Page 32 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼質問です。 花音 02/2/17(日) 2:20 ┣戦争そのものの結果は変らない BUN 02/2/17(日) 5:06 ┣Re:戦術的兵器の優秀さで戦略的劣性をひっくり返すのは不可能? TAKA 02/2/17(日) 22:44 ┣ゆめもちぼーもないはなし まなかじ 02/2/18(月) 0:08 ┣Re:質問です。 kazz 02/2/18(月) 15:20 ┗Re:質問です。 (ヨーグモス) 02/2/18(月) 21:40 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 質問です。 ■名前 : 花音 ■日付 : 02/2/17(日) 2:20 ■Web : http://www.kanon-rg.com/jikosyoukai.htm -------------------------------------------------------------------------
はじめまして、花音です。 わたしみたいに戦争論にはあまり詳しくない女が抱く単純な疑問として、 未完だった兵器が完成、実戦投入されていたら戦局はどう変わったのか? 変わらなかったのか? という点があります。 そこで教えていただきたいのですが、 三菱2式重戦車改、震電、秋水、烈風、富嶽、 といった幻の兵器が、大戦中に間に合ったら・・・? といった事を、教えていただけないでしょうか? よろしくお願い致します。 花音/:*:・'゚☆。.:*:・'゚★。.:*:・'゚☆。.:*:・'★。.:*:・' |
個々の兵器の性能で戦争の結果が変る事はありません。 それが既に存在する同種の兵器の中で「最優秀」であるという程度では 戦争そのものへの影響は小さなものです。 兵器の開発が戦争そのものの形を変えられる機会は その兵器が今までに無い新しい概念を体現したものである場合だけです。 そうした兵器は多くの場合、未完に終わっても惜しまれる事はありません。 今までに無かった概念を評価することは素人仕事では困難だからです。 |
確かに花音さんの言われた兵器は個々の兵器として考えるなら優秀な兵器です。 例えば優秀な技術者がいて優秀な兵器を開発でき、その兵器が敵の兵器より優秀で 1機の烈風で2機のF8Fを撃墜できるとしましょう。 それでも日本が烈風を1機生産している内に米国が3機生産できるとするならば 日本が生産した1機の烈風が2機のF8Fを落として3機目のF8Fに落とされ たとするなら、米国に1機のF8Fが残ります。 そうしたら、最終的にはどうなるかは単純計算で分かりますよね? すなわち多少の兵器の優劣よりその当事国の国力(経済力・技術力・人的資源等を 総合的に集めた物)の優劣が戦争を決める決定的要素であると言えます。 この場合個々の兵器としては優秀ですが日本の生産力は米国の大体十分の一でした。 これらの兵器が開発された頃にはどれくらいの格差が付いていたのでしょう? ちなみに昭和十九年の航空機生産量は日本26,500機対米90,000機です。 こう考えるとものすごく単純に考えて上記の計算を当てはめても、26,500機の烈風で 90,000機のF8Fと戦ったとしても、30,000機以上のF8Fが残りますよね? こう考えれば新兵器の威力が最終的にどの様に影響を及ぼすか理解できますよね? 確かに兵器が戦略をひっくり返す決定的要素足り得るほどの決定的威力を持つ 兵器という物も歴史の中に存在するのも事実です。(例えば原爆、只この場合は 戦略的優者が作り出したので戦略的優勢を加速させたが・・・) そういう事で題名にあるとおり「戦術的兵器の優秀さで戦略的劣性をひっくり 返す事は困難」と言う事になります。 |
