Page 196 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼零戦が第一線機で「使える」戦闘機であった理由とは? 九六艦戦 06/11/4(土) 9:59 ┣第一線機で「使え無いる」戦闘機とは? 九六艦戦 06/11/4(土) 17:40 ┣とって代わるものが無いという事情が一番 BUN 06/11/4(土) 20:41 ┃ ┗Re:とって代わるものが無いという事情が一番 九六艦戦 06/11/5(日) 18:45 ┃ ┣ある要目が延命させたのではなく・・。 BUN 06/11/5(日) 20:24 ┃ ┃ ┗Re:ある要目が延命させたのではなく・・。 九六艦戦 06/11/6(月) 10:40 ┃ ┃ ┣元々「後継機」なのですから 片 06/11/6(月) 13:33 ┃ ┃ ┗零戦の性能は「物差し」に使えない BUN 06/11/6(月) 16:36 ┃ ┗十四試局戦さえちゃんと出来ていれば ああ、 片 06/11/6(月) 6:58 ┣力不足戦闘機 モシショエ 06/11/9(木) 0:32 ┃ ┣日付で比較してみる ささき 06/11/9(木) 3:13 ┃ ┃ ┣さらに日付で比較してみる 片 06/11/9(木) 6:49 ┃ ┃ ┃ ┗海外の日付も比較してみる ささき 06/11/10(金) 3:44 ┃ ┃ ┃ ┣時間と言う結果論で謂うなら 青江 06/11/11(土) 9:38 ┃ ┃ ┃ ┃ ┣Re:時間と言う結果論で謂うなら ささき 06/11/11(土) 11:02 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣ハ42なんて意味が無い SUDO 06/11/11(土) 13:08 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗川西には早すぎる 片 06/11/12(日) 14:42 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗ハ42は戦闘機には使われない 片 06/11/12(日) 7:57 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗17年に投入しうる1700PS以上の発動機は? 青江 06/11/15(水) 21:27 ┃ ┃ ┃ ┃ ┣Re:17年に投入しうる1700PS以上の発動機は? SUDO 06/11/15(水) 21:43 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:17年に投入しうる1700PS以上の発動機は? 青江 06/11/15(水) 21:54 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗更に17年で2式単戦に誉れが改良として使われなかった訳は? 青江 06/11/15(水) 22:02 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣ハ109? SUDO 06/11/16(木) 1:28 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗17年、二式戦は誉で性能向上した 片 06/11/16(木) 7:22 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:17年、二式戦は誉で性能向上した 青江 06/12/10(日) 0:54 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:17年、二式戦は誉で性能向上した SUDO 06/12/10(日) 2:37 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:17年、二式戦は誉で性能向上した 青江 06/12/10(日) 8:08 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:17年、二式戦は誉で性能向上した SUDO 06/12/10(日) 11:11 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗意味を考えましょう 片 06/11/16(木) 7:43 ┃ ┃ ┃ ┗Re:海外の日付も比較してみる 改七 06/11/12(日) 19:14 ┃ ┃ ┃ ┣雷電と紫電 ささき 06/11/12(日) 20:37 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:一割増速と13-20mm 九六艦戦 06/11/21(火) 20:54 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗二号零戦代機としての雷電 ささき 06/11/21(火) 23:06 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗速度が出ないだけではない 片 06/11/22(水) 7:10 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:速度が出ないだけではない 青江 07/1/1(月) 1:56 ┃ ┃ ┃ ┗リリーフの登場タイミング 片 06/11/13(月) 7:28 ┃ ┃ ┗開発ソース 九六艦戦 06/11/14(火) 20:04 ┃ ┃ ┣Re:開発ソース SUDO 06/11/15(水) 1:19 ┃ ┃ ┃ ┗十六試ならありかも 片 06/11/15(水) 7:38 ┃ ┃ ┗Re:開発ソース 片 06/11/15(水) 7:50 ┃ ┣零戦が火星で造られていたとしたら 青江 06/11/9(木) 23:59 ┃ ┃ ┗Re:零戦が火星で造られていたとしたら SUDO 06/11/10(金) 2:53 ┃ ┃ ┗日本海軍は空母に飛行機を降ろすのを難しいと考えていた 片 06/11/10(金) 7:16 ┃ ┃ ┗Re:日本海軍は空母に飛行機を降ろすのを難しいと考えていた 青江 06/11/11(土) 9:48 ┃ ┃ ┗火星はない 片 06/11/12(日) 7:48 ┃ ┃ ┗Re:日本の陸海軍は敵同士か 熱田二郎 06/11/13(月) 2:19 ┃ ┃ ┣Re:言い訳がましい補足 熱田二郎 06/11/13(月) 2:46 ┃ ┃ ┗無理ですね 片 06/11/13(月) 6:24 ┃ ┗Re:稼動率と戦闘相手 力不足でも 06/12/14(木) 7:48 ┃ ┗現場視点と計画視点 ささき 06/12/14(木) 9:35 ┃ ┗Re:現場視点と計画視点 力不足でも 06/12/14(木) 13:59 ┃ ┗Re:現場視点と計画視点 ささき 06/12/14(木) 16:15 ┃ ┗結局は、ボタンの掛け違え 青江 06/12/17(日) 23:55 ┃ ┗ボタンの掛け違え ささき 06/12/18(月) 15:29 ┃ ┣Re:戦闘爆撃機 二十五番 06/12/25(月) 20:48 ┃ ┃ ┣Re:戦闘爆撃機 改七 06/12/31(日) 14:35 ┃ ┃ ┃ ┗Re:戦闘爆撃機 SUDO 06/12/31(日) 16:37 ┃ ┃ ┗Re:戦闘爆撃機 青江 07/1/1(月) 1:36 ┃ ┗Re:ボタンの掛け違え 青江 07/1/1(月) 1:47 ┃ ┗Re:ボタンの掛け違え 片 07/1/1(月) 7:55 ┃ ┣Re:ボタンの掛け違え 青江 07/1/1(月) 16:36 ┃ ┃ ┗Re:ボタンの掛け違え 片 07/1/1(月) 17:51 ┃ ┗Re:発動機の掛け違え 忠八 07/1/3(水) 19:56 ┃ ┗Re:発動機の掛け違え SUDO 07/1/3(水) 23:24 ┗大きく見れば? 九六艦戦 06/11/18(土) 10:00 ┣Re:大きく見れば? 九六艦戦 06/11/20(月) 19:12 ┃ ┗ごく普通に考えられる対応関係でよいと思います 片 06/11/21(火) 5:57 ┗Re:零戦を使い続ける 保科 06/12/3(日) 11:30 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 零戦が第一線機で「使える」戦闘機であった理由とは? ■名前 : 九六艦戦 ■日付 : 06/11/4(土) 9:59 -------------------------------------------------------------------------
