Page 190 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について ヤマタカ 07/1/30(火) 0:42 ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について アリエフ 07/1/30(火) 21:43 ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 砂兎 07/1/30(火) 22:58 ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/1/30(火) 23:11 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について アリエフ 07/2/1(木) 21:33 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/2(金) 9:39 ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について ヤマタカ 07/2/2(金) 23:39 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について F2A 07/2/3(土) 3:45 ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について F2A 07/2/3(土) 3:49 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/3(土) 18:51 ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について アリエフ 07/2/3(土) 21:53 ┃ ┃ ┣整理した方が FLAKPANZER 07/2/4(日) 1:33 ┃ ┃ ┃ ┗Re:整理した方が 高村 駿明 07/2/4(日) 10:46 ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/4(日) 10:09 ┃ ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について アリエフ 07/2/5(月) 21:04 ┃ ┃ ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について myu5 07/2/8(木) 17:08 ┃ ┃ ┃ ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について アリエフ 07/2/8(木) 21:29 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について F2A 07/2/8(木) 22:58 ┃ ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/22(木) 14:19 ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について F2A@酔い醒め 07/2/6(火) 8:53 ┃ ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について myu5 07/2/8(木) 17:15 ┃ ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について F2A 07/2/13(火) 3:45 ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/22(木) 16:02 ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について myu5 07/2/23(金) 16:46 ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/26(月) 11:19 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について F2A 07/2/6(火) 3:34 ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について F2A@酔っ払い 07/2/6(火) 5:05 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/22(木) 14:27 ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について ヤマタカ 07/1/31(水) 0:50 ┣まずはコレを・・・ SUDO 07/1/31(水) 20:13 ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/1(木) 12:29 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について SUDO 07/2/1(木) 17:47 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/1(木) 18:56 ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について SUDO 07/2/1(木) 20:29 ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/2(金) 9:25 ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 極道生徒会SS 07/2/2(金) 18:56 ┃ ┃ ┣新幹線貨物 カンタニャック 07/2/3(土) 1:20 ┃ ┃ ┃ ┗Re:新幹線貨物 極道生徒会SS 07/2/3(土) 2:02 ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/3(土) 18:29 ┃ ┃ ┣新幹線は高いのです。 NB6C 07/2/3(土) 19:36 ┃ ┃ ┃ ┗Re:新幹線は高いのです。 高村 駿明 07/2/4(日) 9:54 ┃ ┃ ┃ ┗新幹線は遠いのです。 NB6C 07/2/4(日) 19:31 ┃ ┃ ┃ ┣目的を達成できない道具はこれ全て RNR 07/2/4(日) 20:05 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗目的は八分ぐらいは果たしました。 NB6C 07/2/4(日) 20:25 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:目的は八分ぐらいは果たしました。 RNR 07/2/5(月) 18:21 ┃ ┃ ┃ ┃ ┣Re:目的は八分ぐらいは果たしました。 NB6C 07/2/5(月) 19:16 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗1毛ほどの効果も無いですね RNR 07/2/9(金) 23:30 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣Re:1毛ほどの効果も無いですね NB6C 07/2/9(金) 23:37 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗やめとけ脳腫瘍が悪化するぜ RNRRNR 07/2/11(日) 21:32 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗1億年ばかり功夫が足りんね RNR 07/2/11(日) 23:20 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗そんなに恥さらして生きて楽しいか? RNRうぜー 07/2/12(月) 12:20 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗精進せぇよ RNR 07/2/12(月) 13:21 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:精進せぇよ 能登@鳥町27番地 07/2/12(月) 16:13 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣また自分のことは都合よく忘れるのかい RNR 07/2/12(月) 18:36 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗とりあえず 能登 07/2/12(月) 18:47 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:精進せぇよ RNR 07/2/12(月) 19:48 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗返事は急ぎません、3日ぐらいかけてから返事を下さい 能登 07/2/12(月) 20:18 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:目的は八分ぐらいは果たしました。 NB6C 07/2/5(月) 20:38 ┃ ┃ ┃ ┣うんオカシイ SUDO 07/2/4(日) 21:08 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:うんオカシイ NB6C 07/2/8(木) 20:05 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:うんオカシイ Hanp 07/2/8(木) 23:41 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:うんオカシイ NB6C 07/2/9(金) 0:11 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:うんオカシイ カンタニャック 07/2/12(月) 10:36 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗ゲーデル問題 じゃま 07/2/12(月) 18:22 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗論点はそこじゃない 能登 07/2/12(月) 18:25 ┃ ┃ ┃ ┗Re:新幹線は遠いのです。 高村 駿明 07/2/5(月) 13:48 ┃ ┃ ┃ ┗私の負けです、貴方の言うことが正しいのでしょう。 NB6C 07/2/5(月) 20:34 ┃ ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 極道生徒会SS 07/2/4(日) 13:49 ┃ ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/5(月) 13:28 ┃ ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について(雑談篇) 極道生徒会SS 07/2/5(月) 22:52 ┃ ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について(雑談篇) 高村 駿明 07/2/22(木) 15:31 ┃ ┃ ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について(疑問氷解篇) 極道生徒会SS 07/2/24(土) 18:26 ┃ ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について(オメガむだばなし篇) 極道生徒会SS 07/2/24(土) 22:47 ┃ ┃ ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について(オメガむだばなし篇) 高村 駿明 07/2/26(月) 12:19 ┃ ┃ ┃ ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について(投擲篇) 極道生徒会SS 07/2/26(月) 13:21 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について(投擲篇) 高村 駿明 07/2/26(月) 13:39 ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について(投擲篇) 砂兎 07/2/26(月) 15:03 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について(オメガむだばなし篇) kerota 07/2/26(月) 23:10 ┃ ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について(オメガむだばなし篇) 通行人 07/2/27(火) 0:35 ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 極道生徒会SS 07/2/4(日) 13:50 ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/5(月) 15:22 ┃ ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について(雑談ってレベルじゃないぞ篇) 極道生徒会SS 07/2/5(月) 23:14 ┃ ┃ ┗余計に混乱させてどうする SUDO 07/2/5(月) 23:29 ┃ ┃ ┗申し訳ありません 極道生徒会SS 07/2/5(月) 23:34 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 砂兎 07/2/1(木) 21:37 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/2(金) 11:59 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 砂兎 07/2/4(日) 8:28 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/4(日) 10:34 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 砂兎 07/2/4(日) 21:44 ┃ ┣Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 砂兎 07/2/4(日) 22:36 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/5(月) 14:45 ┃ ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 砂兎 07/2/6(火) 11:38 ┣「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」 ヤマタカ 07/2/1(木) 23:20 ┃ ┣Re:「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」 アリエフ 07/2/2(金) 0:27 ┃ ┣Re:「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」 高村 駿明 07/2/2(金) 12:08 ┃ ┃ ┗Re:「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」 RNR 07/2/4(日) 21:02 ┃ ┃ ┗Re:「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」 高村 駿明 07/2/5(月) 14:13 ┃ ┃ ┗Re:「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」 RNR 07/2/10(土) 10:53 ┃ ┃ ┣Re:「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」 F2A 07/2/11(日) 0:03 ┃ ┃ ┃ ┗Re:「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」 RNR 07/2/11(日) 1:01 ┃ ┃ ┃ ┣Re:「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」 RNR 07/2/11(日) 1:17 ┃ ┃ ┃ ┃ ┗Re:「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」 F2A 07/2/13(火) 6:16 ┃ ┃ ┃ ┗Re:「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」 F2A 07/2/13(火) 5:08 ┃ ┃ ┗Re:「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」 高村 駿明 07/2/22(木) 16:41 ┃ ┗すみませんでした。 ヤマタカ 07/2/2(金) 12:46 ┃ ┗Re:すみませんでした。 高村 駿明 07/2/3(土) 18:57 ┣戦前の国内貨物輸送の機関分担率は?(Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について) myu5 07/2/8(木) 16:36 ┃ ┗そうとは言い切れません RNR 07/2/9(金) 22:59 ┃ ┗Re:そうとは言い切れません myu5 07/2/11(日) 19:26 ┃ ┗Re:そうとは言い切れません RNR 07/2/11(日) 22:25 ┃ ┣Re:そうとは言い切れません SUDO 07/2/12(月) 10:26 ┃ ┃ ┗Re:そうとは言い切れません RNR 07/2/12(月) 13:17 ┃ ┃ ┗Re:そうとは言い切れません SUDO 07/2/12(月) 16:39 ┃ ┃ ┣蛇足を承知でメモがてら/Re:そうとは言い切れません 能登 07/2/12(月) 17:10 ┃ ┃ ┗Re:そうとは言い切れません RNR 07/2/12(月) 20:42 ┃ ┃ ┗寝る前に SUDO 07/2/13(火) 3:27 ┃ ┃ ┗出かける前に RNR 07/2/13(火) 10:46 ┃ ┗Re:そうとは言い切れません myu5 07/2/23(金) 16:23 ┗Re:軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について 高村 駿明 07/2/9(金) 11:29 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について ■名前 : ヤマタカ ■日付 : 07/1/30(火) 0:42 -------------------------------------------------------------------------
鉄道は大量輸送手段であり、軍事面でも利用されてきました。 そしてときには互いに影響を与えることもありました。 日本では軍部の方から、狭軌1067mmから広軌(現在の標準軌1435mm)への改軌が望まれた時期がありましたし、幹線電化があまり進まなかったのも軍事面からの懸念が影響しています。 仮想戦記では、日本の国力改竄に鉄道の改軌の話が出てくるときがあります。 皆さんは、鉄道が日本の軍事や史実にどう影響したと考えますか? また、線路の改軌がされたり、電化が早期に進んだりしたら、こうなったかもしれないというのはあるでしょうか?お聞かせいただけたらうれしいです。 |
>幹線電化があまり進まなかったのも軍事面からの懸念が影響しています。 その話は各地に残る鉄道忌避伝説(宿場が寂れるから街道沿いを避けて鉄道が造られたという類のもの)同様、出所が疑わしいのではないかと。 当時の新聞記事のアーカイブ(下記参照)によりますと、鉄道省では大正12年頃、東海道線・山陽線、東京・明石間を大正18年までに電化する計画を立て、大蔵省に予算要求をしています。政府上層部も国策的に重要と考えていたようです。 しかし、旦邦トンネル工事の難航や不況に伴う財政事情の悪化に伴い、東海道線の沼津以西、京都までの区間の電化よりも、中央線などトンネルが連続し勾配のきつい区間の電化を優先するよう、方針転換しています。その結果、昭和6年には中央線は東京から甲府まで電化されています(旦邦トンネルが完成し東海道線の電化区間が沼津まで延びたのは昭和9年)。 この当時はまだ、送電網が形成されつつある段階であり、長距離にわたる鉄道電化を行うには水力発電所からの送電ルートを幾つか設ける工事にも同時に着手しなくてはならなかったこと、それに蒸気機関車に比べ電気機関車のコストが高かったことから、財政的な問題がかなり幹線電化の進捗を妨げていたように見えます。 おまけに、大正から昭和初期にかけては、全国的に鉄道路線の大拡張期でしたから、新線建設及び買収した元私鉄路線の改良によるネットワーク拡大と、電化による幹線路線の改良とどのようにバランスを取るべきか、幹線電化に集中的に資源を投入できないという事情があったのではないかと。 東海道電化年度割 京都明石間は十五年度完成 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00101437&TYPE=HTML_FILE&POS=1&TOP_METAID=00101437 (神戸大学電子図書館アーカイブ 鉄道関係新聞記事) http://www.lib.kobe-u.ac.jp/directory/sinbun/vlist/tdo1l.html |
軌間については線路の幅を広げただけでは意味がなく、重軸重化、曲線緩和、勾配緩和などがあって初めて輸送力強化や速度向上が可能になります。これに車両限界拡大まで持ち出せば、それは改良ではなく作り直しです。 当時は狭軌というよりも線路の規格が低いことがネックであり、実際に行われた改良狭軌でも輸送力は十分に確保されていました。最高速度が標準軌と比べて劣ることだけは残りましたが、これとて曲線規格という足かせが残るのです。輸送力不足が具体的に問題になるのは日中戦争勃発による大陸との交通の増加で、近い将来にパンクするという予測が出てからで、これが弾丸列車計画に繋がります。 電化については大正期に「鉄道電化調査委員会」で都市部と勾配区間1100kmを電化すべきとされ、さらに東海道、山陽、東北(福島以南)は経済性比較後に電化すべきという答申が出されました。この理由は国内産石炭の節約と煤煙対策が主であり、水力発電開発という国策もあります。当時の電気機関車は高い上に輸入した電気機関車が国産の蒸気機関車といい勝負の性能という状況ですので、実のところ輸送改善効果がほとんど期待されていません。 蒸気機関車牽引の狭軌でも低コストで効果の大きい改良がいくらでもある時代ですので、改軌とか電化とかによる効果は実質的にほとんど無かったと言っていいでしょう。他に新線の建設とか色々金を使いたいところはあるのですから、さほど効果が期待できない改軌とか電化の優先度が低かったのです。 |
どうもこんにちは、はじめまして。 電化についてですが、戦前に多少電化率が上がったとしても大差ないどころか、下手をするとマイナスになったと考えます。 戦前の電気機関車性能は、C51などの主力蒸気機関車の性能と大差なく、信頼性では劣っていました(実例として、電機でお召し列車を牽引する場合、性能が信頼できないので必ず重連にする、など)。 有名な超特急燕も、機関車付け替え時間を惜しんだとはいえ、電化されている東京駅から蒸機牽引されているほどです。 また、日本本土を攻撃されたさいに、電化区間は防御力が低いという懸念は、米軍空襲で鉄道施設が頻繁に攻撃されたことを考えても、間違ったものではなかったと思います。 そして、今日の新幹線につながるような動力分散列車(いわゆる電車列車ですね)は、戦前の電車技術では困難だと思います(流電モハ52系とかありますが)。 電車化は運転頻度と、日本鉄道全般のの問題である軸重許容量の低さについて、メリットがありますが、戦前ではその優位点を生かせないと考える次第です。なにぶん優先されるべき軍事輸送列車は低速ですから、電車化による高速化にも限度がありますし。 また、標準軌への改軌ですが、それが論じられていた当時の鉄道は現在の鉄道とは比較にならないほど、国内輸送への重要度が高い時代だったと思います。 線路だけ標準軌にしても、車両限界の拡大や線形改善が伴わなければ「線路の幅だけ広くなった」状態であり、効果は極めて限定されるでしょう。 そして、そこに予算を割けば、地方への鉄道建設や幹線の複線化はかなり遅れ、目の前の輸送量に対応できない事態が起こることも、おそらく間違いないと思います。 例えば日本と大陸が海底トンネルで結ばれているなら、改軌は意味を持ちます。しかし、当時の技術としても予算としても、それはほとんど不可能でしょう。 結論として、改軌にメリットは少なく、日本の鉄道政策を少なくとも10年以上混乱させたと思います。車両性能は多少向上するでしょうが、同時に車両限界が拡大されなければ、広げた線路幅を活かす車両性能の車両は導入できないでしょうから。 ただし、明治初期の鉄道導入期に「最初から標準軌を採用」していたなら、だいぶ状況は異なることでしょう。上記と同様に鉄道敷設は遅れますが(標準軌鉄道のほうが、よりRの大きなカーブで建設されるため、狭隘な日本の地形では建設費が高騰する)、混乱は最小限となり、欧米製の日本規格にあった車両が直接導入された可能性もありますね。 この場合、戦前でも史実の95キロ上限ではなく「欧米並みの」120キロ運転(欧米は150キロは出していましたが)などが行われ、貨物用蒸機も重量化されるため、ストーカー(自動給炭機)の導入も早まったように思います。 |
> 戦前の電気機関車性能は、C51などの主力蒸気機関車の性能と大差なく、信頼性では劣っていました・・有名な超特急燕も、機関車付け替え時間を惜しんだとはいえ、電化されている東京駅から蒸機牽引されているほどです。 それは昭和9年の旦那トンネル開通までのことですね。トンネル開通に伴い東海道線が熱海経由となり、国府津から沼津まで電化区間が延びると、東京から沼津までは電気機関車EF55が牽引し、沼津で蒸気機関車に付け替えるようになっています。 確かに大正時代、国産の電気機関車を作り始めた頃は、まだまだ信頼性に欠けるものでしたが、昭和初期から10年代になるとかなり改善されています。一例として、昭和9年から製造され始めた貨物用電機EF10は戦後も昭和40年代まで東海道本線等の主要幹線で運用されてますしね。蒸気機関車と異なり、ボイラー用の水の補給のための停車が不要ということも、電気機関車の利点の一つです。 |
> それは昭和9年の旦那トンネル開通までのことですね。トンネル開通に伴い東海道線が熱海経由となり、国府津から沼津まで電化区間が延びると、東京から沼津までは電気機関車EF55が牽引し、沼津で蒸気機関車に付け替えるようになっています。 それは承知していますが、東京都市圏や丹那トンネルのような長距離トンネルでの煤煙問題もあり、電気機関車に切り替えたというのが、より正確なところではないでしょうか。 EF55の性能は、低速や勾配においてはC51を上回りますが、大差ないという範囲です。戦後のEF58においても、性能自体は同時期のC62と大差ありません。 > 確かに大正時代、国産の電気機関車を作り始めた頃は、まだまだ信頼性に欠けるものでしたが、昭和初期から10年代になるとかなり改善されています。一例として、昭和9年から製造され始めた貨物用電機EF10は戦後も昭和40年代まで東海道本線等の主要幹線で運用されてますしね。蒸気機関車と異なり、ボイラー用の水の補給のための停車が不要ということも、電気機関車の利点の一つです。 かなり改善されたのは確かですが、蒸機より信頼性が劣るという認識があるから、戦前のお召し列車では、電機は重連だったのです。給水停車の問題は、それほど大きな問題でしょうか。必要であれば、燕のように給水車を連結することもできます(当時の乗客は、給水停車の時間を使って弁当を買ったり、顔を洗っていたのですが)。 電気機関車のメリットは、動輪軸数が多いことにあります。低速や勾配では動輪が多いため、粘着力に優れ、電気モーターの低速時のトルクの強さから、勾配での発進力は高いです。車輪が小さいため、高速時の安定性にも優れています。とはいえ、戦前のレベルでは大差ないですし、勾配区間など、必要な区間での電化は行われていたのです。 アリエフさまのご指摘がどのような意図でなされたのかはわかりませんが、戦前の大規模電化には性能面を含めてさしたるメリットはない、という考えには変わりありません。 |
