Page 28 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼零戦が仮に最初から「金星」を搭載した場合の、零戦の戦後の評価は? 貴文 01/10/24(水) 4:21 ┣結局変わらないと思います・・・ ささき 01/10/24(水) 11:05 ┃ ┗少し話をずらしてしまいますが 山家 01/10/25(木) 20:09 ┃ ┗Re:少し話をずらしてしまいますが 勝井 01/10/26(金) 5:06 ┃ ┗追加 勝井 01/10/26(金) 6:33 ┃ ┗その場合は要求計画から変更が無いと駄目ですよね? ルージュ 01/10/26(金) 7:02 ┃ ┗Re:その場合は要求計画から変更が無いと駄目ですよね? BUN 01/10/26(金) 10:00 ┃ ┗Re:その場合は要求計画から変更が無いと駄目ですよね? 山家 01/10/26(金) 21:32 ┃ ┗Re:その場合は要求計画から変更が無いと駄目ですよね? ルージュ 01/10/27(土) 2:04 ┃ ┗要求計画から変更が有るとすれば 名無しさん 01/10/27(土) 20:32 ┃ ┣かなり明解なビジョンで計画されていたと思います... ルージュ 01/10/27(土) 23:37 ┃ ┗前提 片 01/10/28(日) 8:26 ┃ ┣Re:前提 貴文 01/10/28(日) 15:40 ┃ ┃ ┗先見性ではなく・・・ BUN 01/10/29(月) 5:41 ┃ ┃ ┗Re:先見性ではなく・・・ どんべ 01/10/30(火) 0:29 ┃ ┃ ┗Re:先見性ではなく・・・ BUN 01/10/30(火) 4:04 ┃ ┗Re:前提 Jack&Betty 01/11/1(木) 22:22 ┃ ┗Re:前提 片 01/11/2(金) 6:02 ┃ ┗Re:前提 Jack&Betty 01/11/3(土) 23:44 ┃ ┣当初より発動機交換は考慮されていたのでは? ルージュ 01/11/4(日) 7:21 ┃ ┗栄換装について BUN 01/11/4(日) 14:51 ┃ ┗Re:栄換装について Jack&Betty 01/11/7(水) 0:46 ┣本題に戻ってみますと ささき 01/11/6(火) 2:54 ┃ ┗Re:本題に戻ってみますと 片 01/11/6(火) 8:28 ┃ ┣Re:本題に戻ってみますと ルージュ 01/11/6(火) 11:39 ┃ ┃ ┗Re:本題に戻ってみますと BUN 01/11/6(火) 12:33 ┃ ┃ ┗Re:本題に戻ってみますと ルージュ 01/11/6(火) 13:08 ┃ ┃ ┗Re:本題に戻ってみますと BUN 01/11/6(火) 13:53 ┃ ┃ ┗Re:本題に戻ってみますと ルージュ 01/11/7(水) 2:28 ┃ ┗火星零戦ですか… ささき 01/11/7(水) 2:29 ┃ ┗Re:火星零戦ですか… 烈風天駆 01/11/7(水) 21:54 ┃ ┗Re:火星零戦ですか… カールスルーエ 01/11/8(木) 3:25 ┃ ┗Re:火星零戦ですか… 部外者 02/2/11(月) 0:14 ┗Re:零戦が仮に最初から「金星」を搭載した場合の、... Yd 01/11/14(水) 14:16 ┗Re:零戦が仮に最初から「金星」を搭載した場合の、... 片 01/11/14(水) 18:55 ┗Re:零戦が仮に最初から「金星」を搭載した場合の、... Yd 01/11/14(水) 21:36 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 零戦が仮に最初から「金星」を搭載した場合の、零戦の戦後の評価は? ■名前 : 貴文 ■日付 : 01/10/24(水) 4:21 -------------------------------------------------------------------------