話し尽くされた話題かも知れませんが・・・ どのようなニーズと対応スペックで零戦が後継機や前世代機に取って代わられなかったのでしょうか? |
援護機として、迎撃機として、逆に「使えない」条件を考えても同じかも知れません。 例えば下のような性能があったために「使える兵器で在り続けた」のでしょうか? 例1.20ミリ機銃装備 例2.長い航続力 例3.降下速度400ノット対応改造 これらの一部が無ければ他の機体に取って代わられたのでしょうか? |
零戦計画時には発動機換装によって時速600km/h程度まで性能向上することが検討されており、昭和16年に試作発注される予定だったそれ以上の性能を発揮する次期艦戦にバトンタッチし、次期艦戦はさらに昭和19年に試作発注される新型機によって更新されるという中期計画があります。 これが本来の計画ですから、零戦は次期艦戦が戦力化するまで最低昭和19年度中は第一線に留まるつもりで造られていたということです。 このスケジュールを開戦後に発生した新たな要求によって前倒ししようとするならば、他の機種を転用する以外にありません。それが陸戦として配備されていた零戦に代わる雷電であり、紫電であった訳ですが、どちらも試作が順調に進まず結局、終戦まで大量の零戦が前線に送られています。 「零戦の後継機開発の遅れ」とはこのような事情を評した言葉です。 零戦がどんな戦闘機であろうとそう簡単には代替機を得られないのですから、零戦のある要素がその延命をもたらしたというよりも、零戦を不本意ながら延命させねばならないからこそ五二丙型以降(昭和19年度以降)の改良が実施されたのです。 |
例えば20.0mmを零戦が装備していなければ途中から改造で積まれるか陸戦だけでも十四試7局戦に取って代わられるのではないでしょうか? 急降下性能についても似たようなことはいえないでしょうか? |
> 例えば20.0mmを零戦が装備していなければ途中から改造で積まれるか陸戦だけでも十四試7局戦に取って代わられるのではないでしょうか? > 急降下性能についても似たようなことはいえないでしょうか? 十四試局地戦闘機が昭和18年一杯までまったく使用できる状態に無いので零戦がどんな飛行機であれ、代替はできません。 零戦に二〇粍機銃が搭載されていないという仮定は零戦の試作発注後の艦上戦闘機の性能標準から二〇粍機銃が落ちた時期がありますから場合によってはありえた事態ですが、それに代わる十三粍機銃が存在していることが前提となります。その場合、零戦の機銃兵装が陸軍の二式戦、三式戦並みというだけのことで大勢は変らないでしょう。 急降下性能は元々零戦の短所として認識されていますから、多少良くとも悪くともその存続に寄与することは考えられません。 例えば陸軍戦闘機で零戦を凌ぐ存在があり得たかと言っても、陸軍も海軍も次世代戦闘機に必要な発動機については殆ど同じ環境下にありますから零戦の代替機はあり得ないでしょう。 二〇粍機銃は確かに陸軍戦闘機よりも強力な兵装ですし、大航続力も零戦の特徴の一つです。しかし兵装は必ずしも決定的なものではありませんし、航続力も陸軍の一式戦闘機に劣るのですから零戦が何か突出した性能によって長命を誇ったとは言い難いものがあります。 |
零戦は九六艦戦にない航続力のニーズをかわれて取って代わられたと聞いております。 消極的に考えてその時その場で「使える」性能だったのではないでしょうか? |
> 零戦は九六艦戦にない航続力のニーズをかわれて取って代わられたと聞いております。 > 消極的に考えてその時その場で「使える」性能だったのではないでしょうか? 中国大陸における長距離進攻に使える戦闘機として零戦の配備時期が早められたということはありますが、それがすべてではありません。 零戦は九六戦の後継機として計画され、より高性能を実現すべく開発された機体です。 順当に開発されたわけですから、「取って代わる」のが当然なのです。 |
「旧式な零戦が終戦まで何とか第一線に留まれた理由は当時の戦闘機として必要な性能を最低限備えていたからだろう。だから他機種に置き換えられなかったのだろう。」 という前提で考え始めて、 「それなら零戦の性能要目を検討すれば当時の第一線戦闘機の最低条件が何であったか判明するだろう。」 といった方向で考えを進めようとすると、ちょっと無理が出てきます。 そもそも零戦は「必要な性能」を最低限備えていたのか、という問題もありますし、その水準が当時の戦闘機一般にまで広げてゆけるものかどうかという問題もあります。 日本海軍は、零戦の延命と再増産を決定したとき、零戦の兵装強化と発動機の換装を計画します。これが五二丙型から「六三型」で完成するはずの改良なのですが、この時に狙った水準とは水平最大速度580km/h程度で五二丙型の機銃兵装、防弾装備の充実、統一増槽装備による戦爆両用といったスペックです。この水準が「対F6F必勝」を掲げて突貫工事で改設計された五二丙型以降の型式に求められたもので、これを満たすことで少なくともF6Fにどうにか対抗できる戦闘機となるのではないかと設計側も考えています。 しかし現実には兵装強化以外の要素はまともに実現しなかったのですから、零戦は海軍が要求した「最低水準」を確保できていません。それでも他機種に置き換わらなかったのは、他機種が存在しないからで、雷電、紫電の失敗に始まり、19年4月に生産の決定した紫電改艦戦型も間に合わず、昭和20年1月に戦闘機生産を紫電改に集中する決定がなされても拡張された生産工場から量産機が続々と流れ出す前に終戦を迎えています。 零戦はそんな状況下で善戦健闘していますが、もし多少性能が劣っていても結果は変らなかったことでしょうし、逆に多少性能の向上したA6M8が初飛行して以降も紫電改への集中が解除された訳でもありません。無いものは無かったし、代わるべき物は求められ続けていたのです。 そんなことで、零戦の性能要目を戦闘機の実力を計る物差しに使うのはちょっと無理がありますね。 |
> 例えば20.0mmを零戦が装備していなければ途中から改造で積まれるか陸戦だけでも十四試7局戦に取って代わられるのではないでしょうか? 零戦とても単に20ミリを積んでいるということで満足されてはいません。対米戦開始後の比較的早い時期に得られた戦訓からB17のような重爆に対抗するには20ミリ4挺に増強する必要性が認められ、零戦の改造が検討されています。 しかし、零戦にはこの改造が行われず、20ミリ4挺装備に設計変更されたのは後継機たるべき十四試局戦の方でした。十四試局戦は早急に陸戦としての零戦の立場に取って代わるべきものと考えられており、優先順位は後継機の方が上だったのです。 しかし、い号作戦が行われた18年4月の時点に至っても十四試局戦は実機が15機ほどしか出来ておらず、速度が出ないことから主翼交換の実験準備中であり、量産に移行できる完成形を得ていません。十四試局戦にはさらに試作実験期間が必要となってしまっていました。じりじりと十四試局戦の完成を待ちつつ、18年夏、秋の時点でそれぞれ零戦の生産縮小、後継機への生産以降が計画されています。 一方、生産縮小が予期され、優先順位の低い零戦の性能向上、武装強化は先送りに先送りを繰り返され続けています。 17年夏の時点ですでに後のA6M5C(A6M6)に当たる改造型が必要とされていながら、このための改設計に実際に着手されたのは丸2年後ということになります。 零戦には可及的速やかなる後継機との交代が必要とされ続けており、零戦自体には「ニーズ」に基づいた適切な延命処置が施されてはいたとは言えないのです。 |
なにをやっても零戦では二千馬力級戦闘機に太刀打ちできません。 コルセアやヘルキャットの登場で零戦は使えない戦闘機になりました。 |
> なにをやっても零戦では二千馬力級戦闘機に太刀打ちできません。 > コルセアやヘルキャットの登場で零戦は使えない戦闘機になりました。 XF4U-1 試作機の初飛行は太平洋戦争勃発前の 1940 年 5 月、海兵隊陸戦としての戦力化は 43 年 2 月。 XF6F-1 初飛行は 1941 年 6 月、F6F-3 の戦力化が 43 年 3 月。 XP-38 初飛行は 1939 年 1 月、P-38E の太平洋戦線投入が 42 年 6 月。 12 試艦戦(零戦)の仕様開示昭和 12(1937)年、初飛行 14(1939) 年 4 月、制式採用 15(1940) 年。 14 試局戦(雷電)の仕様開示が昭和 14(1939) 年、初飛行 17(1942) 年 2 月、戦力化は 18(1943) 年後半以降。 17 試艦戦(烈風)の仕様開示が昭和 17(1942) 年、初飛行 19(1944) 年 5 月、戦力化は間に合わず。 紫電は昭和 16(1941) 年末に試作開始、18(1943) 年 1 月に初飛行、戦力化は 19 (1944) 年後半。 1942〜1943 年にかけて次々に米軍新鋭機が投入されていること、その開発は殆どが太平洋戦争勃発前に遡ること、翻って日本海軍の手には持ち駒が殆ど無かったことが判るかと思います。 |