> > それは昭和9年の旦那トンネル開通までのことですね。トンネル開通に伴い東海道線が熱海経由となり、国府津から沼津まで電化区間が延びると、東京から沼津までは電気機関車EF55が牽引し、沼津で蒸気機関車に付け替えるようになっています。 > > それは承知していますが、東京都市圏や丹那トンネルのような長距離トンネルでの煤煙問題もあり、電気機関車に切り替えたというのが、より正確なところではないでしょうか。 > EF55の性能は、低速や勾配においてはC51を上回りますが、大差ないという範囲です。戦後のEF58においても、性能自体は同時期のC62と大差ありません。 > > > 確かに大正時代、国産の電気機関車を作り始めた頃は、まだまだ信頼性に欠けるものでしたが、昭和初期から10年代になるとかなり改善されています。一例として、昭和9年から製造され始めた貨物用電機EF10は戦後も昭和40年代まで東海道本線等の主要幹線で運用されてますしね。蒸気機関車と異なり、ボイラー用の水の補給のための停車が不要ということも、電気機関車の利点の一つです。 > > かなり改善されたのは確かですが、蒸機より信頼性が劣るという認識があるから、戦前のお召し列車では、電機は重連だったのです。給水停車の問題は、それほど大きな問題でしょうか。必要であれば、燕のように給水車を連結することもできます(当時の乗客は、給水停車の時間を使って弁当を買ったり、顔を洗っていたのですが)。 > 東海道線における電気機関車による営業運転に関しては1927年の東京〜国府津間電化時より行なわれており、またこの年はイギリス製電気機関車(導入初期は信頼性不足によるトラブルが多かったとされる)牽引によるお召し列車が運行されています。1933年には国産電気機関車によるお召し列車が運行されていましたので信頼性については不安がないものと考えてもいいのではないでしょうか(お召し機を選ぶときは信頼性も考慮するはずです)。 重い水槽車の連結は高速化や輸送力の面で悪い影響を与えます。鉄道省(当時)は相当の苦心を重ねたようだとウィキペディアには書かれています。給水停車の問題は、それほど大きな問題なのです。 |
> それは承知していますが、東京都市圏や丹那トンネルのような長距離トンネルでの煤煙問題もあり、電気機関車に切り替えたというのが、より正確なところではないでしょうか。 > EF55の性能は、低速や勾配においてはC51を上回りますが、大差ないという範囲です。戦後のEF58においても、性能自体は同時期のC62と大差ありません。 C62の出力は約1200KW、戦前の傑作機、EF57は1650KWですが。性能は段違いです。 > > 確かに大正時代、国産の電気機関車を作り始めた頃は、まだまだ信頼性に欠けるものでしたが、昭和初期から10年代になるとかなり改善されています。一例として、昭和9年から製造され始めた貨物用電機EF10は戦後も昭和40年代まで東海道本線等の主要幹線で運用されてますしね。蒸気機関車と異なり、ボイラー用の水の補給のための停車が不要ということも、電気機関車の利点の一つです。 例にEF10を出すのであれば、その前の傑作機EF53を忘れてます。 > かなり改善されたのは確かですが、蒸機より信頼性が劣るという認識があるから、戦前のお召し列車では、電機は重連だったのです。給水停車の問題は、それほど大きな問題でしょうか。必要であれば、燕のように給水車を連結することもできます(当時の乗客は、給水停車の時間を使って弁当を買ったり、顔を洗っていたのですが)。 お召しの場合、予備機は準備されましたが、電機の常時重連運用という規定は存じておりません。勾配線区に補機がつく事はありましたが、平坦線区での電機重連運用の確かなソースはありますか。 > 電気機関車のメリットは、動輪軸数が多いことにあります。低速や勾配では動輪が多いため、粘着力に優れ、電気モーターの低速時のトルクの強さから、勾配での発進力は高いです。車輪が小さいため、高速時の安定性にも優れています。とはいえ、戦前のレベルでは大差ないですし、勾配区間など、必要な区間での電化は行われていたのです。 当時の電気モーターでも結構高性能です。ウェスティングハウス社のをモデルに三菱が開発したMB-211-BF等は一部私鉄が採用した電車は、1930年代に120キロ超の営業運転が出来るほどの性能を持ってました。 >戦前の大規模電化には性能面を含めてさしたるメリットはない、という考えには変わりありません。 とんでもない。日本の蒸気機関車技術はすでに大正期に頭打ちとなり、その後に大きな性能の向上はありませんでした。欧米では既に廃れつつある大動輪の低回転推進方式である「プロイセン方式」に執着する鉄道省の官僚的体質もさることながら、昭和初期から始まる幹線電化方針もあります。電化推進により、電機関連技術の積極的導入は多くありましたが、蒸機関連の新技術はあまり導入されずじまいでした。 その結果、同じ狭軌で、日本より低規格のニュージーランド(車両限界断面積が日本の8割、最大軸重日本16tに対し14t)で1939年製造初年のKa型は、重量がC62の1.06倍、牽引力で1.05倍、速度が1.2倍、軸配置2D2、最高速度120km。この機関車は、400t(ブルトレ12両相当)の列車を牽いて137kmに達しこともあるそうです。 |
Ka型は既にご存知のようでしたね。失礼しました。しかも同じソースのようだし(笑) |
> C62の出力は約1200KW、戦前の傑作機、EF57は1650KWですが。性能は段違いです。 個々の性能差を見れば、仰る通りです。 しかし、最高速度・ブレーキ距離の制限がある以上、大差ないのでは、という考えです。東海道本線が全線電化されても、30分しか短縮されないのですから。 > お召しの場合、予備機は準備されましたが、電機の常時重連運用という規定は存じておりません。勾配線区に補機がつく事はありましたが、平坦線区での電機重連運用の確かなソースはありますか。 鉄道ファン1992年2月号特集「お召し機EF58 61」16ページにそのような記述があります。該当部分を引用します。 (写真キャプション) 昭和28年のEF58お召し機登場まで、お召し専用機を勤めたEF53 16。(中略)戦前はお召し列車牽引に辺り、EF53 16+18の重連で使用された。 (該当本文) EF58のお召し機が完成するまでに、お召列車を牽引した電気機関車は4形式しかない。大正14年12月、東京−国府津間と横須賀線が電化されたが、蒸気機関車に比べて電気機関車は故障が多く、お召し用としては不安があって、電機牽引には踏み切れなかった。 電気機関車のお召し列車が初めて走ったのは、昭和2年10月20日で、(中略)東京−横須賀間をイングリッシュ・エレクトリック社製の6000形6000・6001号機(改称してED51 1・2号機。さらに改造されてED17形24・25号機)が12号編成を牽引。お帰りの25日も同機が牽引した。(中略) デッカーは各形式とも故障が多かったので、ウエスチングハウス社製のED53 1・2号機(改称してED19形となる)がお召し用に指定され、EF53形ができるまで重連で数年間使用された。(中略)お召し用の予告を受けて、EF53形16〜19号機が昭和9年に製造された。出来映え検査の結果・16・18号機が本務機、17号機が予備機に指定された。 蒸気機関車のお召し列車がすべて単機牽引なのに、EF53形になっても重連とは変に思える。実際、現場では単機でも問題ないという意見だったが、上層部では万が一を考えて、なかなか単機運転に踏み切れなかったようである。 > 当時の電気モーターでも結構高性能です。ウェスティングハウス社のをモデルに三菱が開発したMB-211-BF等は一部私鉄が採用した電車は、1930年代に120キロ超の営業運転が出来るほどの性能を持ってました。 近鉄や阪急電車の性能を考えると、戦前でも長距離電車運転はできたかもしれませんね。ただ、防御力を考えるなら、国策として電化は進められないでしょう。 > とんでもない。日本の蒸気機関車技術はすでに大正期に頭打ちとなり、その後に大きな性能の向上はありませんでした。欧米では既に廃れつつある大動輪の低回転推進方式である「プロイセン方式」に執着する鉄道省の官僚的体質もさることながら、昭和初期から始まる幹線電化方針もあります。電化推進により、電機関連技術の積極的導入は多くありましたが、蒸機関連の新技術はあまり導入されずじまいでした。 > その結果、同じ狭軌で、日本より低規格のニュージーランド(車両限界断面積が日本の8割、最大軸重日本16tに対し14t)で1939年製造初年のKa型は、重量がC62の1.06倍、牽引力で1.05倍、速度が1.2倍、軸配置2D2、最高速度120km。この機関車は、400t(ブルトレ12両相当)の列車を牽いて137kmに達しこともあるそうです。 「蒸気機関車の興亡」「蒸気機関車の挑戦」(NTT出版)は読んでおりますので、その事情は知っております。ただ、欧米や満鉄と直接比較される「標準軌下の日本国鉄」において、蒸機の新技術導入に史実ほど硬直的でいられたかどうかは、疑問です。 |
> > C62の出力は約1200KW、戦前の傑作機、EF57は1650KWですが。性能は段違いです。 > 個々の性能差を見れば、仰る通りです。しかし、最高速度・ブレーキ距離の制限がある以上、大差ないのでは、という考えです。東海道本線が全線電化されても、30分しか短縮されないのですから。 これだけの出力差があればEF57の方が同速度での比較にせよ、より多くの貨物を牽引できる、勾配にも強いという利点がある、ということがわかりますが。そして東海道だけでなく各地の幹線含めて、蒸気と電気との比較を論じているわけですよね。 東海道での所要時間短縮の程度といった、一部の事例のみを取り上げて全てを論じようとするべきではないと思いますけど。 > > お召しの場合、予備機は準備されましたが、電機の常時重連運用という規定は存じておりません。勾配線区に補機がつく事はありましたが、平坦線区での電機重連運用の確かなソースはありますか。 > 鉄道ファン1992年2月号特集「お召し機EF58 61」16ページにそのような記述があります。該当部分を引用します。・・蒸気機関車のお召し列車がすべて単機牽引なのに、EF53形になっても重連とは変に思える。実際、現場では単機でも問題ないという意見だったが、上層部では万が一を考えて、なかなか単機運転に踏み切れなかったようである。 この記事が信頼できるものとして、上層部が頭が固そうだということはわかります。しかし、お召し以外の列車についてまで、電気機関車の単機運用では蒸気の場合に比べ不安、問題があるという見方が当時、現場レベルに至るまで一般的に周知されていたと看做すことはできませんね。そういうことでよろしいでしょうか? |
色々出ていますので、整理した方が良いと思うのですが。 1.軌間の違い 影響するのは、発動機が大型化できるか否かの違いだけだと思います。 要は、狭軌より標準軌の方が、ボイラーやモーターを大きくできるというだけです。 線形や軌道の強度と軌間は、直接関係ないと思います。 市電クラス(京阪電鉄京津線や阪堺電気軌道)でも標準軌ですから。 仮に日本の鉄道が標準軌であれば、より大きなボイラーを積んだ蒸気機関車が容易に作れたであろうということだけで、実際には軌道の強度が輸送力の大きな要素と考えていいと思います。 2.電機と蒸機 発電所云々の前にターミナルが爆撃されると思いますので、実は余り軍事的な優劣は無いかも。 それよりも第二次大戦中では、戦略資源である銅を比較的使用しない上に製作も容易な蒸機の方が、特に末端線区では優位かも。 3.新幹線とTGV 文化と風土の差でしょう。 戦後の航空機禁止が無ければ、技術者の流出も無いでしょうから、新幹線も自動車産業の発展も無かったかも知れません。 でも、遅かれ早かれあれだけ大量の乗客を捌くには鉄道しかないわけで、いずれできると思います。 東海道線の腹付線増でも長大編成と高密度運行で実現可能でしょうが、やはり線増するほどの需要があるということが、完全な新システムを入れる最大の要因であったと思います。 逆にTGVの利点は、既存施設の活用にあり、専用線以外にも自由に乗り入れできるネットワークの強みがあります。 要は、並行在来線問題が発生しなければ新幹線方式、そうでなければTGV(日本的にはスーパー特急)が良いというところではないでしょうか。 4.物流システムとして 実際に物流に関わる者として申しますと、鉄道は貨物(特に小口貨物)輸送には非常に使い難いシステムです。 一つの県を範囲とする物流を担当していますが、幹線系でさえ6tトラック20台/日ほどで足りてしまいます(我社のシェアが小さすぎるのだと言う話もありますが)。 しかも、1日3〜4回配達できる回数に分ける必要がありますので、とても列車を仕立てられる状態にありません。 ダイヤから言っても、お客様からの持込を待つ、仕分作業の遅れ、天候など乱れる要素は多分にありますが、列車は待ってくれませんがトラックは待たせられます。 正直いえば、鉄道を使えと言われれば真っ青になります。 元々末端線区はトラックが無い又は非力で高価な時代に必要とされた物で、動力源が蒸気から内燃機関に小型高出力化していく過程で要らなくなったものです。 軍事輸送といった事でも全く同じで、技術と輸送要求の兼ね合いによって手段が決まる物です。 |
> 1.軌間の違い > 影響するのは、発動機が大型化できるか否かの違いだけだと思います。 > 要は、狭軌より標準軌の方が、ボイラーやモーターを大きくできるというだけです。 > 線形や軌道の強度と軌間は、直接関係ないと思います。 > 市電クラス(京阪電鉄京津線や阪堺電気軌道)でも標準軌ですから。 > 仮に日本の鉄道が標準軌であれば、より大きなボイラーを積んだ蒸気機関車が容易に作れたであろうということだけで、実際には軌道の強度が輸送力の大きな要素と考えていいと思います。 別のところで書いた通り、最初から標準軌の日本鉄道は、史実と同じ線形ではないでしょう。また標準軌のメリットは(車両限界を拡大しても高速で)安定性です。 市電クラスの標準軌は別の意味合いでしょうから、幹線鉄道の例にはならないでしょう。 何であれ、軸重強化が可能なら、狭軌でも性能向上はだいぶ容易になるでしょうが。 > 2.電機と蒸機 > 発電所云々の前にターミナルが爆撃されると思いますので、実は余り軍事的な優劣は無いかも。 > それよりも第二次大戦中では、戦略資源である銅を比較的使用しない上に製作も容易な蒸機の方が、特に末端線区では優位かも。 駅の爆撃は、被害を予期していた場合は、配線の切り替えや早期修理などでも対処できます(特に日独は何度も鉄道の空爆を受けていますが、完全にストップさせることはできなかったわけですし)。また電気機関車は被害時に自走できません。国内資源配分としても石炭が燃料の蒸気機関のほうがメリットがあるように思います。 > 3.新幹線とTGV > 文化と風土の差でしょう。 > 戦後の航空機禁止が無ければ、技術者の流出も無いでしょうから、新幹線も自動車産業の発展も無かったかも知れません。 > でも、遅かれ早かれあれだけ大量の乗客を捌くには鉄道しかないわけで、いずれできると思います。 在来線が複々線標準軌の状況では、新幹線はできないだろうと言っているだけなのですが。 > 東海道線の腹付線増でも長大編成と高密度運行で実現可能でしょうが、やはり線増するほどの需要があるということが、完全な新システムを入れる最大の要因であったと思います。 > 逆にTGVの利点は、既存施設の活用にあり、専用線以外にも自由に乗り入れできるネットワークの強みがあります。 > 要は、並行在来線問題が発生しなければ新幹線方式、そうでなければTGV(日本的にはスーパー特急)が良いというところではないでしょうか。 在来線が標準軌であっても、既存システムのベースである以上、新幹線レベルの鉄道に育つ可能性はないと思います。ただ、在来線が標準軌であるなら、新幹線システムが実現した場合、在来線乗り入れが可能なのは、山形・秋田新幹線で明白でしょう。そこも本質的にはTGVの優位点とは言い切れないような気がします。 |
> これだけの出力差があればEF57の方が同速度での比較にせよ、より多くの貨物を牽引できる、勾配にも強いという利点がある、ということがわかりますが。そして東海道だけでなく各地の幹線含めて、蒸気と電気との比較を論じているわけですよね。 > 東海道での所要時間短縮の程度といった、一部の事例のみを取り上げて全てを論じようとするべきではないと思いますけど。 鉄道の編成長は無限に伸ばすことはできません。既存システムの範囲内である以上、鉄道施設改良や、発電所・変電所などのインフラ強化を伴わなければ、電化の効果を発揮できません。その程度の性能差で、多大な投資をするほどのメリットがあるのでしょうか。どちらにせよ、鉄道システム上の問題で、性能差は生かしきれないのです。 勾配に強い、という利点は、機械的にもそうですが、現実に勾配区間の電化が優先的に行われています。長大トンネルも含めて、電化の特色が生かせる区間では、そのようにしていたのです。で、システムの生存性を考慮しなくてはいけない戦前において、電化への切り替えが容易でないことは、ご理解頂けると思います。ディーゼル機関車に切り替える、というのであれば、ある程度は同意できますが(自国生産しない石油に石炭燃料車を切り替えるという問題があるわけですが)。 ちなみにC62は1620馬力、DD51は初期型で2000馬力です。軸重面でのメリットはあるでしょうが、製造開始年度が大幅に異なることを考えるなら、戦前でのディーゼル機関車化にもそこまでの効果は期待できないでしょう。 > この記事が信頼できるものとして、上層部が頭が固そうだということはわかります。しかし、お召し以外の列車についてまで、電気機関車の単機運用では蒸気の場合に比べ不安、問題があるという見方が当時、現場レベルに至るまで一般的に周知されていたと看做すことはできませんね。そういうことでよろしいでしょうか? どう読めば、そのように読めるのでしょうか。 該当記事にある通り、昭和6年時点で、輸入された電気機関車でも故障が多発していたのです(というか、輸入元の英国でも電化自体に慣れておらず、電気機関車の完成度自体が低い時代なのですが)。 技術導入の目的で輸入した電気機関車でそれなのですから、国産電気機関車の信頼性に期待することが、現場レベルで一般的でないとみなすという認識自体、間違いだと思います。 様々な手段で技術が熟成し、信頼性が向上した戦後においては、お召し列車の単機牽引も行われていますが、これは戦前の話でしょう。 電化などというものが、真面目に検討できるのは昭和に入ってからのことで、昭和6年の輸入機でダメ、昭和9年の国産機でもだましだまし使っていたという状況で、どうして急速な電化普及の目処が立てられるのでしょうか。 |
>・・で、システムの生存性を考慮しなくてはいけない戦前において、電化への切り替えが容易でないことは、ご理解頂けると思います。 システムの生存性というのは地震等の災害に対してということでしょうか?それならば戦後においても大して変わらないと思います。 戦前においてシステムの脆弱性が高い電化を最小限にすべきであるとする考え方が徹底されていたとするのならば、都市周辺の通勤鉄道が早期から電化されたことをどのように考えるのでしょうか?軍需工場の多い、そこへの通勤客も多い都市の通勤鉄道の妨害を図ることは、軍事上、有効な作戦と考えられますよね。横須賀線のような路線に省電が走ることなんて危なっかしい、敵の攻撃目標になるだけだ、ということになってしまうのでは? >電化などというものが、真面目に検討できるのは昭和に入ってからのことで、昭和6年の輸入機でダメ、昭和9年の国産機でもだましだまし使っていたという状況で、どうして急速な電化普及の目処が立てられるのでしょうか。 昭和6年から9年前後の時期においてEF53やらEF10やらED16といったような国産電気機関車が登場しているわけですが、これらの戦前製電気機関車が戦後、昭和40年代頃まで使われているわけですよね。戦前製のものが信頼性が低いのならば、何故、戦後になってより高性能の、信頼性が高い電気機関車が導入されることにより早々に淘汰されてしまわなかったのでしょうか? 同じく電気モータを使用する電車も、昭和初期に新京阪デイ100や営団1000系(元・東京地下鉄道)といったものが登場しており、戦後もかなり長い期間使用されているわけですが、戦前製のものが欠陥ばかりで信頼性も低かったら、こんなに長く使われるわけがないですよね。 以上、私の素朴な疑問なのですが、具体的根拠を示しつつ合理的に説明していただくよう、お願いいたします。当然、特殊な事例を全体に当てはめようとするやり方でなく。 |
> 戦前においてシステムの脆弱性が高い電化 電化鉄道は非電化鉄道より脆弱性が高い、というのは世界的にみても普通の考えでしょう。ヨーロッパの多くの国では電化区間でも貨物列車はディーゼル機関車が牽引しています。 米国は大都市近郊以外はほぼずべて非電化ですし。 |
> 電化鉄道は非電化鉄道より脆弱性が高い、というのは世界的にみても普通の考えでしょう。ヨーロッパの多くの国では電化区間でも貨物列車はディーゼル機関車が牽引しています。・・ 西欧諸国以上に安全保障について伝統的にナーバスであるロシアの場合、路線延長86400kmのうち電化延長42600km、そして1日当り貨物用電気機関車が5890両、同ディーゼル機関車(電気式ディーゼル)が6202両走っているとのことです。 鉄道路線の電化率と比較して、貨物輸送に占める電気機関車の比率は決して少なくないんですけど。 (参考) http://www.erina.or.jp/Jp/Research/db/rep16/RS-TR/04032.pdf |
> 電化鉄道は非電化鉄道より脆弱性が高い、というのは世界的にみても普通の考えでしょう。ヨーロッパの多くの国では電化区間でも貨物列車はディーゼル機関車が牽引しています。 > 米国は大都市近郊以外はほぼずべて非電化ですし。 もちろん給電設備の分、非電化に比べると脆弱性はありますし、なにより設備費は高くつきます。日本の幹線電化が予定通り進まなかった一番の原因です。そのかわり効率性では一番です。戦前の燃料事情を考えてみてください。それにディーゼル機関とて、幹線用機関車に使用できる小型高速ディーゼル機関がモノになったのはやはり戦後です。そのため電力供給量に余裕がある国は、鉄道近代化に電化を選択しています。 当時のディーゼル機関車は電気式が主流なので、機関重量の割りに動輪周出力が低いのです。なので1939年以降、ディーゼル機関車が活躍した米国では、複数台の多重連で使用されています。ちなみに代表的なGM製のF3型で、1両あたりの出力は1500馬力程度なので、やはり複数台使用しなければ重量貨物の牽引は難しいです。これは石油燃料の豊富な北米大陸ならではの事例と思ってください。 それと次に、昭和37年の科学技術白書の資料を2つ上げておきます。 ここに主要国の鉄道近代化の様相を示したものがありますので見ていただければ幸いです。 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa196201/hpaa196201_2_246.html#tb4.17.2 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa196201/hpaa196201_2_246.html#fb4.17.3 |
お久しぶりでございます。少し時間が取れるようになったので、少しずつ返信していこうかと思います。何かとお手数をおかけ致しますが、ご容赦ください。 > システムの生存性というのは地震等の災害に対してということでしょうか?それならば戦後においても大して変わらないと思います。 いわゆる「弾丸列車計画」を検討する特別委員会の調査資料をまとめる役目が、昭和14年8月30日に鉄道大臣官房に設けられた「幹線調査課」なのですが、その運転部門をまとめていた竹内外茂氏は「重要なことは軍抜きでは決められないので、打ち合わせに行くと、電化は絶対にいかんと強硬に反対された。理由は変電所を爆撃されたら、一度に動かなくなるので、絶対に蒸気である必要があるというものでした」と述べています。 また弾丸列車検討時の認識の中で、当時、工作局車両部第二課長として、機関車設計全体を指揮していた(そして戦後の新幹線計画を作った)島秀雄氏も「軍は送電線や、その元になる変電所を爆撃あるいはスパイによって爆破でもされたら、電気機関車は動かなくなると決めてかかり、こちらが電気機関車のメリットを説いても考えを変える姿勢はまったく見られなかった」と明確に述べています。 最終的に、変電所設備を確保しやすい、東京や大阪、名古屋などの大都会の周辺を中心に電化することにされました。また、新丹那トンネルのような長距離トンネルでは、途中で停止した場合に、煤煙により乗客乗員が酸欠に陥る危険性があったため、こうしたトンネル区間も電化するとされていました。 それでも、竹内氏によれば「東京から静岡まで、あるいは名古屋から姫路までは電気機関車にするというのを、軍が認めたわけではなかった」と述べられています。竹内氏は「丹那トンネルや鈴鹿トンネルを考えれば、蒸気でできるわけがないから、電化になるだろう」との見通しで進め、陸軍は「電化設備被災時の予備として、電気機関車と同数の蒸気機関車と、運転士・機関士をそろえれば反対しない」と譲歩したとのことです。 実際に爆撃を受けたさいには、電化路線の回復がそれほど困難ではなかったというのは、戦中に判明したことであり、戦前の認識はこのようなものだったと考えられます。なお陸軍は当初から鉄道の生存性に対して強い関心を持っており、東海道本線建設時にも「艦砲射撃を受ける危険性があるから、中央本線をメインにできないか」と提案したりしています。 > 戦前においてシステムの脆弱性が高い電化を最小限にすべきであるとする考え方が徹底されていたとするのならば、都市周辺の通勤鉄道が早期から電化されたことをどのように考えるのでしょうか?軍需工場の多い、そこへの通勤客も多い都市の通勤鉄道の妨害を図ることは、軍事上、有効な作戦と考えられますよね。横須賀線のような路線に省電が走ることなんて危なっかしい、敵の攻撃目標になるだけだ、ということになってしまうのでは? 輸送量もそうですが、電化(特に電車化)は運転頻度の改善に絶大な効果があります。折り返し時に、電気機関車ならターンテーブルが不要ですが、さらに電車であれば機回し線自体が不要です。「電車でなければ物理的に運べない」輸送量を持つに至った路線を電車化するのは、システムの生存性よりもより優先する、やむを得ない事項でしょう。 また、大都市圏は変電所が多くあるので、比較的バックアップがしやすいということは、上記の弾丸列車計画時でも語られている通りです。 > 昭和6年から9年前後の時期においてEF53やらEF10やらED16といったような国産電気機関車が登場しているわけですが、これらの戦前製電気機関車が戦後、昭和40年代頃まで使われているわけですよね。戦前製のものが信頼性が低いのならば、何故、戦後になってより高性能の、信頼性が高い電気機関車が導入されることにより早々に淘汰されてしまわなかったのでしょうか? 我が国最初の本格的電化は、1925年12月に行われた、横浜−原町田間23キロですが、電気機関車の電気部品・機械部品などの初期故障はなかなか収まらず、全ての列車を電気機関車運転に切り替えたのは、電化開業から2年半後という状態でした。 これは、高速度遮断機の増設、ブラッシュ保持器の強化改善、駆動大歯車に干渉バネを追加するなど、改良を重ねることで、次第に安定してきます。 つまり「欠陥ばかりで信頼性が低い」状態を、改良を重ねて熟成させたわけです。そして改良されて熟成した戦前製電気機関車を急速に淘汰できるほど、国鉄の財政に余裕があったことは、まさに一度もないかと思います。 そうした改良を経ても、昭和13〜15年の弾丸列車計画時に、鉄道幹線調査会の調査委員で電車・電気機関車を担当した間瀬氏によれば「電気機関車が主力となってくるのは、東海道本線が電化された戦後のことで、一番苦労させられたのは、電線とたえず擦っているパンタグラフだった。なぜか、富士川の鉄橋あたりまで来るとすり減って、川の真ん中で機関車が動かなくなった。駆けつけて、パンタグラフにできた溝をヤスリで削り落として、やっと走らせることができた。戦後になってもこんな状態で、ぶざまな姿は後々までも物笑いの種だった」と述べられています。 また、島秀雄氏も「弾丸列車計画のころには、電気にしなくてはならないと思っていたが、発電所や送電設備などの基盤整備が行き届いていなかった。切迫した日本の電力事情からしても、難しい点がいろいろあった。また電化するには金がかかったが、それもなかった」と述べられています。 こうした発言の背景として、昭和10年代当時、軍備増強政策もあって、急速な重工業化が進み、基盤整備に時間がかかる電力のインフラが追いつかなかった。そのため、電力は製鉄・精錬企業・軍需産業などに優先的に供給されており、蒸気でも動かせる鉄道の電化を推し進めるには、抵抗があったとのことです。 以上のソースは「弾丸列車」(実業之日本社/前間孝則)です。 このような、さまざまな努力により、1928年に誕生した国産電気機関車EF52では、輸入電気機関車に対して、1/10の故障率を実現したものの、性能的に大差ない国産SLの2.5倍の価格(1937年でも2倍)と非常に高価となりました。また、電気の普及が進まない当時の電力単価が割高なため、蒸気運転とのコスト比較では、予想を遙かに上回る経済性の悪さが大きな誤算とされていました。 日本鉄道の電化施策は、国内産石炭の不足問題が発端であり、石炭消費量の多い鉄道は問題とされていました。これに対し1919年に水力発電の開発と、鉄道電化を国策とすることにされたわけです。そして鉄道電化調査委員会は、東京−小田原間、京都−神戸間を初めとする都市近郊区間676キロと、勾配区間460キロの合計1,100キロを「経済効果の試算を待たずにまず電化すべき区間」と答申しました。それ以外の3,000キロについても「経済上の比較調査を行った上で、電化するか判断すべき」としています。 この国策により、東海道本線の電化を1928年までに完成させる計画もありましたが、信頼性の低さ、経済性の悪さを問題とされて、大幅にスローダウンされています。 そして、戦時体制になるに従って「輸送力増強」の見地から「電化よりも線増・駅改良・ヤード改良・軌道強化・車両増備を優先すべしとして、電化は進まなかった」とのことです。これは、終戦時における国鉄機関車保持数(蒸気機関車5,899両、電気機関車296両)を見ても明らかです。 この部分のソースは「日本の鉄道車輌史」(グランプリ出版/久保田 博)です。 > 以上、私の素朴な疑問なのですが、具体的根拠を示しつつ合理的に説明していただくよう、お願いいたします。当然、特殊な事例を全体に当てはめようとするやり方でなく。 なるべくそうしてみたのですが、いかがなものでしょうか。私には、戦前の急速電化は例え政府が主導し、公文書があったとしても、絵に描いた餅のように思える次第です。 |