何時も、楽しいホームページを提供して頂きまして有難う御座います。 更新等を考えますと大変だと思いますが、頑張って下さい。 書籍を全部、図書館に寄贈してしまい、出稿先は定かでは有りませんが宜しくお願いいたします。 「金星」は当時の日本では一番、安定した優秀なエンジンだったと思います。 首なし飛燕を陸軍版「金星」に取り替えて名機五式戦が生まれたのですから 零戦を設計した堀越技師は零戦のエンジン選択に色々、逡巡されていますが結局は海軍の言いなりで「栄」を選択したようです。「金星」を搭載した場合、試算したところ翼幅が14mになり、当時のパイロットには受け入れられない・・そんな記事を見た覚えがあります。 故、坂井三郎氏は零戦の一番優秀な点は航続距離が長いことと言われています。 燃料消費が少ない「栄」を搭載した結果だったと思います。 多少、機体が大きくなっても「金星」を搭載したら、戦死者も少なくてすんだと思います。 |
> 「金星」は当時の日本では一番、安定した優秀なエンジンだったと思います。 > 首なし飛燕を陸軍版「金星」に取り替えて名機五式戦が生まれたのですから 金星は開発当初 1000hp 未満、零戦開発時の昭和12年には 1000hp をやっと 越えた頃でした。1500hp+ を発揮する62型の開発は更に5〜6年も後の話に なります。 > 零戦を設計した堀越技師は零戦のエンジン選択に色々、逡巡されていますが結局は海軍の言いなりで「栄」を選択したようです。「金星」を搭載した場合、試算したところ翼幅が14mになり、当時のパイロットには受け入れられない・・そんな記事を見た覚えがあります。 「栄」の搭載を用兵側が強要したか、については色々な解釈があると思いますが…。 戦闘機の寿命などせいぜい3〜4年と考えられていた当時、5〜6年先の発展性に 賭けて大直径・大重量・大排気量の金星を採用するより、より軽量コンパクトで 出力に大差のない新鋭エンジン「栄」を採用するのは合理的な選択だったと私は 思います。 > 故、坂井三郎氏は零戦の一番優秀な点は航続距離が長いことと言われています。 > 燃料消費が少ない「栄」を搭載した結果だったと思います。 > 多少、機体が大きくなっても「金星」を搭載したら、戦死者も少なくてすんだと思います。 金星搭載、翼幅14mというのは99艦爆を単座引き込み脚にしたような機体に なります。金星は二速過給器をつけた54型でもせいぜい1200馬力、飛行性能は 良くて凡庸なものにとどまったでしょう。 空戦性能向上のため徹底して軽量化を図り、燃費の悪さを補うため主翼をインテグラル タンクにして燃料搭載量を増やし…結局脆弱さにおいては零戦と大差なく、飛行性能は 大幅に劣る戦闘機にしかならなかったのではないでしょうか。 もちろんエンジン改良、翼端切断、武装強化、外板厚増、装甲・防弾タンクの導入などの 改良は行われるでしょうが、これは全て史実の零戦にも行われた、あるいはその計画が あったものです。 結局、最初から金星でも零戦の辿る運命はあまり変わらないのではないか、と 私は思います。それは限られた国力で強大な米国相手の一大博打を打った日本の 運命そのものでもありますから・・・。 |
私も結論としては、ささきさまに同意します。ただ、一つだけ、どうにも気に掛かる ことがあります。 それは、零戦の航続距離の問題です。記憶頼みで、最近大失敗をしていますが、資料 が手元に無いので、また記憶頼みで書き込みます。史実では、1941,2年当時、単 座単発戦闘機で、戦闘半径1000kmを実現していたのは、零戦だけだったと思いま す。この頃の欧州では、単座単発戦闘機が、ベルリンーロンドン間を往復して、空中戦 を行うというのは、将来の夢とされていましたが、零戦は、現実のものとしていました。 もし、零戦が、金星エンジンを最初から搭載したら、史実ほどの航続距離は実現できて いたのでしょうか。もし、実現できてなかったら、史実における開戦劈頭の比島空襲や ラバウルーガダルカナル間の長距離制空戦闘はありえなかったように思え、究極的には 史実は変わらないものの、史実ほどの零戦の活躍は見られないような気がするのですが、 どうなのでしょうか。 |
その場合は、航続距離に見合った戦術が取られただけのことでしょう。 例えばハワイに向かってた空母の内1、2隻を比島にまわすとか、 ソロモンではまずもっと手近な基地を整備するとか。 仮に当初からハンプ程度の航続力しかなかったとしても、 欧州の基準から見ればあきれるほどの大航続力には違いありません。 |
むしろ過大な長距離進出を求められずにすみ、 史実以上に活躍した可能性もあると思いますよ。 |
それ以前に要求性能に届く機体が出来上がったのでしょうか。 巡航速度で6時間の航続力を求められた結果、あの零戦が完成した訳ですし 大排気量(燃費の悪い)の金星が選ばれる可能性は無いのでは? |