例えば、昭和16年1月31日はJ2M1の第二次木型審査第2日であり、同日同じ場所でA6M3の第一次木型審査が行われています。日本海軍の現用主力戦闘機の性能向上と、後継主力戦闘機の開発が同一設計班でまったく並行して作業されているわけです。 それだけでなく、17年2〜3月には両機種とも揃って性能不足に出来上がることが明らかになり、ともにいわゆる梃入れが必要と認められます。 ここでJ2の方には「水メタ噴射」「ロケット式単排気管」「13ミリ増設または20ミリ4挺装備」という方針が打ち立てられ、J2M2からM3に至るレールが敷かれます。 官側も会社側も両機種に対して同じ顔ぶれで臨んでおり、両機種の改善研究は同日同じ会議の中で議題を並べて検討されるわけですから、当然、J2への梃入れと同じものが横並びに零戦に対しても考慮されています。発動機については栄の水噴射または金星への換装が、そして翼内銃の増設が検討され、同時期にJ2へ持ち込もうと目論まれていた推力式単排気管も当然導入可能なわけですから、この時点でのちの零戦五三型から五四型に相当する性能向上型への着手はまったく可能でした。 開発リソースの配分問題を除いては。この面における余力さえあったなら、1800馬力のJ2(その設計がうまくいっていたとして)と、1300馬力のA6の両方をもってF6F、F4Uの出現を迎えることも可能だったはずなのです。 しかし、現実にはそうはならなかった。 |
> 開発リソースの配分問題を除いては。この面における余力さえあったなら、1800馬力のJ2(その設計がうまくいっていたとして)と、1300馬力のA6の両方をもってF6F、F4Uの出現を迎えることも可能だったはずなのです。 > しかし、現実にはそうはならなかった。 日本海軍と同様に後継機の開発に梃子摺り、不本意ながら古臭いエアフレームにツギハギを当てながら使い続けた英国の場合…。 1936/3 スピットファイヤ試作機初飛行 1939/末 Mk.I 戦力化 1941/中 Mk.V 戦力化(マーリン 45 換装、武装強化) 1941/中 Mk.VII 試作(二段過給マーリン 61 換装) 1942/中 Mk.IX 戦力化 1942/中 Mk.XII 試作(グリフォン 61 換装、更に武装強化) 1943/末 Mk.XIV 戦力化 1944/初 Mk.21 試作 機体構造一新 1945/初 Mk.24 戦力化 ・ほぼ一年ごとのペースで改良型が戦力化されており、 ・1つの改良型が片付く前に次の改良型が着手されており、 ・それを可能にする新エンジン(マーリン 61、グリフォン 61)が供給されていた ことが判ります。 スピットファイヤは初飛行年度で零戦より 3 年程古い飛行機ですが、実戦量産型(Mk.I / 11 型)の登場次期 1940 年前後という点で大差はなく、一年後の 1941 年 = 昭和 16 年頃に小改良型(Mk.V / 21 型)が実用化され、同次期に次世代エンジン搭載による性能向上型(Mk.IX および 32型)が計画されているという時点までは、大きく違うものではありません。 しかし零戦の場合は 32 型の航続距離不足問題、二号 20mm 機銃の生産遅延などで戦力化が遅れ、次のステップである水メタの栄 31 型やカネビアン防弾タンク、13mm 機銃の開発も遅延(水メタと防弾タンクはとうとう間に合わず)、このスケジュールに次世代機 J2 雷電の開発難航が重なったことでグリフォン・スピットに相当する金星換装計画は何度も見送りが重ねられ、昭和 20 年まで繰り越される(これも間に合わず)ことになってしまいます。 もういっそ雷電なんか諦めたほうが良かったんじゃないかとさえ思える有様ですが、いくらツギハギを当ててもスピットファイヤが火力や航続距離に限界を抱えた戦闘機以上にはなれなかったように、零戦をいくら弄ってもまさに「F4U, F6F 相手には(一定範囲以上には)使えない」戦闘機でしかあり得なかっただろうことも明白であり、そんな所に貴重なリソースを費やすよりはより大馬力・大火力の新プラットホーム(雷電)完成に注力するというのは合理的で常識的な判断だと私も思います。 一方、タイフーンの経緯を見ると…。 1938/初 F.18/37 計画開始 1939/末 トーネード(ヴァルチャー・エンジン)試作機初飛行、不採用 1940/初 タイフーン(セイバー・エンジン)試作機初飛行 1941/中 タイフーン Mk.I 量産開始 1942/中 タイフーン Mk.I 戦力化 1940/中 タイフーン Mk.II 計画開始→テンペストと改名 1942/末 テンペスト Mk.V 試作機初飛行 1943/中 テンペスト Mk.V 量産開始 1944/中 テンペスト Mk.V 戦力化 タイフーンは雷電よりも 1〜2 年ほど早い計画ですが、初飛行から戦力化まで 2 年近くを要したこと、戦力化後もトラブル頻発と性能不足で前世代機(スピットファイヤ)を置換しえなかった所は雷電に共通するものを感じます。 しかし零戦・雷電と決定的に異なるのは、そもそもスピットファイヤとはメーカーが異なるので開発リソースの取り合いにはなっていないこと、またホーカー1社にしても難航するタイフーン実用化と並行して事実上の次世代機であるテンペストの試作が行われていることでしょう。 タイフーンとテンペストの関係は紫電・紫電改に似ているかも知れません。紫電が一年早く始まっていれば紫電改に相当する機体が昭和 18 年に間に合ったかも知れませんが、その為には誉エンジンが一年早く仕上がっている必要があり…。1940 年 = 昭和 15 年には誉はまだ設計図上の存在でしかなく、これも前倒しは無理そうです。 |
> もういっそ雷電なんか諦めたほうが良かったんじゃないかとさえ思える有様ですが、いくらツギハギを当ててもスピットファイヤが火力や航続距離に限界を抱えた戦闘機以上にはなれなかったように、零戦をいくら弄ってもまさに「F4U, F6F 相手には(一定範囲以上には)使えない」戦闘機でしかあり得なかっただろうことも明白であり、そんな所に貴重なリソースを費やすよりはより大馬力・大火力の新プラットホーム(雷電)完成に注力するというのは合理的で常識的な判断だと私も思います。 > しかし零戦・雷電と決定的に異なるのは、そもそもスピットファイヤとはメーカーが異なるので開発リソースの取り合いにはなっていないこと、またホーカー1社にしても難航するタイフーン実用化と並行して事実上の次世代機であるテンペストの試作が行われていることでしょう。 > > タイフーンとテンペストの関係は紫電・紫電改に似ているかも知れません。紫電が一年早く始まっていれば紫電改に相当する機体が昭和 18 年に間に合ったかも知れませんが、その為には誉エンジンが一年早く仕上がっている必要があり…。1940 年 = 昭和 15 年には誉はまだ設計図上の存在でしかなく、これも前倒しは無理そうです。 つまり、時間で謂うなら、紫電計画を1年早めた場合は、火星2X系統の紫電を用意した上で、順番にハ42にするか、誉にするステップを確実に踏む選択が存在する訳ですね。 この場合、当然振動問題が出るでしょうが、天山実用化も出来ている以上振動問題の解決は容易でしょう。 情報共有化という問題はありますが、ハ42の場合でも、4式の飛龍の解決時点で、ハ42も問題なくなるということになり、早期の実用化は望めそうですね。 現場の人間の慣れ熟練と完熟期間と言うことからも実用性は高そうです。 只、もう一つ思いつきで、気になったのは、三式戦の飛燕ですが、陸上機限定と言うことで、空冷化して、共用する場合、金星62は有りませんから、 1500PSクラスと成ると目ぼしいのは火星しか選択肢は無いでしょうが、搭載と実用化は可能でしょうかね? エンジン重量は、液冷と略同じだから問題は少ないでしょうが大きさと取り付け、合性は?と謂うことになりますが・・・・。 水に浮かばないとか、機銃や計器を如何するとか、色々出てくるわけですが、可能でしょうかね? |