まあ、その、総論としてはBUNさんの仰る通りなのですが ちょこっと各論でも > そこで教えていただきたいのですが、 > 三菱2式重戦車改、震電、秋水、烈風、富嶽、 > といった幻の兵器が、大戦中に間に合ったら・・・? 陸軍にM4シャーマンなんてすぺぺのペーとぶっ潰せる重戦車があったら・・・ ドイツにはそんな戦車がけっこうたくさんありました(すんごくたくさんではないですが) でもドイツは負けました。 まあ、確かにヨーロッパではアメリカの戦車兵は太平洋の友軍には想像もできないくらいにとてもしんどい戦争をやっていましたが、それでも勝てています。 まして、日本にはそんな重戦車を「けっこうたくさん作る」だけの力もありません。 同じようなものを作る能力がなかったとは言いません。 でも、たくさん作ることはできません。 実際に乗る日本軍戦車兵にしてみれば実に重要だし、戦うアメリカ軍戦車兵には胃が痛くなることだったでしょうが、作戦としてみればアメリカ軍は機甲師団をよけいに太平洋戦線に回すことで十分に対応できる範囲内のことです。 本土防空戦に震電があったら・・・ つーか、本土にB-29が来ている時点でもう駄目です 震電はちょっと速くて武装が強いというだけの戦闘機で、カッコ以外は何も画期的なところはありません もちろん、B-29を完封することはできません 朝鮮戦争で北朝鮮側はジェット戦闘機のMiG15を投入しましたが、阻止できませんでした 震電よりはるかに高速で重武装な飛行機なのですが エンジンの信頼性が仮に100%に近いものだったとしても、ほとんど影響を与えることはできないでしょう 秋水が間に合っていたら・・・ これはダメダメだったでしょう 元ネタであるドイツのMe163の実績はさんざんでした ロケット機を運用できる飛行場というのは非常に限られたものです(ちゃんとした舗装滑走路を持ち、しかも特殊な燃料を使うので整備班も専用、特別装備も必要) 秋水の行動半径はめちゃくちゃに短いので、その飛行場さえ避けて通ればなんということはなく、飛行場がクリティカルな位置にあっても滑走路に穴さえ開けてしまえば発進不可能、爆撃隊出撃に先立って飛行場を一時的にでも潰してしまえばちょっと穴を埋め戻したくらいでは出られませんから、これまた心配無用。 無動力の滑空状態から橇ですべり込む着陸法なので、着陸後に自力で移動できず滑走路がふさがれてしまう。 いっぺんにたくさん出撃すると、無動力滑空なので上空待機もできず次々降りてくるけれど降りる場所がない、という状態になるので多数機で発進はできない。 これでは戦力になりません。 烈風は・・・ どうも、もともとあまり強い戦闘機になりそうもない飛行機です 昭和20年の時点で既に艦上戦闘機の地位は下落していて、そのままのかたちでは制式機になったかどうかも怪しいです 烈風改の路線で行ったとしてもキ−94IIと機種統合されてしまう可能性もあります F6Fヘルキャットと対等という程度の戦闘機では、既に太平洋上を日本に向かいつつあるF8Fベアキャットや、アメリカ陸軍航空軍の新鋭P-51H、P-47Nには対抗しきれません 富嶽の開発に成功していたら・・・ エンジン開発の時点で挫折しちゃってるのでなんともいえないところですが もし作れたとして、富嶽をまとまった数用意できる能力が日本にあったでしょうか 富嶽を十分な数だけ飛ばせるガソリンがあったでしょうか 戦略爆撃機というのは数で押すものです イタリアにもP.108というB-17に負けない立派な四発重爆撃機がありましたが、40機弱しか作れず何の役にも立ちませんでした ドイツのHe177も初期故障から立ち直ってからは戦略爆撃機として使えるものにはなりましたが、機数不足となにより燃料不足に祟られて活躍の場はありませんでした |
搭乗員をはじめとする運用要員が居ないので、結局戦争の勝敗に影響を与えるような 戦力にはならないと思います。たとえ、大量にあったとしてもです。燃料、弾薬、補給、 訓練、などすべてがそろって初めて戦力として使えるのです。 ベテラン搭乗員、ベテラン整備員でそろえた部隊がそれなりの戦果を上げたのは事実ですが、 その裏には、新人搭乗員を消耗しつつ、戦果を上げられなかった多くの部隊があったのです。 |
> はじめまして、花音です。 > > わたしみたいに戦争論にはあまり詳しくない女が抱く単純な疑問として、 > 未完だった兵器が完成、実戦投入されていたら戦局はどう変わったのか? > 変わらなかったのか? > という点があります。 > > そこで教えていただきたいのですが、 > 三菱2式重戦車改、震電、秋水、烈風、富嶽、 > といった幻の兵器が、大戦中に間に合ったら・・・? > といった事を、教えていただけないでしょうか? > よろしくお願い致します。 > > 花音/:*:・'゚☆。.:*:・'゚★。.:*:・'゚☆。.:*:・'★。.:*:・' 開戦開始直後の時点で「富嶽with原爆」とかそういうレベルだったら 勝てたんじゃないでしょうか |