Page 304 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼日本の重爆の爆弾搭載量 セリカ 09/9/2(水) 2:01 ┣Re:日本の重爆の爆弾搭載量 アリエフ 09/9/2(水) 6:27 ┣Re:日本の重爆の爆弾搭載量 片 09/9/2(水) 9:45 ┣爆弾搭載量とは BUN 09/9/2(水) 14:26 ┃ ┗Re:爆弾搭載量とは セリカ 09/9/2(水) 20:48 ┃ ┗ドクトリンじゃあ、ない BUN 09/9/2(水) 21:08 ┗「重爆」の解釈 片 09/9/5(土) 9:49 ┗作戦方面との関係 じゃま 09/9/5(土) 16:39 ┗15年方針「標準500kg」の事情 BUN 09/9/5(土) 21:03 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 日本の重爆の爆弾搭載量 ■名前 : セリカ ■日付 : 09/9/2(水) 2:01 -------------------------------------------------------------------------
航空誌によると、旧日本軍の爆撃機の爆弾搭載量は極端に少ないのが、ウイークポイントだと指摘されていますが、しかし良く調べてみると、軍部の仕様要求が800kg程度だと言われており、もしそうだとすると、爆弾搭載量だけが要求値を満たしていたことになります。果たして、当時の(首脳部や現場の)認識として、爆弾搭載量は満たしていたと言えるんでしょうか。また、現代から見て客観的に、爆弾搭載量は、どうすべきだったといえるんでしょうか。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98; Win 9x 4.90)@p3191-ipad08oomichi.oita.ocn.ne.jp> |
Ans&Qの過去ログ検索で「爆弾搭載量」と入れれば、下記のものも含め、幾つもこの問題に関係するやり取りが出てきますので、それを読んでみて下さい。 http://www.warbirds.jp/ansq/11/A2002472.html 質問などする前に基本的事項について検索して調べるのはネット時代の常識です。 <Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 5.1; en-US) AppleWebKit/530.5 (KHTML, like...@KD114018120253.ppp-bb.dion.ne.jp> |
重爆といいますか海軍の例ですが、アリエフさんがおっしゃる「幾つも」のどれかに書いたかも知れませんが、例えば、一式陸攻が懸吊する桜花の弾頭だけとっても1200kgあります。桜花まるごとだと2tを超えます。一式陸攻は2トン以上の"爆弾"を懸吊することだって不可能ではなかったのです。 また、一式陸攻は一一型の途中から搭載する魚雷の重量が1tに増えていますが、これに伴なう改造は、爆弾倉の長さを長くして新魚雷が寸法的に収まるようにしたことくらいです。 「爆撃機の機体全備重量」−「自重」=「搭載量」 「搭載量」=「燃料」+「爆弾」+「その他」 爆弾増やせば燃料が減る。燃料増やせば爆弾が減る。 単純化すればそんな関係です。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@p3110-ipad507marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
爆撃機の爆弾搭載量は行動半径によって変動します。 日本の双発爆撃機の爆弾搭載量は「あまりに少ない」といった紹介がなされることが多く、その理由として「反復攻撃を考えていた」「戦略爆撃を考えていなかった」など様々な説明が行われていますが、それらには何の根拠もありません。 どこの国の双発爆撃機も同世代のものなら発動機の馬力は大して変わりませんし、 搭載量も大きく変わることはありません。 ですからこういった事を考える場合には、空軍当局の認識を疑う前に まず、どの様な条件でその搭載量となるのかをよく調べる必要があります。 爆弾搭載量というものはその機体の搭載量を爆弾と燃料に振り分けた結果でしかありません。計画された行動半径に対応する燃料を搭載したあと、爆弾を搭載できる余裕がどれだけあるか、ということです。 一〇〇式重爆も一律に800kgではなく、標準時750kg(行動半径1000km 余裕1時間)、燃料満載時400kg(1500km 同)、「尚燃料を減じて」1000kgまで幅があります。 この計画性能はちょっと先輩に当たるウェリントンの作戦要求によく似ている上、実は少し上回ってもいます。 これでも行動半径が足りない場合、普通の空軍は四発爆撃機を計画します。 例えば英空軍であれば「爆弾搭載量800キロ」のドイツ本土奥地往復爆撃可能な爆撃機が出来上がる訳で、ランカスター計画の源流にはこんな考え方があります。 欧米重爆の「日本機とは比較にならない爆弾搭載量」とは、そこから離陸滑走距離制限の撤廃や行動半径の縮小によって導き出されたもので、最初からそれを目的に開発したのではない、という点が大事なところです。 これはアメリカの爆撃機にもほぼ共通して言える事です。 B29やB36も、ただ爆弾を沢山積むために計画されたものではないのです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@v0085-s0019.evp.wakwak.ne.jp> |