> つまり、時間で謂うなら、紫電計画を1年早めた場合は、火星2X系統の紫電を用意した上で、順番にハ42にするか、誉にするステップを確実に踏む選択が存在する訳ですね。 その場合、15試水戦=強風を取り下げて15試局戦に振り替える決断が必要でしょうね。ということは14試局戦=雷電の発注から1年後に、同じエンジンを積んだ似たような機種(昭和15年の海軍に「陸戦」というカテゴリはまだありません)の開発が、本来は水上機メーカーである川西に発注されるという少々奇妙な事になります。 タイムラインだけで見れば「可能」ですし、火星搭載でそれなりに使える陸戦(最初から陸上機として設計されていれば二段引き込み脚を採用する必要もなかったでしょう)が昭和17〜18年頃に実用化されるかも知れないという可能性は確かに魅力的ですが、それは15年の段階で14試局戦計画が致命的トラブルに直面して破綻するとか、あるいは海軍が高速水戦という構想そのものを放棄するといったことを想定しなければならないのではないかと思います。 あるいは15年の段階で海軍の戦闘機体系に対する要望が変化し、たとえ同じエンジンを積んだ似たような飛行機であっても、「局戦」とは別カテゴリの機種として「陸戦」を整備する決定がなされるか…こちらの方が少しは現実味はあるでしょうかね。 > この場合、当然振動問題が出るでしょうが、天山実用化も出来ている以上振動問題の解決は容易でしょう。 火星25搭載の天山12型は18年後期からの実用化になりますから、火星20系の水メタ噴射に伴うトラブルが片付く時期はけっきょく史実の雷電とあまり変わらないのではないかと…。ならばまだしも安定している火星10系はどうかというと、こちらもやはり史実の J2M1 のように性能不振に祟られそうです。 それでも、昭和17年頃にとりもなおさず 1500hp 級戦闘機が配備できるなら零戦で頑張るよりマシと言われれば、それはそうかも知れません。 14試局戦=雷電という重荷が堀越チームから除かれるなら、零戦の金星換装計画も前向きに進みそうですし、烈風も多少はスケジュールが前倒しできるかも…という副次効果もあるかも知れません。でも「陸戦と局戦は別機種」という前提なら雷電は無くならないな。 > 情報共有化という問題はありますが、ハ42の場合でも、4式の飛龍の解決時点で、ハ42も問題なくなるということになり、早期の実用化は望めそうですね。 > 現場の人間の慣れ熟練と完熟期間と言うことからも実用性は高そうです。 金星、火星、ハ42で主力機種のエンジンを揃えると、三菱エンジン工場のラインがえらいことになりそうな気はしますが(笑)。 > > 只、もう一つ思いつきで、気になったのは、三式戦の飛燕ですが、陸上機限定と言うことで、空冷化して、共用する場合、金星62は有りませんから、 > 1500PSクラスと成ると目ぼしいのは火星しか選択肢は無いでしょうが、搭載と実用化は可能でしょうかね? 三式戦の胴体は零戦より細く、そこへ金星を積んだ5式戦でも相当な頭でっかちになっていますから、火星の搭載には相当な無理があると考えるべきではないでしょうか。 その昔、別館の架空機コーナーで P-51 に R-2600 を積んだゲテモノを描いたことがありますが、おおむね似たようなものになるのではないかと。 http://www.warbirds.jp/kakuki/kyosaku/16ki/Na-79.htm > エンジン重量は、液冷と略同じだから問題は少ないでしょうが大きさと取り付け、合性は?と謂うことになりますが・・・・。 > 水に浮かばないとか、機銃や計器を如何するとか、色々出てくるわけですが、可能でしょうかね? リノレースでは Yak-11 に R-3350 を付けた化物もいましたから、付けて飛ばすだけなら大抵のことは可能でしょう。ただしこのレーサー、「ミスター・オウサム」は安定性不良が甚だしく、腕利きテストパイロットのスキップ・ホルムをして「こんなシロモノは危なくて飛ばせない」と搭乗拒否され、P-80 の後部胴体を丸ごと移植する大改造(つまり元の Yak-11 から残っているのは主翼と主脚だけ!)を行ったものの、改造後の初レースでエンジントラブルを起こし墜落してしまいました。 レーサーもどきの頭でっかち機を作ることはできても、それが「使える戦闘機」という性能バランスの範疇に収まるかどうかはまた別の話ではないかと思います。 |
ハ42は火星1Xの18気筒エンジンでして、水メタ使わないので低ブーストなので18気筒化による初期の苦労を除けば、枯れてるシリンダなので比較的無難に使えただけです。熟成もクソもないですな。 単純にでかくて燃費の悪い大型エンジンでしかないわけです。 このエンジンの魅力はでかい図体にあり、これに水メタ等の新技術を適用すれば2500馬力級が狙えそうだという点にあるのです。原型ハ41の状態では火星2Xや誉と比較してよいところは何もありません(勿論、新技術を使ってないのはある意味優位点ですが) 四式重爆の完成を待ってハ41に乗るという事は、昭和19年の決戦期に間に合わないという事ですし、四式重爆の本来の予定ではハ41発展型を搭載した性能向上型にスイッチすることになっていたのに、そのエンジンの目処がぜんぜん立たずに計画頓挫していたわけですから、四式重爆を見てハ41になんてのは「あるわけがない」のです。 また天山では振動が無かったわけではありません。単に護よりはマシだったのと、プロペラが陸攻や雷電とは違った(狙う速度等が違うから)という点に意味があるのです。 プロペラは飛行機の性能を前提に設計調整されますから、雷電と概ね同じレベルの飛行性能を要望されるであろう紫電のプロペラは雷電と大差ないものになるでしょう。つまり振動に繋がる可能性はきわめて高いといえるでしょう。つまり振動に苦しむ戦闘機が雷電から雷電+紫電になるだけです(まあ両機種で異なる対策を工夫すればどちらかが先に上手いこと行くかもしれませんが) 雷電の保険に雷電と同じエンジンというのも芸が無さすぎですし、だったら最初からハ41搭載戦闘機として作っておいて、ハ41の性能向上を期待するというほうがまだマシかもしれませんが(そして、その性能向上が得られないので、1800〜2000馬力級戦闘機としては相当ドンクサイ機体になるでしょう) まあ、ハ41搭載戦闘機を出しても火星2Xとエンジン生産能力の奪い合いになるだろうから、あまり嬉しくは無いですが、誉と共存させるなら、これもありではあるかな。 |
「川西を高速機メーカーとして育成したい」という肚積もりが海軍にあったのではないかといくつかの根拠から想像しているのですが、そのためにはまず川西が実績を作ることです。実例でもって能力を実証できていないメーカーに発注するのは難しいことですから。 何はともあれ、川西が水上機、飛行艇メーカーから転進するためには十四試水偵、十五試水戦をそれなりに要求を実現できる機体として完成させることが必要だったでしょう。 逆に言えば、それが出来ていないから三菱に艦戦と局戦を重ねて発注するという無理が生じてしまっているのです。 十五試水戦以降の川西には十七試陸戦や十九試局戦が予定されるようになってゆきます。しかし、それ以前には陸上戦闘機を発注することそのものが難しかったのだと思います。 |
ハ42には、低ブーストの十四試リ号MK6系と、末期に登場した高ブーストの十七試カ号MK10系がありますが、いずれも「大中型機用」と指定され、戦闘機には使われません。 20年の次期戦闘機検討でも、この時点ではハ44のような大直径発動機が戦闘機用として選択肢に入って来ているのですが、MK6系、MK10系はその存在を検討資料の中で述べられつつも、戦闘機用としての選択肢にはまったく含まれようとしていません。 |
> ハ42には、低ブーストの十四試リ号MK6系と、末期に登場した高ブーストの十七試カ号MK10系がありますが、いずれも「大中型機用」と指定され、戦闘機には使われません。 > 20年の次期戦闘機検討でも、この時点ではハ44のような大直径発動機が戦闘機用として選択肢に入って来ているのですが、MK6系、MK10系はその存在を検討資料の中で述べられつつも、戦闘機用としての選択肢にはまったく含まれようとしていません。 実行しうる三善、いや四善でも、実行できない最善には勝ります。 対戦で最後まで使用しうる戦闘機のエンジンの最低は1700PSと聞いたことがあります。 で、17年の時点で投入できる条件に合うエンジンはなんでしょう? そして、凡作で結構! コルセヤも陸上機として使われています コルセヤもヘルキャットもエンジンは同じ、そして、17年の時点では新エンジンの量産待ちだったはずです。 20年の時点では、サンダーボルトの存在さえ、はっきり認識していたのに、選択肢にも含めていないとは。 大型機は、資材の問題云々のとかの暗黙の了解があったのか? そうでなければ、無能の一言。 日本人の限界だったのかな? 零戦を陸軍にも、採用させる代わりに、最低でも2式単線を陸上機として投入する位の裁量も期待出来なかった旧軍とはなんだったのか? 人材欠如、真の軍事専門家や政治家、官僚を育てられない、日本人の愚かさなのかもしれませんね。 |
