Page 285 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼(if)航空調達省があったら? ラシキモノ 09/1/4(日) 9:42 ┗独立と統一を望んだのは誰か? BUN 09/1/4(日) 23:56 ┗Re:独立と統一を望んだのは誰か? ラシキモノ 09/1/5(月) 18:09 ┣Re:独立と統一を望んだのは誰か? SUDO 09/1/5(月) 19:01 ┣調達部門統一の最初のきっかけは? BUN 09/1/5(月) 23:23 ┃ ┗Re:調達部門統一の最初のきっかけは? ラシキモノ 09/1/8(木) 13:37 ┃ ┗Re:調達部門統一の最初のきっかけは? 片 09/1/8(木) 14:32 ┃ ┗Re:調達部門統一の最初のきっかけは? ラシキモノ 09/1/13(火) 18:23 ┃ ┗Re:調達部門統一の最初のきっかけは? 片 09/1/14(水) 5:36 ┃ ┗Re:調達部門統一の最初のきっかけは? ラシキモノ 09/2/11(水) 12:12 ┃ ┗川西 片 09/2/12(木) 11:16 ┃ ┗Re:三択のイメージ ラシキモノ 09/2/12(木) 19:26 ┣民間工場利用方針 片 09/1/6(火) 6:32 ┣Re:独立と統一を望んだのは誰か? カンタニャック 09/1/6(火) 14:04 ┗Re:独立と統一を望んだのは誰か? RNR 09/1/8(木) 20:43 ─────────────────────────────────────── ■題名 : (if)航空調達省があったら? ■名前 : ラシキモノ ■日付 : 09/1/4(日) 9:42 -------------------------------------------------------------------------
荒れが続いているようですが、また考えもなしにネタスレを立ててみますので宜しければお付き合いをお願いします。 帝国陸海軍に対し、空軍省の独立を考えたIFスレやAnQは何度か見かけました。 そこで趣向を変えて、陸海軍にあった機能+αが独立した仮称航空調達省が独立して存在したらどのような機種が誕生・統合されていたか? また、戦略戦術の運用面や構成に与えた影響にはどんなものがあったでしょうか? なお、仮称航空調達省は開発・生産等の軍需供給を統合統括する機関として想定しています。 陸海の航空本部や空技廠など、あるいは防衛施設庁のような機関を独立統合し、民間の航空行政まで統括するような機関です。 ここでも統帥権の解釈が問題となりそうな予感がありますが、ますはドイツの空軍省や軍需省のような強力な権限を持っていたと仮定したいです。 <DoCoMo/2.0 N904i(c100;TC;W24H16)@proxy1166.docomo.ne.jp> |
> そこで趣向を変えて、陸海軍にあった機能+αが独立した仮称航空調達省が独立して存在したらどのような機種が誕生・統合されていたか? > また、戦略戦術の運用面や構成に与えた影響にはどんなものがあったでしょうか? せっかくまともなお話を切り出して頂いたので、喜んでお付き合い致します。 独立空軍でも、航空省でも、そうした組織は誰がいつどのように望んだのだろう、と私は疑問に思っていました。現代から眺めると統一組織があれば合理的、独立していれば進歩的といった発想がついつい先に出てしまいますが、本当にそうなのかな、他の国ではどうだったんだろう、と。 飛行機の登場以前の軍隊は陸軍と海軍しかない訳ですから、軍用機は当然それぞれに採用されて発展しますが、空軍という発想はほぼ全て陸軍から生まれています。英米独日仏にわたる多くの空軍独立論は陸軍内で誕生して、そして多くの場合、その前に積極的であれ消極的であれ立ち塞がるのは海軍なのです。航空省的発想もその流れの中で登場したもので、こうした機関が存在する国では大概、海軍航空が割を食うことになります。空軍独立に反対したドイツ海軍やFAAが旧式機揃いになってしまったイギリスの例がそうですよね。 ではなぜ陸軍は空軍の独立、軍事航空の統一を望む傾向があるんだろう、という点に私の最初の興味があるんです。航空省の存在は戦略戦術に影響を与えるのではなくて、むしろ戦略戦術の発展の結果ではないか、と思う訳です。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@c202-138-88-78.customer.mni.ne.jp> |
コメントありがとうございます。 そうですね、不思議ですね。 私がスレ立て時に思い立った動機は独立統一の方向でなく。 政府や外務省のコントロールを受けづらく、本来は予算を付ける議会が腐敗していた状況で、兵器の開発生産機能を分権したら?というものでした。 そういえば国策会社は鉄道、製鉄、造船、造兵は国有化して育成していますが、日本では自動車や飛行機は大規模な国有化はしていないようですね? これもまた不思議な気がします。 <DoCoMo/2.0 N904i(c100;TC;W24H16)@proxy1111.docomo.ne.jp> |