富嶽や風船爆弾は、日本のドリクトンに見合った然るべき兵器だったのですね。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98; Win 9x 4.90)@p1009-ipad06oomichi.oita.ocn.ne.jp> |
> 富嶽や風船爆弾は、日本のドリクトンに見合った然るべき兵器だったのですね。 う〜ん、「日本のドクトリン」というものが私にはちょっと理解しかねます。 爆撃機の開発計画というものは、 「どこからどこを爆撃するのか」といったことから始まるものだからです。 いわば世界共通なのです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@v0085-s0019.evp.wakwak.ne.jp> |
昭和15年の陸軍航空兵器研究方針では、陸軍が要求していた爆撃機は次の三種に分かれます(襲撃機、直協偵を除き)。 ・軽爆撃機 爆弾搭載量標準300kg/行動半径500km ・重爆撃機 爆弾搭載量標準500kg/行動半径1000km 所要に応じ 750kg/行動半径700km以下 ・遠距離爆撃機 爆弾搭載量標準1000kg/行動半径2500km 所要に応じ 2000kg/行動半径1500km以下 軍の要求は以上のようなものです。 遠距離爆撃機は従来「超重爆」と呼ばれていたものです。 日本陸軍では「重爆」が爆撃機として最も大型のランクではなく、その上があったのだということを指摘してさせて下さい。 そのレベルでは「軍部の仕様要求が800kg程度」ではなかったことも。 ただし、遠爆または超重爆は開発が難航したため、近代的機種としては実現していません。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@p3110-ipad507marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
数字を示していただいて有難いです。 とんでもない?要求を持ち出す海軍に対し陸軍はつつましい感じです。 素人目には「少ないなあ」とうつってしまいます。 もともと、陸軍の重爆は、対ソ戦での航空撃滅戦を目的にしていて、数的劣勢をカバーするため、延べ出撃回数を増やす、反復攻撃を考えていた、書いてあったりするのですが、この作戦方面との関係はないでしょうか。 昭和15年では、対ソ戦か、対支戦か、を考えていて、南方での作戦を予定していなかったかも、と思うのです。 それが予定に反して、大戦後半のフィリピンなど、航空優勢のない空域での行動を余儀なくされたため、搭載量を減らして速力を上げて使われることが多かったため、「日本爆撃機は搭載量が少ない」という見方が生まれたのではないでしょうか。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@softbank220006023102.bbtec.net> |
片さんが掲げた昭和15年の航空兵器研究方針を反映した重爆は雷撃機として使われた四式重爆1機種だけです。15年方針はそういった意味で「日本重爆の爆弾搭載量」の理由を示すにはあまり適当なものではありません。本当に重爆として使用された九七重も一〇〇式重もこの方針とは無関係だからです。 そして15年方針にある重爆の爆弾搭載量500kgも、陸軍重爆の爆弾搭載量の標準的数値ではなく、従来の750kg 1000kgといった要求からあえて削られた特殊な事情によるもので、上位に遠距離爆撃機があるから数値が抑えられた訳でもありません。 15年方針で爆弾搭載量が削られたのは前年夏に戦われたノモンハン航空戦の戦訓により、爆撃機の高速化が急遽求められた結果です。これは研究方針に書かれている通り「速度は努めて大ならしむ」ことと引き換えに爆弾搭載量を理想とは逆に小さくしているのです。 その後18年方針に現れる双発重爆の仕様は陸軍の機種計画で言う攻撃機の任務を兼ねて急降下爆撃能力を求められ、「500kg」の意味は段々と250kg×2や100kg×5ではなく対艦船攻撃用の500kg×1へと変わって行きます。陸軍版の銀河のようなものになる訳です。 では、大東亜戦争中に搭載量を減らしたかと言えばむしろ逆で、四式重爆は搭載量を2トンに強化すべく爆弾倉の改造計画が持ち上がります。もともと2トンの搭載は飛行機としては可能だったのですが、行動半径との兼ね合いで配慮されず、爆弾倉の設計もそれに合わせたものだったからです。これは日本にB24に匹敵する爆撃機が存在しなかったために採られた措置です。フィリピン航空戦の戦訓はむしろ逆に作用して爆弾搭載量増加へと進んでいるのです。 こうした事情に目をつぶってしまうと「反復攻撃」といった想像が生まれてしまうのですけれども、そもそも500kg、750kgとはいったい何のためにどんな爆弾を搭載することを考えていたのかも、落ち着いて振り返るべき点です。 歴代の航空兵器研究方針にある敵飛行場攻撃用の100kg爆弾×5、50kg爆弾×15といった爆装が搭載量500kg、750kgといった数値を導き出しているのであって、単純に重量だけ比較しても始まらないのです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; GTB6; SLCC1; .NET CLR 2.0.5...@c54.025.c3-net.ne.jp> |