> で、17年の時点で投入できる条件に合うエンジンはなんでしょう? > そして、凡作で結構! つまりブースト制限した誉ですな。 |
> > で、17年の時点で投入できる条件に合うエンジンはなんでしょう? > > そして、凡作で結構! > > つまりブースト制限した誉ですな。 其の時点の金星並にとまでは謂わないにしても信頼できたのでしょうか? ハ109程度には使えたのですか? |
> > > で、17年の時点で投入できる条件に合うエンジンはなんでしょう? > > > そして、凡作で結構! > > > > つまりブースト制限した誉ですな。 > > 其の時点の金星並にとまでは謂わないにしても信頼できたのでしょうか? > ハ109程度には使えたのですか? ハ109は、700キロ台の重量、其れに対して誉れは800キロ台、同程度の信頼性であれば、熟成手順として使用しても十分に有効のはず。 視界の改良など顕著になることは間違いないでしょう。 隼と変わらない機首の太さになるのだから。 行われなかった理由は、なんなのですか? |
> ハ109は、700キロ台の重量、其れに対して誉れは800キロ台、同程度の信頼性であれば、熟成手順として使用しても十分に有効のはず。 ハ109搭載の二式戦からハ45の四式戦に乗り換えた47戦隊の整備隊長が、ハ45になって整備が楽になり可動率が向上したと言ってますな。 ちなみにハ109と大差ないエンジンとしては火星がありますが、これは雷電や強風で積んで使う気だったわけですから、海軍が選択肢に入る範囲で現実的で実用的なエンジンを採択していたのは事実です。 同等以上の馬力と信頼性を持った火星が選べるのになんでハ109を選択するのですか? 火星は一式陸攻が開戦に間に合ってますが、この頃キ44はハ109ではなくハ41搭載の増加試作機の実戦投入というレベルです。もちろんこれは機体等の開発の問題もあるのですが、ハ109が火星1xよりも早期に出てくるエンジンではなく、その上馬力で見劣りし、更には実績面では絶望的な差が開いています。ハ41/109を使わなかったというのは正解だったわけで、後知恵で不正解をあえて選んでどうしようというのでしょう? |
> ハ109は、700キロ台の重量、其れに対して誉れは800キロ台、同程度の信頼性であれば、熟成手順として使用しても十分に有効のはず。 > 視界の改良など顕著になることは間違いないでしょう。 > 隼と変わらない機首の太さになるのだから。 > 行われなかった理由は、なんなのですか? 「行われなかった理由は、なんなのですか?」という問いに対する答えは、「17年の時点で実際に行われているのです」ということになります。 キ44の第二次性能向上案では、ハ45搭載による重量増加分に対してなんとか翼面荷重をキ44の初期計画時に戻そうということで、翼面積の増加も図られています。 このキ44IIIにキ84という新しい代用名称を与えた上で計画が推進され、結果的に機体全部を再設計することになって四式戦が生まれたのです。 下手にキ44そのままの機体に誉を積んでも速度以外の性能が悪化するのが目に見えているのなら機体全体を短期間で再設計してしまおうとするのは、無理を重ねて結果的に駄目な機体を生み出すよりも、きわめて合理的な判断であり、そしてそれを最重点機種として最優先で生産を強行して実に3500を上回る生産数を成功させているのです。 実際に起こったことの詳細を把握しないまま短絡的に「日本人の愚か」と決め付けてしまう前に、見るべきことはたくさんあると思いますよ。 |
> 「行われなかった理由は、なんなのですか?」という問いに対する答えは、「17年の時点で実際に行われているのです」ということになります。 > > キ44の第二次性能向上案では、ハ45搭載による重量増加分に対してなんとか翼面荷重をキ44の初期計画時に戻そうということで、翼面積の増加も図られています。 > このキ44IIIにキ84という新しい代用名称を与えた上で計画が推進され、結果的に機体全部を再設計することになって四式戦が生まれたのです。 > > 下手にキ44そのままの機体に誉を積んでも速度以外の性能が悪化するのが目に見えているのなら機体全体を短期間で再設計してしまおうとするのは、無理を重ねて結果的に駄目な機体を生み出すよりも、きわめて合理的な判断であり、そしてそれを最重点機種として最優先で生産を強行して実に3500を上回る生産数を成功させているのです。 > 実際に起こったことの詳細を把握しないまま短絡的に「日本人の愚か」と決め付けてしまう前に、見るべきことはたくさんあると思いますよ。 合理的は結構ですが、この場合は如何でしょうかね? 性能悪化と言われますけど、致命的ですか? 基本的に稼働率をとって性能を悪化させる例と言うのは、どれだけありますか? 三式戦⇒5式戦、是は例外かも知れませんが、96艦戦の例、彗星の例、直ぐに3つは上げられますね。 全体の再設計も結構ですが、設計と生産、試験の終わるまで、如何していたんですか? それに、戦場でのエンジンのデータや熟成期間の開始の早まる点は? こう言うデータと言う物は、開発する立場にとって非常にありがたいものなのですが、経験の上でもです。 また、稼働率が良くなるなら、性能低下は認めるのが普通ですが、 この場合、少なくとも速度増加と視界の若干でも改善と謂うとりえが有る訳ですが、こう言うのは、優先にはなりませんか。 |
二式戦二型よりも四式戦のほうが、性能だけではなく可動率も上なんです。 |
> 二式戦二型よりも四式戦のほうが、性能だけではなく可動率も上なんです。 ですから、17年から四式戦が投入できる1年くらいの間を如何するのが、ベストいやベターかを聞いているのですが |
ですから、史実よりもモアベターな案なんぞ無いでしょと言ってるのですよ。 当時日本にあったエンジンを見てみればよいのです。 |
> 選択肢にも含めていないとは。 > 大型機は、資材の問題云々のとかの暗黙の了解があったのか? > > そうでなければ、無能の一言。 > 日本人の限界だったのかな? 陸軍の19年1月資料でも、ハ104の適用機種はキ67、キ70、キ92、キ97としています。ハ214系への換装を前提としていたキ70はともかく、キ92もキ97も輸送機ですね。 こういうのはどんな理由があってのことなのか、と考えるのがこの趣味の楽しさだと思うのですが。 いずれにせよ、ハ104は重量の割りに馬力が出ていないゆったりしたエンジンであるということはいえると思います。同じ重量ならハ211(ハ43)が戦闘機用発動機なのです。 そして、ハ104のブースト圧を上げ、発動機重量に見合った出力に向上させようとしたハ214は終戦時試作未完成に終わっています。同時にハ214はまた一段と重量がかさみ、これならハ44を選んだ方が良いと思わされるものになっています。 |
> もういっそ雷電なんか諦めたほうが良かったんじゃないかとさえ思える有様ですが、 雷電の開発難航と生産混乱を知っている後知恵からすると、三菱は零戦一本で二一型 − 五二型 − 六三型と三段変身させた方が戦力化に貢献できたんじゃないかと思ってしまいます。 > いくらツギハギを当ててもスピットファイヤが火力や航続距離に限界を抱えた戦闘機以上にはなれなかったように、零戦をいくら弄ってもまさに「F4U, F6F 相手には(一定範囲以上には)使えない」戦闘機でしかあり得なかっただろうことも明白であり、そんな所に貴重なリソースを費やすよりはより大馬力・大火力の新プラットホーム(雷電)完成に注力するというのは合理的で常識的な判断だと私も思います。 一四試局戦は要求に対して不満だったので水メタ火星へ換装したそうですが、一四試局戦は零戦に対して取って代わって”使える”るような戦闘機ではなかったのでしょうか? 強風を単純に陸上機にすればリリーフが出来るような気もしますが、雷電待ちの当時ではそのようなことは考えられないのでしょうか? |