> 鉄道の編成長は無限に伸ばすことはできません。既存システムの範囲内である以上、鉄道施設改良や、発電所・変電所などのインフラ強化を伴わなければ、電化の効果を発揮できません。その程度の性能差で、多大な投資をするほどのメリットがあるのでしょうか。どちらにせよ、鉄道システム上の問題で、性能差は生かしきれないのです。 牽引力の差は列車編成の車両換算が変わってきます。編成長ではなく、重量貨車が牽引できればそれだけ輸送量が増大します。従来は2軸貨車しか牽引できなかったのが、3軸貨車、ボギー車となるわけで、実際この頃、3軸貨車の黄金期が来るのですが。 > 勾配に強い、という利点は、機械的にもそうですが、現実に勾配区間の電化が優先的に行われています。長大トンネルも含めて、電化の特色が生かせる区間では、そのようにしていたのです。 たぶんまず念頭にあるのは碓氷峠だと思いますが、ここが電化されたのは1912年(明治45年)です。その大きな原因は、長大トンネルでの窒息ではなく、この区間で貨物の滞留が発生する輸送のボトルネックであることです。この区間の輸送力の増大が目的であって、無煙化が目的でないのです。既に当時から「電化=輸送力増大」との認識はあるのです。 > で、システムの生存性を考慮しなくてはいけない戦前において、電化への切り替えが容易でないことは、ご理解頂けると思います。 システムの生存性は戦前でなくとも考慮せねばなりません。実際都内省線の主力変電設備は新潟県に作られています。それに電化区間とはあなたが思う以上に抗甚性が高く、戦災にも強いのです。東京大空襲の際でも山手線は翌日から平常運転。総武線は給電設備はすぐに復旧しましたが、駅施設そのものが被害を受けたので、2、3日後に平常運転しています。広電なんぞは被爆後数日で一部区間で運転再開をしていますし、送電線を破壊された豊橋鉄道でさえ4日後には運転再開しています。電力インフラの抗甚性は高い方であり、災害時の復旧度合でも各種ライフラインの中でも随一でしょう。米軍資料にも(核攻撃後の)電力回復が早いのは今後の課題と記されています。 > 該当記事にある通り、昭和6年時点で、輸入された電気機関車でも故障が多発していたのです(というか、輸入元の英国でも電化自体に慣れておらず、電気機関車の完成度自体が低い時代なのですが)。 > 技術導入の目的で輸入した電気機関車でそれなのですから、国産電気機関車の信頼性に期待することが、現場レベルで一般的でないとみなすという認識自体、間違いだと思います。 当時の電機は各国とも試行錯誤の段階なのは確かです。が、輸入機関車全てが故障が多発していたわけでなく、その多くはイングリッシュエレクトリック社のディック・カー工場製で、1923年(大正11年)から25年にかけて輸入された機関車群です。これら輸入機関車の殆どが大正時代に輸入されたものです。それらを検修しモノにしていったのは日本の電機技術の向上であり、その成果が昭和2年のお召し列車牽引だと思っております。信頼性がなければそもそもお召し列車牽引など許されるはずもありません。 > 電化などというものが、真面目に検討できるのは昭和に入ってからのことで、昭和6年の輸入機でダメ、昭和9年の国産機でもだましだまし使っていたという状況で、どうして急速な電化普及の目処が立てられるのでしょうか。 国産初の幹線用大型電機は1926年(大正15年)に製造された1070形で、昭和30年代まで使用されています。1928年(昭和3年)にはEF52、1931年(昭和6年)にはEF53が登場し優等列車牽引に活躍していますから、だましだまし使っていたというにはあたりません。その程度の信頼性であるなら省線の看板列車たる1列車や3列車の牽引なぞ任されるはずは無いのですから。現にEF53は「瀬野八」で長く使われ、最終除籍は「2006年」なのです。 |
> たぶんまず念頭にあるのは碓氷峠だと思いますが、ここが電化されたのは1912年(明治45年)です。その大きな原因は、長大トンネルでの窒息ではなく、この区間で貨物の滞留が発生する輸送のボトルネックであることです。この区間の輸送力の増大が目的であって、無煙化が目的でないのです。既に当時から「電化=輸送力増大」との認識はあるのです。 多くの鉄道関係の文献には、トンネルの無煙化の為の電化とかかれていますが。 当時の乗務員や旅客も、トンネル内の煙については色々言ってましたし。 |
> 多くの鉄道関係の文献には、トンネルの無煙化の為の電化とかかれていますが。 > 当時の乗務員や旅客も、トンネル内の煙については色々言ってましたし。 確かに開通当初、煤煙の影響にはかなり苦労していました。 まぁ、開通当時のアプト式蒸機では、アプト区間の最大速度は時速9km、牽引定数は70tで、片道75分かかり、1日4〜5往復の運転でした。 その後1906年に国産アプト式蒸機が投入され、重連運用で最大牽引定数は140tなるも、非常用補助制動車を含むため、実際は120t程度であり、速度、所要時間とも以前のままでした。 低速度のために隧道内に煤煙が逆流するため、1894年に各トンネルの横川側に排煙幕が設置され、以後の状況はかなり改善されています。 一方で、輸送力の限界は早くからやってきており、明治30年代末(1906年頃)には1日18往復の運行体系をもってしても軽井沢、横川両駅への貨物の滞留は慢性化していました。 そのために鉄道院は最初の山岳幹線電化を決定したのであって、煤煙問題はあくまで副次的なものなのです。たしかに現場サイドとしては煤煙問題は深刻なため、あちこちの文献に出るのは至極当然でしょう。それでも開通後の排煙幕の設置によって、状況は確かに改善されており、運行に大きな支障をきたしてはいません。(急勾配による事故は起こってはいましたが) 鉄道輸送を統轄する鉄道院はそれよりも輸送力の逼迫を問題視していたのです。 なお電化によって、速度、牽引定数の強化により、所要時間は片道47分にまで減り、牽引定数は最大230tにまで改善されています。もちろんED42登場後はさらに牽引定数360tにまで強化されています。 |
> 牽引力の差は列車編成の車両換算が変わってきます。編成長ではなく、重量貨車が牽引できればそれだけ輸送量が増大します。従来は2軸貨車しか牽引できなかったのが、3軸貨車、ボギー車となるわけで、実際この頃、3軸貨車の黄金期が来るのですが。 D52牽引貨物列車は1200トンでした。牽引力ではD52が1,660馬力、現代のEF200が6,840馬力と5倍以上ありますが、貨物列車は1,300トンとほぼ同じです(EF200以前は1,200トンですから、まったく増えていません)。 1,600トンに増強したいという話が、EF200開発当時にはありましたが、景気低迷で変電所の強化が行えないことから、断念したというものです。 一例をもって全てとするな、と言われるので、すべてとは言いませんが、人口過密地帯である日本を走る鉄道の、輸送改善が容易ではない実態を表しているのではないでしょうか。 ましてや、D52がEF15になったからといって、画期的な輸送改善効果があるとは、到底思えないわけです。8時間の特急が7時間半になるのと大差ない改善でしょう。 > たぶんまず念頭にあるのは碓氷峠だと思いますが、ここが電化されたのは1912年(明治45年)です。その大きな原因は、長大トンネルでの窒息ではなく、この区間で貨物の滞留が発生する輸送のボトルネックであることです。この区間の輸送力の増大が目的であって、無煙化が目的でないのです。既に当時から「電化=輸送力増大」との認識はあるのです。 ご存じかと思いますが、1919年に鉄道電化調査委員会が答申した「電化すべき区間」は、都市圏を除けば、奥羽本線福島−米沢間、中央本線八王子−塩尻間、篠ノ井線塩尻−篠ノ井間、北陸本線米原−今庄間と、いずれもトンネルの多い勾配線です。 「電化の特色が生かせる区間は優先的に電化していた」と書いたのですが、間違いなのでしょぅか。少なくとも、1919年時点での電気機関車は、蒸気機関車と大差ありません。 電化の目的は輸送力増強を主にしたものではなく、石炭資源の節約を主としたものです。そして自動連結器、空気ブレーキ化、軌道強化、複線化をはじめとする、車輌・施設の改良は、電化よりもさらに輸送力増強に大きな効果があると判断され、輸送改善を急務とする戦時中でも電化路線はほとんど増えませんでした。 確かに、電化は輸送力増強に寄与する一面もありますが、それが全てというような書かれ方は、やや一面的かと思います。長大トンネルの窒息問題という側面も一つの切り口です(質の悪い石炭で立ち往生した貨物列車で、積み荷のブタが窒息死したので、泣く泣く駅で解体して肉として売った、なんて話が戦後にもあります)。 > システムの生存性は戦前でなくとも考慮せねばなりません。実際都内省線の主力変電設備は新潟県に作られています。それに電化区間とはあなたが思う以上に抗甚性が高く、戦災にも強いのです。東京大空襲の際でも山手線は翌日から平常運転。総武線は給電設備はすぐに復旧しましたが、駅施設そのものが被害を受けたので、2、3日後に平常運転しています。広電なんぞは被爆後数日で一部区間で運転再開をしていますし、送電線を破壊された豊橋鉄道でさえ4日後には運転再開しています。電力インフラの抗甚性は高い方であり、災害時の復旧度合でも各種ライフラインの中でも随一でしょう。米軍資料にも(核攻撃後の)電力回復が早いのは今後の課題と記されています。 それは事実ですが、抗甚性を戦前に危惧されていなかったというのは、一方的な見方だと思います。誰が見ても、高速鉄道に不要な蒸気機関車を、なぜ弾丸列車計画で開発しなくてはならなかったのでしょうか。 > 当時の電機は各国とも試行錯誤の段階なのは確かです。が、輸入機関車全てが故障が多発していたわけでなく、その多くはイングリッシュエレクトリック社のディック・カー工場製で、1923年(大正11年)から25年にかけて輸入された機関車群です。これら輸入機関車の殆どが大正時代に輸入されたものです。それらを検修しモノにしていったのは日本の電機技術の向上であり、その成果が昭和2年のお召し列車牽引だと思っております。信頼性がなければそもそもお召し列車牽引など許されるはずもありません。 ご指摘の時代に、横浜線が2年以上電気運転に切り替えきらなかったこともまた、事実です。その成果がお召し列車牽引につながったのでしょう。しかし、それをもって「電気運転にはいっさい不安がない」と断じるなら、それは一面的な見方だと思います。 戦前は試行錯誤の時代であり、戦後になって実用的な不安がほぼなくなったという辺りが、正解に近いのではないでしょうか。 > 国産初の幹線用大型電機は1926年(大正15年)に製造された1070形で、昭和30年代まで使用されています。1928年(昭和3年)にはEF52、1931年(昭和6年)にはEF53が登場し優等列車牽引に活躍していますから、だましだまし使っていたというにはあたりません。その程度の信頼性であるなら省線の看板列車たる1列車や3列車の牽引なぞ任されるはずは無いのですから。現にEF53は「瀬野八」で長く使われ、最終除籍は「2006年」なのです。 それは蒸気機関車よりも、当時の電気機関車が信頼性で劣るという見方を否定するものなのでしょうか。そして完成当時のEF53と、2006年のEF53は同じ機関車なのでしょうか。 電化したのだから、電気機関車を使うのは当たり前であり、信頼性に多少不安があっても、それは使いながら改良していくものです。現在のEF81ですら、年間に数回は走行不能となり、救援を仰いでいるのですが(鉄道誌には寝台特急牽引時の故障は報じられますが、貨物列車での故障はほとんど報じられません。寝台特急で年1〜2回は故障で代替機が引いたとニュースになるのですから、貨物を含めればもっとでしょう)。 EF53の信頼性は、EF81を上回るのでしょうか。 |
横レス、失礼します。 > D52牽引貨物列車は1200トンでした。牽引力ではD52が1,660馬力、現代のEF200が6,840馬力と5倍以上ありますが、貨物列車は1,300トンとほぼ同じです(EF200以前は1,200トンですから、まったく増えていません)。 技術的なことはほとんど無知なので、正確に説明できないのすが。 列車を引っ張る力と言うのは、蒸気機関車、ディーゼル機関車、電気機関車の3種の間では、所謂定格出力という数値では一概に比較できないみたいです。 単に出力と言った場合、蒸機は動輪周出力、電機はモーター出力、デーゼルはエンジン出力を指すことが多いようです。(DD51ディーゼル機関車の場合、2200PSというのはエンジン出力で、動輪周出力は1580PSとか) あと、速度による違いとか。 EF58という出力1900kwの直流電気機関車とEF65という出力2550kwの直流電気機関車の比較でも、高速度域では同等の牽引力とか。EF66という3900kwの機関車でも低速度域ではEF65と同等とか。 (同じ電機で仮に他の条件が同じでも直流と交流とでも違うらしい。粘着力とかいうのが。) |
> 列車を引っ張る力と言うのは、蒸気機関車、ディーゼル機関車、電気機関車の3種の間では、所謂定格出力という数値では一概に比較できないみたいです。 > 単に出力と言った場合、蒸機は動輪周出力、電機はモーター出力、デーゼルはエンジン出力を指すことが多いようです。(DD51ディーゼル機関車の場合、2200PSというのはエンジン出力で、動輪周出力は1580PSとか) 私も技術に疎いのですが「日本の鉄道車輌史」を書いた久保田 博氏によれば、動輪周出力算出の概算としては、電気機関車・電車で主電動機出力(kw)×1.14、ディーゼル機関車・ディーゼルカーでは機関出力(PS)×0.7なのだそうです。 ただし、久保田氏は「電気車輌の出力は速度によっての変化が大きく、内燃(ディーゼル)車輌では駆動まどの効率損もあるため、各車輌出力の正確な比較は困難」と前置きされています。このスレッドで前述した通り、電気車輌は特に勾配や頻発運転時において、蒸気車輌を圧倒する特性を持ちます(電力供給が充分なら、ですが)。ただし、時速100〜150キロ程度の高速性では、蒸気車輌が劣るわけではありません(それ以上の高速では、動輪の大型化や高速回転に限度があるため、難しいとされています)。ほぼ同時期のC53とEF52では、速度性能は前者、パワーは後者と評価されています。 |
> 個々の性能差を見れば、仰る通りです。 > しかし、最高速度・ブレーキ距離の制限がある以上、大差ないのでは、という考えです。東海道本線が全線電化されても、30分しか短縮されないのですから。 > ブレーキ距離は、信号の視認距離が基準ですので、日本の鉄道はそれだけ視認が利かなかった、すなわちカーブや勾配が多く、見通しが悪かったと言うことの裏返しでしょう。それに英国のブレーキ距離が800mと言うのは比較的最近のことで、従来はありませんでした。実際、英国蒸機は夜間標識灯はあっても、ヘッドライトはありませんでした。つまり夜間は無灯火で走っておったわけです。 で、幹線電化について、軍部の反対云々と言うことですが、これのソースが知りたいのですが。 そもそも幹線電化の推進については、輸送力云々ではなく、世界的な石炭不足による価格の高騰に原因があるわけでして、「日本国有鉄道百年史」によれば、第一次大戦後の1919年(大正8年)、原内閣の閣議で「国有鉄道運輸ニ関シ石炭節約ヲ図ルノ件」が決定された所から始まり、その後委員会設置等の上、1922年(大正11年)の帝国議会で「東京・神戸間の電化計画が大正17年(1928年・昭和3年)竣工予定」で協賛されるわけですが、そこに軍部云々の記録がないのです。SUDO氏の出された「国有鉄道に対する軍事上の希望に関する件」は「災害等非常時に復旧がしやすいように、予備施設は大丈夫か」というごく当たり前な要望を出しているぐらいです。むしろ当時の反対勢力は大蔵省なんです。 すなわち幹線電化は国策であり、当然軍部は燃料節約はもちろん、輸送力増大の為にも電化推進の立場にもあるわけなんです。 > > 鉄道ファン1992年2月号特集「お召し機EF58 61」16ページにそのような記述があります。該当部分を引用します。 了解しました。ありがとうございました。 > 近鉄や阪急電車の性能を考えると、戦前でも長距離電車運転はできたかもしれませんね。 それどころか、当時の鉄道院・鉄道省は電車派の台頭期でして、そもそも鉄道院総裁後藤新平・島安次郎が改軌・電化・動力分散の権化でして、その直系である種田虎雄大軌取締役は鉄道省時代からの高速電車シンパであり、第二東海道本線作り、高速電車を運行するという構想を持っておったことは有名です。 > 「標準軌下の日本国鉄」において、蒸機の新技術導入に史実ほど硬直的でいられたかどうかは、疑問です。 これについては、「八八艦隊完成後の太平洋戦争」と同じような話になりそうなので、議論にはならないかと思います。 で、私なりの結論で言えば、結局新幹線はどのような形であれ、作られると思います。鉄道省内にこれほどの動力分散派が多いからには、日本の鉄道が狭軌であるならば、高速電車鉄道は歴史上の必然。仮に改軌がなされたとすれば、今の欧米のように、高速運転を前提とした新線が(一部であれ、全線であれ)建設される、と。 (理由については次に続けます。) |
> で、私なりの結論で言えば、結局新幹線はどのような形であれ、作られると思います。鉄道省内にこれほどの動力分散派が多いからには、日本の鉄道が狭軌であるならば、高速電車鉄道は歴史上の必然。仮に改軌がなされたとすれば、今の欧米のように、高速運転を前提とした新線が(一部であれ、全線であれ)建設される、と。 そもそも弾丸列車構想の起こりは何か、と調べましたら、これがまぁ、いい加減なものなんです。 弾丸列車構想は昭和15年に発表されたものなんですが、当時は不況下で、特に輸送力が逼迫しているなどと言うことはありませんでした。それに欧亜連絡など、既に大陸、欧州で戦争が始まっている以上、当分望むべくもありません。ましてシベリア鉄道経由など、ソ連の矛先が極東へ来るかもしれない状況下では、まさに夢物語の世界でもあったわけなのです。 そもそも昭和13年に、とある鉄道省技官(氏名不詳)が、関西本線と東海道本線の間にもう一つ幹線があってもいいのでは、と考え、それを本省に上申したのが事の起こりで、それがどこをどう刺激したのか、第二東海道本線構想に膨らみ、検討委員会が発足し、その委員には小林一三、山本五十六などが就任しておるわけです。このメンツを見れば、半ばイケイケどんどん的なメンバーのように感じるのは私だけではないと思いますが。 で、話が膨らみ、東京・下関を標準軌の高速新線で結び云々と皆様ご存知の構想にいたるわけです。ところが最終案は全線電化でなく、東京・静岡と京都・姫路の大都市圏のみ電化となるわけですが、これに使用される機関車案は、蒸気機関車3種類、電気機関車8種類なわけです。つまり電化区間の割合と、機関車の仕様が不揃いなわけで。 その一方で、鉄道省は過去に民間からの第二東海道本線構想、有名なところでは安田善次郎の日本電鉄構想を含め、多くの「新幹線構想」を不認可にしておるわけで、この方針転換はいったいどういうことか、と。どの資料をあたってもこの部分についての考察ができず、困っておるようです。 この点について、私なりの「解釈」をすれば、弾丸列車構想というのは半ば単なる勢いではなかったのか、と。ただ、そこに動力分散派の島安次郎・秀雄親子が絡む以上、鉄道省の本音は東海道電車線である、ということです。当時は貨物列車のスピードアップなど、技術的に不可能(実際昭和43年まで、貨物列車は50キロ以下の運行でした。それ以降でも70キロまでしか出せません)でしたから、貨物列車と旅客列車の同速運行など出来るわけがありません。 それに当時の世界の状況を冷静に見れば、これが本当に実現できることか分かりそうなものです。ましてや委員長はかつて、「(幹線電化の推進を踏まえ)今後新製する蒸気機関車は電化までのつなぎの性能があればよい」とのたもうた島安次郎ですから、ややもすれば暴走しがちな構想に半ばあきれ、一方で頓挫した改軌&電化計画の再現を「たとえ一時の夢と判っていながらも」、進めていったのではないかと。 ならば、もし改軌なったのであれば、鉄道省の方針はもっと現実的に、出来る限り既存の路線を生かすが、一方でスピードダウンの原因となる人口密集地は避け、高速を維持できるようなバイパス線の建設に重点を置いたのではなかろうかと。そうなると首都圏・大都市圏では既存線に沿った複々線で、郊外では連続する新線区間で、といったことになると思われてなりませんがいかがでしょうか。 |
> で、幹線電化について、軍部の反対云々と言うことですが、これのソースが知りたいのですが。 アリエフ氏への返信で書いた通りです。いちいち挙げていくときりがありませんが、鉄道史ではかなり頻繁に登場する話ではあります。 > それどころか、当時の鉄道院・鉄道省は電車派の台頭期でして、そもそも鉄道院総裁後藤新平・島安次郎が改軌・電化・動力分散の権化でして、その直系である種田虎雄大軌取締役は鉄道省時代からの高速電車シンパであり、第二東海道本線作り、高速電車を運行するという構想を持っておったことは有名です。 それは知っておりますが、アリエフ氏に書いた通り、戦前にそうした構想を実現するには、状況的にも技術的にも、もう一歩足りないように思います。 > で、私なりの結論で言えば、結局新幹線はどのような形であれ、作られると思います。鉄道省内にこれほどの動力分散派が多いからには、日本の鉄道が狭軌であるならば、高速電車鉄道は歴史上の必然。仮に改軌がなされたとすれば、今の欧米のように、高速運転を前提とした新線が(一部であれ、全線であれ)建設される、と。 同意します。狭軌なら建設されるのではないでしょうか。新幹線がないとしたら「最初から標準軌で、かなり改良投資をしてしまった場合」だけだと思います。 |
アリエフさん、砂兎さん、高村 駿明さん、ご返信ありがとうございます。 僕もそのことについては承知しているつもりでしたが、詳しいお話を聞けてうれしく思います。 ウィキペディアから得た知識なので、浸透性があるかは少し疑問がありますが、電化については、アリエフさんがおっしゃるように、財政的問題が一番の原因だと考えられ、高村 駿明さんが仰る電気機関車の信頼性の問題もあるかもしれません。ですが、弾丸列車計画の時に、陸軍が敵の攻撃による変電所の被爆により、運行に支障が出る恐れがあるため非電化を基本にすることを主張したそうですから、軍が懸念を抱いていた可能性はあるのではないでしょうか。 改軌について僕は、砂兎さんと高村 駿明さんと意見は同じです。今の狭軌が日本にとって、いろいろな意味で一番好かったのではないかなと僕は考えています。 |
国立公文書館 アジア歴史資料センター http://www.jacar.go.jp/ 「国有鉄道に対する軍事上の希望に関する件」【 レファレンスコード 】 C03022673400 これを読む限り、関東大震災後の日本に於いて、安易な改軌や電化は通り難いでしょうね。 特に電化はその前提条件が多重化された冗長性の高い電力設備という、至極当然の事を軍が要望しているだけです。今の日本でも地震で変電所潰れたらパアですよなんて幹線鉄道計画が通る筈も無いわけですから、軍事面というよりは常識としての懸念でしかないでしょうね。 |
「こうなったかもしれない」で付け加える話ですが、日本の鉄道が国際標準軌となった可能性は、以前にも書いた通り、改軌ではなく「最初から標準軌」の場合だと思います。 それが実現した場合ですが、終戦までは史実と大差ないでしょう。多少輸送力が増強されたり、列車速度が向上したとしても、国力が大幅に増えることはないからです。 そして、元々が標準軌であるなら、いわゆる「弾丸列車計画」は計画されず、当然その系譜上にある新幹線も実現しなかったのではないかと思います。 標準軌で在来線が運行されていた場合、曲線も史実よりはゆるやかで、カント量も多く取ることができます。おそらく、戦前でも東京−大阪間で6時間を切る程度の運転を行えるでしょう。ただし「600m以内に停止する」というブレーキ規定が、英国並み(850m)となるなら、ですが。この周辺状況においては、多大な出費が必要とされる高速新線・「弾丸列車」がどうしても必要、という話にはならず(1時間程度しか短縮できないので)、部分線増などで対処されるように思います。 そして、世界の鉄道に多大な影響を与えた「新幹線」が存在しないのであれば、世界の鉄道史は大きく書き換わることになるでしょう。結果、世界中で史実以上に航空と道路に依存する交通体系となり、環境悪化もより悪い方向に推移したと考えられます。 以下余談。在来線の「標準軌化」の結果は、山形・秋田新幹線を想像してみると、わかりやすいのではないかと思います。福島−新庄間、盛岡−秋田間で考えるなら、標準軌化は殆どスピードアップにも、輸送力増強にも寄与していないのですから。 |
新幹線は、東海道山陽線の輸送量増強の為の複々線化という側面もあるのですから、高速であるかどうかに関わらず「新線」は着手されたでしょう。また、戦時下という、ある種の大盤振る舞いがあったからこそ、大金のかかる弾丸列車計画が通ったという面もあるのではないかと。 在来線が標準軌で速度がある程度確保できるなら、素直に複線の追加+多少は速度にも留意といった程度で収まる可能性は否定できませんが、満州鉄道でのアジア号のような速度が明治期に敷設された在来線で達成できるとは思い難いですから、どうせ新線を作るなら高規格な路線にしようという意識は出てくるかと思われます。アジア号級の列車を通せるぐらいの規格にはしてくるでしょうから、それは今で言うTGVやICEに発達するぐらいの潜在性能は有していたでしょう。 また東海道新幹線が無く、東海道本線が今よりも高速でしかも複々線ならば、貨物輸送の主役が東名高速道路になることもないわけで、日本に於ける環境負荷は逆に改善するでしょう。新幹線に頼らずとも、TGV等の高速列車は各国が独自に必要性に応じて開発したでしょうから、別に新幹線が無いことが世界的にマイナスになるということもありません。 言うならば飛行機と同じです。ライト兄弟が作らなくてもリリエンタールやカーチスが作ったかもしれないし、他の誰かかもしれない。多少史実と毛色が違ったかも知れませんが、結局何十年かしたら概ね大差ない空を飛ぶ機械という形に収斂したでしょう。新幹線というハードとソフトは無くても、高速列車が必要なら出てくるし、発展進歩していけば、新幹線等と大差ない列車システムとして結実してしまうものです。そして生み出されないor普及しないならば、それは必要が無いのですからマイナスでもなんでもないでしょう。新幹線の前に高速列車計画は各国共に持っていたし、新幹線とは異なる方向のTGVだって成立しているのです。新幹線は別に唯一無二の存在でもなんでもないのです。 新幹線は、恐らく最も洗練されて高機能高性能な高速列車システムではあるでしょうけど、そんなの大した意味はありません。レクサスとヒュンダイの差は大きいけど、自転車とは別次元という部分では両者はどっちも同じぐらいに凄いわけです。既存列車に対して優位であるという部分でTGVでもICEでも新幹線でも何でも良いのです。 |