> 大排気量(燃費の悪い)の金星が選ばれる可能性は無いのでは? 鋭いですね。要求仕様あっての機体開発ですから、試作発注時に発動機は指定されていますし会社側で発動機の選択権は無かった訳です。それ以前の研究段階で金星の可能性も検討されたかもしれませんが堀越・奥宮「零戦」の発動機選定に関する部分はかなり脚色されていますので何とも言えません。 また、最初の金星換装は十五年にはもう三菱に打診されていて、三菱側から否定的な見解が出ています。 私は零戦は栄装備のままで防弾防火装備を搭載する可能性が無くはなかったと思っています。既に防弾タンクの実験は済んで技術的には何の問題も無かった訳ですし、一号零戦の航続距離はオーバースペックでもあり巡航6時間の要求を達成するだけであれば搭載量にも余裕が無い訳ではありません。 また勝井山、二号零戦(ハンプって何?)の航続距離は増槽付で巡航速度であれば3000kmはありますよ。金星ではそこから更に20%程度落ちた事でしょう。 そして、裏づけはありませんが、それまでの海軍の飛行場設営の実績から見て、零戦の進出距離がもし史実より短いならばガダルカナルとの間に前進飛行場がまず建設されていたと考えられます。 |
要求仕様の問題を、私も失念していました。栄ではなく、金星を積むとしたら、例え ば、まずありえないことですが、零戦の要求仕様で、史実よりも速度を重視し、航続距 離や格闘性能を二の次とするような要求仕様が出されたような場合になるのでは、と思 います。 ありえない話を続けてしまいますが、もし、零戦の航続距離が史実より短かったら、 開戦劈頭の作戦計画は変更せざるを得なかったように思うのですが、どうなのでしょう か。例えば、比島空襲の際、陸攻隊を護衛する零戦を、「龍穣」等の小型空母から発進 させるといったことが、行われるのでは、と私には思えるのですが。 |
航続力の優先順位が低かったとしても結局は栄に収まったでしょう。 ささきさんの仰る通りこの時期の金星は1000馬力程度でそれ程極端な差はありませんし 速度を追求するならばもっと大出力の発動機を選択するのが普通でしょうが, 大出力の発動機が無い以上は栄に収まるのが無難です。 何よりもまずは艦戦として運用出来ないと意味が無い訳ですから 翼面積もそうそう変わらないでしょうし、史実より高性能になるどころか 良くても航続力だけ落ちた機体が出来上がるのが関の山ではないでしょうか。 >零戦の航続距離が史実より短かったら そうなると"予定通り"空母を使っただけの話でしょう。 空母の場合でも艦爆、艦攻より航続力が無い訳でもないでしょうし、 護衛に支障が出るほど足が短い機体が採用されるとも思えません。 恐らく変化が出るのはニューギニアに進出してからの話ですね。 |
瑞星を前提に設計し後に栄に変更されたのだから、栄か金星か選ぶのではなくて、瑞星か金星かの選択の際に、金星が採用される条件を考えてみます。 一番肝要なのは、将来の空戦に対する明確なビジョンでしょう。挌闘性能を要求する「現場の声」を退けて、上層部が速力重視を断固たる決意で決定していれば、金星採用となったでしょう。明確なビジョンと断固たる決意があれば空母での運用など、例えばカタパルトの研究を始めるなどしてどうにでもなったでしょう。 ただしそれが吉か凶かはわかりません。開戦当初は米国も現場は挌闘重視で、P38が零戦に挌闘戦を挑んできたという逸話を聞いた事があります。 |
元々"早期に投入できて6時間滞空出来る重武装高速戦闘機"として計画されています。 学研の「零式艦上戦闘機2」巻末の12試艦上戦闘機計画要求書案摘事録を見ると 速度は280kt欲しいが難しそうなので270ktの要求になったようですが、 これでも来年、再来年の実用機より低いとして出来るだけ速力upを求める方向で 進んでいます。 別にこの速度で十分とは全く思ってなかったようですし、この時点で現実的に 実現可能な数値として270ktとしただけなようです。 海軍は常に高速で上昇力に優れた戦闘機が必要としていますし、 格闘能力のみを追及している訳ではありません。 この時点で金星が採用される条件は6時間以上飛べるというのが 除外される事では無いでしょうか? 後の隼と同程度の航続力でも良いのであれば金星の目もあったかもしれません。 >空母での運用 離艦能力ではなく着艦の方が問題なのでは? コルセアが艦上機として運用されるまでに時間が掛かったのは 失速しやすく着艦が危険だったからだと思いますが。 会議でも着速58ktでも大丈夫という事で58ktの要求になっていますね。 |