> > もういっそ雷電なんか諦めたほうが良かったんじゃないかとさえ思える有様ですが、 > 雷電の開発難航と生産混乱を知っている後知恵からすると、三菱は零戦一本で二一型 − 五二型 − 六三型と三段変身させた方が戦力化に貢献できたんじゃないかと思ってしまいます。 えぇ、後知恵で考えればそういう事になると思います。 しかし片さんが前のスレッドで述べられていますが、2号零戦=A6M3 の時点で既に予定性能を下回る事態が発生しており、早くも零戦改良の限界を匂わせる展開となっています。いっそ思い切った構造強化を施して金星に換装しようという計画も何度か俎上に上ってはいるのですが、次世代高速機たる雷電のスケジュールと秤にかけて見送りになっています。 もう、つくづく雷電さえまともな戦闘機に仕上がっていればこんな右往左往はしなくて済む筈だったのだし、それがダメならいっそ雷電なんて途中で放り出したほうが良かったのじゃないかと思ってしまいますが史実は史実ですし、そうなった事情も充分理解できてしまいます…。 > 一四試局戦は要求に対して不満だったので水メタ火星へ換装したそうですが、一四試局戦は零戦に対して取って代わって”使える”るような戦闘機ではなかったのでしょうか? J2M1 の最高速度は 578Km/h、A6M3 が 544Km/h で、火力は同じ 2x7.7mm + 2x20mm です。せめて速度差が1割の大台に乗っていれば…590Km/h をクリアしていれば J2M1 のまま量産する意義もあったと思いますが、このパッとしない性能差に加えて視界不良や運動性不良を抱えていますし、A6M3 ですら航続距離不足が「欠陥兵器」という辛辣な批判と共に前線から寄せられている頃ですから、J2M1 を A6M3 に代わる主力陸戦として採用するという線は薄いのではないかと思います。 > 強風を単純に陸上機にすればリリーフが出来るような気もしますが、雷電待ちの当時ではそのようなことは考えられないのでしょうか? まさにそれをやったのが「紫電」であり、「単純に陸上機」化したが故の二段引き込み脚の信頼性問題、太い胴体による視界不良と速度性能不振に祟られ、充分な実力を発揮し得なかったと思います。発動機が「誉」でも「火星」でも大差は出ないのではないでしょうか。 |
それは逆説的に見れば三二型がもう少し低速か7.7mm装備のみであったりすれば火星13雷電に一部取って代わられたことになりますよね? |
> それは逆説的に見れば三二型がもう少し低速か7.7mm装備のみであったりすれば火星13雷電に一部取って代わられたことになりますよね? それは言えると思います。とくに栄20系の二速過給器が何らかの事情で開発遅延した場合なら尚更、一足先に二速過給器を備えた火星エンジン搭載のJ2Mは水平最大速度や運動性の不満を差し置いて、来たるべき高々度戦闘用に早急な整備が望まれたことでしょう。 ただ武装については、そもそも零戦の基礎計画が当初から「20ミリカノン戦闘機」だったそうですから、そこまで遡って歴史を変える必要があるでしょうけれど。 |
> とくに栄20系の二速過給器が何らかの事情で開発遅延した場合なら その場合は迷わず金星零戦出現となったのではないかと思います。 A6M3での性能向上案は栄二〇ひとつではなく、実際に4号機以降金星換装も考慮の対象に入っているのです。 J2M1には視界問題も存在しています。この解消のためには風防の上方への拡大が必要であり、すると速度がさらに低下します。これと差し引きするためにも火星二〇型への換装が必要だったのです。 視界問題が「J2の癌」であるというのは三菱側の記録に残っている言葉です。このことによって実用性が損なわれていることは会社設計当事者たちも痛感しており、紫電に対する紫電改と同様、雷電でも胴体を細くする案を当の設計側が提案するという一幕すら存在しています。 |
> > とくに栄20系の二速過給器が何らかの事情で開発遅延した場合なら > > その場合は迷わず金星零戦出現となったのではないかと思います。 > A6M3での性能向上案は栄二〇ひとつではなく、実際に4号機以降金星換装も考慮の対象に入っているのです。 > > J2M1には視界問題も存在しています。この解消のためには風防の上方への拡大が必要であり、すると速度がさらに低下します。これと差し引きするためにも火星二〇型への換装が必要だったのです。 > 視界問題が「J2の癌」であるというのは三菱側の記録に残っている言葉です。このことによって実用性が損なわれていることは会社設計当事者たちも痛感しており、紫電に対する紫電改と同様、雷電でも胴体を細くする案を当の設計側が提案するという一幕すら存在しています。 視界不良と言いますが、アメリカでの評価では、良いという評価だったと聞きました。 ならば、F6F、F4U共に日本の基準では、艦上機等とんでもないと言う評価の機体なんでは、無いでしょうか? 具体的評価は? アメリカでは、艦上機でも可という機体を、陸上でも不可と言うのなら、過剰品質要求だったのでは? |
> 強風を単純に陸上機にすればリリーフが出来るような気もしますが、雷電待ちの当時ではそのようなことは考えられないのでしょうか? 川西十五試水戦の1号機完成が17年4月。 三菱十四試局戦の1号機完成がそれより1ヶ月あまりだけ早い17年2月末。 十四試局戦の遅れっぷりが目立ちますが、十四試局戦の不振は実機完成以前、少なくとも性能計算書を検討した2月頭の性能研究会の席上ですでに顕わになっています。 これと前後して、前年末には内案が持たれていたという十五試水戦の陸上機化が本格化し、十五試水戦1号機完成と同時に4月から一号局戦設計に着手されていきます。 雷電の不振が実機完成前に明らかになった時点で速やかに対策がとられ、十五試水戦完成と同時に即座に陸上機化に移行した、と見るべきなのではないかと思います。 |
二年置きに艦戦が試作されていたらどうなったんでしょうね? |
> 二年置きに艦戦が試作されていたらどうなったんでしょうね? 昭和14年に新たな機体をやったら栄2X搭載を前提とした戦闘機を開発することになるだけで、つまりは2号零戦と変わらない機体が昭和18年に出てくるだけですね。もしくは金星5X搭載で新規に行うと14試で金星5Xの瑞雲が19年初頭から量産開始ですから、瑞雲ほどのトラブルが無かったとしても18年半ばに量産開始という事になるでしょう(当然ですが、零戦52型と大して性能は変わらないでしょうけど) 16試ですと、誉はまだですから、12試機改良型や14試と変わらない機体しか作れないかと。翌年の17試になれば誉が出てくるので烈風になるわけですが。 つまりは12〜17試の間はエンジンが無いので、結局零戦32〜52型と変わらないような飛行機が出てくるだけのことですね。 |
十六試なら誉はいけます。 その場合、流星のようにはじめは誉一〇型で出発し、性能向上型(流星の場合はB7A2)で低圧燃料噴射の新型誉に移行することになるでしょう。 十七試艦戦は最初から低圧燃料噴射を前提にしているという点で十六試よりも新しいのです。 実際には、別項に書きましたように十四試局戦の完成がほとんど17年度頭まで遅延してしまっており、16年度内には三菱での新艦戦への着手は無理だったのです。 |
> 二年置きに艦戦が試作されていたらどうなったんでしょうね? 艦上運用という条件によって性能的に縛られる艦戦よりも、そういったことがフリーになる陸上戦闘機にもっと期待すべき、と考えます。 海軍もそう考えたからこそ十四試局戦を計画し、なお、戦闘機開発に期待できる存在であるはずの三菱に十七試以降は艦戦とは別の設計班を組ませ社内で艦戦、局戦の2本立て並行開発が可能な編制を取らせてゆくのです。 そして、川西が単座陸戦で使えるようになると、さらに本格的な陸戦である十七試遠戦を試作させ、かつ川西で今後作られる水戦の陸上機化(十九試局戦)も予定されます。 このように海軍の新型機開発プログラムの中では、陸上戦闘機の比重がどんどん高まっていっています。 十四試局戦はその最初の存在であり、仮想的な十四試艦戦よりもはるかに意味のあるもののはずだったのでした。 |
> なにをやっても零戦では二千馬力級戦闘機に太刀打ちできません。 > コルセアやヘルキャットの登場で零戦は使えない戦闘機になりました。 確かに其のとおりでしょう。 ですが、火星で設計されていれば、まだ何とかなったかもしれません。 仮定だけに成功したかは、怪しいですが、スピットやメッサーの例からすれば、 エンジン換装で、ある程度凌げた可能性は有ります。 誉にしても、ハ42、又は43にしても換装は出来たでしょうから。 この場合、ヘルキャットぐらいは、抑えられたと思います。 |
14試へ号をどうやって12試艦戦に積むんですか? |
