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 ▼戦闘機無用論  名も泣き水兵長 06/12/30(土) 17:24
   ┣Re:戦闘機無用論  ささき 06/12/31(日) 9:19
   ┣Re:戦闘機無用論  片 06/12/31(日) 10:13
   ┗Re:戦闘機無用論  P-kun 07/1/3(水) 23:48

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 ■題名 : 戦闘機無用論
 ■名前 : 名も泣き水兵長
 ■日付 : 06/12/30(土) 17:24
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   もし戦闘機無用論が採用されず,搭乗員の教育と次期戦闘機の開発に力を入れていたら,どっち道負ける太平洋戦争でも,まだ良い結果が残せたのではないでしょうか。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:戦闘機無用論  ■名前 : ささき  ■日付 : 06/12/31(日) 9:19  -------------------------------------------------------------------------
   > もし戦闘機無用論が採用されず,搭乗員の教育と次期戦闘機の開発に力を入れていたら,どっち道負ける太平洋戦争でも,まだ良い結果が残せたのではないでしょうか。

「まだ良い結果」というものが具体的にどのような結果を意味しているか私には判りかねますが…。

「戦闘機無用論」を単純に航空機の性能面だけから語れば、「爆撃機を捕捉撃墜できない戦闘機には価値がない」とするものです。端的に言って、96艦戦でB-17を撃墜することが困難であろうことは容易に想像できるでしょう。「世代が違うのだから当たり前」と思うなかれ、初飛行日時は96艦戦(A5M1)が 1935 年 2 月、B-17(ボーイング・モデル 299) が 35 年 7 月で「ほぼ同時期の飛行機」なのです。

「戦闘機無用論」は必ずしも机上の空論ではありません。現実問題として、当時の単発戦闘機より多発爆撃機のほうが速度が速く、火力でも大口径の機銃を多数装備しており、もしB-17級の高速重爆が本気で侵攻してきたならば、いくら96艦戦クラスの戦闘機を揃えたところで歯が立たない、という深刻な問題があったのです。「一時の流行に振り回されて…」と後知恵で批判することは簡単でしょうが、現実として仮想敵国が現用戦闘機を上回る高性能爆撃機を持っている事に対し、「いずれ戦闘機の性能が向上すれば爆撃機を捕捉撃墜可能になる」という希望的観測をもって対処とするならば、そちらの方がよほど「机上の空論」でしょう。

それに「戦闘機無用論」によって次期戦闘機の開発は停滞したでしょうか。海軍はなぜ A6M 艦戦(零戦)に 20mm 機関砲装備を要求し、なぜ J2M 局地戦闘機(雷電)のように極端な機体を開発したのでしょう?なぜ陸軍は 97 戦の後継機を重戦キ44と軽戦キ43の二本立てで行ったのでしょう?私には、「戦闘機無用論」が戦闘機開発に悪影響を及ぼしたとは思えません。

搭乗員の教育という面については人事には疎いのでよく判りません。仮に坂井三郎氏が述べられているような戦闘機練成隊の一時的縮小があったとしても、いずれ太平洋戦争突入前の出来事であり、対米開戦後における桁違いの航空消耗戦と大量の人材急速養成には殆ど影響は無かったのではないか、と想像します。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:戦闘機無用論  ■名前 : 片  ■日付 : 06/12/31(日) 10:13  -------------------------------------------------------------------------
   > もし戦闘機無用論が採用されず
> 次期戦闘機の開発に力を入れていたら

現象としての戦闘機無用論は七試単戦が失敗した昭和8年頃から始まって、10年の九試単戦開発成功を受けて沈静化していったとされています。
単座艦戦の開発にはまったく影響を与えていません。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re:戦闘機無用論  ■名前 : P-kun  ■日付 : 07/1/3(水) 23:48  -------------------------------------------------------------------------
   いわゆる戦闘機無用論とは以下の二つがよくごっちゃにされています。

1920〜30年代の双発以上の輸送機の高速化から来る、「こんな高速だされちゃ手持ちの戦闘機じゃ迎撃できねえよ」という戦闘機無用論、
そして
「戦闘機をちまちま迎撃するよりは相手の飛行場無力化したほうがいいじゃねえか、それやるにはやっぱ爆撃機だよな」といういわゆるドーウェ理論、爆撃機万能論です。

戦闘機無用論は、P-26ピーシューターの最高速度と当時の双発輸送機の最高速度を比べれば、まさにその通りでしょう。
そこまで遡らなくても、日本海軍においては96艦戦と96陸攻の最高速度を比べればまさにそう言いたくなるでしょう。
97戦と97重爆でもそういいたくなりますわな。
米軍ですら、B-17に対し速度で圧倒する戦闘機が出てきたのはP-38以降です。
1939年以降に登場した戦闘機はこれら「戦闘機無用論」に対する回答と言えなくもないでしょう。
日本陸軍の軽戦も、低馬力エンジンを使用する変わりに爆撃機を圧倒できる速度・武装を諦めてしまったという点である意味戦闘機無用論への回答ではないでしょうか。

爆撃機万能論は、太平洋戦線の諸所の航空作戦を見れば、もうその通りの戦しかしていません。
戦闘機は爆撃機の役割を担い(=爆撃機の不足分)、様々に活躍しています。
ヨーロッパ戦線にしてもFw190はJu87の後継としても使用されています。

すなわち爆撃機無用論・万能論が、後の戦闘機を育てていったということが言えませんでしょうか。
特に爆撃機無用論なんてのは、当時の関係者の悲鳴・危機意識と受け取った方がいいのではないかと思います。

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