> 在来線が標準軌で速度がある程度確保できるなら、素直に複線の追加+多少は速度にも留意といった程度で収まる可能性は否定できませんが、満州鉄道でのアジア号のような速度が明治期に敷設された在来線で達成できるとは思い難いですから、どうせ新線を作るなら高規格な路線にしようという意識は出てくるかと思われます。アジア号級の列車を通せるぐらいの規格にはしてくるでしょうから、それは今で言うTGVやICEに発達するぐらいの潜在性能は有していたでしょう。 SUDOさまのような方に反論するのも、正直気が引けますが、ちょっと違うのではないかと。ご指摘された「あじあ」号の最高速度はわずか120キロです。 これは機関車性能や線路の関係でそうなっているのですが、120キロは戦後のC62でも実現している程度の速度(名鉄との平行区間で競争のため110〜120キロを出した運転士が多数いるとのことです)でしかありません。C62と戦前のC53やC59は出力はともかく、高速性能においてはほとんど差がありません(大動輪をゆっくり回すというのが、日本SLの思想であり、そして動輪直径が同じである以上、高速性能も大差ないのです)。 ですから「当初から標準軌」である架空の日本鉄道は、120〜130キロ程度の運転速度は充分に可能だったと考えます。つまり、東京−大阪間6時間です。 日本の鉄道の高速性能が制限されていた最大の理由は、機関車性能よりもブレーキ性能にあります。今日の在来線特急でも基本的に130キロ運転しか行えない理由は、600m以内に止まるという制限をクリアできないからです。日本の蒸気機関車は動輪にしかブレーキを持たない旧式な設計です(例えばドイツ機は機関車の車輪全てに存在します)。 これは「停止距離制限を延長する」ことがもっとも効果的な対処方法ですから、英国並みに850mとしていれば、蒸気による130キロ運転も可能だったと申し上げたわけです。欧州の蒸気機関車は、あじあを遙かに上回る150キロ営業運転を行っていたわけですから。 そうしたわけで、史実より金がかかるであろう、標準軌鉄道の敷設下状況で、弾丸列車の提案がなされたかは、疑問なしとしません。東海道新幹線建設時でも「在来線の線増」は真剣に検討されており、否決された理由は「画期的な高速化が図れない」ことにあります。 当初から標準軌の東海道本線は、路盤・線形なども史実より優れ、当然投資も多くされているでしょう。標準軌鉄道は、当然維持費も高いですから、限られた鉄道予算は既存鉄道の維持・改良に向けられるでしょうし、「別線による高速鉄道」などという前例は世界のどこにもないのですから、史実のような「世界レベルの(満州並みの)標準軌高速鉄道を」というアピールもできません。 この仮定において、弾丸列車やそれに類する高速鉄道計画が推進・実現したとは、日本人の国民性から考えても、そのようには思えません。 > また東海道新幹線が無く、東海道本線が今よりも高速でしかも複々線ならば、貨物輸送の主役が東名高速道路になることもないわけで、日本に於ける環境負荷は逆に改善するでしょう。新幹線に頼らずとも、TGV等の高速列車は各国が独自に必要性に応じて開発したでしょうから、別に新幹線が無いことが世界的にマイナスになるということもありません。 お言葉ではありますが、新幹線計画時の昭和30年代の認識では「新幹線は世界三大バカ(万里の長城、ピラミッド、戦艦大和)と並ぶ愚行」です。当時の認識では「先進国・米国でも鉄道は斜陽化しており、いずれ航空と道路に取って変わられる(実際に米国ではそうなった)」というものです。高速列車などというもの自体が時代錯誤なのです。 日本があえて「新幹線というバカ」を可能にしたのは、鉄道に「軍事輸送を期待せず」「国際輸送も存在せず」「大量の旅客輸送を迫られた(EU諸国合計と日本国内の鉄道輸送量は同じです)」国情によるものです。 そして新幹線という成功例がなければ、鉄道システムの基本性能の高い欧米において、「新線による高速鉄道」は実現しなかったと考えます(欧州では、すでに200キロ近い速度での営業運転が行われていて、なお「鉄道斜陽論」だったのですから)。 またTGVの計画についても「東海道新幹線の成功例があって、はじめてありえた」というのは、鉄道界の定説ではないかと思うのですが。違う根拠をお持ちなのでしょうか。 また「安全基準を既存鉄道と切り離した」「既存の鉄道システムとは互換性を持たない(それだけ進歩した)」鉄道システムが新幹線なのであって、既存列車の性能を上げただけのTGVやICEと比較できるものではありません。 なお、日本の標準軌鉄道の性能が、史実の在来線を多少上回っていても、航空の速度には抗し得ませんし、高速道路とも大差ないでしょう。貨物輸送が鉄道ではなくなったのは、ヤードなどの非効率な輸送システムや、その性質上・低速にならざるを得ない貨物列車がダイヤ上の妨げとなったからであって、これは線路の幅とはほとんど関係ありません。 ドアツードアの自動車輸送には、結局屈服することになるでしょう。 > 言うならば飛行機と同じです。ライト兄弟が作らなくてもリリエンタールやカーチスが作ったかもしれないし、他の誰かかもしれない。多少史実と毛色が違ったかも知れませんが、結局何十年かしたら概ね大差ない空を飛ぶ機械という形に収斂したでしょう。新幹線というハードとソフトは無くても、高速列車が必要なら出てくるし、発展進歩していけば、新幹線等と大差ない列車システムとして結実してしまうものです。そして生み出されないor普及しないならば、それは必要が無いのですからマイナスでもなんでもないでしょう。新幹線の前に高速列車計画は各国共に持っていたし、新幹線とは異なる方向のTGVだって成立しているのです。新幹線は別に唯一無二の存在でもなんでもないのです。 台湾新幹線決定の経緯(耐震性・安全性・建設費の観点で、欧州システムは遅れていると判定)などをお調べ頂ければわかると思いますが、新幹線は未だに唯一無二の鉄道システムです。TGVやICEは「既存鉄道システム内での高速化思想」であり、「安全基準に特化した、既存鉄道システムと互換性のない」鉄道システムではありません。 ICEは実際に脱線事故をやっていますが、新幹線では同一状況で起こり得ない事故なのです(既存鉄道での安全システムが200キロ以上の高速に対応していなかったことがICE事故の本質です)。新幹線は単なる高速列車ではありません。 > 新幹線は、恐らく最も洗練されて高機能高性能な高速列車システムではあるでしょうけど、そんなの大した意味はありません。レクサスとヒュンダイの差は大きいけど、自転車とは別次元という部分では両者はどっちも同じぐらいに凄いわけです。既存列車に対して優位であるという部分でTGVでもICEでも新幹線でも何でも良いのです。 何度も書いた通り、TGVやICEは既存システムの延長上にあるシステム(というか単に高速な既存列車)であり、安全性も運行頻度も新幹線には、まったく及ばないものです。 特に運行頻度は新幹線の2〜3分ごとに対して、欧州は1時間なのです。この二つを同列にすることは、山手線とローカル鉄道を「同じ軌間の鉄道システムだから、大差なし」とくくるくらい、乱暴なお考えだと思います。 |
> 日本の鉄道の高速性能が制限されていた最大の理由は、機関車性能よりもブレーキ性能にあります。今日の在来線特急でも基本的に130キロ運転しか行えない理由は、600m以内に止まるという制限をクリアできないからです。日本の蒸気機関車は動輪にしかブレーキを持たない旧式な設計です(例えばドイツ機は機関車の車輪全てに存在します)。 > これは「停止距離制限を延長する」ことがもっとも効果的な対処方法ですから、英国並みに850mとしていれば、蒸気による130キロ運転も可能だったと申し上げたわけです。欧州の蒸気機関車は、あじあを遙かに上回る150キロ営業運転を行っていたわけですから。 なるほど勉強になります。 > そうしたわけで、史実より金がかかるであろう、標準軌鉄道の敷設下状況で、弾丸列車の提案がなされたかは、疑問なしとしません。東海道新幹線建設時でも「在来線の線増」は真剣に検討されており、否決された理由は「画期的な高速化が図れない」ことにあります。 仮に150km/h運転が達成されていたならば、確かにより高速な新線の要求は通らないでしょうね。 でも、それでも複線が追加されるならそれで構わないでしょう。 在来100km/h+200mk/hのセットと、150km/hが2組なら輸送能力は同レベルですし。 > > また東海道新幹線が無く、東海道本線が今よりも高速でしかも複々線ならば、貨物輸送の主役が東名高速道路になることもないわけで、日本に於ける環境負荷は逆に改善するでしょう。新幹線に頼らずとも、TGV等の高速列車は各国が独自に必要性に応じて開発したでしょうから、別に新幹線が無いことが世界的にマイナスになるということもありません。 > お言葉ではありますが、新幹線計画時の昭和30年代の認識では「新幹線は世界三大バカ(万里の長城、ピラミッド、戦艦大和)と並ぶ愚行」です。当時の認識では「先進国・米国でも鉄道は斜陽化しており、いずれ航空と道路に取って変わられる(実際に米国ではそうなった)」というものです。高速列車などというもの自体が時代錯誤なのです。 別にそれで成立しないならそれでも構わないでしょ? > 日本があえて「新幹線というバカ」を可能にしたのは、鉄道に「軍事輸送を期待せず」「国際輸送も存在せず」「大量の旅客輸送を迫られた(EU諸国合計と日本国内の鉄道輸送量は同じです)」国情によるものです。 弾丸列車は戦時下の計画です。東海道線の容量増加も軍事面からの要望が強かったわけですし、用地取得やトンネル工事だって戦時下でなかったら可能だったかどうか疑わしい部分もありますよね。つまりは「軍事輸送を期待して」計画されたものです。 それがある程度まで作られていたからこそ、それを戦後に旅客輸送に転用したという面が無視できないのでは? 仮に戦前に弾丸列車計画に着手していなかったら、新幹線なんぞ着手されなかったでしょう。 そしてこの弾丸列車が広軌(標準軌)だったのは、半島・満州につなげるという「国際輸送」も念頭にあったからですよね(もちろん大容量高速という技術的な都合もあるでしょう) つまりは万里の長城や戦艦大和と同様の、軍事的な都合による壮大な計画です。 > そして新幹線という成功例がなければ、鉄道システムの基本性能の高い欧米において、「新線による高速鉄道」は実現しなかったと考えます(欧州では、すでに200キロ近い速度での営業運転が行われていて、なお「鉄道斜陽論」だったのですから)。 200キロで運航できているなら、それこそそれで十分では? > またTGVの計画についても「東海道新幹線の成功例があって、はじめてありえた」というのは、鉄道界の定説ではないかと思うのですが。違う根拠をお持ちなのでしょうか。 なんでフランス人が日本人の成功で意を強くするのか理解できません。 > また「安全基準を既存鉄道と切り離した」「既存の鉄道システムとは互換性を持たない(それだけ進歩した)」鉄道システムが新幹線なのであって、既存列車の性能を上げただけのTGVやICEと比較できるものではありません。 ですから、そんなの瑣末な事項ですよ。 翼を捻って向きを変えるのか、補助翼を使うのかの差みたいなもんです。速く走れるならどっちでも良いのです。 > なお、日本の標準軌鉄道の性能が、史実の在来線を多少上回っていても、航空の速度には抗し得ませんし、高速道路とも大差ないでしょう。貨物輸送が鉄道ではなくなったのは、ヤードなどの非効率な輸送システムや、その性質上・低速にならざるを得ない貨物列車がダイヤ上の妨げとなったからであって、これは線路の幅とはほとんど関係ありません。 旅客輸送の主体が道路や飛行機になれば、貨物列車の遅さは妨げになりません。例えば米国なんかそういう方向ですよ。国土面積や人口で見たら、日本よりもトラックの密度は低いのです。 それこそ東海道線を貨物列車専用にしちゃったって良いのです。 > 台湾新幹線決定の経緯(耐震性・安全性・建設費の観点で、欧州システムは遅れていると判定)などをお調べ頂ければわかると思いますが、新幹線は未だに唯一無二の鉄道システムです。TGVやICEは「既存鉄道システム内での高速化思想」であり、「安全基準に特化した、既存鉄道システムと互換性のない」鉄道システムではありません。 ですから、それは「完成度」の差ですよ。 レクサスよりヒュンダイが出来が悪いのと同じようなものです。どっちも自動車であるという点は変わりません。 より完成度の高い高性能な機械のほうが便利でしょうけど、何かが変わるわけでもありません。それこそ台湾や韓国や中国の高速列車計画でTGVやICEが比較対象になってしまう程度の差でしかないのです。 こんなの唯一無二ではありません。 日本人が日本の鉄道を自画自賛したい気持ちは判りますし、私とて新幹線の素晴らしさは誇りに思いますが、だからといってそれが絶対的な代物だなんて思い込むのは間違いでしょう。 結局は速い列車であれば良いだけで、それが新規のシステムなのか既存の延長なのかなんて、一歩離れたらどっちでも良いのです。利用する側としたら、新幹線であろうがTGVだろうが、東京から大坂に同じ時間で到着するなら等価です。安全性とて事故れば改善処置が講じられるでしょうから、最終的なゴールは同じあたりに来るでしょう。大した差ではありません。 |
> 仮に150km/h運転が達成されていたならば、確かにより高速な新線の要求は通らないでしょうね。 > でも、それでも複線が追加されるならそれで構わないでしょう。 > 在来100km/h+200mk/hのセットと、150km/hが2組なら輸送能力は同レベルですし。 私は線増については否定したことはありません。 高速新線を別途に建設するか、既存鉄道に併設した複線を造るのか、という比較なら、全てが標準軌である以上、接続している路線への乗り入れ機会も多い後者になるのではないか、と考えているだけのことです。 もちろん「絶対に」高速新線が作られないとは言い切れません。通常の道路に対する、高速道路の発想ですし、太平洋戦争がないなら、日本−朝鮮半島間の海底トンネルが実現した可能性もあります(当時でも技術的には問題ない、とされています)。 その場合は、国内輸送のより高速化が要求されるでしょうから、高速新線もありえるでしょう。 > 別にそれで成立しないならそれでも構わないでしょ? 「世界の鉄道に多大な影響を与えた「新幹線」が存在しないのであれば、世界の鉄道史は大きく書き換わることになるでしょう。結果、世界中で史実以上に航空と道路に依存する交通体系となり、環境悪化もより悪い方向に推移したと考えられます」と、以前に書いた通りです。 「新幹線が存在しないなら、環境が改善される、各国は新幹線がなくとも高速鉄道に移行する」というご意見に対し、「高速鉄道は史実ほど発達しないので(まったく発達しないとは言いません)、史実以上に航空と道路に依存し、環境は悪化する」と申し上げているだけです。 新幹線が存在しない世界においても、あるいはTGVのような高速鉄道は実現したかもしれません(TGV自体が18年も後の技術なのですが)。しかし新幹線の特徴である「高速別線の建設」「列車の集中制御」などを取り入れたとは限らず、単に「既存鉄道をより高速で走行する」列車となったかもしれません。高速別線自体が大変な建設費を必要とするため、リスクが大きなものです。 新幹線は各国に取ってその前例であり、成功例たり得たのです。 > 弾丸列車は戦時下の計画です。東海道線の容量増加も軍事面からの要望が強かったわけですし、用地取得やトンネル工事だって戦時下でなかったら可能だったかどうか疑わしい部分もありますよね。つまりは「軍事輸送を期待して」計画されたものです。 > それがある程度まで作られていたからこそ、それを戦後に旅客輸送に転用したという面が無視できないのでは? > 仮に戦前に弾丸列車計画に着手していなかったら、新幹線なんぞ着手されなかったでしょう。 > そしてこの弾丸列車が広軌(標準軌)だったのは、半島・満州につなげるという「国際輸送」も念頭にあったからですよね(もちろん大容量高速という技術的な都合もあるでしょう) > つまりは万里の長城や戦艦大和と同様の、軍事的な都合による壮大な計画です。 弾丸列車への認識は仰る通りです。戦前の計画がよくできていたため、東海道新幹線のルートは弾丸列車ルートをかなりの部分でトレースしています。 ただ、前述の通り「既存鉄道のシステムと切り離した」画期的な高速鉄道システムが弾丸列車であり、既存鉄道のレベルが高い状況では(建設費が安く、他線と接続しやすい。つまり軍事輸送にも柔軟に対処できる)線増で、対応されるのではないか、という話をしています。 > 200キロで運航できているなら、それこそそれで十分では? 最高速度が200キロとなること自体は、あまり意味がありません。 「最高速度を維持できる区間」を長く取れることに、高速新線のメリットがあります。 例えば500系のぞみが山陽新幹線で300キロ運転を行いつつも、東海道新幹線では270キロしか発揮できないのは、東海道新幹線に曲線が多く、さまざまな困難を乗り越えて行うほどの価値がないからです。今度登場するN700系は東京−新大阪間を5分短縮しますが、これは最高速度ではなく、曲線通過速度の向上によるものです。 > なんでフランス人が日本人の成功で意を強くするのか理解できません。 そう言われても、新幹線に関係する書籍の大半ではそのように記述されています。 とはいえ、フランス側の著書を読んでもいないので、この点は確信を持って言えるわけではありませんが。少なくとも「シンカンセン」という言葉が海外で通用するほど、世界に衝撃を与えたことは確かでしょう。 > ですから、そんなの瑣末な事項ですよ。 > 翼を捻って向きを変えるのか、補助翼を使うのかの差みたいなもんです。速く走れるならどっちでも良いのです。 新幹線の本質は、高速もさることながら「安全正確な高頻度運行」にあると申し上げているのですが。1964年の時点で、新幹線システムは高頻度運行を想定したものでした。1982年時点のTGVは高頻度運行を行っていたでしょうか。 > 旅客輸送の主体が道路や飛行機になれば、貨物列車の遅さは妨げになりません。例えば米国なんかそういう方向ですよ。国土面積や人口で見たら、日本よりもトラックの密度は低いのです。 > それこそ東海道線を貨物列車専用にしちゃったって良いのです。 日本一国でEU全てと同じ鉄道輸送量があるのが、日本の異常な鉄道事情です。例えば東海道新幹線の大輸送量をどのように、航空や道路に割り振るのでしょうか(新幹線がなく、標準軌の複々線がある状況なら、これ自体が新幹線の代わりとなりますが、これは鉄道ですよね)。 また、ご指摘のような大量の低速貨物列車が関東・関西の都市圏に入ってくる状況で、通勤電車の高頻度運転は妨げられないのでしょうか。 そして、道路整備後の戦後において、鉄道貨物がどのようにドアツードアのトラック輸送を代替できるのでしょうか。 > より完成度の高い高性能な機械のほうが便利でしょうけど、何かが変わるわけでもありません。それこそ台湾や韓国や中国の高速列車計画でTGVやICEが比較対象になってしまう程度の差でしかないのです。 韓国については、技術より国情によりTGVシステムを採用したというものです。 台湾については、台湾大地震で欧州鉄道システムの耐震性がないこと(独仏はライバルの日本に「耐震技術を教えてくれ」と言ってきたほどです)が問題となりましたが、それ以前に双単線運転(複線の片方を使って、先行列車の追い抜きを行う運転形式。正面衝突の危険性がある)を想定した危険な運行システムや、軌道間隔を新幹線よりも幅広く取らないと成立しない経済性の悪さ、機関車方式による軸重の重さ、高頻度・大量輸送に対応しきれないシステムとしての完成度の低さを指摘されています。 またTGV・ICEの車両限界は日本の在来線並みであり、全車両を2階建てにしないと台湾高速鉄道に要求される輸送量は運べないが、それでも編成長は新幹線より長くなるとの試算がされています。ちなみに、TGVを導入した韓国では車内が狭く、座席の半分が欧州式に後ろ向きであることが問題となっています。 鉄道システム全体としての技術面で、真剣に検討したなら、新幹線とTGVやICEを同列に比較する自体、無理があると思います(個々の技術面で新幹線というか、日本より優れた部分があることは否定しませんが)。実際、中国も高速鉄道車両としてJR東日本の「はやて」を導入しているわけです。比較対象にする自体、違うのではないかと。 > こんなの唯一無二ではありません。 > 日本人が日本の鉄道を自画自賛したい気持ちは判りますし、私とて新幹線の素晴らしさは誇りに思いますが、だからといってそれが絶対的な代物だなんて思い込むのは間違いでしょう。 > 結局は速い列車であれば良いだけで、それが新規のシステムなのか既存の延長なのかなんて、一歩離れたらどっちでも良いのです。利用する側としたら、新幹線であろうがTGVだろうが、東京から大坂に同じ時間で到着するなら等価です。安全性とて事故れば改善処置が講じられるでしょうから、最終的なゴールは同じあたりに来るでしょう。大した差ではありません。 新幹線が絶対的とは思いませんが、東海道新幹線を、ある日TGVのシステムに切り替えたなら(不可能ですが)、確実に破綻するか、もしくは大事故が起こると思います。 また、お題は日本鉄道の話ですから、高頻度安全輸送に特化し、対応できる鉄道システムであるかどうかは「どっちでもいい」ようなものではありません。 新幹線は開業以来、鉄道システム側に問題がある死傷者を一度も出していないのです。鉄道システムが原因で転覆したICEとは比較できません。 |
> 「新幹線が存在しないなら、環境が改善される、各国は新幹線がなくとも高速鉄道に移行する」というご意見に対し、「高速鉄道は史実ほど発達しないので(まったく発達しないとは言いません)、史実以上に航空と道路に依存し、環境は悪化する」と申し上げているだけです。 元の文をきちんとお読みになることをお勧めいたします。「環境が改善される」というのは、「新幹線が存在しないなら」ではありません。「東海道本線が今よりも高速でしかも複々線ならば」です。この二つの意味するところは、全く異なってきます。 まず重要な点ですが、新幹線は建設に莫大な費用を必要とするにも関わらず計画段階から旅客扱いしか想定していない、別の側面から見れば非効率極まりないシステムであることを忘れてはいけません。 ちょっと考えればこれは当然のことなのですが、我が国の輸送体系全体からしてみれば新幹線は「新しい幹線」、つまり、東海道線その他在来幹線の線増に過ぎません。にも関わらず、本来幹線として果たして然るべきであった貨物輸送という任務を、新幹線は最初から丸々放棄しているのです。その放棄した分が、東名をはじめとする高速道路に丸々、ことによると、複々線化による輸送力アップ分まで振り分けられているのです。 一方、在来幹線の純粋な線増である場合は、線増部分も貨物輸送を担えることになります。また、当然のことながら貨物輸送だけでなく旅客輸送にも活用できます。それも、史実の在来線よりもスピードと輸送力のアップは期待できるわけですから、全く同等とは言えなくとも、ある程度までは史実の新幹線の役割は果たせるでしょう。 我が国の貨物輸送において、自動車輸送は8割以上の比率を担っています。無論、在来線の線増を行ったところで、これら自動車輸送のすべてが鉄道に振り分けられるわけではありません。しかし、自動車輸送と鉄道輸送それぞれの環境負荷を考えれば、ある程度鉄道に振り分けただけでも、環境に対する良い影響はかなりのものになるでしょう。単純な自動車の台数減少だけでなく、渋滞の減少によるそれ以上の効果すら期待できるのです。 尤も、新幹線が無いことによってヒトの流れが変わり、それによってモノ・カネの動き方も変化し、そもそも経済構造自体変わってくる可能性もありますが…それは最早、「鉄道の範囲」だけで論じられる話ではないでしょう。 > しかし新幹線の特徴である「高速別線の建設」「列車の集中制御」などを取り入れたとは限らず、単に「既存鉄道をより高速で走行する」列車となったかもしれません。 それは果たしてどうでしょう。運ぶヒト・モノの総量が大して変わらなければ、運行主体も変わらないのです。道具が多少違ったところで、足りない点があれば用法の工夫で対応してくる筈ですし、それでもまだ足りないのであれば、鉄道ではない他の何らかの手段で補えばいいというだけの話です。交通機関は、鉄道だけではありません。 そもそも論として、それら新幹線を支える技術自体が「日本の鉄道輸送システムを洗練した結果の産物」であるわけですから(下積みも何も全く無いところから急にポッと出てくるものではありませんよね)、「大量かつ安全な輸送システムの実現」という点では、別に新幹線である必要も無いとも言えるのです。それこそ、在来線を改良していく過程でいずれは近いものが実現されていたと考えるべきものでしょう(国鉄もそれが出来ないほど無能ではないでしょうから)。実現の時期は確かに前後するかもしれませんが、それもさしたる問題ではありません。 間違ってはいけませんが、新幹線というものはあくまで手段であり、目的ではありません。「効率よい輸送をするための手段の一つ」として研究され、その結果として生まれたのが新幹線であったという話でしかないのです。 「新幹線でなければならない理由」など、どこにも存在しないのです。要は、如何に効率よく目的を達成できるか、その点こそが重要なポイントなのです。 > そう言われても、新幹線に関係する書籍の大半ではそのように記述されています。 私もフランス側の資料を見たことがあるわけではないので確信は持てませんが、日本側の資料に「提灯記事」「手前味噌」の要素が多分に含まれていることは、割引いて考えるべきでしょう。 TGVにしたところで、東海道新幹線が開通する前から基礎研究は行っていたと記憶しておりますし、それ以前に高速鉄道に対する取り組みとしては我が国よりも海外の方が遥かに先行していたわけですから、「新幹線が無ければ」という理論には説得力が欠けるように思われます。 確かに、新幹線に影響されて計画が後押しされた、という側面はあるかもしれません。ですが、それが全てであるというわけでもないのです。要素の一つを以ってして全てを語るというのは、聊か強引なように感じます。 > 新幹線の本質は、高速もさることながら「安全正確な高頻度運行」にあると申し上げているのですが。 これは別に新幹線に限った話ではありません。日本の鉄道システムそのものの志向です。先にも述べましたが、目的が達せられるのであれば、手段や道具などどうでも良いのです。「安全正確な高頻度運行」という目的を実現するために、たまたま史実で用いた道具が新幹線であった、というだけの話でしかありません。 > 例えば東海道新幹線の大輸送量をどのように、航空や道路に割り振るのでしょうか これも先に述べましたが、捉え方の違いでしかありません。本来新幹線が担当すべきであった膨大な量の物流を、現状では道路輸送に全て押し付けているという見方も出来るのです。 > そして、道路整備後の戦後において、鉄道貨物がどのようにドアツードアのトラック輸送を代替できるのでしょうか。 自動車輸送の全てがドアtoドアというわけではありません。自動車輸送であっても鉄道輸送と同じく中継ターミナルを用いた物流形式も用いていますし、それが鉄道に置き換わったところで、致命的な問題にはなり得ません。 尤も、自動車輸送の副産物として、「大量のドライバーを確保することによる雇用対策」や、「荷物を倉庫に置いておく時間を、道路移動の時間に置換する(=間接的な倉庫代の削減)」といった効果もありますので、一概に論じることはできませんけどね。 > 鉄道システム全体としての技術面で、真剣に検討したなら、新幹線とTGVやICEを同列に比較する自体、無理があると思います しかし、世界のマーケットでは実際に比較されているわけですよね。 確かに、技術面だけで見れば、新幹線に優れた部分が多いのは事実でしょう。しかし、鉄道というのはあくまで国家を動かすシステムの一部分なのです。その一部分に多少優劣があったところで、根本的には何も変わらないのです。そこにあるのは、投資した金額に見合うだけのリターンがあるかどうか。全てはこれに尽きるのです。 そうして考えてみた場合、新幹線が決して他国のシステムに対して決定的に有利なものではないというのもお分かりになるかと思います。在来のハードと互換性が低いというのはそれだけで充分な障壁になり得ますし、掛かる予算が高くなるのであれば、その点でも資金力に余裕の無い国家にとっては越えられない壁になることが考えられます。 純粋に技術で優れているものが、「国家というシステムの一部品として」優れているとは、必ずしも言い切れないのです。 > 実際、中国も高速鉄道車両としてJR東日本の「はやて」を導入しているわけです。比較対象にする自体、違うのではないかと。 …中国の事例は、寧ろ「結局新幹線も”ちょう豪華な鉄道”でしかない」ことの露呈としか思えませんが。 JREの「はやて」ことE2系は、中国高速鉄道CRH2型電車として採用されています。で、これと並行して、カナダのボンバルディアが製作した車両がCRH1型として、またドイツのICE3準拠の車がCRH3型、フランスのアルストム社が担当したものがCRH5型となっています。これらは全て、中華人民共和国鉄道部が「第6次在来線スピードアップ」という計画のために購入した車両群です。 これら他国のものと並んで扱われている時点で、新幹線も「比較対象のひとつ」でしかないことの傍証になっているとも言えます。まぁ、現状買っているのは車両だけなので、これだけで何とも言えないというのは全くの事実ですが、しかし新幹線だけが突出した存在であるならば、こういった比較のされ方は為されないでしょうね。 > 東海道新幹線を、ある日TGVのシステムに切り替えたなら(不可能ですが)、確実に破綻するか、もしくは大事故が起こると思います。 計画段階で想定していない、全く性質を異にするものを持ち込めば、それは勿論トラブルの原因になるでしょう。しかし、それは別に東海道新幹線でなくとも同じことです。山形新幹線だろうが北越急行だろうが高崎線だろうが小田急小田原線であろうが、どこでも一緒です。新幹線だけで想定される事態ではありません。 |
> まず重要な点ですが、新幹線は建設に莫大な費用を必要とするにも関わらず計画段階から旅客扱いしか想定していない、別の側面から見れば非効率極まりないシステムであることを忘れてはいけません。 > ちょっと考えればこれは当然のことなのですが、我が国の輸送体系全体からしてみれば新幹線は「新しい幹線」、つまり、東海道線その他在来幹線の線増に過ぎません。にも関わらず、本来幹線として果たして然るべきであった貨物輸送という任務を、新幹線は最初から丸々放棄しているのです。その放棄した分が、東名をはじめとする高速道路に丸々、ことによると、複々線化による輸送力アップ分まで振り分けられているのです。 それはちょっといいすぎではないかなあ。一応計画は立てていたし、旅客新幹線があれほど成功しなければ手をつけた可能性は高いでしょう。 |
> > まず重要な点ですが、新幹線は建設に莫大な費用を必要とするにも関わらず計画段階から旅客扱いしか想定していない、別の側面から見れば非効率極まりないシステムであることを忘れてはいけません。 > > ちょっと考えればこれは当然のことなのですが、我が国の輸送体系全体からしてみれば新幹線は「新しい幹線」、つまり、東海道線その他在来幹線の線増に過ぎません。にも関わらず、本来幹線として果たして然るべきであった貨物輸送という任務を、新幹線は最初から丸々放棄しているのです。その放棄した分が、東名をはじめとする高速道路に丸々、ことによると、複々線化による輸送力アップ分まで振り分けられているのです。 > それはちょっといいすぎではないかなあ。一応計画は立てていたし、旅客新幹線があれほど成功しなければ手をつけた可能性は高いでしょう。 確かに、新幹線貨物う輸送計画が実質的に「世界銀行から融資を取り付けるためのフカシ」ではあったわけですが、しかしやれるならやろうとした節はありますからね(本気度はさて置くとして)。 あくまでこれは、「こうも言ってしまえるじゃないの」という、新幹線がなければ環境が悪化していただろうという説と同種の極論ですね。 |
