲しい」という気持ちが常にあった訳で、空母戦を一回きりならば、やりようによっては勝てるのではないか、という期待はマリアナ以降までも確かにあったと思います。 そんな訳で、大艦巨砲主義VS空母機動部隊という図式はあまり意味を持ちませんが、かといって基地航空隊主兵論VS空母機動部隊という対立の構図をただストレートに論じても仕方が無いことでしょう。大雑把に言うならばそれぞれの裏にある長期総力戦必然論と短期決戦論が色々と形を変えつつ様々な曲面で顔を見せているというのが現実に近いのではないかと思います。陸海軍統一空軍構想が最後に頭を持ち上げた本土決戦直前に、統一空軍提案を一蹴したのが機動部隊の司令長官だった小沢長官だと言われているのも、気持ちとしては半ば頷けるような気がします。 |