> そういえば国策会社は鉄道、製鉄、造船、造兵は国有化して育成していますが、日本では自動車や飛行機は大規模な国有化はしていないようですね? > これもまた不思議な気がします。 鉄道は官営鉄道の2倍以上の規模にまで発展していた私鉄を買収することで巨大な国鉄になったのであって、育成したのは私企業であるかと。また造船業も海軍工廠と並んで私企業の造船所が多数存在し、太平洋戦争時でいうなら民営造船所は海軍工廠の倍程度の規模にまで達しています(技術面では官の指導を受け、また経営的にも官に依存する面は少なくなかったのは事実ですが) インフラでもある鉄道はともかくとして、他業種は私企業として食っていけるのであるならばそのほうが望ましいわけで、明治時代のように国が指導力を発揮しないと始まらない時代から、製品買い上げが事実上国に限定されるという状況ではあっても民の資金で事業化できるところにまで国としてのレベルが進んでいたということではないかと。 <Opera/9.63 (Windows NT 5.0; U; ja) Presto/2.1.1@221x116x237x197.ap221.ftth.ucom.ne.jp> |
航空機工業の国有化はフランス、ドイツ、ポーランド、そして戦争末期の日本でも発生してます。これは何故なんだろう、というのもひとつの視点ですよね。 さらに、日本でも民間航空機工業の中へ陸海軍出身の軍人たちがその中枢に送り込まれ続けたという事実があります。このあたりも面白いところかもしれませんね。 航空機の調達統一に関しては、まず最初にあったのは、「単なる冒険用具であった飛行機械を兵器として標準化された、安全なものにする」という目的で「統一化」の気運が生まれています。調達部門の統一とはそもそもそこから始まっているんです。兵器として使いものにならない水準にあった航空機をどうやって兵器の水準にまで持ち上げるか、が調達統一の最初の課題だったんです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.0; SLCC1; .NET CLR 2.0.50727; ...@c202-138-88-78.customer.mni.ne.jp> |
特に中島飛行機では産側から軍側へのすり寄りが激しかったようですね。 <DoCoMo/2.0 N904i(c100;TC;W24H16)@proxy1164.docomo.ne.jp> |
> 特に中島飛行機では産側から軍側へのすり寄りが激しかったようですね。 中島の面白いのは、将官クラスを何人も社内に入れておきながら、たいしたことは何もさせなかったことです。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@eatkyo414250.adsl.ppp.infoweb.ne.jp> |
凄い手腕ですよね。軍産議会と一代でのしあがった中島知久平は。 パッと思いつきませんが、逆に干渉されまくりのメーカーもあったのでしょうか? <DoCoMo/2.0 N904i(c100;TC;W24H16)@proxy1176.docomo.ne.jp> |
> パッと思いつきませんが、逆に干渉されまくりのメーカーもあったのでしょうか? 代表格は間違いなく川西ですね。 経営の実権が、創業者一族の手からほとんどもぎ取られてしまっています。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@eatkyo231120.adsl.ppp.infoweb.ne.jp> |
お返事が遅くなりました。ありがとうございます。 川西ですか。飛行艇メーカという印象が強いですが、水上機となると実はシェアがそうでもないようですね。 中島に出資しては振られたり散々ですね。 最後には悲願の戦闘機メーカになれましたが。 <DoCoMo/2.0 N904i(c100;TC;W24H16)@proxy1139.docomo.ne.jp> |
> 川西ですか。飛行艇メーカという印象が強いですが、水上機となると実はシェアがそうでもないようですね。 > > 中島に出資しては振られたり散々ですね。 > 最後には悲願の戦闘機メーカになれましたが。 川西は国内航空路を持つ航空輸送会社であり、自社で運行するための水上旅客機を製作する会社でした。中島知久平を切り離したのも、中島がこうした社風に離反して、軍用機の大量生産を計画したからなのだと思います。川西にはそれでも自社で機体を開発する能力が残され、民間水上航空機メーカーとして鮮明な旗幟を打ち立てたのでした。 大正時代に、航空機メーカー各社を陸海軍それぞれに色分けして軍需を分担させる囲い込みが行われた際にも、「非常時には陸軍機製造に協力する場合もあり得るが、基本的には民需専門」として公式に位置づけられていました。 このような経緯から、「三菱、中島=陸海軍両用」「愛知=海軍専用」「川崎、立川=陸軍専用」と各社の使用権が陸海軍協定で確立させられていた中にあって、川西はいわば穴場的存在となっていたわけでして、これを海軍の縄張りの中に捉え込み、当時広廠で行われていた飛行艇の試製・製造を担任させる工場として利用しようと目論まれて圧力をかけられ、以降、海軍向け飛行艇メーカーに転進させられています。 軍の手が社内に入ってきたことは社員の反発を呼び、従来の中核的なスタッフ(現場、経営両方の)が川西を退社してしまいます。 さらに、こののち戦闘機メーカーに転向させられたのも、これもまた専ら海軍の意思なのであって、経営者としての川西自体は成り行きに流される一方でした。 こうした経緯の末、最終的には全社を国に買い上げられ、国営の第二軍需工廠とされてしまっています。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@p7037-ipad606marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