A10のC型である十三試へ号以前にもA型、B型とこの系列の発動機はあることはありましたから、十二試艦戦にまったく間に合わないかといえば、火星そのものではないにしても何らかの形では時期的に合致しないことでもありません。 けれど、十二試「艦戦」である以上、火星のような大直径発動機の選定はまずあり得ないのです。 海軍は同クラスの別のエンジンがある場合にも艦上機には栄、誉といった小直径エンジンを選び、さらに紫電改にしても彩雲にしても艦上機型には機首を細く絞る設計を取り入れようとしています。発動機減速比とプロペラの関係にしても、舵面など操縦系統にしても、艦上機型には一層最新の配慮を施し、より艦上運用に適した視界、離昇性能、操縦性を確保しようとしています。 十二試艦戦でも、まず一一型として陸上機型が生産されるに当たって「之を艦戦として仕上げんが為には今後相当の実験を要するべきも、局戦としては概ね直ちに実用に適するものと認めらるるを以て」と条件付けられているように、艦上運用には慎重な姿勢が見て取れます。 十二試で作られる艦上戦闘機には小直径発動機を積み、その次に作る陸上戦闘機は発動機選定をある程度フリーにする、という方針が存在していたと考えてよいでしょう。十二試艦戦には火星はあり得ないのです。 しかし、その次に来る陸上戦闘機が本来は三菱十三試局戦、中島十三試局戦として計画されていたことを考えると、一年早く着手された火星、護系発動機装備の陸上戦闘機ならば辛うじて思い描くことは出来るのかもしれませんね。 もちろん、そうはならなかったわけなのですが。 |
> A10のC型である十三試へ号以前にもA型、B型とこの系列の発動機はあることはありましたから、十二試艦戦にまったく間に合わないかといえば、火星そのものではないにしても何らかの形では時期的に合致しないことでもありません。 有難うございます。 「零戦」でしたか、読んだときに火星と金星もエンジンがあるように書いてあったように覚えていましたので、実際は結果的に火星になると言うステップであれば、可能と言うことだった訳ですね。 > けれど、十二試「艦戦」である以上、火星のような大直径発動機の選定はまずあり得ないのです。 > 海軍は同クラスの別のエンジンがある場合にも艦上機には栄、誉といった小直径エンジンを選び、さらに紫電改にしても彩雲にしても艦上機型には機首を細く絞る設計を取り入れようとしています。発動機減速比とプロペラの関係にしても、舵面など操縦系統にしても、艦上機型には一層最新の配慮を施し、より艦上運用に適した視界、離昇性能、操縦性を確保しようとしています。 初めから、金星は兎も角、火星クラスは、選択にも入っても居なかった訳ですから、ありえないことは確かですね。 |
> 「零戦」でしたか、読んだときに火星と金星もエンジンがあるように書いてあったように覚えていましたので、実際は結果的に火星になると言うステップであれば、可能と言うことだった訳ですね。 堀越/奥宮『零戦』にはそのような記述はないはずです。 いずれにしても火星は昭和12年には存在していません。 ボアストロークが火星と同じであることからその祖型であるとされる、栄と同馬力で、運転性能もあまり芳しくない発動機があったというだけのことなんです。 |
> > 「零戦」でしたか、読んだときに火星と金星もエンジンがあるように書いてあったように覚えていましたので、実際は結果的に火星になると言うステップであれば、可能と言うことだった訳ですね。 「零戦燃ゆ」でしたっけか。うろ覚えですが「自社の高出力発動機と言えば瑞星か試運転を開始したばかりの13試へ号しか無かった」云々の記述があったと思います。 ただし設計時に海軍のタイプテストに合格している発動機、との指定があった為、「選択の余地は無かった」との事らしいですが。 続けて「堀越はこの時ほどマーリンエンジンを羨ましく思ったことは無かった」とあったと記憶していますが、仮にDB601のライセンス生産が三菱だったとして、堀越技師は液冷を選択したでしょうかねぇ・・・? |
あくまで"零戦の設計時にDB601が選択できたなら堀越技師はそれを選んだんだろうか?"って事です(^^;) DB601のライセンス生産はずっと後の事やん!!とか言っちゃイヤン_| ̄|○ |
> 「零戦燃ゆ」でしたっけか。うろ覚えですが「自社の高出力発動機と言えば瑞星か試運転を開始したばかりの13試へ号しか無かった」云々の記述があったと思います。 > ただし設計時に海軍のタイプテストに合格している発動機、との指定があった為、「選択の余地は無かった」との事らしいですが。 残念ながら全然時期的に合いません。 A6M1の基礎設計着手よりも三菱十三試へ号の方が後です。 三菱へ号が試運転開始した頃にはすでにA6M1 1号機実機が工事中で次のA6M2に栄を積む現実的な算段が行われてました。 |
零戦の任務は敵戦闘機と戦うだけではありません。 爆撃機にとって零戦は嫌な相手でしょう。 それから生産性や稼働から見ても極端な話では飛ばない雷電・紫電改一機よりも零戦二機が有り難いのでは? |
> 零戦の任務は敵戦闘機と戦うだけではありません。 > 爆撃機にとって零戦は嫌な相手でしょう。 火力不足は他ならぬ零戦の搭乗員から早急の改善要求として上がっていますよ。 B-17, B-29 など大型機相手はもちろん、戦闘機相手にも火力不足であることが 報告されています。52 丙型も本来ならば 20mm x 4 の搭載が望まれたのが、 機体サイズや改造規模との妥協で 13mm 増設にとどまった経緯があります。 > それから生産性や稼働から見ても極端な話では飛ばない雷電・紫電改一機よりも零戦二機が有り難いのでは? 現場の意見としてはそうでしょう。私も過去の発言で 「結果論からいえば雷電なんか諦めて、零戦の金星化を進めた方がよかった」 と何度か延べています。 しかし現場は今現在の問題、せいぜい半年先のことを考えているのに対し、 生産整備計画は3〜5年先のことを考えなければなりません。 零戦の強敵となった「新鋭機」F6F も P-51 も、試作機初飛行は戦前なのです。 そして大戦中にアメリカが開発中だったのは F7F や F8F であり、あるいは ジェットの P-80 であり、それらは終戦時に実戦配備状態にありました。 もし 8 月 15 日に終戦していなければ、日本戦闘機隊とこれらが対戦する 可能性は充分にあったのです。 そして金星零戦では F6F や P-51 に対抗することはできても、F8F や P-80 に 対抗し得るとは私には思えません。もちろん、紫電改や烈風だって対抗できたか どうかは不明ですが、だから新鋭機なんか要らないという訳ではないでしょう。 それは「どうせ負ける戦争だったのだから、何をやっても結局無駄だった」と いう極論に近いのではないかと思います。 |
仰ることはよくわかります。 私も開発を諦めろとはいいません、むしろもう半歩ピッチで開発が進められたらなと思います。 現場が少しでも、今以上の性能を望むのもわかります。 だがしかし、生産を乱したのは人災とは言えないでしょうか? |
> 仰ることはよくわかります。 > 私も開発を諦めろとはいいません、むしろもう半歩ピッチで開発が進められたらなと思います。 > 現場が少しでも、今以上の性能を望むのもわかります。 > だがしかし、生産を乱したのは人災とは言えないでしょうか? 陸軍が四式戦を19年に間に合わせ、力及ばずといえどもフィリピンや 沖縄の激戦に投入できたことに対し、雷電・零戦・烈風の三角関係で 右往左往したり、あるいは水戦→陸戦の最短コースを取ったがゆえに 結局やり直しを強いられ紫電・紫電改も充分な活躍の場を得られず、 結局終戦まで零戦を使い続け、しかも防弾タンクや水メタ噴射、金星換装 などの「やりたかった改良」すら間に合わなかった海軍の状況を見ると、 「一体何をやってたんだ」と思わずにはいられませんね。 しかし昭和17年〜18年の状況、短期決戦で終わるはずだった対米戦が 長期持久戦になることが避けられなくなってしまい、前線では P-38 や F4U などの敵新鋭機が登場し「一日でも早く高速重武装の新鋭機投入を!」 という切実な要求が殺到している時期に、それを実現できるかもしれない 唯一の希望である14試局戦雷電の実用化を、既存機の延命措置に過ぎない 金星零戦を優先することによって遅らせる(しかもこの時期の金星はまだ 1200hp 級の50系しかなく、同等の性能は栄への水メタ噴射適用によって 実現できる見込みもあった…結果論としては栄のリコール問題に翻弄されて 間に合いませんでしたが)、あるいは雷電のバックアップである試製一号局戦 紫電の実用化を、より高性能な陸戦(紫電改)を得るために遅らせる、という 決断はなかなか出来ないものだったのではないかと想像します。 今までこのスレッドで議論されていた内容を総合すると、これら史実上の 不手際を「歴史の if」でひっくり返すためには、14試局戦が史実より 早い時期により高性能に仕上がっているという仮定を行うか(但し 雷電のトラブルは火星20系の水メタ噴射不具合に由来するところが 大きく、たとえ紡錘胴体や延長軸+強冷ファンを採用していなくとも 史実より大幅な前倒しを想定することは難しい)、あるいは川西が史実より 早い時期に高速陸上機を任せられる技術力を完成させ、15試水戦を中断し 史実より半年〜一年はやく一号局戦に取り組んでいたか(これも各事情を 考慮するに、昭和10年頃からの歴史書き直しが必要と思われる)、 でなければ日本の産業構造そのものが根本的に異なり、陸海軍間の垣根が 低く一企業あたりの生産キャパシティも大きく、海軍が二式戦や四式戦を 陸戦として容易に採用できるような状態にあったという相当無理な仮定を 行う必要があるのではないか、と思われます。(この仮定を実現するには 昭和一桁代以前からの産業発展史を書き換える必要があるでしょう)。 海軍より新鋭機をより頻繁に投入していたように見える陸軍にしても、 二式単戦や三式戦は本来期待されていた役割に応えることはできておらず、 四式戦にして漸く大戦末期に間に合った状況であり、海軍との差は僅差 だったのではないか、と思います。 |