どうもこんにちは。ご教授ありがとうございます。 > 元の文をきちんとお読みになることをお勧めいたします。「環境が改善される」というのは、「新幹線が存在しないなら」ではありません。「東海道本線が今よりも高速でしかも複々線ならば」です。この二つの意味するところは、全く異なってきます。 > まず重要な点ですが、新幹線は建設に莫大な費用を必要とするにも関わらず計画段階から旅客扱いしか想定していない、別の側面から見れば非効率極まりないシステムであることを忘れてはいけません。 お話の趣旨から考えて、新幹線に貨物輸送用の建設部分があることも、深夜に貨物電車を走らせようと考えていたことも、承知で言われているのでしょうから、何も言うことはありません。そして、ご説には同意できません。 > ちょっと考えればこれは当然のことなのですが、我が国の輸送体系全体からしてみれば新幹線は「新しい幹線」、つまり、東海道線その他在来幹線の線増に過ぎません。にも関わらず、本来幹線として果たして然るべきであった貨物輸送という任務を、新幹線は最初から丸々放棄しているのです。その放棄した分が、東名をはじめとする高速道路に丸々、ことによると、複々線化による輸送力アップ分まで振り分けられているのです。 それこそ穿った見方というものです。 鉄道政策において、日本鉄道は例えば英国並みの保護施策がとられてきたでしょうか。 積み替えを前提とする時点で、たとえ新幹線で貨物輸送を行ったとしても速達効果は限定されます。日本国有鉄道は、貨物輸送の近代化やローカル線建設まで自前で行うことを要求されました。そして、財政破綻により、民営化されたわけです。 貨物輸送の主力を鉄道にしよう、などという国策自体があったとは、私には思えませんし、母体が日本である以上、標準軌であろうと、貨物輸送は衰退したでしょう。 > 一方、在来幹線の純粋な線増である場合は、線増部分も貨物輸送を担えることになります。また、当然のことながら貨物輸送だけでなく旅客輸送にも活用できます。それも、史実の在来線よりもスピードと輸送力のアップは期待できるわけですから、全く同等とは言えなくとも、ある程度までは史実の新幹線の役割は果たせるでしょう。 まったく同意できません。新幹線1列車辺りの輸送力は、ジャンボジェット3機分に匹敵します。たかが複々線で、効率的な旅客輸送に特化した高速新線の代替を行えると考える自体、無理があるのではないでしょうか。 新幹線は2〜3分に1本ですが、どんなに本数が多い在来線特急でも20分に1本です。 ローカル輸送や貨物輸送を兼ねた線路上で、おそらく新幹線と同じ16両編成化も実現できないであろう、標準軌複々線が、どうして新幹線に近い役割を果たせるのでしょうか。 東名高速や伊丹空港の混雑が、現実以上になり、環境が悪化するのではないかと。 鉄道貨物の問題点は、速度にあるのではありません。在来線でも特急貨物列車の整備が行われていますが、そうした動きに関わりなく、鉄道貨物のシェアは減っていったのです。 東海道本線はまだ改良された鉄道でしょうが、地方幹線やローカル線にそのような役割を期待できるほど、日本はお金持ちではありません。例え標準軌であってもです。 > 我が国の貨物輸送において、自動車輸送は8割以上の比率を担っています。無論、在来線の線増を行ったところで、これら自動車輸送のすべてが鉄道に振り分けられるわけではありません。しかし、自動車輸送と鉄道輸送それぞれの環境負荷を考えれば、ある程度鉄道に振り分けただけでも、環境に対する良い影響はかなりのものになるでしょう。単純な自動車の台数減少だけでなく、渋滞の減少によるそれ以上の効果すら期待できるのです。 > 尤も、新幹線が無いことによってヒトの流れが変わり、それによってモノ・カネの動き方も変化し、そもそも経済構造自体変わってくる可能性もありますが…それは最早、「鉄道の範囲」だけで論じられる話ではないでしょう。 まさにその通りですね。新幹線の輸送力と高速性・正確性が、産業構造すら変えたのだと思います。それは「在来線よりちょっと上」の鉄道で果たせる役割ではありません。 そして鉄道貨物とトラック輸送の問題は、日本の鉄道ではなく、国策の問題です。 > それは果たしてどうでしょう。運ぶヒト・モノの総量が大して変わらなければ、運行主体も変わらないのです。道具が多少違ったところで、足りない点があれば用法の工夫で対応してくる筈ですし、それでもまだ足りないのであれば、鉄道ではない他の何らかの手段で補えばいいというだけの話です。交通機関は、鉄道だけではありません。 他の交通機関が発達するのではないか、という話はしているのですが。 そして新幹線の効果は、運ぶヒト・モノの総量を底上げしたところにあります。 > そもそも論として、それら新幹線を支える技術自体が「日本の鉄道輸送システムを洗練した結果の産物」であるわけですから(下積みも何も全く無いところから急にポッと出てくるものではありませんよね)、「大量かつ安全な輸送システムの実現」という点では、別に新幹線である必要も無いとも言えるのです。それこそ、在来線を改良していく過程でいずれは近いものが実現されていたと考えるべきものでしょう(国鉄もそれが出来ないほど無能ではないでしょうから)。実現の時期は確かに前後するかもしれませんが、それもさしたる問題ではありません。 在来線の改良は「既存システムの改良」です。新幹線という抜本的改革を行い得うに至るか、という話で「それは実現しないだろう」といっているのです。 で、年限を切られた話でないなら、それは「いつか実現する」でしょう。 しかし、戦後の一時期に「新幹線がないことの弊害」が出るのではないか、という私の意見を否定しきるほどの根拠をお持ちなのでしょうか。新幹線という成功例があっても、在来線にATC(つーか、新型ATSすら)が導入されない理由を考えれば、既存システムの改良には限度があることがご理解頂けるのではないかと。 > 間違ってはいけませんが、新幹線というものはあくまで手段であり、目的ではありません。「効率よい輸送をするための手段の一つ」として研究され、その結果として生まれたのが新幹線であったという話でしかないのです。 > 「新幹線でなければならない理由」など、どこにも存在しないのです。要は、如何に効率よく目的を達成できるか、その点こそが重要なポイントなのです。 新幹線、もしくは新幹線に近い効率的な鉄道システムは、日本の敗戦による技術者の流出と狭軌コンプレックスがあって、初めて実現するものだと思います。 で、「新幹線より効率のいい(果たした役割を代替できる)鉄道(輸送)システム」が世界のどこにあるのでしょうか。 > TGVにしたところで、東海道新幹線が開通する前から基礎研究は行っていたと記憶しておりますし、それ以前に高速鉄道に対する取り組みとしては我が国よりも海外の方が遥かに先行していたわけですから、「新幹線が無ければ」という理論には説得力が欠けるように思われます。 > 確かに、新幹線に影響されて計画が後押しされた、という側面はあるかもしれません。ですが、それが全てであるというわけでもないのです。要素の一つを以ってして全てを語るというのは、聊か強引なように感じます。 それが全てだ、というほど強硬な論調のつもりはなかったのですが、そう読まれたなら申し訳ありません。新幹線が外国に与えた影響力が「ある」という点では一致しているわけですが、それがどの程度の影響なのか、については食い違っているということではないかと。 そしてもその影響について証明することは不可能ではないでしょうか。 > これは別に新幹線に限った話ではありません。日本の鉄道システムそのものの志向です。先にも述べましたが、目的が達せられるのであれば、手段や道具などどうでも良いのです。「安全正確な高頻度運行」という目的を実現するために、たまたま史実で用いた道具が新幹線であった、というだけの話でしかありません。 新幹線が戦後日本に果たした役割を代替するような交通機関というのは、まったく想像も付きません。先にも述べた通り、産業構造まで革命的変化をもたらしたのが新幹線であり、標準軌複々線鉄道が代われる部分は限定されているでしょう。 ネルソンとアイオワが16インチ砲9門だから同じ、というようなものです。 余談ながら、輸送量辺りで、在来線で起こった死傷事故の頻度と、新幹線で起こった死傷事故の頻度を比較してみるだけでも、「日本の鉄道システムの志向」と簡単にかたづけられない完成度の違いを感じるわけですが。 > これも先に述べましたが、捉え方の違いでしかありません。本来新幹線が担当すべきであった膨大な量の物流を、現状では道路輸送に全て押し付けているという見方も出来るのです。 先に述べた通り、標準軌複々線で運びきれない旅客輸送量が、東名高速や特に航空に流れ、環境が悪化したという見方もできるでしょう。 何度も言うとおり「超高速通勤電車」である、新幹線の代わりはあり得ませんが。 > 自動車輸送の全てがドアtoドアというわけではありません。自動車輸送であっても鉄道輸送と同じく中継ターミナルを用いた物流形式も用いていますし、それが鉄道に置き換わったところで、致命的な問題にはなり得ません。 > 尤も、自動車輸送の副産物として、「大量のドライバーを確保することによる雇用対策」や、「荷物を倉庫に置いておく時間を、道路移動の時間に置換する(=間接的な倉庫代の削減)」といった効果もありますので、一概に論じることはできませんけどね。 貴方のように博識な方なら、全国の貨物輸送を担っていたローカル線が次々の廃線になった現実を、おそらくよくご存じだと思うのですが、標準軌なら廃線にならないとでも言われるのでしょうか。拠点を持たない鉄道貨物が有機的に昨日するはずがありません。 > そうして考えてみた場合、新幹線が決して他国のシステムに対して決定的に有利なものではないというのもお分かりになるかと思います。在来のハードと互換性が低いというのはそれだけで充分な障壁になり得ますし、掛かる予算が高くなるのであれば、その点でも資金力に余裕の無い国家にとっては越えられない壁になることが考えられます。 > 純粋に技術で優れているものが、「国家というシステムの一部品として」優れているとは、必ずしも言い切れないのです。 単に売り込み能力の差と国情の問題という気がしますが。 「高速鉄道を導入する」という前提があるなら(ないなら別です)、新幹線よりも輸送力に優れ、正確で安全な鉄道システムが存在するとは思えません。そして、輸送力に優れ、正確で安全な鉄道システムだと困る国家がどこにあるのか、私にはわかりません。 在来のハードとの互換性は、通常在来線が1435ミリである国家に、新幹線を売り込めていないわけですから、何ら証明されておりません(山形・秋田で充分だと思いますが)。 韓国は予算を理由にTGVを採用しましたが、予算だけが事情だとも考えられません。 > これら他国のものと並んで扱われている時点で、新幹線も「比較対象のひとつ」でしかないことの傍証になっているとも言えます。まぁ、現状買っているのは車両だけなので、これだけで何とも言えないというのは全くの事実ですが、しかし新幹線だけが突出した存在であるならば、こういった比較のされ方は為されないでしょうね。 軽率なことを書きましたね。ご教授ありがとうございます。 中国は自国で高速鉄道システムを開発するためのモデルケースとして、各国の高速車両を導入しているので、鉄道システムとしての完成度など度外視しているのだと思いますが。 |
アレだけのコストとリソースをかけて、出来ることは高い運賃で人間をちょっと速く運ぶだけです。 コンコルドと一緒です、こんな非効率なシステムが他にあるでしょうか?まったくもってナンセンスです。 そんなものは潰してしまって特急なんかを走らせればもっと安く利用できます。 トラックで輸送している貨物を鉄道に押し付ければ高速・一般道が空いてバスでも自家用車でもすいすいと旅行できます。 貨物輸送ならコンテナ一つ運ぶのにトラックなら2〜3人のドライバーと一つのエンジンが必要です。鉄道なら数人の乗務員と一つのエンジンでどれだけの数が運べるでしょうか?こんな効率の良い輸送システムは他にありません。 新幹線などというものは国策等では無くただの企業の一事業です。 企業の目的はなんでしょうか?儲けることです。 しかし、大企業ともなればまず仕事を作るのが目的です。 新幹線を通すというほどの大事業ならたくさんの仕事・雇用が増えます。 沢山の会社、沢山の人々がお金を稼ぐために働くことができます。 で、そのお金は誰が払うのですか? 我ながら非常にわかりにくく書けたと思います。 |
どうもこんにちは。貴方はきっと私などより、ずっと博識なのだと思いますが、わざわざわかりにくく書かれる必要はないのではないかと。 > アレだけのコストとリソースをかけて、出来ることは高い運賃で人間をちょっと速く運ぶだけです。 > コンコルドと一緒です、こんな非効率なシステムが他にあるでしょうか?まったくもってナンセンスです。 新幹線は速さではなく、通勤電車並みの運転頻度でありながら、死傷事故をほとんど出さないところにメリットがあります。高い運賃(航空と大差ありませんが)で、人間をちょっと速く(在来線の特急貨物で6時間、のぞみが2時間半が「ちょっと速い」かどうかは、各人の主観ですが、新幹線が「ちょっと速い」程度の代物だという認識が、一般的だとは思えませんが)運べるだけのものとは思えませんね。新幹線が1〜2時間に1本しか運転できないような代物なら、ご指摘の通りだと思いますが。 > そんなものは潰してしまって特急なんかを走らせればもっと安く利用できます。 特急電車を走らせる在来線線路には、貨物や通勤電車など、性能が違う電車を多数走らせる必要があるのです。性能を統一し、集中制御を行うことで、限られたダイヤの限界で効率的輸送を行えることが、新幹線の特徴です。 TGVシステムの「在来線に乗り入れられる」は魅力ですが、在来線のダイヤ混乱や在来線区間での死傷事故を避けられないシステムでもあるのです。 ちなみに、特急料金と新幹線特急料金の差をご存じで書いておられるんですよね? ほとんど差はないのですが。 > トラックで輸送している貨物を鉄道に押し付ければ高速・一般道が空いてバスでも自家用車でもすいすいと旅行できます。 > 貨物輸送ならコンテナ一つ運ぶのにトラックなら2〜3人のドライバーと一つのエンジンが必要です。鉄道なら数人の乗務員と一つのエンジンでどれだけの数が運べるでしょうか?こんな効率の良い輸送システムは他にありません。 それは現実的ではない、と何度も書いています。どうやって末端地域までの物流を鉄道で行うのですか? 一般旅客が駅に来る時代ならともかく、自家用車を使う時代ではあり得ないでしょう。 > 新幹線などというものは国策等では無くただの企業の一事業です。 > 企業の目的はなんでしょうか?儲けることです。 > しかし、大企業ともなればまず仕事を作るのが目的です。 > 新幹線を通すというほどの大事業ならたくさんの仕事・雇用が増えます。 > 沢山の会社、沢山の人々がお金を稼ぐために働くことができます。 > で、そのお金は誰が払うのですか? 新幹線は国鉄時代でも数少ない、山手線と並ぶ超黒字線でしたが。で、新幹線の速度と輸送量自体が、新たなビジネスモデル・雇用を生み出してきたことなど、自明の理でしょう。 東海道新幹線建設の経緯や、整備新幹線が政治問題化されていることを考え合わせれば、国策と新幹線規模の幹線鉄道の関連性がないとか低いと考えられる自体、どうかと思います。 |
丁寧なレス有難うございます。 私は貴方の察するとおり、無知無学でございます。 初めて十八切符でJRに18時間ゆられて東京に来るまで、「JR」は豪華で立派なよそいき用の汽車だと思っていました。 足といえば、標準軌の琴電です、でも自家用車があればそれもただの障害物ですが。 で、解りにくく書いた。と言うのは、説明に必要な前提を大雑把に省いているからです。 行間を察して、本来私が言いたいことが解った人だけが「あはは、面白い」と思えばいいのです。 私にとって、貴方の反応すらどうでもよいのです。 そして、新幹線の安全性ですが、「新幹線だから安全」なのではなく「新幹線ゆえに安全にせざるを得ない」だけです。 300km/hを前後する世界ではたった一つの小事が大惨事に繋がります。新幹線が走っているのはそういう世界なので、ああいう物を運行する以上、完璧に近い安全性が必要になってしまうのです。 で、そこまでして出来るのは人が移動することだけです。 それも大阪と東京の間だけです、その間に沢山ある在来線なら駅があったかもしれない地方を無視して。 そして新幹線ほど利用するのに不便なものはありません。 たとえば高松から東京までいこうとすれば、マリンライナーにのって岡山で乗り換えなければなりません、マリンが遅れても新幹線は待ってくれないのです。 バスで行けば高松から新宿まで直通です、安いですし。ほら、鉄道なんて要りませんね。 > それは現実的ではない、と何度も書いています。どうやって末端地域までの物流を鉄道で行うのですか? 一般旅客が駅に来る時代ならともかく、自家用車を使う時代ではあり得ないでしょう。 貴方は配送車が列島を横断して各々の家に回るとでも思っているのでしょうか。 トラックだろうがなんだろうが、ある程度の地域ごとに基地に集めて、そこから目的地に近い基地に送って配送するわけです。 その基地間の流通はなんだって良いわけで、時間がかかってもいいのなら船で、急ぐのなら飛行機で運べばいいですし。 そのなかにおいて、鉄道なら比較的使用するエネルギーが少なく、速く、安全に運べます。 東名高速で過積載の大型トラックが横転事故をおこして高速が通行止めになることもありません。 新幹線だけが政治問題などになっているわけではありません、新幹線が問題になるのは多数の費用がかかったりソレを通すのに土地が必要だったりして、数々の人の利権利害があるからです。 と言いますか、新幹線とかどうでもいいんです、貴方に言いたいのは「もっと引いて全体的に、色々な方向から物事を見ればいい」ということです。 いい加減スレから関係なくなりましたが、物事を単語一つにこだわって見るのがいけないのです。 何か有ればそれにかかわった人の数だけ思惑があります、それがこうだからああなった。とは一概に言えません。 以前こういう人が居ました、その人は魚雷なぞにこだわるあまり「戦艦など飾りに過ぎない」というようなことを言っていました。 そういうのはオカシイですよね? |
> > 以前こういう人が居ました、その人は魚雷なぞにこだわるあまり「戦艦など飾りに過ぎない」というようなことを言っていました。 > そういうのはオカシイですよね? どこがオカシイのでしょうか?その砲力をもって敵国の戦艦を片っ端からなぎ払うという戦艦でなければ出来ない大活躍をした戦艦って日本海海戦後にいます?航空機に袋叩きにあったとか、本来ならば余技に過ぎない対地砲撃に勤しんだ挙句、戦後に解体されて溶鉱炉行きっていう艦は沢山知っていますが。 本来ならば海軍軍備上の1艦種に過ぎないはずの戦艦が戦後の核管理にも似た(表現が不適切との指摘は甘んじて受けますが、扱いが相応であるとの認識は改めるつもりはありません)扱いを受けて軽々しく扱えない艦になってしまったらそれは「抜けない不磨の名刀」とか「ただのお飾り」でしょう。 鉄道同様に海軍や艦船(商船含む)もシステムの一部です。建造目的を果たせない道具はそれが何であれ「ゴミ」か「不良債権」です。 |
いよいよ本当にスレとは関係無いなりましたが。 戦艦と戦うのが戦艦の目的ではありません。もしそうなら初めから必要ないものです。 戦艦とはそれが存在する脅威そのものが意義です。 それが脅威だから袋叩きにされるんです。 戦艦など叩こうとすればそれなりの兵力が必要になりますし、放っておけば逆にこちらが叩かれます。 貴方が刀を持っていてもそれを振り回すことが出来ないかもしれません。 ですが回りから見れば「あいつは刀を持っている、危ないなぁ」と思います。 その時点で人や社会に対する「武器」としての目的は八割方達成です。 |
> 戦艦とはそれが存在する脅威そのものが意義です。 > それが脅威だから袋叩きにされるんです。 > 戦艦など叩こうとすればそれなりの兵力が必要になりますし、放っておけば逆にこちらが叩かれます。 どうも"Fleet in Being"について述べられているようですが、別に潜水艦だろうが空母だろうが同じことですね。弾の届く距離しか被害は与えられません。功夫が三千年ばかり不足しているように思います。 > > 貴方が刀を持っていてもそれを振り回すことが出来ないかもしれません。 > ですが回りから見れば「あいつは刀を持っている、危ないなぁ」と思います。 > その時点で人や社会に対する「武器」としての目的は八割方達成です。 普通はそれに対抗する策(対抗艦建造、要目や戦力化の状況などの情報収集活動)を採ってきます。戦時であればあらゆる手段を使って無力化してくるでしょう。その時点で貴方の言う「(相手に使用を躊躇わせる)武器」としての目的は紙くず以下の存在価値です。くず鉄として溶鉱炉にでも入れて新しい道具の材料にでもするのであれば話は別ですが。 |
火力が届かないのであれば近づけばいいんです。 艦隊は移動する火力なんですから。 無力化するにはありとあらゆる策をとらなければなりません、大変ですね。 それはこちらも、あちらも同じことです。 誰も戦争して相手を叩き潰したいなどと思ってはいません。普通は。 戦艦でも何でもいいんです「こちらはこれだけ力を持っている」とアピールできれば。 実際戦争になったとして、整地に援護に囮にと、便利な存在ではないでしょうか。 大体戦艦なんかに食いつかなくても。スレ違いじゃないですか、まぁいい加減スレとしては壊れてるけども。 |
> 火力が届かないのであれば近づけばいいんです。 > 艦隊は移動する火力なんですから。 だからそれなら別に空母機動部隊でも潜水艦でも良いですよね。何で「隠密性も無ければ射程も短い戦艦を中心とする水上砲戦部隊である必要があるのか?」って聞いているんですが?もう少し知能と読解力を身につけましょうね。 > > 無力化するにはありとあらゆる策をとらなければなりません、大変ですね。 > それはこちらも、あちらも同じことです。 > 誰も戦争して相手を叩き潰したいなどと思ってはいません。普通は。 > 戦艦でも何でもいいんです「こちらはこれだけ力を持っている」とアピールできれば。 貴方、本当に"Fleet in Being"の意味を理解してます?貴方が散々主張しているらしいのは「示威効果」であって、「現有戦力では対抗不能」と相手が思ってくれなければまるで意味が無いんですけど。 確かにありとあらゆる場合の想定は不可能の様ですね、底辺というものには限度がないらしいので。 > > 実際戦争になったとして、整地に援護に囮にと、便利な存在ではないでしょうか。 非常にコスト高な兵器ですね。砲弾の届く距離がマラソンの42.195km以遠を有効射程内に収めることの可能な艦載砲があるんですか?いあ。暇つぶしに珍獣クンがブザマ踊りで笑いを提供してくれるのは結構ですが。 > > 大体戦艦なんかに食いつかなくても。スレ違いじゃないですか、まぁいい加減スレとしては壊れてるけども。 不真面目に読み捨てて良しとするなら議論掲示板に来なければ良いのにねぇ。ま、貴方自身ですでに結論がでているのであればこの上いかな論理的整合性も今更確認し参照していただく意味はおそらくありません、貴方の納得にとっても私の暇潰しの意義としても。 |
そうですか? すみません。 もう反論の言葉もありません。 |
> RNRよ、議論したいのか、ケンカしたいのかはっきりしろ。 「議論したいのか、ケンカしたいのかはっきりしろ」という優越感にひたって見栄を張りたい年頃なんだね。「歩み寄る努力をして無駄に終わってから見切りをつけた方が人として共感を呼ぶだろう?」と問い掛けてやったのさ。ボウフラのごとく沸いて出てくるお前のようなイッチョカミが邪魔しているがな。 > おまえ、議論で負けそうになると、すぐ相手を罵倒してごまかそうとするが、 > 悉く失敗しているな。 > どうせ罵倒するなら、汚い言葉を使うんでなく、頭を使え。 あーあ、人を勝手に分析して自分の駄目さ加減を証明してるよ、どう仕様もねぇな。 「自分が正義の立場で弱い反対者をいたぶりまくる」そんなもんやってていい気分になってるようじゃ人生空しいぜ。真っ当な回答を思いつかないおつむの出来を否定はしないでやるから責任転嫁はよしな。 |
夏には早いんだが。ボウフラ夏厨クン。 |
まだ恥知らずにここをみているならそろそろ首でも括りたくなった頃かね、言い逃げ野郎のあき盲君。自分の言葉で自身の見解を何一つとして述べもせずに他人に向かって臆面も無く小賢しい口を叩くだけかい。 > こんばんわ。まだいますよ。 記憶力ねえなあ。脳外科と心療内科で徹底的に頭を検査してもらってから出直して来てくれ。お大事に。 > そういう風に思われたのは、私の不徳の致す所です。 徳が無い前に知能が無い(きっぱり)。「謝っちゃえば何でも平気」なんだな。好き好んで自分の意見と対立する場に来ておいてまともに論旨の一つも開陳できないクソ野郎なんざどこであれ見たくもないよ。 > しかし、彼があんな感じであるかぎり、 > これからだって、何度だって同じことは起きますよ。 > > 不毛ですよ おいおい。礼儀を諭す狂人の無礼者が言う言葉とも思えんね。自分で挑発的投稿をしておいて、その反論レスには議論拒否し、その相手のことを貶す投稿をすることが是なのかね?そんな無責任野郎を信用する人間は居ない。 不快という理由で他人を批判するのなら、自分自身も相手や周囲を不快にさせない配慮が必要であり、相手を納得させるだけの理由の提示は必須。だが、お前さんは、結局、それに失敗した(と言うより、行わなかった)訳だから、今更、何の言い訳を言っても、何の意味も無い。 「自己の発言に責任を持つ」事にインターネットでだけ例外になる事はないよ。まあ恥知らずな言い逃げは容易だけどね。 |
イッチョカミの2ちゃんねらークン。 逝ってよし。 |
> イッチョカミの2ちゃんねらークン。 > 逝ってよし。 > あなたが相手するから調子に乗るのです。 大人であることを願うのであれば、罵声を浴びせて悦に入る前に、無視するなり枯らすなりの対処法をいいかげん覚えなさい。 あなたがレスをした時点で好意的に見てもRNRウゼー氏と同罪、今後も2ちゃんねらーのネタの存在に留まるのであれば、当サイトにおいては害悪に過ぎない事に気づけませんか? |
これをやる自分の行動を物好きと酔狂と言っておく。 まず、 > 核保有国である米露英仏中印パは、国際社会から敬われていませんか? > 非核保有国である現在の日本は、国際社会から敬われていますか? > どういう根拠で敬われている/敬われていないと言えるのか教えてください。 という君の質問に対して 前出の核保有国はほぼ何らかの形で「他国領土に侵攻」しています。そして他国に入ってきた外国軍隊はそれが国連軍であれ何であれ「自国領土に対する侵攻軍」と相手は受け取ります。一方、「非核保有国である現在の日本」は戦後60年まがりなりにも他国に侵攻したことはありません。ましてや他国に侵攻し得るだけの強大な通常戦力も持たないのに他国に影響力を持つ独立した大国として存在し続けています。 さて、その他の国はどちらを敬うと思いますか? と言う私の書き込みに対して > えーと、日本のような敵に廻しても怖くも無い国は無視してかまわないけど、 > 侵攻してくるような力を持つ国は、敬して遇さなければならないと他国は考えるということですね。 と君が返したので、 相手は対抗できないことが判っているのですから「平和のための対話に努力したが国際社会の安全保障のため(理由は何でもよいです)必要と思われる措置をとった」と言われればそれまでです。で、反抗的な現政権を倒して意のままになる傀儡政権打ち立てて民主化が図られた、で終わり。 と返したらレス放り出した挙句、 >あなたはレスつけないでください >話し合う気ないんでしょ >荒らしさん と書いたのは君。 判りにくければ大義名分を押し立てて核を含む強大な戦力を押し立てて相手国に干渉してきた実績がある国と核を持たず、日米同盟を別にして単独での軍事プレゼンスにより他国に干渉しなかった日本とでは本基準により両者を比べることは君の質問しているどういう基準で敬われている/敬われていないと言えるのか?の判断基準の一つになるといったつもりなんだがね。 >本当に、彼が何を言っているのかさっぱりわかりません。 自分の理解力の不足を他者に責任転嫁しないでもらいたい。戦後の国際関係史でも軍事史でもいいから一度でも調べたのかね?私は未だ君の考える「核保有国/非核保有国がどういう根拠で敬われている/敬われていないと言えるのか?」を示されていない。 言うに事欠いて荒らし呼ばわりしたんだから相応の発言責任は取ってもらいましょうかね。 |
ヒートアップしているRNR氏にこのタイミングで話しかけるのは無駄とは承知で続けますが、レスで引用している内容が本当に私(能登)の発言に対してか、それとも別レスの誤爆かを確認させてもらってから続けさせてもらいましょう。 で、私の意見を再度記載しますが、RNR氏の見解、見識の妥当さではなく、当サイトに関わる上での姿勢、態度を糺しているわけですが、その辺のご返事を聞かせてもらっればと思います。 |
> あなたが相手するから調子に乗るのです。 > 大人であることを願うのであれば、罵声を浴びせて悦に入る前に、無視するなり枯らすなりの対処法をいいかげん覚えなさい。 > > あなたがレスをした時点で好意的に見てもRNRウゼー氏と同罪、今後も2ちゃんねらーのネタの存在に留まるのであれば、当サイトにおいては害悪に過ぎない事に気づけませんか? 信用していただけるかどうかは判りかねますが、下の記述は過去のものの窃用で能登氏に対してのものではありません。これだけは明確にさせていただきたくご理解頂ければ幸いです。 それでご指摘に対してですが、「罵声を浴びせて悦に入る」のではなく「相手の程度にふさわしい対応」をしているだけです。まして外出で放っておいたら私の名を語って能登氏に罵声を浴びせかけたのが現状です。 害悪以前に第三者に対して身に覚えの無い行為をされたのですよ。 |