川西というと九四式水偵察のヒットと大艇メーカのイメージが強く。 エピソードでも開戦直後の川西社長や菊原技師が会議で強風の陸上機を売り込んだ話し(別案は艦攻案と大艇の陸上機案でしたっけ?)を思い出すのですが、そういうバックグラウンドのメーカとは知りませんでした。 ご教示、ありがとうございます。 <DoCoMo/2.0 N904i(c100;TC;W24H16)@proxy1172.docomo.ne.jp> |
> そういえば国策会社は鉄道、製鉄、造船、造兵は国有化して育成していますが、日本では自動車や飛行機は大規模な国有化はしていないようですね? > これもまた不思議な気がします。 陸海軍とも最初は軍内部に製造廠を置いて飛行機造修を行うことを考えましたが、第一次世界大戦終結付近から民間会社を大々的に利用する方針に転換しゆきます。 ひとつには、第一次大戦で航空戦の実戦を経験した欧米に追いつくため急速に航空軍備を拡大する必要に迫られて、量的に民間会社の利用を考えざるを得なくなったこと。 さらに、この頃は航空技術はほぼ海外に依存じており、いちいち製造権買収契約が必要だったのですが、これを民間会社を窓口にして行わせるのがよいと考えられたからのようです。 特に、最新技術と目されたドイツの全金属機技術は、ベルサイユ条約の規制により陸海軍では直接タッチするのが難しかったので、民間会社を前面に立てるしかない、という事情もありました。 この時点で陸海軍間で協定が結ばれ、民間航空機製造工場のそれぞれを陸軍用、海軍用と指定する囲い込みも始まります。 以降の各社は事実上国策に縛られることになります。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)@eatkyo414250.adsl.ppp.infoweb.ne.jp> |
> そういえば国策会社は鉄道、製鉄、造船、造兵は国有化して育成していますが、日本では自動車や飛行機は大規模な国有化はしていないようですね? > これもまた不思議な気がします。 予算の問題があります。SUDOさんも書いてますが、明治期の日本政府は自己資金では全国に鉄道を引くことが出来ず、主要鉄道の多くを民間資本に委ねたわけですから。 明治期に比べれば、大正から昭和前期の日本政府は少しは金持ちになっていますが、民間資本も充実しています。民間にやる気があり、民間資本で工場が出来るものに、わざわざ政府が税金をつぎ込んで国営工場を造る必要はないでしょう。(商売にならない部分を国がおこなうというのはあるでしょうが) たしかに、市場競争経済には無駄がつきものですが、国営工場や統制経済には別種の無駄があります。そのあたりのバランスの取り方については、戦前の日本やり方はそれほど間違ってはいないように思えます。 <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.1.4322; InfoPath...@p4118-ipbf5204marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp> |
> コメントありがとうございます。 > そうですね、不思議ですね。 > > > そういえば国策会社は鉄道、製鉄、造船、造兵は国有化して育成していますが、日本では自動車や飛行機は大規模な国有化はしていないようですね? > これもまた不思議な気がします。 フランスは(一応)航空再軍備と増産体制確立のために航空機工業の国営化が実施されましたが、30年代の業界再建策の不徹底とそれに伴う政府と業界の間のしこりで遅々として改善が進んでいません。 米国ベル社のローレンス・ベルがフランスの航空機工業を視察して米陸軍航空隊向けにまとめたレポートがありますが、はっきり言って「酷評」(工場は狭いわ、汚いわ、生産性高くないわ、フランス政府は国有化するだと言っておきながらイスパノスイザを対象にしない(だから輸出重視で国内生産分に発動機が回ってこない)わ矛盾大杉…意訳)としか読めないですね。 その点、日本は軍からの出向、転籍による企業支配で事足れりとしたのではないでしょうか?政府としては余剰設備を持つことなく、陸海軍を通しての管理が出来たでしょうから。もっとも各社ともWWI以後の急速な冷却期を体験していますから無用の介入は嫌でしたでしょうが。 もっとも、本国のようにWWII直前に航空機関連産業株が投機戦の対象になって株価が暴騰して株式公開して自前で大規模な設備投資を行えるようになった「らっきー☆ちゃんす」的な家もありますけど… <Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.1.4322; msn Opti...@Air1Aax172.ngn.mesh.ad.jp> |