> 瑞星を前提に設計し後に栄に変更されたのだから、 十二試艦戦の機体設計はもともと「栄を前提」に行われております。 A6M1は暫定的に瑞星を積んでいますが、「栄に換装可能」なように作られており、最近の書類上での発見では現に1号機は栄に積み替えられていたことを示唆しております。 2号機についても、状況証拠は、墜落時には栄を積んでいた可能性を示しております。 (ところで、この前提にされていた栄とは、二速過給器付きの栄二〇型であったと考えるのが妥当なようです。「瑞星は栄より二速過給器の完成が遅れる」という理由から退けられたような記述も見受けられます。将来の空戦についてのビジョンは「高度」についても明確に存在しておりました) 零戦のテストパイロットの中からも「戦闘機としては速度が遅すぎるのではないか」という声が上がっております。それに対する上司の答えは「これは艦戦なんだから」と言うものであり、「速度については陸上戦闘機として次でやる」というものでした。 「上層部が速力重視を断固たる決意で決定」した結果は、金星よりもはるかに大馬力の火星を積んだ雷電の出現だったのです。 |
> 零戦のテストパイロットの中からも「戦闘機としては速度が遅すぎるのではないか」という声が上がっております。それに対する上司の答えは「これは艦戦なんだから」と言うものであり、「速度については陸上戦闘機として次でやる」というものでした。 そんな、先見性のある軍人が当時の日本に居たなんて初めて知りました。 詳しく教えて下さい。 |
> そんな、先見性のある軍人が当時の日本に居たなんて初めて知りました。 旋回性能に優れる現用機と高速の新型機、という意味で本当に問題になったのは九六艦戦の採用時です。この時は実際に模擬空戦を実施して九六艦戦が勝利するという結末となり、横空の搭乗員の支持を得たと言われていますが、その九六艦戦採用の直後に要求仕様を検討している零戦について航空本部、空技廠側にはその高速、重武装方針に迷いは無かったでしょう。特に空技廠では十二試艦戦は九六艦戦に対して旋回半径が大きいが旋回時間は短く結果的に格闘戦でも有利に戦えるとの報告を作成しています。(一般に言われていることと違うかもしれませんが、実際にそういった報告書は現存します。)零戦と九六艦戦の空戦性能には「こうすれば格闘戦でも勝てる」という試算が既にあり、現場の搭乗員が工夫して戦技を編み出す苦労は無く、零戦の優位に疑問の余地は無かったのです。 「次期戦闘機は高速であることが大切」との考えは当時かなり一般的なものでした。 |
> > そんな、先見性のある軍人が当時の日本に居たなんて初めて知りました。 > 九六艦戦 > 「次期戦闘機は高速であることが大切」 九試単戦に速度を求めたのは山本五十六と聞いています。 「とにかく速い戦闘機を造れ。母艦のことは考えるな。 完成したら赤城を改造する。」とか言ったとか言わなかったとか。 だから「九試艦戦」ではなく、「九試単戦」なのですね。 |
山本五十六個人の考えも大きく影響していますけれども、 当時の役職を考えた時、将来の戦闘機に対してその程度の腹案を持っていて 当たり前ではないか、という考え方もあるでしょう。 その決断が何に根ざしていたか、どんな人々の考え方を代表していたかを 考察してみるのも面白いと思います。 |
> > 瑞星を前提に設計し後に栄に変更されたのだから、 > > 十二試艦戦の機体設計はもともと「栄を前提」に行われております。 > A6M1は暫定的に瑞星を積んでいますが、「栄に換装可能」なように作られており、最近の書類上での発見では現に1号機は栄に積み替えられていたことを示唆しております。 これは本当ですか・ 「栄があるかもしれない」を前提にした設計ではないのでしょうか? 最近の書類上での発見とはどういった文章なのでしょうか? |