少し認識がずれているようですので整理させてもらいます。 まず、この小枝が私に向けてのものではないことは承知しております。(No.13435より派生するツリー) また、私(能登)が乱入してきたのはNo.13443からであり、それ以前の応酬とは何ら関係の無いまま勝手に加わってきたことを確認させていただきます。そういった意味では、RNR氏の冒頭2行は重々理解しております。 (なお、RNR氏の名を騙り私に罵声云々に関しては筆が滑ったものとして流すことにします) 以上を確認した上で再度述べます。 少なくともRNR氏が「相手にふさわしい」と称する行いは、傍から見ていて「罵声を浴びせて悦に入る」ものでしかありません。 ましてや、通りすがりを称するものや嘲笑を目的とした闖入者であることが明瞭に判るのに、それにわざわざ相手をする事自体が荒らし行為(俗に燃料補給とも称される行為)である事を意図的に無視してでの発言としか受け取れません。 末尾に「害悪以前に第三者に対して身に覚えの無い行為をされたのですよ」と触れ、理解を求めたいようですが、私が確認したいのはそのようなことではありません。ましてや、私が触れた「枯らす」なり「スルー」するなりの大人の対応が取れないのかといった質問には一切答えていただけてませんね。 繰り返します。 私がRNR氏に問うているのは、『なぜ、あなたが荒らしの相手をし、結果としてでも同調してこの場を混乱させ、同時に燃料補給を続ける2chのエサを以後も続けるのかという点』、ただ1つです。 私が述べた「罵声」を「ふさわしい態度」と言い換え、罵声の矛先が私に向くから云々の台詞は、話のすり替え、詭弁の類に過ぎません。 あなたがどのような台詞を弄しようとも、今までの言動をつぶさに見てくれば、嘲笑に逐一吊られる、空気の読めない人間でしかありません。あなたが、「相手に相応しい態度」を嬉しそうに繰り返す事自体が無駄なスレを伸ばし、場を荒らしているのです。 その証拠に、RNRウゼー氏であれ、RNRRNRRNR氏の様な固定ハンドルを有する荒らしが、あなたのレス以外に付いた例がありますか? ですから、No.13443 Re:精進せぇよ で、「相手をするから調子に乗る」と述べました。 少なくとも、私は、あなたがどのように弁明しようとも、前述の2名はあなたが相手しない限りは立ち枯れる程度の粘着であると見ていますし、この程度の厨房に逐一レスを返してしまう子どももあなたただ一人だと見ています。ですから、大本であるRNR氏に一定の自制と最低限のネットマナー(荒らしは無視、立ち枯れさせろ)を要求する次第です。 正直、私はこの議論ボードの各内容に関して逐一採点する気も無いですし、管理者を気取って削除依頼を出す気はありません。 多少の齟齬があろうとはいえ、運営者が成しうる限り参加者の善意とマナーを以って本サイトを維持する立場を取る限り、私は強権的な運営を望むものではありません。 ただし、RNR氏が、その善意やマナーを欠落したままここに居るつもりであれば、私は幾度でも今回のような苦言を呈します。 |
追記すると。 結果的に私は高村氏に対し負けを認めました。 となれば私の発言はゴミクズ同然でしょう。 しかし彼は私に反論する分無駄な労力を費やしました。 私の目的の八割は果たせたのです。 |
> 以前こういう人が居ました、その人は魚雷なぞにこだわるあまり「戦艦など飾りに過ぎない」というようなことを言っていました。 > そういうのはオカシイですよね? まったく、そのとおり。 言動以前にその人が激しくオカシイと思います。 いけませんよねえ、そゆのw |
> まったく、そのとおり。 > 言動以前にその人が激しくオカシイと思います。 > いけませんよねえ、そゆのw 本当にそうでしょうか? いくら言動がオカシイからといって、その人の人格までオカシイと言い切ってしまうのは少し安直すぎやしないでしょうか? いけませんね、そういうの。 |
> > まったく、そのとおり。 > > 言動以前にその人が激しくオカシイと思います。 > > いけませんよねえ、そゆのw > > 本当にそうでしょうか? > いくら言動がオカシイからといって、その人の人格までオカシイと言い切ってしまうのは少し安直すぎやしないでしょうか? > いけませんね、そういうの。 いやいやw 「魚雷は、」シリーズはSUDO氏著ですから |
> いやいやw > 「魚雷は、」シリーズはSUDO氏著ですから そこです、当の本人が自ら「オカシイ」と言っているので実際にオカシイのでしょう。 そのことは数々の言動からも見て取れます。 しかし魚雷の記事自体は本当にオカシイのでしょうか? 書いている本人が頭オカシイ人でも書かれた文章がオカシイかどうかは別問題なのです。 |
> > いやいやw > > 「魚雷は、」シリーズはSUDO氏著ですから > > そこです、当の本人が自ら「オカシイ」と言っているので実際にオカシイのでしょう。 > そのことは数々の言動からも見て取れます。 > しかし魚雷の記事自体は本当にオカシイのでしょうか? > 書いている本人が頭オカシイ人でも書かれた文章がオカシイかどうかは別問題なのです。 いや、ここは純粋に論理的に考えなければなりません。 つまり書いた当人が作者はオカシイといっているわけですから、その人がオカシイといっている事自体がオカシイわけです。 もちろんその人がオカシイといっている事自体がオカシイこともオカシイわけであり、したがってその人がオカシイといっている事自体がオカシイこともオカシイかと考えるとやはりそれもオカシイのです。 で、まあこれはいくらでも続けられるのですが、きりがないのでここで打ち切りにして、この命題から導かれる論理的な結論を述べると、SUDOさんみたいなオカシイ人の誘いに乗っちゃ駄目ってことです。 |
> つまり書いた当人が作者はオカシイといっているわけですから、その人がオカシイといっている事自体がオカシイわけです。 自己言及型のパラドックスですね。 ・「クレタ人は嘘つきである」とクレタ人が言った場合、クレタ人が述べているのは虚偽が真実か。 ってのが古典的な例ですが、 ・「私の言うとおりにしてはいけない」と親に言われた子供はどうすればよいか? という問題をレインやベイトスンが心理学の面から扱っています。 また、数学的にも 「コンピュータを動かしているプログラムに誤りがある場合、コンピュータはそれを自分で発見できるか」という問題(これは不可能だそうです)があります。 これは恐ろしい話です。 |
カンタニャックさんが触れているのはパラドックスでもなんでもなく、それでもまだダラダラと続けるのか?ですよね。 論法を読み解く前に、意を汲むべき時だと思います。 |
> 行間を察して、本来私が言いたいことが解った人だけが「あはは、面白い」と思えばいいのです。 > 私にとって、貴方の反応すらどうでもよいのです。 どうでもいいなら、書かないでください。返信をするにも資料に当たらなければならないですし、時間がかかるのです。 > そして、新幹線の安全性ですが、「新幹線だから安全」なのではなく「新幹線ゆえに安全にせざるを得ない」だけです。 > 300km/hを前後する世界ではたった一つの小事が大惨事に繋がります。新幹線が走っているのはそういう世界なので、ああいう物を運行する以上、完璧に近い安全性が必要になってしまうのです。 > で、そこまでして出来るのは人が移動することだけです。 > それも大阪と東京の間だけです、その間に沢山ある在来線なら駅があったかもしれない地方を無視して。 失礼ながら、国策として効率的な輸送システムを論じるなら、地方のローカル輸送など、どうでもいいのではないかと。幹線を改善すれば「都市−地方」の到達時間は結果的に改善されるわけですから。 ちなみに「途中に駅がない」からこそ、新幹線は高速効率的かつ正確な輸送手段なのです。在来線区間を持つユーロスターの定時率は81%ですが、新幹線は99%以上です。 > そして新幹線ほど利用するのに不便なものはありません。 > たとえば高松から東京までいこうとすれば、マリンライナーにのって岡山で乗り換えなければなりません、マリンが遅れても新幹線は待ってくれないのです。 > バスで行けば高松から新宿まで直通です、安いですし。ほら、鉄道なんて要りませんね。 新幹線も待つことはありますが、さておき。待たないのは当然です。新幹線が遅れて迷惑する人の数と、マリンライナーが遅れて迷惑する人の数はケタが2つ以上違うのですから。 冗談で語られているとしか思えないですね。人に「もっと引いて全体的に、色々な方向から物事を見ればいい」と言われる方が「バスがあれば鉄道など要らない」とは。 新幹線もJR四国も動かない状況を想像してみたらいかがでしょう。超混雑した道路で、新宿−高松間のバスは正常に運行されるのでしょうか。 > 貴方は配送車が列島を横断して各々の家に回るとでも思っているのでしょうか。 > トラックだろうがなんだろうが、ある程度の地域ごとに基地に集めて、そこから目的地に近い基地に送って配送するわけです。 > その基地間の流通はなんだって良いわけで、時間がかかってもいいのなら船で、急ぐのなら飛行機で運べばいいですし。 > そのなかにおいて、鉄道なら比較的使用するエネルギーが少なく、速く、安全に運べます。 > 東名高速で過積載の大型トラックが横転事故をおこして高速が通行止めになることもありません。 それは承知しておりますが。 FLAKPANZERさまが物流の立場から語ってくださいましたが、ご覧になりましたか? で、現実に鉄道の特色が発揮される区間では、鉄道貨物は選択されています。新幹線でも、などと言い出す人は滅多にいませんが。 > と言いますか、新幹線とかどうでもいいんです、貴方に言いたいのは「もっと引いて全体的に、色々な方向から物事を見ればいい」ということです。 > いい加減スレから関係なくなりましたが、物事を単語一つにこだわって見るのがいけないのです。 > 何か有ればそれにかかわった人の数だけ思惑があります、それがこうだからああなった。とは一概に言えません。 ご教授ありがとうございます。ただ「色々な見方を知識として知っている」ことと「議題にとって、一番妥当だと思える見方をピックアップすること」は矛盾しないかと。 無数の思惑を考慮したら、そもそも議論など成り立たないのです。無制限の相対化は、「何もわからない」「妥当なことを算出しない」ことにしか力を貸しません。 > 以前こういう人が居ました、その人は魚雷なぞにこだわるあまり「戦艦など飾りに過ぎない」というようなことを言っていました。 > そういうのはオカシイですよね? どうでもいいですが、それを書いた方は「それに関わった人の数の思惑」を広汎に知った上で、切り口を絞って妥当だと思うことを書かれたとしか思えませんが。 自分の文章を公に発表する上で「行間を察してくれ」「言いたいことがわかった人だけがわかればいい」「議論している相手の反応すらどうでもいい」などと書かれるような無責任な方に、その方の「読者に配慮した」読み物について、正直語って頂きたくないのですが(まぁ、その方は気にしていないようですがね)。 |
言葉尻を捕らえて反論することはできますが、それでは終わりないですし。 議論ボードとして私が言いたいことは初めに言ったとおりで、仔細は同じことを他の方が書いてますし、それが通らなかったならそれで終わりです。 |
> どうもこんにちは。ご教授ありがとうございます。 いえいえ、私も鉄道については全くのド素人ですから、勉強になります。 > お話の趣旨から考えて、新幹線に貨物輸送用の建設部分があることも、深夜に貨物電車を走らせようと考えていたことも、承知で言われているのでしょうから、何も言うことはありません。そして、ご説には同意できません。 そうですね、世銀から借款を引きずり出すためのフカシとして貨物新幹線計画が存在したことを念頭に置いた上で、元の書き込みをしています。で、貨物用の建設部分が一部にあるのは、「少しは形にしておかないと世銀の面子が丸潰れから」だと思っておりました。 計画が本気であったかどうかは、現在我々が目にすることのできる資料でも大凡の見当はつくというものですが、それでも同意されないというのであれば仕方ありません。実際、他の輸送手段で代替出来たわけですから、何か困った事態が発生しているわけではありませんからね。結果オーライというものでしょう。 あくまで、「別のアプローチから見ればこうなるでしょ」というだけの話です。 > 積み替えを前提とする時点で、たとえ新幹線で貨物輸送を行ったとしても速達効果は限定されます。 新幹線で貨物輸送を行ったところで速達効果が期待できないのは当然でしょう。「最初から考慮外だから」です。 システム設計上想定していないことに対して最大限の効率を発揮できないのは、それは当然のことです。 > 貨物輸送の主力を鉄道にしよう、などという国策自体があったとは、私には思えませんし、母体が日本である以上、標準軌であろうと、貨物輸送は衰退したでしょう。 であるならば、「鉄道斜陽の時代」であるにも関わらず、新幹線という当時の目からすれば荒唐無稽に過ぎる計画が何故実現してしまったのでしょう?それこそ、当時の需要を考えれば、高速網の更なる強化であるとか、空港の早期拡充で手を打てたわけですよね。何故旅客は可能で貨物は不可だと言い切れるのか、どうにも理解できません。 そもそも、ひとつの大国の国策が「鉄道斜陽だから」という「ブーム」ごときで、簡単に動くものなのでしょうか。そのようなブームで動くような国が、新幹線如き夢物語をどうして実現させてしまうのでしょうか。 輸送政策というものは、それ単体だけで完結するものではありません。運ぶ必要のある全体量を把握した上で、種々の手段に分散させて負担させていくものです。そのリソース分配の比率が、用いる予算と手段によって異なってくるだけでしょう。そもそも、新幹線もリソース配分見直しの結果ああなったというだけですよね。何故、それが東海道筋の貨物輸送については不可能なのか、それが解せません。 > まったく同意できません。新幹線1列車辺りの輸送力は、ジャンボジェット3機分に匹敵します。たかが複々線で、効率的な旅客輸送に特化した高速新線の代替を行えると考える自体、無理があるのではないでしょうか。 ジャンボジェットで言うならば、所要時間で言えば羽田〜福岡が2時間弱であるのに対し、東京〜博多はのぞみで5時間あまりです。ジャンボ1機あたりの収容客数が少なくとも、所要時間が短い分より多く運行できるという事になりますよね。便数が多いことにより、フリークエンシーの向上が図れる可能性もあります。…用いる数値としては些かどころでなく乱暴ではありますが、でも所詮その程度の差でしかない、ということにもなります。 また、「たかが複々線」で何故「効率的な旅客輸送に特化した高速新線の代替」を行う必要があるのでしょうか。別の輸送体系で物事が進むのであれば、その中で最適な運用を行えばいいというだけの話でしょう。 輸送体系を構築するにあたり、確実性であるとかそういったものが枝葉末節以上に上がってくることはありません。そうでないならば、何故所要時間が読めない上に非効率的な自動車運送が発達しているのか、説明できないでしょう。勿論「速くて安全かつ正確だと便利でいーよねー」という点は当然あるでしょうが、それはあくまで本質とは離れた、要素という名の枝葉末節でしかないのです。それこそ、自動車の「ドアtoドア」の優位と全く同じ次元の話に過ぎないのです。 道路があれば車は走れる、線路があれば列車が走れる、空と空港のキャパがあれば飛行機は飛べる。ただそれだけの話なのです。 > 新幹線は2〜3分に1本ですが、どんなに本数が多い在来線特急でも20分に1本です。 > ローカル輸送や貨物輸送を兼ねた線路上で、おそらく新幹線と同じ16両編成化も実現できないであろう、標準軌複々線が、どうして新幹線に近い役割を果たせるのでしょうか。 > 東名高速や伊丹空港の混雑が、現実以上になり、環境が悪化するのではないかと。 新幹線を建設するような費用は捻出できて、何故在来線の改良は出来ないのでしょうか?恐らく、新幹線より多額の費用が掛かることはないと想像されますが、それでも出来ないのでしょうか? 「夢の超特急だから財布の紐が緩んだ」と言い切るほど、当時の人の脳味噌をバカにするのは、如何なものでしょう。 > 鉄道貨物の問題点は、速度にあるのではありません。在来線でも特急貨物列車の整備が行われていますが、そうした動きに関わりなく、鉄道貨物のシェアは減っていったのです。 > 東海道本線はまだ改良された鉄道でしょうが、地方幹線やローカル線にそのような役割を期待できるほど、日本はお金持ちではありません。例え標準軌であってもです。 鉄道貨物のシェアが減っていったのはそれは当然、史実では「運べる量がゲロだったから」です。それを改善できるのであれば、シェアは当然移行していくでしょう。運べる総量なんて手段の若干の相違程度でそうそう桁違いに増減するものではないのですから、あとは如何にそれを配分するか、というだけの話です。 また、何故新幹線に地方幹線やローカル線などが関わってくるのでしょうか?あくまで新幹線に関係する範囲での話でしかない筈ですよね。そもそも、ひとつ申し添えておきますと、地方には鉄道云々の前に、まず道路網も碌に存在しません。新幹線を云々できる東海道筋と地方では、状況は全く違ってきます。需要もなければ運ぶ手段もないのが地方の現実です。 地方と都会を両方住んでみれば理解できると思いますが、話の次元が全く違うのです。 > まさにその通りですね。新幹線の輸送力と高速性・正確性が、産業構造すら変えたのだと思います。それは「在来線よりちょっと上」の鉄道で果たせる役割ではありません。 そうですね、新幹線が無ければ今のように東京への一極集中化が異常進行することもなく、歪な経済発展を遂げることもなかったかもしれません。まぁ、差はあっても僅少かもしれませんが。 でも、たかが一交通手段が多少便利になる程度で、そんなに経済発展の度合いが変化するものなのでしょうか。移動が必要であればその他の手段を使ってもいいわけだし、そもそも「移動をそう必要としない社会」になったかもしれません。線路があるから移動に使う、本質はそれ以上でも以下でもないと思いますけどね。 > 他の交通機関が発達するのではないか、という話はしているのですが。 > そして新幹線の効果は、運ぶヒト・モノの総量を底上げしたところにあります。 何故新幹線がモノの移動総量を底上げしているのでしょうか?モノの面で言えば、効率を下げることはあっても上げていることはありません。 また、ヒトにしたところで、真に移動する必要があるのならば手段の精度等はただの誤差でしかありません。必要があれば移動するだけです。鉄道移動に対する需要喚起にはなったでしょうが、それ以上の話でもありません。 議論板に「長すぎじゃゴルァ」と怒られたので、別レスで続きます。 |
> そうですね、世銀から借款を引きずり出すためのフカシとして貨物新幹線計画が存在したことを念頭に置いた上で、元の書き込みをしています。で、貨物用の建設部分が一部にあるのは、「少しは形にしておかないと世銀の面子が丸潰れから」だと思っておりました。 > 計画が本気であったかどうかは、現在我々が目にすることのできる資料でも大凡の見当はつくというものですが、それでも同意されないというのであれば仕方ありません。実際、他の輸送手段で代替出来たわけですから、何か困った事態が発生しているわけではありませんからね。結果オーライというものでしょう。 「世界銀行から借款を引き出すフカシ」のため「無駄な建設をする」などという財政的余裕は、危機的財政下の東海道新幹線計画ではあり得ません。 ご存じだと思いますが、貨物新幹線電車は現実に検討され、性能推算も行われています。旅客輸送の妨げにならない夜間を中心に運転する予定でした(日中に性能の劣る貨物電車を通すと、ダイヤの妨げとなるから夜間なのです)。 貨物輸送が実現しなかったのは、新幹線旅客輸送が予想を遙かに上回り、旅客輸送量増大に対応するための、大増発を早急に行う必要があったからです。当然保線の重要性も数倍になり、夜間の保線活動が必然となります。この旅客輸送を分単位で行う状況下で、加えて重量貨物列車の運転を行うことが不可能だったのはご理解頂けるのではないかと。 そして、当時の国鉄は赤字に転落しており、貨物新幹線に対応する施設の建設も、旅客と貨物の双方を新幹線で輸送するために必要なインフラ整備もままならない状況でした。我電印鉄の無駄な赤字ローカル線建設が避けられず、幹線のディーゼル・電気化も必要とされる当時の国鉄が行える限度を考えれば、新幹線貨物が実現しなかったのは「フカシ」などではなく、状況対応の限界であることがわかると思うのですが。 > 新幹線で貨物輸送を行ったところで速達効果が期待できないのは当然でしょう。「最初から考慮外だから」です。 当初から考慮外などではありません。軌間が違うこともあり、積み替えが必然となる貨物新幹線は、速達効果が限定されます。速達性が期待できないなら、特急・急行が大幅に減った東海道本線の貨物列車を増やせばいいということです。 > であるならば、「鉄道斜陽の時代」であるにも関わらず、新幹線という当時の目からすれば荒唐無稽に過ぎる計画が何故実現してしまったのでしょう?それこそ、当時の需要を考えれば、高速網の更なる強化であるとか、空港の早期拡充で手を打てたわけですよね。何故旅客は可能で貨物は不可だと言い切れるのか、どうにも理解できません。 「在来線の線増」など、常識的な計画もありました。その上で「現在の非難を承知で」、将来性を見越して「標準軌高速新線」にしたのです。当時の国鉄総裁は、新幹線の効果を理解しない国民からの批判を受け、建設費増大により辞任に追い込まれています。 また、戦前の弾丸列車用として確保した土地が「使わないなら返してくれ」と返還訴訟を起こされていたという事情もあります。 そして貨物輸送を新幹線で行うと、性能が低く、線路への負担が大きい貨物列車がダイヤ上の妨げとなります。東海道新幹線は常に輸送量のパンクが心配されていた路線です。旅客輸送への対応だけで限界なことが、開通後に明らかになった鉄道に、貨物輸送の余地があると考える自体、史実をご存じないのではないかと。貨物は不可です。 > 輸送政策というものは、それ単体だけで完結するものではありません。運ぶ必要のある全体量を把握した上で、種々の手段に分散させて負担させていくものです。そのリソース分配の比率が、用いる予算と手段によって異なってくるだけでしょう。そもそも、新幹線もリソース配分見直しの結果ああなったというだけですよね。何故、それが東海道筋の貨物輸送については不可能なのか、それが解せません。 新幹線開通前の東海道本線の旅客・貨物輸送量と、新幹線開通後の東海道新幹線の旅客輸送量、東海道本線の貨物輸送量を比較されてみてはいかがでしょうか。 輸送政策として「東海道本線の代わりとしては、もっとも効率的」という程度であった新幹線が、「国の輸送政策で想定されていた需要」を大きく上回り、当初の予定を変更して全国に建設することになった現実をふまえて「新幹線の代わりなどない」と申し上げているのですが。 > ジャンボジェットで言うならば、所要時間で言えば羽田〜福岡が2時間弱であるのに対し、東京〜博多はのぞみで5時間あまりです。ジャンボ1機あたりの収容客数が少なくとも、所要時間が短い分より多く運行できるという事になりますよね。便数が多いことにより、フリークエンシーの向上が図れる可能性もあります。…用いる数値としては些かどころでなく乱暴ではありますが、でも所詮その程度の差でしかない、ということにもなります。 乱暴すぎると思います。ジャンボを空母艦載機のように連続発進させるのでしょうか。 空港の発着便数には容量があるのをご存じないのでしょうか。どこの区間で、新幹線より航空の本数や輸送量が多いのでしょうか。ぜひご教授ください。 > また、「たかが複々線」で何故「効率的な旅客輸送に特化した高速新線の代替」を行う必要があるのでしょうか。別の輸送体系で物事が進むのであれば、その中で最適な運用を行えばいいというだけの話でしょう。 最適な運用を考えても、大量輸送が必要なら新幹線の建設という手段が最適です(別に航空や道路がいらん、というような話ではなく、シェアの割り振りを考えて、ということ)。 自動車が100旅客キロメートル辺り5.9リットル、航空機が7.2リットルの石油を消費しますが、新幹線は2.5リットルしか消費しません。二酸化炭素排出量も、100旅客キロメートル辺り、自動車が14.1キログラム、航空機が17.1キログラムに対して、新幹線は4.2キログラムです。輸送全体に対して、鉄道に起因する二酸化窒素・一酸化炭素・炭酸ガス・酸化硫黄・有毒粒子の排出量は、わずか0.1〜0.8%です。 また、新幹線は狭い空間で実現できる輸送機関です。新幹線の線路に必要とされる幅は15メートルに対し、高速道路は片側2車線で28メートル、片側3車線で35メートルに達します。もちろん、安全性・正確性においても航空や道路とは比較になりません。 再三にわたり「新幹線がなければ環境は悪化した」と書いているのは、そういうことです。 > 輸送体系を構築するにあたり、確実性であるとかそういったものが枝葉末節以上に上がってくることはありません。 全体の利便性を考慮し、投資の中で最大の効果が見込めるよう考えるなら、鉄道の中でも大量旅客輸送に特化した新幹線を、都市間に建設する施策は極めて適切と言えます。 輸送体系全体の中で、これほど大きな効果を持つ交通手段を除外してかかることは、ありえないことです。もちろん枝葉末節などではありません。 > 道路があれば車は走れる、線路があれば列車が走れる、空と空港のキャパがあれば飛行機は飛べる。ただそれだけの話なのです。 その全体の割り振りの中で、新幹線の役割に代わる名案をぜひお伺いしたいと思います。 > 新幹線を建設するような費用は捻出できて、何故在来線の改良は出来ないのでしょうか?恐らく、新幹線より多額の費用が掛かることはないと想像されますが、それでも出来ないのでしょうか? 在来線で新幹線の役割を代替するなら、それが標準軌でも新幹線建設よりも遙かに多額な設備投資が必要とされます。閑散とした地方の無人駅でも、(標準軌なら)160キロなどという高速列車への安全対応が必要とされるのです。無数の踏切も同じです。在来線で160キロを出しているほくほく線の安全対応を考えてみれば、ご理解頂けると思います。 また都市間輸送高速列車は、通勤低速列車や貨物との同居を必要とされ、性能が発揮できません。非常に非効率かつ輸送力の低い鉄道となるでしょう。 ちなみに英国在来線区間で旧式なインフラに苦しめられるユーロスターは、その部分の維持費が全体の収支を悪化させていると指摘されていますが。 そんな多額の投資をどこが負担するのですか? 国鉄が21兆円の赤字を抱えて民営化されたのはご存じですよね。 > 鉄道貨物のシェアが減っていったのはそれは当然、史実では「運べる量がゲロだったから」です。それを改善できるのであれば、シェアは当然移行していくでしょう。運べる総量なんて手段の若干の相違程度でそうそう桁違いに増減するものではないのですから、あとは如何にそれを配分するか、というだけの話です。 貨物を運べる量なんてさしたる問題ではないのですよ。現実にトラックや船舶輸送が代われる部分は代わっているのですから。新幹線と既存鉄道は役割の異なるものです。 > また、何故新幹線に地方幹線やローカル線などが関わってくるのでしょうか?あくまで新幹線に関係する範囲での話でしかない筈ですよね。そもそも、ひとつ申し添えておきますと、地方には鉄道云々の前に、まず道路網も碌に存在しません。新幹線を云々できる東海道筋と地方では、状況は全く違ってきます。需要もなければ運ぶ手段もないのが地方の現実です。 国策というのは、国全体から見ての輸送政策なわけです。需要のない地方への考慮が小さくなるのは当然です。例えばJR四国の全乗降客数は、立川駅と同じです。これは鉄道システムとして実効性があがるほどの輸送量を持ちにくいということです。 政策が輸送量全体を見て決定されるのは当然であり、例えば新幹線の整備と地方鉄道の改良の重要性が比較になるわけがありません。 鉄道システムは大量・高速の輸送需要があって機能するものです。そして多くの需要に支えられたもっとも効率のいい鉄道が新幹線です。交通全般を見通した上で「大量輸送が必要な地域」の需要を満たすなら、新幹線以上に予算を最適投資する方法はありません。 航空も道路も在来線鉄道も新幹線の代わりにはならないのです。 > そうですね、新幹線が無ければ今のように東京への一極集中化が異常進行することもなく、歪な経済発展を遂げることもなかったかもしれません。まぁ、差はあっても僅少かもしれませんが。 日本国として一極集中で何が困るのでしょうか。現時点でも、地方から都会への人口流出は起こり続けていますし、止められるものでもないのですが。 別に都会への人口流出は東京に限った問題ではありません。 > でも、たかが一交通手段が多少便利になる程度で、そんなに経済発展の度合いが変化するものなのでしょうか。移動が必要であればその他の手段を使ってもいいわけだし、そもそも「移動をそう必要としない社会」になったかもしれません。線路があるから移動に使う、本質はそれ以上でも以下でもないと思いますけどね。 抽象的な話をされても当惑するばかりです。 1日50万人以上の移動を東海道新幹線は支えています。これは新幹線が生み出した需要と雇用そのものです。前述の通りジャンボジェットで代替することなど不可能です。 > また、ヒトにしたところで、真に移動する必要があるのならば手段の精度等はただの誤差でしかありません。必要があれば移動するだけです。鉄道移動に対する需要喚起にはなったでしょうが、それ以上の話でもありません。 移動時間の短縮が、新たな産業を生み出すからこそ、東北新幹線開業に伴う企業の地方移転といった経済構造への影響が現れるわけです。速度が需要を生み出すのです。 で、日本国内で最大の輸送需要を持つのは東京−大阪間ですが、ここでは航空と鉄道の実質到達速度は変わりません。ですから、鉄道有利のシェアで推移しているわけです。 そもそも、鉄道と航空の利便性には差があります。山形新幹線の到達速度は航空と大差ありませんが、羽田−山形の航空路線は壊滅的な打撃を受けましたが。 |