話を聞けば聞くほど、ボタンの掛け違えに思えてきます。 零戦が、初めから金星で、そして、機銃もエリコンFFでなしに、FFLで造られていれば、 そして、陸海共通機種とされていれば、ここで謂われている多くの問題は、成立せず、 じっくりと後継機種を開発できた可能性があると思いますが? |
> 話を聞けば聞くほど、ボタンの掛け違えに思えてきます。 > 零戦が、初めから金星で、そして、機銃もエリコンFFでなしに、FFLで造られていれば、 > そして、陸海共通機種とされていれば、ここで謂われている多くの問題は、成立せず、 > > じっくりと後継機種を開発できた可能性があると思いますが? 可能性だけでいえば、昭和18年頃に史実の零戦53型と同等の性能向上型(水メタ噴射つき栄)、あるいは雷電33型と同等の高速陸戦(高性能過給器つきの火星)が実用化できていた可能性だってあるのです。両者とも史実のうえで実用化されている技術であり、必要なのは年表を一年半〜二年前倒しするだけです。 しかし、史実はそうはならなかった。火星20系は戦闘機用として性能も信頼性も不足、栄30系は量産が致命的に遅れ、金星60系や誉20系は海軍戦闘機として本当に必要な時期に大量生産を果たせず、結果として水メタ抜きの栄31甲と零戦に最後まで頼ることになってしまった。これは言い訳のしようもない事実でしょう。 堀越氏の回想にある有名な「零戦は金星前提で設計すべきだった…」という言葉は、そういう風に読めないこともないかも知れません。 しかし、果たして昭和12年の段階でどちらの「可能性」がより現実的かを判断することができたのでしょうか? |
別スレで話題になっていたと記憶しますが、どちらの場合でも爆戦の評価が変わってしまうほどの変化が起きる可能性があったのでしょうか? |
例えば疾風や紫電改が早期投入されていたとして戦闘爆撃機として活躍していたでしょうか? 大戦中盤以降は対爆戦闘機としての資質ばかりが問われているような気がしてなりません。 |
> 例えば疾風や紫電改が早期投入されていたとして戦闘爆撃機として活躍していたでしょうか? 早期というのがいつごろなのかで変わる部分はありますが、戦闘機に爆装させて役に立つ戦線というのが太平洋にあるのでしょうか? |
> 別スレで話題になっていたと記憶しますが、どちらの場合でも爆戦の評価が変わってしまうほどの変化が起きる可能性があったのでしょうか? ありえないでしょう。 ただ、単座又は、副座で99艦爆並みの急降下爆撃ができるなら、可能性は、かなりあると思う。 99艦爆は、早期に生産中止で、こちらに統一されたでしょう。 実際、副座の零戦は、結構性能は良かった、と、同じになる可能性は高いと思います。 |
> > 堀越氏の回想にある有名な「零戦は金星前提で設計すべきだった…」という言葉は、そういう風に読めないこともないかも知れません。 > > しかし、果たして昭和12年の段階でどちらの「可能性」がより現実的かを判断することができたのでしょうか? そのような話より、要求仕様に、どちらの発動機を採用すれば、実現の可能性が高いか? 其の上、既に、現物がありより強力で信頼性十分な発動機と、まだ現物も無い、海のものとも山のものと知れないもの。 それで、金星を選ぶと言えば、其れは、通ったのではないかと謂うことなのですが。 |
> 其の上、既に、現物がありより強力で信頼性十分な発動機と、まだ現物も無い、海のものとも山のものと知れないもの。 > それで、金星を選ぶと言えば、其れは、通ったのではないかと謂うことなのですが。 昭和12年だと、まだ金星は四型までしかないですよ。 五〇型が量産されるのが17年からですから、だから金星への換装が色々いわれるようになるとしても少なくとも16年以降なんです。A6M3には金星の目はありますが、A6M1の時点では難しそうですね。 |
> > 其の上、既に、現物がありより強力で信頼性十分な発動機と、まだ現物も無い、海のものとも山のものと知れないもの。 > > それで、金星を選ぶと言えば、其れは、通ったのではないかと謂うことなのですが。 > > 昭和12年だと、まだ金星は四型までしかないですよ。 > 五〇型が量産されるのが17年からですから、だから金星への換装が色々いわれるようになるとしても少なくとも16年以降なんです。A6M3には金星の目はありますが、A6M1の時点では難しそうですね。 14年採用の99艦爆のエンジン程度なら十分じゃ有りませんか |
> 14年採用の99艦爆のエンジン程度なら十分じゃ有りませんか 金星四〇型装備ならば瑞星、栄に対してデメリットが大きいばかりで、メリットが効いて来るのは五〇型以降なのですから、結局A6M3の時点で栄から金星に換装すればよい、という筋のお話かと思うのですけれど。 |
瑞星零戦の後に栄の1x型と2x型を搭載したように、 金星の5x型でも6x型でも、 火星の1x型でも2x型でも、 栄の3x型でも、 誉の0x型でも1x型でも2x型でも、 三菱じゃなくても改造搭載してみて善ければ採用していればもっとマシだったのではないでしょうか? だいたい金星で空冷彗星や空冷飛燕のヒットがあるとはいえ、 水メタ適用優先順位は妥性だったのでしょうか? |
> 三菱じゃなくても改造搭載してみて善ければ採用していればもっとマシだったのではないでしょうか? 別に改造施工が三菱じゃないと出来なかったわけではなくて、そのようなエンジン変更改造をする意義を海軍が認めなかったから行われなかったのです。 飛行機ですから強度や重心等の計算は厳密に行わないといけないわけで、簡単に切った張ったで乗せられるものでは無い上、乗せたところでどの程度の性能が出るかなんて、やらなくても大凡のところは計算できてしまうのです(よくある試作機の性能試験は、この予想された性能に全然届かなくて、何処が悪いんだろうという問題探しの作業なんです) 航空機の設計改造が出来るだけの人員を用意して、性能的改善の意義が十分にあると判断されれば、仮に三菱等の手が足りなかったら、他のどこかで行うという事は可能です(例えば水上戦闘機化を中島で行ったように)しかし、例えば零戦に金星を積んで性能向上させる意義があると海軍が認めなければ、そのような戯言は通らないわけです。実際に何度も検討はされているけど、その都度やる意味が無いと判断され続けてきたわけです。その「イミナシ」と結論が下された原因が解消されないかぎりはどうにもならないわけです。 |
様々なお話を聞いての雑感ですが、改造しながら使い続けた場合は大きく見れば 零戦の二一/三二/六三型が 陸軍の一式/二式/四式と相似形に見えてきました。 見当違いでしょうか? |
零戦の 二一型、五二型、六三型の間違いでした。 |
> 零戦の 二一型、五二型、六三型の間違いでした。 二一、三二、五三ということだと思います。 栄一〇、二〇、三〇と発動機を換装してパワーアップしています。 これは翼端などの機体の改造よりも本質的です。 ということで、これと対応するのは一式戦一型、二型、三型ですね。 同じく栄一〇、二〇、三〇に相当する発動機換装による第一次性能向上、第二次性能向上です。 二式戦に対応するのは雷電、四式戦に対応するのは紫電です。四式戦と紫電は大東亜戦勃発に即して2000馬力級の戦闘機を緊急に整備しようとした点で共通しています。 |
零戦を使い続けると数も揃うし、良いことだらけですよね? 零戦11/21型、栄1x型 零戦32/52型、栄2x型 零戦53/63型、栄3x型 零戦54/64型、金星6x型 零戦75型、誉2X型 |