> 「栄があるかもしれない」を前提にした設計ではないのでしょうか? 『十二試艦上戦闘機計画要求案議事摘録』(学研『零式艦上戦闘機2』に採録されております)を読めばよくお分かりいただけるかと思いますが、計画要求案以前の段階ですでにNAM、つまり栄一〇型の試作発動機は実物が出来ております。「あるかもしれない」ではなく栄は「すでにあった」エンジンなのです。ただこの時点で耐久テストに合格しておりません。 十二試艦戦は両発動機用に発動機架が交換可能なように設計されております。同『零式艦上戦闘機2』100ページに「0番隔壁がなぜ存在するのか」として触れられているように、栄二〇型(A6M3以降のエンジン)の設計も12年中に進められており、これの搭載さえ視野に入れていた可能性すらあるのです。 > 最近の書類上での発見とはどういった文章なのでしょうか? 「十七試練習用戦闘機(第21空廠第1号)地上振動試験」の判定結果として「動力装置の振動数はA6M1(発動機M2と同じ)と大差なく」の一文があります。A6M1自体は0号機(強度試験用供試機)を使って14年2月に振動試験を終えておりますが、15年3月に改修後(飛行実験を通じて様々に機体に変更が加えられております)の1号機を用いて、もう一度地上振動試験が繰り返されております。この時点で栄に換装した振動試験データが得られていたのではないかと推定しております。 |
ご回答どうもありがとうございました。 >つまり栄一〇型の試作発動機は実物が出来ております。「あるかもしれない」では >なく栄は「すでにあった」エンジンなのです。 私の「あるかもしれない」は栄搭載があるかもしれないという事であって 栄があったかないかという事ではありません。 >ただこの時点で耐久テストに合格しておりません。 合格したものではないと、試作機のエンジンに適用できなかったと思います。 >発動機用に発動機架が交換可能なように というのも「栄があるかもしれない設計」であり >十二試艦戦の機体設計はもともと「栄を前提」に行われております。 と言い切るのはいささか過ぎると思いますが・・ |
『十二試艦上戦闘機計画要求案議事摘録』の中に 「将来は三八○ノットは出ると思う」 「五年後の三八○ノットは、発動機は別個のものなるべし」と、 当初から発動機変更は考慮されていたのではと思わせる一文があります。 他にも栄に未練たっぷりの意見もありますので、栄への発動機変更も視野に入れた 設計であってもおかしくは無いと思いますが。 |
> >発動機用に発動機架が交換可能なように > というのも「栄があるかもしれない設計」であり > >十二試艦戦の機体設計はもともと「栄を前提」に行われております。 > と言い切るのはいささか過ぎると思いますが・・ 計画要求書案の検討時で栄が第一候補とされていたことは明白です。 これは記録に残された事実ですので如何ともし難いものがあります。 その経緯を読んで戴きたくて「議事摘録」を「零戦2」に掲載してあります。 どうかお読みください。 加えて空技廠発動機部と飛行機部の中心的なスタッフの回想は 更に突っ込んだ内容で、栄と瑞星ではそもそも受けた試験の内容が 全く異なる事(当然栄のほうが厳しい内容)と栄換装は十二試艦戦開発の 前提であった事などを述べたものが残っています。 十二試艦戦の発動機の変遷を追うと 十二年夏まで栄10型 十二年十月から瑞星 十三年八月に再び栄10型 十四年四月瑞星装備の一号機初飛行 十四年後半には栄20型(三二型の検討開始) と、栄装備のA6M2が初飛行するまでにこれだけの変遷が文書による記録で確認できます。 この経緯は三菱側の記録からも確認できますので、 三菱側と海軍側の見解が異なるということではありません。 ただ、三菱としては瑞星を搭載したA6M1の性能が殆どA6M2に匹敵していた事 (三菱側の主張によれば500km/hを超えていた)などから栄換装について 不満があった事は確かで、海軍納入価格の値引きを提案するなどの 企業努力をしたとも言われていますが、栄換装は初飛行の前年夏に 既に方向づけられていましたのでもはや手の施し様が無い状況だったようです。 |
みなさまありがとうございました。 「零戦2」の「議事摘録」をみてはおりませんが 栄を前提とした文献があったのですか。勉強になりました。 一部、腑に落ちないのが 「テスト合格後でないと試作機の発動機に適用できない」 等の話が(たしか九六戦の時)あったと思うのです。 この辺りはクリアした上での、話なのでしょうか? #これもその本に載っていたらすみません。 #さっそく明日探しに行きます。 |
先日のレスで「あまり変わらない」との意見を提示しましたが…。 史実を見ると、海軍航空隊の主力が艦上機から陸上機主体へと変遷する 過程において、新鋭機「雷電」に過剰な期待を賭けたことが零戦の改良を 遅延させる結果につながっています。 もし零戦が最初から「金星」ベースの大柄な機体であったならば、 トラブル続きの「雷電」に代わり零戦の性能向上に注力させるという 選択肢もあり得たかも知れません。 そして、史実の零戦では後手に回ったり結局間に合わなかったりした 武装や防弾能力の強化、水噴射などが早期に施されていたら、大戦末期に おける零戦の評価も少しは変わっていたかも知れません。 それが「戦死者を減らす」ことにつながるかどうかはわかりませんが…。 |