話があっちこっち飛びまくってるので、重要なところだけピックアップします。 まずは雑談から。 > 「世界銀行から借款を引き出すフカシ」のため「無駄な建設をする」などという財政的余裕は、危機的財政下の東海道新幹線計画ではあり得ません。 確かに、東海道新幹線計画において資金の問題は常について回りました。ですが、貨物新幹線計画が本気で検討されていた計画であるならば、何故当初から貨物の輸送を行っていなかったのでしょう? 線路容量から言えば少なくとも開業当初は余裕があったわけですし、また、実際に運行するまではどれだけの客が乗るかも見当がつかなかったわけです。そういった状況下で本当に貨物新幹線が本気の計画であったならば、少しでも収益を増やすという見地のもと、開業当初から着手していた筈でしょう。 しかし、実際には貨物輸送には着手することなく、幾つか作成した構造物も活用せずじまいでした。また、実際に作られた構造物も、実際に使用するには更にそれなりの時間と投資が必要な程度しか実現されていません。本当に予算に乏しいならば、当面行う予定が無い貨物輸送に供用するための設備を「申し訳程度」に作る余裕もなかったであろうにも関わらず、です。 では何故そういった構造物を「気持ちだけ」作成していたのでしょう。そこで関わってくるのが、貨物新幹線計画が取り沙汰されるそもそもの原因であった「世界銀行からの融資」です。 世界銀行からの融資が貨物新幹線計画の原因であったこと、また、世界銀行からの融資取り付けが資金そのものではなく別のところに目的があったということは、私がご説明するまでもなく釈迦に説法というものでしょう。 一言で言えば世界銀行は「踏み台」でしか無かったわけですが、では当時の日本の世界的立場で、それをあからさまにしてしまっていいのでしょうか。折角300億円近い額の資金を貸してくれたのに「踏み台」扱いでは、心象も悪くなろうというものです。「そんなつもりは無い」と言ったところで、全く形にもなっていないのであれば説得力の欠片もありません。 実情はどうであれ、とにかく「将来的にはやるつもりなのよ」というポーズだけでも示しておくために、何らかの形で「誠意」を見せておく必要があったのです。実際に運行してみて、ダメなら設備を追加して本当に貨物やるしかないだろうし、上手く行ったならそのまましらばっくれちゃえ、と。結果は幸運にも後者になったわけですが、しかしそれでも「何もなし」では許されなかったのです。 更に言えば、計画の策定時点で軌間の違いによる積み換えの問題であるとか、そういった面による非現実性は最初から見えている筈です。その程度も気付かないまま杜撰なプランを本気扱いするほど、国鉄も無能者の集団ではないと思いますよ。 で、雑談という名の長ったらしい前置きはこの程度にしておきまして、本筋行きます。 > 当初から考慮外などではありません。軌間が違うこともあり、積み替えが必然となる貨物新幹線は、速達効果が限定されます。速達性が期待できないなら、特急・急行が大幅に減った東海道本線の貨物列車を増やせばいいということです。 なんか話がズレまくってしまいましたが、そもそもの話は「在来線が標準軌なら?」ですよね。で、それの複々線化を行ったらどうなるか、と。 在来線が元々標準軌なら、増設部分の余裕で貨物輸送を行っても速達効果の面については全く問題ないですよね。 > そして貨物輸送を新幹線で行うと、性能が低く、線路への負担が大きい貨物列車がダイヤ上の妨げとなります。東海道新幹線は常に輸送量のパンクが心配されていた路線です。旅客輸送への対応だけで限界なことが、開通後に明らかになった鉄道に、貨物輸送の余地があると考える自体、史実をご存じないのではないかと。貨物は不可です。 ですから、「新幹線なら無理」でしょう。それは上で申し上げた経緯を考えてみても明らかです。 でも、このスレの前提である「在来線の線増」であるならば、問題なく行えますよね? > 新幹線開通前の東海道本線の旅客・貨物輸送量と、新幹線開通後の東海道新幹線の旅客輸送量、東海道本線の貨物輸送量を比較されてみてはいかがでしょうか。 史実で鉄道貨物の輸送量が漸減し、結果シェアが落ちてしまったのは、在来線の輸送可能量が殆ど増強されない結果起こったものです。今回のお題のように在来線が増強されていたならば、他の交通手段と同じく順調に成長したでしょう。全体としての貨物輸送力は慢性的に不足しているわけですから、折角ある手段を活用しないという理由がありません。元々運べる量が決定的に足りなく、また、増強も殆ど行わなかったからこそ、史実のような結果になってしまったのです。今回の話が「史実」ではないことを忘れてはいけません。 また、史実の鉄道旅客輸送についても、寧ろ新幹線開通後の1964年以降は実数ベースで伸び悩んでいます。 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa198001/hpaa198001_2_010.html これは、グラフを見ても分かるように、急速なモータリゼーションの発展による自家用自動車の増加が原因です。考えてみれば当然で、旅客輸送に於いては貨物輸送よりもよりドアtoドアが優先されるわけであり(人は面倒くさがりですからね)、新幹線が通ったからと言って何か鉄道の立場が劇的に変わったわけではない、ということが分かるかと思います。寧ろ、旅客輸送全体から考えれば存在感はどんどん低下しているのです。 ここで、「しかし長距離輸送はどうなるのだ」と仰るかもしれません。しかし、それはこのような図表が存在します。 http://www.mlit.go.jp/hakusyo/transport/shouwa59/ind000801/001.html 古い資料で申し訳ありませんが、8-1-8図「東海道・山陽新幹線20年の輸送人員等の推移」をご覧ください。一人平均乗車キロは年代によって上下はありますが、山陽新幹線が博多まで開通して以降も概ね350km以下で推移しています。東京から名古屋が366kmだそうですから、まぁ大凡そのような距離が主力だということです。複々線化後の在来線特急の表定速度を100km/hとして、一人平均乗車キロのメインストリームである350kmを基準にして計算した場合、最多利用者数の利用時間は約3.5時間ということになります。また、自動車(自家用車・バス)で移動した場合の表定速度を80km/hと仮定すると、約4時間ということになります。確かに、新幹線よりも所要時間は延びますが、しかし致命的というまでに決定的な差と言えるでしょうか。 重要なのは、「線路が繋がっているからと言って誰もが直通で乗りっぱなしとは限らない」という点です。長距離を短時間で結んでいる新幹線であっても、利用者数を支えていたのはこういった「比較的短距離」の旅客なのです。新幹線といえど、利用者の主力は区間利用者なのです。 実際、今住んでいる横浜から実家のある広島まで(たまに、飛行機の座席がスーパーシートに至るまで見事綺麗さっぱり無い時にやむを得ず泣く泣く)新幹線をぶっ通しで乗ることがありますが、周囲を見回しても直通利用客の数は微々たる物です。これは、実際にご乗車されたら実感としてお分かりになると思います。のぞみですら、大体は東京側から乗車したところで、名古屋〜大阪で乗客の殆どが入れ替わってしまうのです。 > 乱暴すぎると思います。ジャンボを空母艦載機のように連続発進させるのでしょうか。 > 空港の発着便数には容量があるのをご存じないのでしょうか。どこの区間で、新幹線より航空の本数や輸送量が多いのでしょうか。ぜひご教授ください。 上記の通り、需要のメインストリームは航空機を使用しないような距離ですから、敢えて全部を航空機で代替する必要は無いでしょう。大阪以遠のような遠いところは航空機を用いればよいでしょうし、それより近いならば在来特急でも賄えます。また、更に近いならば高速バスであるとか自家用車も選択肢に入ってくるでしょう。 どうも高村さんは「全部そうなったら」という見方がお好きなようですが、何度も申し上げるように輸送政策とは複合的に考えるものなのです。 > 自動車が100旅客キロメートル辺り5.9リットル、航空機が7.2リットルの石油を消費しますが、新幹線は2.5リットルしか消費しません。二酸化炭素排出量も、100旅客キロメートル辺り、自動車が14.1キログラム、航空機が17.1キログラムに対して、新幹線は4.2キログラムです。輸送全体に対して、鉄道に起因する二酸化窒素・一酸化炭素・炭酸ガス・酸化硫黄・有毒粒子の排出量は、わずか0.1〜0.8%です。 確かに、自動車輸送や航空機輸送に比べ、鉄道輸送は環境負荷が小さいです。で、それは当然旅客に限った話ではありません。貨物輸送においても言える話なのです。 国土交通省の平成13年度の統計データに基づく輸送機関別CO2排出原単位ですと、鉄道が21(単位はg-CO2/t q、貨物1トンを1km輸送するのに排出するCO2の量)、内航船舶が38、営業用普通トラックが174、自家用普通トラックが388となっています。つまり、単純計算で鉄道貨物のCO2排出量は対営業用普通トラックで12%、対自家用普通トラックで約5.4%、ということになります。 一方、高村さんの提示された数値をもとに旅客輸送における新幹線旅客の自動車旅客・航空機に対するCO2排出量の比率を算出してみますと、それぞれ29.7%、24.5%となっています。これはこれで確かに優秀な数値ではありますし、決してバカには出来ない数値ではありますが、鉄道貨物は更にその上を行っているのです。 尤も、全ての自動車貨物が鉄道貨物に転換できるわけではありませんが、それは新幹線旅客とて同じ話ですので、たいした問題にはなりません。また、自動車貨物の場合はほぼ100%PMを排出するディーゼルエンジン車です。公害対策で粒子状物質の問題が取り沙汰されて久しいと思いますが、昨今のクリーンディーゼルにおいてすら、PMはやはり排出してしまいます。特に、日本の対ディーゼル自動車排ガス規制は伝統的にNOx対策がメインであり、PMについては実に緩やかな規制でした。この排出元の総量が削減されるということは、環境にとって少なからぬ良い影響があるように思われます。 事実、東京都のディーゼルPM規制が施行されて以降、台数の総量は減っていないのにも関わらず、PMに起因する環境問題は急速に改善されているのです。総量が減るのならば、更により大きな効果が期待できるでしょう。 > 貨物を運べる量なんてさしたる問題ではないのですよ。現実にトラックや船舶輸送が代われる部分は代わっているのですから。新幹線と既存鉄道は役割の異なるものです。 上記のデータから分かるとおり、新幹線とて結局は(コスト高くて融通が利かない、けど旅客に特化してすげぇ)鉄道に過ぎません。長距離高速輸送といった要素など、文字通り「どーでもいい」のです。利用者の視点だけで見ればそれは確かに便利ですが、それは物流コストや環境負荷の増大という間接的なところで、確実に我々に負担を強いているのです。 史実において貨物輸送が自動車輸送に移行したように、今回のお題前提では旅客輸送のシェアが他の手段に移行するだろう、そして我々が享受する利点が別の面に出てくるだろう、と。ただそれだけの話なのです。 |
> 確かに、東海道新幹線計画において資金の問題は常について回りました。ですが、貨物新幹線計画が本気で検討されていた計画であるならば、何故当初から貨物の輸送を行っていなかったのでしょう? > 線路容量から言えば少なくとも開業当初は余裕があったわけですし、また、実際に運行するまではどれだけの客が乗るかも見当がつかなかったわけです。そういった状況下で本当に貨物新幹線が本気の計画であったならば、少しでも収益を増やすという見地のもと、開業当初から着手していた筈でしょう。 貨物輸送とは、貨物電車だけあれば実現できるのでしょうか。 特に積み替えが必然である以上、かなり多くの関連工事が必要となるでしょう。やれば「少しでも収入が増える」かもしれませんが、そんな余裕はなかったのではないかと。 そして、あっという間に線路容量は一杯となり(増やすための関連工事はずっとやっている状態ですが)、貨物どころではなくなったのではないかと。 > 実情はどうであれ、とにかく「将来的にはやるつもりなのよ」というポーズだけでも示しておくために、何らかの形で「誠意」を見せておく必要があったのです。実際に運行してみて、ダメなら設備を追加して本当に貨物やるしかないだろうし、上手く行ったならそのまましらばっくれちゃえ、と。結果は幸運にも後者になったわけですが、しかしそれでも「何もなし」では許されなかったのです。 それに異議はありませんが。貨物をやる必要がない、と決めてかかっていたとは思いません。「すぐにはできない」と判断していたでしょうが。 > 更に言えば、計画の策定時点で軌間の違いによる積み換えの問題であるとか、そういった面による非現実性は最初から見えている筈です。その程度も気付かないまま杜撰なプランを本気扱いするほど、国鉄も無能者の集団ではないと思いますよ。 というか、最初から積み替えは問題となっていますが。「旅客を新幹線にして、貨物輸送を在来線にする」という役割分担が、最大効率を実現する手段というのは、当然理解していたと思います。とはいえ、貨物新幹線があれば相応に重宝されたでしょう。 > なんか話がズレまくってしまいましたが、そもそもの話は「在来線が標準軌なら?」ですよね。で、それの複々線化を行ったらどうなるか、と。 そうですよ。 > 在来線が元々標準軌なら、増設部分の余裕で貨物輸送を行っても速達効果の面については全く問題ないですよね。 標準軌でも在来線ですよね。踏切区間も無人駅もある路線で、新幹線並みの210キロ運転を行えるのでしょうか。そして210キロから600m以内に停止できるのでしょうか。 速達効果の点からすれば、大いに問題だと思います。輸送力についても、日本鉄道の待避線長を考えるなら、南アフリカのマイルトレインのようなものは絶対無理ですし、車輌限界も英国由来ですから、在来線よりやや大きい程度でしょう。 総合的に、標準軌複々線は史実の在来線+新幹線には及ばないと考えます。 > 史実で鉄道貨物の輸送量が漸減し、結果シェアが落ちてしまったのは、在来線の輸送可能量が殆ど増強されない結果起こったものです。今回のお題のように在来線が増強されていたならば、他の交通手段と同じく順調に成長したでしょう。全体としての貨物輸送力は慢性的に不足しているわけですから、折角ある手段を活用しないという理由がありません。元々運べる量が決定的に足りなく、また、増強も殆ど行わなかったからこそ、史実のような結果になってしまったのです。今回の話が「史実」ではないことを忘れてはいけません。 東海道本線はまだしも、他の地方幹線は例え標準軌だとしても、史実と大差ないと思うのですが。複々線化など論外ですし。機関車の牽引力は標準軌なら大きくなるでしょうが、ブレーキ性能や駅設備の充実が伴わなければ、効果は限定されますが。 ただでも建設費が大きな標準軌基本の「架空日本」で、どれほど鉄道に投資できる金額が増えるものでしょうか。 > また、史実の鉄道旅客輸送についても、寧ろ新幹線開通後の1964年以降は実数ベースで伸び悩んでいます。 総輸送量で見てどうするのでしょうか。 ご教授頂いた資料にもありますが、東海道・山陽新幹線の距離は国鉄全線の1/20にも関わらず、全収入の33%を稼いでいるのです。 ちなみに新幹線開通前である1963年の東京−大阪間の年間交通機関輸送量(鉄道+航空)は947万人。鉄道804万人/航空143万人です。これが1967年には鉄道1,377万人/航空119万人、1999年には鉄道2,900万人/航空573万人(伊丹+関空)です。 つまり、4年間で573万人、36年間で2,096万人が新幹線により増加した旅客輸送量となります。航空も増えましたが、1963年度の鉄道輸送量の71%でしかないのです。 この増えた2,100万人が新幹線の経済効果と言っていいと思います。何度も書いているように、これだけの効果が日本経済の発展に寄与していないとは思えませんし、航空や道路で代替できるはずもないのです(1999年度でも鉄道84/航空16%のシェアなのですが。16が84を代替できるわけがありません)。 もちろん、東名高速のような効率の悪い輸送システムが、これを代替できるとは思えませんし、そもそも速達効果なしで、これだけ輸送量が増えることもあり得ないでしょう。 > http://www.mlit.go.jp/hakusyo/transport/shouwa59/ind000801/001.html > 古い資料で申し訳ありませんが、8-1-8図「東海道・山陽新幹線20年の輸送人員等の推移」をご覧ください。一人平均乗車キロは年代によって上下はありますが、山陽新幹線が博多まで開通して以降も概ね350km以下で推移しています。東京から名古屋が366kmだそうですから、まぁ大凡そのような距離が主力だということです。複々線化後の在来線特急の表定速度を100km/hとして、一人平均乗車キロのメインストリームである350kmを基準にして計算した場合、最多利用者数の利用時間は約3.5時間ということになります。また、自動車(自家用車・バス)で移動した場合の表定速度を80km/hと仮定すると、約4時間ということになります。確かに、新幹線よりも所要時間は延びますが、しかし致命的というまでに決定的な差と言えるでしょうか。 自動車の表定速度が80キロだとスピード違反のような気もしますが、さておき。 鉄道/航空の輸送シェアの境目は4時間と言われています(4時間弱の秋田新幹線でも、鉄道シェアが勝ります)。 そして新幹線で4時間という距離は、スピードアップで年々伸びています。自動車と新幹線の差は、少なくとも仕事で使っている人には決定的です。地方の新幹線駅には、駐車場が充実しており「そこに愛車を止めて」新幹線を使う人も多くみられます。 > 重要なのは、「線路が繋がっているからと言って誰もが直通で乗りっぱなしとは限らない」という点です。長距離を短時間で結んでいる新幹線であっても、利用者数を支えていたのはこういった「比較的短距離」の旅客なのです。新幹線といえど、利用者の主力は区間利用者なのです。 直通で乗りっぱなしがすべて、などと一度でも言ったでしょうか。 需要の大半が東京−名古屋−大阪にあることは明らかですし、東京−新大阪間は350キロどころか、515キロもありますが、前述の通りシェアは新幹線が航空を圧倒しています。 > 実際、今住んでいる横浜から実家のある広島まで(たまに、飛行機の座席がスーパーシートに至るまで見事綺麗さっぱり無い時にやむを得ず泣く泣く)新幹線をぶっ通しで乗ることがありますが、周囲を見回しても直通利用客の数は微々たる物です。これは、実際にご乗車されたら実感としてお分かりになると思います。のぞみですら、大体は東京側から乗車したところで、名古屋〜大阪で乗客の殆どが入れ替わってしまうのです。 それでも東京−広島間の輸送シェアは、鉄道6/航空4です。入れ替わるのは、元々の輸送需要の問題ですから、この場合の例にはなりません。 > 上記の通り、需要のメインストリームは航空機を使用しないような距離ですから、敢えて全部を航空機で代替する必要は無いでしょう。大阪以遠のような遠いところは航空機を用いればよいでしょうし、それより近いならば在来特急でも賄えます。また、更に近いならば高速バスであるとか自家用車も選択肢に入ってくるでしょう。 > どうも高村さんは「全部そうなったら」という見方がお好きなようですが、何度も申し上げるように輸送政策とは複合的に考えるものなのです。 上記のように、総合的な資料を鑑みた上で「要するに史実がベストじゃね?」と言っているのですが、極論ばかり言うと思われたのは残念です。 > 上記のデータから分かるとおり、新幹線とて結局は(コスト高くて融通が利かない、けど旅客に特化してすげぇ)鉄道に過ぎません。長距離高速輸送といった要素など、文字通り「どーでもいい」のです。利用者の視点だけで見ればそれは確かに便利ですが、それは物流コストや環境負荷の増大という間接的なところで、確実に我々に負担を強いているのです。 > 史実において貨物輸送が自動車輸送に移行したように、今回のお題前提では旅客輸送のシェアが他の手段に移行するだろう、そして我々が享受する利点が別の面に出てくるだろう、と。ただそれだけの話なのです。 ご教授ありがとうございます。鉄道貨物については、単に新幹線で輸送しない輸送量を、積み替えの少ない在来線で輸送しているだけですから、ご指摘は当たらないかと。環境負荷で言うなら、新幹線も在来線もそれほど差はありませんから。 鉄道貨物をより積極的に導入しないのは、道路重視の国の施策の問題と、すでに自動車中心の輸送体系が確立してしまっている現状、また在来線鉄道の輸送力増強にも限度があるために、鉄道に振り返るのは現実的に困難という事情もあります。 シェアの振り替えについては、少なくとも最大需要である東京−大阪間については、前述した通り「極めて困難」です。16は84の代わりにはならないのですから。 |
何故あれだけ説明してもご理解いただけないかと首を傾げておりましたが、漸く理由が分かりました。 > 最大需要である東京−大阪間については よもやご存知でない筈が思っていたのですが…一言で申しまして、このような事実はまったく存在しません。 国土交通省のHPに行けば「交通機関別都道府県間流動表(年間)」という統計を入手する事が出来ます。県を跨いだ年間旅客移動数を各交通機関ごとに纏めた統計です。 混乱なさってはいけませんので、同表を元に東海道筋の部分についてピックアップしてあります。 http://www.warbirds.jp/uskbody/01.xls 着色してある部分の説明については、各シート下部に書いてある説明をご覧下さい。 まぁなんというか、県ごとに見たところで、関東〜大阪は関東〜愛知はおろか静岡にすら及ばない事が分かりますね。 で、これを関東〜中部と関東〜関西に分類すると、このようになります。 http://www.warbirds.jp/uskbody/02.xls 関東〜関西の輸送量なんぞ、「新幹線があってもこの程度」なんです。 まぁ、阪神工業地帯が戦中から現在に至るまで凋落の一途を辿っていることを考えれば(これは小学校の社会科で習いますよね)当然の話なんですが、全体から考えれば関東〜関西の輸送なんて大した話じゃないんです。 新幹線が無かったところで「阪神が寂れて中京が栄える」という史実で起こっている現象の加速が起こるだけの話でしかありません。中京は別に新幹線の速度でないと速達性の問題が経済を左右するといった遠距離ではないのですから、当然の話ですよね。戦中から既に阪神工業地帯そのものの発展限界が見えていたことはご存知だと思いますが、ぶっちゃけて言えば「発展余裕もなければ東京〜広島・呉・半島の中継地点としての存在意義も失った、東京から遠いだけの土地にそんな巨大な投資をするのがそもそも無駄」だったとも言えます。 効率を最優先にして考えればそれは当然の事ですよね。東京集中の経済を前提にして国づくりが進んでいるわけですから、土地の余裕がほぼ皆無で人的資源に特に秀でているわけでもなく、東京からは微妙に不便という程度に遠い大阪よりも、土地が余りかえるほど存在して人もまぁそれなりにいて、かつ東京から近いから各種コストが削れる中京に投資を集中させた方があらゆる意味で有利なのは、至極当然の話です。 一つの大きな数値だけを取り出して「この大きな輸送人員はどう処理する」と仰られても、率直に申し上げて「あぁ、高村さんは新幹線にフォーリンラヴなんだなぁ」という事しか分かりません。 まぁ、それは心情としては分かるんです。「世界に冠たる新幹線」ということで既に伝説と化しているわけですし、熱心なファン層が存在するというのは理解できます。私も元小田急線沿線住民であるが故に「VSEは最強の狂気…狭軌特急」と信じていますから、その類の話は理解できるつもりです。 しかし、現実はきちんと数字として存在するのです。現実から目を逸らしちゃいけません。 仮想の話をしているのになんとも奇妙な話ではありますが(笑)、まぁ現実なんてそんなもんなのです。「これさえやっとけば絶対無敵」みたいな究極超絶デバイスなぞ、そうそう間単に存在するものではないのです。 |
> 標準軌でも在来線ですよね。踏切区間も無人駅もある路線で、新幹線並みの210キロ運転を行えるのでしょうか。 速達効果で問題ないだろうというのは、あくまで「とりあえず困らない程度の速度は出せるんじゃね?」という話です。何故、在来線ベースで速度バカ一代の新幹線と同じスピードで対抗する必要があるのでしょうか。 速度を競うだけなら、それこそ「計測条件はアレで輸送力とか考えなくてもTGVのが偉いじゃん」となってしまいます。スペックなんてどうでも良くて、要は「あんまり困らなければそれでいい」んです。 > 自動車の表定速度が80キロだとスピード違反のような気もしますが、さておき。 それはまぁ「そういう法律になっているから」ですよね。状況が変われば法律なんて簡単に変わるものです。第二東名を巡る最高速議論がまさにそれですよね。 個人的には最高速はとっとと引き上げてもらいたいんですけどね。そうすれば、殆どの国産車(例:トヨタで400万円以下の奴)みたいな危なくて高速道路なんか走ってられないような車が、輸入車程度にはまともになる(ならざるを得ない)でしょうから。車の選択肢が増えて、実に幸せになるだろうなぁとか思います。 まぁ、トヨタや日産は商売上絶対反対しますけどね。高速道路でまともに走る車となると、所要コストが一気に増大しちゃいますから商売になりません。現状ネックになっているのもそこですよね。とはいえ、安くてもちゃんと安全に走れる車だって国産にも(極少数ではありますが)存在するわけですから、個人的にそれ選べばいいじゃないと言われたらそれまでなんですけどね。 …はい、無駄話でした(笑)。 > それでも東京−広島間の輸送シェアは、鉄道6/航空4です。 因みに、参考までに東京〜広島間の所要時間ですが、トータルでの移動時間を計算すると、実は殆ど…とまではいいませんが、大して変わりません。飛ぶ時間は1時間10分ですが、その前後が長すぎるのです。 特にネックになるのは広島空港〜広島市街地までの所要時間です。ご存知かもしれませんが、広島空港は山陽道で30分ほど走ったところに存在します。で、山陽道の広島ICから広島市街地までは約20分かかりますから、広島空港に到着してから移動(エアポートリムジンバス)だけで50分、手荷物回収などを考えれば1時間10分程度は余計にかかってしまうのです。で、搭乗手続きだの羽田までの移動時間だのを考えると、基点次第では所要時間は同等…どころか逆転してしまう可能性すらあります。料金は「航空機は対新幹線で安いことも高いこともある」ですから、その不安定さを考えれば十分飛行機は健闘していると言えるでしょう。 …まぁ、何故か自家用車(2005年式GRS182)で走る分には山陽道の広島IC〜から河内ICって15分掛かってないような気がしてなりませんし、横浜で乗っている1994年式CBAEPだともちっと短縮できるよなー…とか思ったりもするのですが、それはまた別の話ということで。 はい、また無駄話でした。 > シェアの振り替えについては、少なくとも最大需要である東京−大阪間については、前述した通り「極めて困難」です。 本筋でも書きましたが、東京〜大阪が最大需要なんて「ありえません」。まぁ、これにつきましては本筋で数字を出しましたので、そちらをお読みいただければご理解いただけるかと思います。 イメージと実際というものは、しばしば食い違うものなのです。公的な統計資料はきちんと公開されているわけですから、その数字の意味をよく吟味する…以前に、まず「数字を『読む』」ことから始められては如何でしょうか。 はい、また無駄話…じゃない、こりゃ本筋だわ(ぉ |
ご教授ありがとうございます。 東京−大阪間が最大需要という言葉を、言葉通り取られたなら、仰る通りですね。 書き方が不十分だったことはお詫び致します。ただ、 >需要の大半が東京−名古屋−大阪にあることは明らかですし、東京−新大阪間は350キロどころか、515キロもありますが、前述の通りシェアは新幹線が航空を圧倒しています。 と以前に書いた通り「東海道」新幹線を論じるのに、中京が入っているのは前提です。 そもそも、東京−名古屋の鉄道/航空シェアを出しても、ほぼ鉄道100:航空0なのですから、例にも何もならないわけです。東海道新幹線、東海道本線が存在するにも関わらず、バイパスとしての北陸新幹線やリニア中央エクスプレスが真剣に計画されていることからも、他地域とは比較にならないほど、この区間の輸送需要が高いことは明確です。 > で、これを関東〜中部と関東〜関西に分類すると、このようになります。 > 関東〜関西の輸送量なんぞ、「新幹線があってもこの程度」なんです。 ご教授には感謝しますが、考えは全く変わりませんね。東京−名古屋でも、東京−大阪でも、新幹線の輸送効果が巨大であり、これがなければ現状の輸送需要に対応できないことを、明確に示したデータだと思います。 > かつ東京から近いから各種コストが削れる中京に投資を集中させた方があらゆる意味で有利なのは、至極当然の話です。 そもそも、最初に「新幹線があった史実が総合的には一番いい」という話をしたのは、環境面なども含めての話だったのですが……。 中京一極集中でも問題ない、というご説は一面的だと思います。 そして、大阪−名古屋も大きな需要を持つ区間であり、無視できないのも明白です。 > 一つの大きな数値だけを取り出して「この大きな輸送人員はどう処理する」と仰られても、率直に申し上げて「あぁ、高村さんは新幹線にフォーリンラヴなんだなぁ」という事しか分かりません。 そういう読まれ方をする自体、悲しいですね。 余談ですが、鉄道ファンではありますが、個人的には新幹線は嫌いです。ただ、個人的な嫌いを輸送機関としての評価に持ち込むのはナンセンスだと考えているだけです。 > 仮想の話をしているのになんとも奇妙な話ではありますが(笑)、まぁ現実なんてそんなもんなのです。「これさえやっとけば絶対無敵」みたいな究極超絶デバイスなぞ、そうそう間単に存在するものではないのです。 誇張が過ぎるのは貴方のほうではありませんか? 私は、今日に至る日本の総合的な発展などを鑑みた場合、「当初から標準軌鉄道」より、史実通りの「狭軌+新幹線」がよかったのではないか、といっているだけです。そして、新幹線が発揮した高速・正確な大輸送力は極めて効率的なものであり、TGV・ICEを含む海外高速鉄道や、航空機・道路でもその役割・効果の直接的代替は不可能である以上、新幹線のない架空日本を想像した場合、史実よりも全体的な発展が遅れたのではないか、と申し上げているわけです。絶対無敵とか、そんな話をどこでしたのでしょうか。 > 速達効果で問題ないだろうというのは、あくまで「とりあえず困らない程度の速度は出せるんじゃね?」という話です。何故、在来線ベースで速度バカ一代の新幹線と同じスピードで対抗する必要があるのでしょうか。 困らない程度の速度とは、具体的にどの程度なのでしょうか。私は標準軌でも時速130キロを基本として、長大トンネルなどの一部区間で150キロが精々だと思いますが。車でも大差ない速度を鉄道で発揮して、シェア獲得が図れるものでしょうか。 しかも、その高速を出せるのはごく一部の速達列車であり、在来線である以上、ダイヤの妨げとなる低速の貨物列車や鈍行が邪魔をするわけで、『この在来線』の輸送効率は新幹線よりも遙かに低いものになることも確実です。 で、ここからが重要です。貴方のことですから、わかって書かれているのだと思いますが、新幹線は「速度バカ一代」が特色なのではなく、「それを頻繁運転できること」が特色なのですが。仮に安全規定を緩めるなどして、標準軌在来線で最高210キロを発揮できたとしても、「時速210キロだから新幹線に匹敵」などするわけがありません。在来線ベースである以上、その超高速列車を3分ごとに走らせることは絶対にできませんし、16両編成にすることも設備面からまず不可能です。 こんなことは何度も書いているのですが。 > それはまぁ「そういう法律になっているから」ですよね。状況が変われば法律なんて簡単に変わるものです。第二東名を巡る最高速議論がまさにそれですよね。 ドイツでは高速道路の速度制限がないそうですが、ICEの輸送量は伸びていますよね。高速道路は極めて有用な輸送手段でしょうが、高速鉄道の代わりにはなりません。 そして速度制限が緩ければ、バスや大型トラックが時速200キロで走ってくれる、などということはあり得ませんが。「速い車」と「遅い車」の速度差が大きければ大きいほど、事故の確率は上がりますし、起こった事故も大規模になることでしょう。 > 特にネックになるのは広島空港〜広島市街地までの所要時間です。ご存知かもしれませんが、 何度も乗っていますので、知っております。航空は健闘していると私も思います。で、航空の4は鉄道(ほとんど新幹線)の6の代わりになるのでしょうか。 もし在来線しかなかったなら、鉄道シェアが6なんてことは絶対にあり得ませんし、そもそも東京−広島間の輸送需要自体が、現実ほど発生しないことも容易に想像できます。手段があるから、生まれてきた需要を過小評価されているのでは? > 本筋でも書きましたが、東京〜大阪が最大需要なんて「ありえません」。まぁ、これにつきましては本筋で数字を出しましたので、そちらをお読みいただければご理解いただけるかと思います。 上記でも書きましたが、言葉遊びの揚げ足取りですよね。それは。 この件で、私を論破するなら「東京−名古屋−大阪(とその間の輸送需要)」よりも「××−×▲」のほうが、輸送量が多く、日本のメインルートである。従って、東海道を軸に語ること自体が間違いで、新幹線を例に出す自体が間違い、と言われれば納得致します。 ただ、出題者が示された最初のお題は >皆さんは、鉄道が日本の軍事や史実にどう影響したと考えますか? です。議題の本質がそこにある以上、鉄道を軸に「標準軌ならこう」とか「新幹線のあるなし」、また「史実にもっとも影響を与えるであろう東海道・山陽」を軸に考えていくのは当然のことです。 議題から外れているのは、貴方の方ではないでしょうか。 |