> もし零戦が最初から「金星」ベースの大柄な機体であったならば、 すると、途中で火星への換装問題が発生したのではないかと思います。 そこからいろいろなことが派生して起こり、なんだかんだでうまくことが運ばなかった可能性もまたありかと(苦笑)。いや、火星換装は絶対あったと思います。 |
ちょっと疑問に思ったのですが、当時の三菱の発動機生産力で 零戦に搭載できるだけの金星を賄えたのでしょうか?? 足りない場合は16年半ば頃に史実通り栄21型搭載の 零戦32型がテストに入っていたりしそうな気もしますが。 |
> ちょっと疑問に思ったのですが、当時の三菱の発動機生産力で > 零戦に搭載できるだけの金星を賄えたのでしょうか?? 三菱の発動機生産能量は中島を最後まで寄せ付けず日本随一の実績を持っています。 ですから三菱製の既存発動機で生産が追いつかないのであれば、 日本のどんな発動機を持って来ても状況は同じでしょう。 現実の金星の生産量は戦争後半には明らかに不足していると考えられますが 海軍の主力戦闘機に採用されたとなれば設備の拡充、他社の転換生産などで 早期に打つべき手は打たれていたはずでしょう。 |
>他社の転換生産 史実では日立で栄が生産されたようにですね。 三菱の発動機生産の内情をもう少し調べてみたいと思います。 |
> >他社の転換生産 > 史実では日立で栄が生産されたようにですね。 > 三菱の発動機生産の内情をもう少し調べてみたいと思います。 日立航空の転換生産計画はハ33(金星)です。 栄系発動機の転換生産計画は石川島航空と川崎のハ35ではないでしょうか。 金星系のハ33の転換生産計画は満州飛行機にもありました。 |
大チョンボでした(汗) 栄シリンダーの22気筒化した物っぽいハ51の印象が強かったもので。 ちゃんと確認しないと駄目ですね、反省します。 |
> > もし零戦が最初から「金星」ベースの大柄な機体であったならば、 > すると、途中で火星への換装問題が発生したのではないかと思います。 > そこからいろいろなことが派生して起こり、なんだかんだでうまくことが運ばなかった可能性もまたありかと(苦笑)。いや、火星換装は絶対あったと思います。 火星搭載の零戦ですかー。鍾馗か Fw190 みたいな機体になりそうですね。 (堀越さんが延長軸の魔力に取り付かれなければ…苦笑) で、機首が太くなって「前方視界が悪い」と文句付けられたり… 水メタと燃料噴射のトラブルが続出したり… カウリング設計がまずくて過熱問題が出たり…あぁぁ。 |
> 火星搭載の零戦ですかー。鍾馗か Fw190 みたいな機体になりそうですね。 > (堀越さんが延長軸の魔力に取り付かれなければ…苦笑) > で、機首が太くなって「前方視界が悪い」と文句付けられたり… > 水メタと燃料噴射のトラブルが続出したり… > カウリング設計がまずくて過熱問題が出たり…あぁぁ。 火星は火星でも水メタノール噴射なんてギミックを使っていない一○系列なら、燃料系統はちょっとマシかもしれませんよ。 でもそれだとたいして馬力出せんから馬力増と重量増で打ち消しあってただのバランス悪い機体になる可能性が・・・・ううむ。 |
「金星」からの換装でしたら、エンジン直径からいって 「誉」搭載が計画されたかもしれないですね。 「金星」自体、出力が5割増しになったエンジンですし、 発展性だけなら、「金星」搭載零戦も、悪くないように 思えます。 |
たしかメーカーでなく軍の方で改造した火星付きの機体があったような? 昔、丸で終戦後米軍の命令でフェリーした人の手記が載っていました。 |
> 首なし飛燕を陸軍版「金星」に取り替えて名機五式戦が生まれたのですから 零戦の弱点は、急降下時の速度が伸びないことです。これは胴体後部の形状が原因です。 |
零戦の急降下制限速度は、むしろ翼強度の問題では? |
> 零戦の急降下制限速度は、むしろ翼強度の問題では? 零戦の胴体はきれいな流線型をしていてよさそうにみえますが、下翼式の場合は表面積が増え、付け根で渦ができ、構造的にも不利で、手間がかかる割にあまり利益ないです。Fw190みたいなのが理想的だと思います。 |