> そもそも、東京−名古屋の鉄道/航空シェアを出しても、ほぼ鉄道100:航空0なのですから、例にも何もならないわけです。 であるならば、何故”非効率的輸送機関”である筈の自動車輸送が鉄道と同じシェアを持っているのか、という面に目を向けるのが、本来あるべきシェア分析の方法なのですが… とりあえず、如何なる数値も新幹線有利に用いたいということは良く分かりました。 これ以上は恐らく何を申し上げても無駄でしょうから、この辺りで打ち切らせていただきます。 短い期間でしたが、お付き合いのほどありがとうございました。 私見ですが、鉄道だけでなく各交通機関の持つ特性と、旅客輸送において本当に必要なものが何であるかということを、もっと勉強なさった方がいいのではないかと思います。 本当に旅客が求めているニーズとは何なのか、その辺りをよくお考えになれば、また私が提示したExcel表の「別の見方」が分かると思いますよ。 |
> であるならば、何故”非効率的輸送機関”である筈の自動車輸送が鉄道と同じシェアを持っているのか、という面に目を向けるのが、本来あるべきシェア分析の方法なのですが… > とりあえず、如何なる数値も新幹線有利に用いたいということは良く分かりました。 > これ以上は恐らく何を申し上げても無駄でしょうから、この辺りで打ち切らせていただきます。 > 短い期間でしたが、お付き合いのほどありがとうございました。 こちらこそ、色々とご教授頂きありがとうございました。どのように書いても、私が新幹線に固執していると見られるのは、残念ですが仕方ありません。これまでも各交通機関の役割分担についても踏まえた上で書いてきたつもりでしたが、伝わらなかったのが残念です。 なお関東−中京と関東−関西間の違いは、まさに各交通機関の位置づけ、特性、速達性の役割分担と守備範囲の限界を示したものと受け止めております。 どうしても議論がかみ合わなかったようですね。 > 私見ですが、鉄道だけでなく各交通機関の持つ特性と、旅客輸送において本当に必要なものが何であるかということを、もっと勉強なさった方がいいのではないかと思います。 > 本当に旅客が求めているニーズとは何なのか、その辺りをよくお考えになれば、また私が提示したExcel表の「別の見方」が分かると思いますよ。 ご指摘ありがとうございます。より勉強したいと考えております。 また、自身に至らぬ点があるのは承知しておりますので、より勉強を深めた上で、再びデータを検討してみたいと考えております。 それでは失礼致します。おつきあい頂きありがとうございました。 |
というか、そもそも関東−中部のシェアが多いのは、何より静岡「県」の影響でしょう?愛知県は大阪府より少ないんですから。神奈川県から見れば、静岡県は隣の県なんですし。 東京から伊豆や富士山麓などの近距離行楽地に行くのも、静岡県東部の人が東京に遊びに行くのも、東京−静岡の流動量ななわけです。東京から静岡県東部なんてのは100kmそこそこしかないのであって、北関東や山梨県あたりと同じような状況なわけです。で、その需要は自家用車が多くなる。 近距離は自家用車での流動が多いという、当たり前のことが数値に出ているだけではないですか?東京−名古屋とか大阪と言った、中長距離流動とごっちゃにして論じるから話がかみ合わないだけでしょう。 東京から約300km圏内でかつ、新幹線がある新潟、宮城、愛知あたりで見れば東京発だけ見ても(千人/年) 鉄道:宮城2,196、新潟2,302、愛知4,617 自動車:宮城171、新潟874、愛知474 となるのですから、明らかに距離が伸びれば交通機関は鉄道にシフトしているのです。500km圏内になればさらに鉄道が増え、700kmくらいまで行くと航空機の方が多くなる。それだけのことでしょう。 距離を無視して、愛知と静岡を一緒くたに中部とか中京とかでまとめても意味は無いですよ。 |
> ドイツでは高速道路の速度制限がないそうですが、ICEの輸送量は伸びていますよね。高速道路は極めて有用な輸送手段でしょうが、高速鉄道の代わりにはなりません。 > そして速度制限が緩ければ、バスや大型トラックが時速200キロで走ってくれる、などということはあり得ませんが。「速い車」と「遅い車」の速度差が大きければ大きいほど、事故の確率は上がりますし、起こった事故も大規模になることでしょう。 御参考迄に。 かなり話の方向がずれてしまいますが。 http://www.db.de/site/shared/de/dateianhaenge/berichte/daten__und__fakten__2005.pdf ドイツ鉄道(DB=Deutsche Bahn AG)の05年年次報告書よりの32,33ページ御参照。 Fernverkehr(遠距離列車)の輸送実績はこの表記載の96年より低落傾向にあります。 http://www.bmvbs.de/Anlage/original_13278/Zusammenfassung-des-Berichtes-Integrierte-Verkehrspolitik-Mobilitaet-fuer-die-Zukunft.pdf こちらはドイツ連邦運輸建設省が発行している2015年迄の交通需要に関するレポートです。 7ページの表2を御覧頂きますと鉄道の交通需要全体に占める割合が御覧頂けます。 また、同じ報告書の9ページには、移動における距離と選択される交通機関についての 予測が示されています。 ここからは自動車輸送が明らかに鉄道輸送を大幅に上回っているのが御覧頂けるかと。 更に将来的にも、公共輸送機関としては、鉄道ではなくバスにシフトしそうな印象です。 http://www.bahnindustrie.info/filebin/1129214985_51013_Zahlen_2005.pdf こちらはドイツの鉄道事業者協会(バックグラウンドはきちんと調べきれていませんが) による、独国内の鉄道事業者の投資及び輸送実績がまとめまれています。 この最後の方に種別毎の車両保有数が記載されています。 これらと最近のDBの動向から小生は以下の仮説を立てています。 ・ICEが伸びているというよりもICEを核に長距離輸送網の再編をはかっている。 (今回ドイツ滞在3年目。前回は96年頃でしたが、昨今の個人的な狭い見聞の範囲での 印象でもIC/ECを減らして特急のICE化が幹線では著しいです) ・DBの収益源は近距離(RE以下。これはドイツではDBの決算時期になると度々DB関係者の コメントとしても報道されます)。ICEは現時点ではキャッシュフローはマイナス。 ・貨物輸送については更に減少している。DB関係者のコメントとして伝えられる処では (伝聞形になりますが)、独国内市場での鉄道輸送は将来性が相当に限られるので、 RAILIONとして分離。RAILIONは周辺国の貨物鉄道の買収及び航空/トラックとの 事業提携/買収を通じて複合物流企業の脱皮をはかり生き残りを図る。 ・ドイツの人口統計では昨年政府は特殊合計出生数の見直しを行い、人口減少社会の 見通しを明らかにしています。その中で、聞くところでは、旧東独部の人口減少が 特に著しいそうです(これは93-03年の東独部での修学児童数が40%以上も減少している 事実から推計されている) ・したがって、DBは将来的には、例えばベルリン・ハンブルク・ライン/マイン沿岸 主要都市、ミュンヘン・シュツットガルト等の都市間に集中しその他では再編統合が 起き得る。域内隣国間では、今年からパリ-フランクフルトでようやくTGV/ICEの 運転が開始されるようですが、これらのような需要が大きく見込める区間を除けば ICEのネットワークは大きくは広がらないのではないか。 (あとありえるとすれば10-15年の間にワルシャワ-ベルリン間とウィーン-プラハ -ベルリンだと思いますが、隣国内の鉄道インフラを相当程度近代化が必要なのではと 思っています) 環境面での規制強化とトラック運送業に対する規制強化(運転手の休憩時間規制とか)により トラックから一部鉄道へのモーダルシフトが起こるのではと思っていましたが、 今のところ、それを裏付けるデータは見つけられていません。 この辺り、もしどなたか反証となる情報をお持ちでしたら御教示頂ければ幸いです。 |
> > シェアの振り替えについては、少なくとも最大需要である東京−大阪間については、前述した通り「極めて困難」です。 > 本筋でも書きましたが、東京〜大阪が最大需要なんて「ありえません」。まぁ、これにつきましては本筋で数字を出しましたので、そちらをお読みいただければご理解いただけるかと思います。 > イメージと実際というものは、しばしば食い違うものなのです。公的な統計資料はきちんと公開されているわけですから、その数字の意意味をよく吟味する…以前に、まず「数字を『読む』」ことから始められては如何でしょうか。 その資料では 首都圏:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 中京圏:岐阜県、愛知県、三重県 近畿圏:京都府、大阪府、兵庫県、奈良県 と定義しております。 その定義に従い、旅客数を集計し直せば 首都圏ー中京圏 合計:30,435千人 首都圏-近畿圏 合計:40,398千人 と逆転します。 他の方も指摘されてますが静岡県の影響が大きいわけで、資料をよく読めば 静岡県ー首都圏の輸送量はその過半を静岡東部ー首都圏の輸送量によっていることが 理解できます。この分は首都圏ー中京圏の交通需要でなく 首都経済圏内の交通需要と見るのが自然で、 近畿圏と中京圏の比較をしたいのなら静岡県を入れるべきではありません。 |
続きです。 > 在来線の改良は「既存システムの改良」です。新幹線という抜本的改革を行い得うに至るか、という話で「それは実現しないだろう」といっているのです。 そもそも私が新幹線輸送よりも平日朝の都心輸送の方にシステムとしての凄さを感じてしまう人間なので、恐らく物事の捉え方が根本的に異なるのでしょう。 何故ひとつのシステムに拘って「抜本的改革」を行う必要があるのでしょう?システムがどうであろうと、「結果運べるならばそれでいい」のです。で、「結果運べる」というのは、新幹線単体だけでどうにかなる話ではありません。ヒト・モノを総合的に見て、それで初めて論じられるものなのです。 > しかし、戦後の一時期に「新幹線がないことの弊害」が出るのではないか、という私の意見を否定しきるほどの根拠をお持ちなのでしょうか。新幹線という成功例があっても、在来線にATC(つーか、新型ATSすら)が導入されない理由を考えれば、既存システムの改良には限度があることがご理解頂けるのではないかと。 「新幹線がないことの弊害」程度は、交通網全体でカバーすればいいだけの話だと申しているのですが、ご理解いただけないようで残念です。「それ単体の旅客輸送能力」だけを見るならば確かに新幹線は優れたシステムであることは事実ですが、それはその他の役割を他のものが担っているからこそ実現できた、ということでしかありません。 輸送政策とは、それ単体の能力の優劣だけで語れるほどシンプルなものではないのです。 > 新幹線、もしくは新幹線に近い効率的な鉄道システムは、日本の敗戦による技術者の流出と狭軌コンプレックスがあって、初めて実現するものだと思います。 > で、「新幹線より効率のいい(果たした役割を代替できる)鉄道(輸送)システム」が世界のどこにあるのでしょうか。 ですから、「新幹線と全く同じ役割をする必要などどこにもない」のです。それに、標準軌であろうがどうであろうが、恐らく日本敗戦→技術者流出というシナリオに変化は無いでしょう。 標準軌であったならば大東亜戦争に勝てた、というのであれば、それはそれで素晴らしいことではありますが(笑)。。まぁ、ありえませんよね。 > ネルソンとアイオワが16インチ砲9門だから同じ、というようなものです。 ごめんなさい、軍事は交通以上に全く知らないのでなんとも言えないのですが、「強い装甲と16インチの大砲を9本抱えてるごっつい船」という所が本質であり、その他の点は枝葉末節じゃないかとか考えてしまいます。 我々の近いところで喩えるならば、「確かに200km/h巡航するならレクサスLS460とヒュンダイソナタならば当然前者の方がいい…っていうか後者は頼むから勘弁だけど、でもただのVIP輸送ならどっちもお偉いさん2人運べる黒くてでかいセダンでしかないんだから、安い分ソナタの方がお買い得じゃね?」という程度の差でしかないように思ったのですが。 > 余談ながら、輸送量辺りで、在来線で起こった死傷事故の頻度と、新幹線で起こった死傷事故の頻度を比較してみるだけでも、「日本の鉄道システムの志向」と簡単にかたづけられない完成度の違いを感じるわけですが。 事故率で云々されるのであれば、それこそ異常な死亡率を誇る自動車交通が何故廃れないのでしょうか。 そういった枝葉末節の話は、輸送政策とは全く次元の違う話なのです。 > 先に述べた通り、標準軌複々線で運びきれない旅客輸送量が、東名高速や特に航空に流れ、環境が悪化したという見方もできるでしょう。 > 何度も言うとおり「超高速通勤電車」である、新幹線の代わりはあり得ませんが。 ですから、「超高速通勤電車」である必要などどこにもないのです。それを言ったら、貨物も「自動車より低コストで時間的にも正確な鉄道を使わないことにより多大な経済的損失が発生している」ことになります。 手段がどう変わろうと、需要と供給の総量なんて大して変化する筈も無いというのは、そういうことです。 > 貴方のように博識な方なら、全国の貨物輸送を担っていたローカル線が次々の廃線になった現実を、おそらくよくご存じだと思うのですが、標準軌なら廃線にならないとでも言われるのでしょうか。拠点を持たない鉄道貨物が有機的に昨日するはずがありません。 博識ではありませんが、田舎に住んでいた経験も持っていますので、その辺りは重々承知しております。また、現在都会に住んでおりますが、両者があらゆる点で比較にならないほど隔絶した存在になっているということも、また存じております。 で、ローカル線や地方線についてですが、鉄道で運ぶほどの需要がない、または鉄道が無いようなところは自動車交通でやればいいだけの話ですよね。何故、全部移行する必要があるのでしょうか? 需要が多い所と少ない所で用いる手段を変えて効率化を図る、その程度のハイローミックスは普通為されて然るべきでしょう。 幾ら大量の荷物を運べるからといって、赤帽がGVW25トンクラスのフルサイズトラックを用いることはありませんよね?それと全く変わらないお話です。 > 単に売り込み能力の差と国情の問題という気がしますが。 ですが、実際に競合して敗れた経歴はあるわけですよね。「特殊な事情」がある韓国はとにかくとして、ある意味国鉄の直系の弟子とも言える台湾に於いてもそうなってしまったのです。 最後である程度の逆転はあったとはいえ、台湾の事例も「新幹線システム」として見れば、実質敗戦に等しい争いだったわけですよね。絶対的に優れているものならば、何故国が本腰を入れた売込みであったにもかかわらず、「すっきりしない」結果になってしまったのでしょう? > 「高速鉄道を導入する」という前提があるなら(ないなら別です)、新幹線よりも輸送力に優れ、正確で安全な鉄道システムが存在するとは思えません。そして、輸送力に優れ、正確で安全な鉄道システムだと困る国家がどこにあるのか、私にはわかりません。 これはまさに、上で述べた「レクサスLS対ヒュンダイソナタ」です。それぞれが持っている要素のどこにプライオリティを置くか、そういっただけの話なのです。 そして、輸送力だとか正確で安全であるとか、そういったものもあくまで「要素の一つ」でしかありません。 自家用車で喩えるなら、そりゃ安全快適に移動するという目的ならばとりあえずクラウンでも買っときゃいーじゃん、となるでしょう。ですが、誰もが600万円出せるわけじゃないよね、と。もしかしたらフーガで妥協するかもしれないよね、と。それだけの話です。 > 在来のハードとの互換性は、通常在来線が1435ミリである国家に、新幹線を売り込めていないわけですから、何ら証明されておりません(山形・秋田で充分だと思いますが)。 > 韓国は予算を理由にTGVを採用しましたが、予算だけが事情だとも考えられません。 輸送力となると、運行頻度については他国でもある程度実現されているいう事を考えれば、あとの決め手は車輌の大きさでしょうね。で、それこそがまさに「互換性」でしょう。 確かに、山形や秋田の新幹線は互換性は達成されていますが、輸送力は果たしてどうなのでしょう?車体そのものの輸送力は、それこそ在来線特急にも劣るものになっている筈ですよね。 結局、輸送力の優位など「リソースをどう配分したか」という先にある話でしかないのです。 |
> そもそも私が新幹線輸送よりも平日朝の都心輸送の方にシステムとしての凄さを感じてしまう人間なので、恐らく物事の捉え方が根本的に異なるのでしょう。 平日朝の都市輸送と新幹線輸送は本質的に同じであり、新幹線のほうがシステムとして高度かつ安全です。新幹線は、首都圏の現状において、通勤電車の側面を持ちます。 > 「新幹線がないことの弊害」程度は、交通網全体でカバーすればいいだけの話だと申しているのですが、ご理解いただけないようで残念です。「それ単体の旅客輸送能力」だけを見るならば確かに新幹線は優れたシステムであることは事実ですが、それはその他の役割を他のものが担っているからこそ実現できた、ということでしかありません。 私は航空であれ、道路であれ、在来線であれ、船舶であれ、否定したことは一度もないのですが。新幹線レベルの輸送需要が発生した場合「他の交通網全体でカバー」することなど、絶対に不可能だと言っているだけです。もちろん、他の交通機関とて同じです。 山手線を廃止して「他の交通網全体でカバー」することも不可能ですし、東名高速を廃止して「他の交通網全体でカバー」することも不可能でしょう。 > 輸送政策とは、それ単体の能力の優劣だけで語れるほどシンプルなものではないのです。 そんなこと自体、言っておりません。新幹線に代わるものはないという話をしただけです。 > ですから、「新幹線と全く同じ役割をする必要などどこにもない」のです。それに、標準軌であろうがどうであろうが、恐らく日本敗戦→技術者流出というシナリオに変化は無いでしょう。 新幹線でなければ運びきれないのですが。それを無理に「他の交通網全体でカバー」すると、環境悪化や産業構造の変化があり、史実よりよくなったとは思えないだけです。 > 標準軌であったならば大東亜戦争に勝てた、というのであれば、それはそれで素晴らしいことではありますが(笑)。。まぁ、ありえませんよね。 そんなことも一度も言ってないですよね。否定することは書いてますが。 > ごめんなさい、軍事は交通以上に全く知らないのでなんとも言えないのですが、「強い装甲と16インチの大砲を9本抱えてるごっつい船」という所が本質であり、その他の点は枝葉末節じゃないかとか考えてしまいます。 では「新幹線と在来線は同じ鉄道だから同じ」「双発レシプロ旅客機と4発ジェット旅客機も飛行機だから同じ」というようなものですね。 > 我々の近いところで喩えるならば、「確かに200km/h巡航するならレクサスLS460とヒュンダイソナタならば当然前者の方がいい…っていうか後者は頼むから勘弁だけど、でもただのVIP輸送ならどっちもお偉いさん2人運べる黒くてでかいセダンでしかないんだから、安い分ソナタの方がお買い得じゃね?」という程度の差でしかないように思ったのですが。 原付でカローラの役割を代替するようなものですね。カローラでトラックの役割を代替するようなものですね。それを枝葉末節とかたづけられないだけです。 > 事故率で云々されるのであれば、それこそ異常な死亡率を誇る自動車交通が何故廃れないのでしょうか。 > そういった枝葉末節の話は、輸送政策とは全く次元の違う話なのです。 輸送政策は、手段としての交通機関の性能を踏まえた上で決定されます。「新幹線のある世界」と「新幹線がない世界」での交通施策は異なりますし、当然結果も異なるでしょう。結果が代わるであろうことを指摘しているのに、「新幹線にこだわるのは枝葉末節」と言われても、困惑するばかりです。 > ですから、「超高速通勤電車」である必要などどこにもないのです。それを言ったら、貨物も「自動車より低コストで時間的にも正確な鉄道を使わないことにより多大な経済的損失が発生している」ことになります。 > 手段がどう変わろうと、需要と供給の総量なんて大して変化する筈も無いというのは、そういうことです。 そう思われるなら、新幹線や航空機がある前とあとで、東京−大阪の輸送総量を調べてみたらいかがですか? 効率的手段は新たな需要を生むことがわかると思います。 > 博識ではありませんが、田舎に住んでいた経験も持っていますので、その辺りは重々承知しております。また、現在都会に住んでおりますが、両者があらゆる点で比較にならないほど隔絶した存在になっているということも、また存じております。 > で、ローカル線や地方線についてですが、鉄道で運ぶほどの需要がない、または鉄道が無いようなところは自動車交通でやればいいだけの話ですよね。何故、全部移行する必要があるのでしょうか? 鉄道貨物は事実として衰退していると指摘したことが「全部移行する」と取られるのは侵害です。史実における、鉄道貨物関連の交通施策を見る限り(超赤字の国鉄の自主努力に任せる)鉄道貨物メインに、というのは不可能だと言っているのです。 > 需要が多い所と少ない所で用いる手段を変えて効率化を図る、その程度のハイローミックスは普通為されて然るべきでしょう。 > 幾ら大量の荷物を運べるからといって、赤帽がGVW25トンクラスのフルサイズトラックを用いることはありませんよね?それと全く変わらないお話です。 実際、鉄道貨物の環境負荷への小ささは注目されており、可能な範囲での以降は考慮されています。しかし、既存の流通システムに鉄道貨物を介在させようという動き自体が、ほとんど政策として存在したことがないため、理論上可能でも現実には極めて限定された分野に限られます。 ご指摘のような「為されてしかるべき」ことをしなかったのは、我が国の交通施策自体が赤字ローカル線や、地方高速道路に代表される、無駄な投資を容認し、総合的に見て環境によく、効率のいい輸送を実現しようという動きに乏しいことがあります。 > > 単に売り込み能力の差と国情の問題という気がしますが。 > > ですが、実際に競合して敗れた経歴はあるわけですよね。「特殊な事情」がある韓国はとにかくとして、ある意味国鉄の直系の弟子とも言える台湾に於いてもそうなってしまったのです。 台湾で勝利したのは、日本の新幹線システムなのですが。当初TGVになる予定で、駅やトンネルなど一部施設はその規格で作られているため、無駄に大きいのですが、基本的に日本新幹線です。 > 最後である程度の逆転はあったとはいえ、台湾の事例も「新幹線システム」として見れば、実質敗戦に等しい争いだったわけですよね。絶対的に優れているものならば、何故国が本腰を入れた売込みであったにもかかわらず、「すっきりしない」結果になってしまったのでしょう? 本腰を入れた売り込みをしていたのは、独仏であって、日本ではありません。 そして、新幹線VSTGVにおける、まどもな戦いは台湾のみです(すでにTGVシステムが普及している欧州で、新幹線を採用しようなどという国家があるでしょうか。まぁロシアは検討しているらしいですが)。韓国は特殊な事情によるものですから、問題外です。 台湾で勝利したことは、システムの優位性を示すものです。 > これはまさに、上で述べた「レクサスLS対ヒュンダイソナタ」です。それぞれが持っている要素のどこにプライオリティを置くか、そういっただけの話なのです。 > そして、輸送力だとか正確で安全であるとか、そういったものもあくまで「要素の一つ」でしかありません。 > 自家用車で喩えるなら、そりゃ安全快適に移動するという目的ならばとりあえずクラウンでも買っときゃいーじゃん、となるでしょう。ですが、誰もが600万円出せるわけじゃないよね、と。もしかしたらフーガで妥協するかもしれないよね、と。それだけの話です。 そんなレベルで満足できるような輸送状況なら、在来線で充分なのですよ。費用がかかる高速新線を新規に建築すること自体が国家プロジェクトであり、システムの優劣がまったく考慮されないというのは、もはや韓国のような「政治的な事情」そのものです。 > 確かに、山形や秋田の新幹線は互換性は達成されていますが、輸送力は果たしてどうなのでしょう?車体そのものの輸送力は、それこそ在来線特急にも劣るものになっている筈ですよね。 別に劣ってはいないのですが、大きく勝っていないことは確かですね。 > 結局、輸送力の優位など「リソースをどう配分したか」という先にある話でしかないのです。 では、なぜKTX(韓国新幹線)は「既存の鉄道システムより小車体で輸送力に劣る」TGVシステムを採用したのでしょうか。TGV側に柔軟性があるなら、車両限界を韓国に合わせた、地域の実情に合う大型車両を導入すればいいだけのことです。 現実は、車両の内装まで完全にTGVそのものであり、後ろ向きの座席など、韓国の文化に合わない規格を持ち込んで不評をかっています。これは台湾新幹線で欧州側が示した経緯でも同じです(欧州規格で新幹線並みの輸送力という仕様を実現するために、異常な長編成化を提案し、駅のインフラ施設に過剰投資させた、など)。 欧州は最初から「アジアの高速新線に必要な小ロットのための新規開発」など、するつもりはないのです。これは日本も同じですが、同じである以上、元々車両限界も輸送力も定時制も快適性も安全性も保線のし易さも全て上で、建築物は小さくて済む新幹線を導入するほうが、いいことは自明の理です。リソースの再配分などしてくれないのですから。 |
本筋はもう片方で触れたので、こっちは更にどーでもいい雑談だけ。 > > 我々の近いところで喩えるならば、「確かに200km/h巡航するならレクサスLS460とヒュンダイソナタならば当然前者の方がいい…っていうか後者は頼むから勘弁だけど、でもただのVIP輸送ならどっちもお偉いさん2人運べる黒くてでかいセダンでしかないんだから、安い分ソナタの方がお買い得じゃね?」という程度の差でしかないように思ったのですが。 > > 原付でカローラの役割を代替するようなものですね。カローラでトラックの役割を代替するようなものですね。それを枝葉末節とかたづけられないだけです。 大型セダンでは分かり難かったようですね。混乱させてしまって申し訳ありません。 「すげー速くて4人乗れるけど荷物乗らない」メルセデスCLが新幹線、「そこそこの速さだけど4人乗れて荷物も載る」クラウンエステートが標準軌複々線の在来線、と考えましょう。 2台車を持てる場合、前者が1台あるとすれば、もう1台は荷物載る車でないと困ります。でもCLが高くて元々持ってるミラターボ(=史実の在来線)を買い換えることはできませんでした、と。で、ミラターボでも運びきらない荷物も出ちゃってさぁ大変、仕方ないから宅配便(=自動車貨物)使うかー……ちっくそ、たけーなぁ――これが、史実の鉄道輸送を巡る状況です。 で、今回のスレのお題では、車は後者が2台あります。ミラターボでは運べなかった荷物も、クラウンエステートならリアシートを畳めば運べるから、宅配便頼むのは洋服タンスとかくらいだなぁ、と。勿論人は運べるわけだし、大して速いわけじゃないけど結構便利なんじゃね?という話です。 この位喩えを身近にすれば、理解していただけるでしょうか。 |
> > 原付でカローラの役割を代替するようなものですね。カローラでトラックの役割を代替するようなものですね。それを枝葉末節とかたづけられないだけです。 > > 大型セダンでは分かり難かったようですね。混乱させてしまって申し訳ありません。 軽自動車と、マーチ・ヴィッツ・フィット・デミオ・コルト等の小型乗用車程度の差も微妙という程度の話じゃないかと。 |
> > > 原付でカローラの役割を代替するようなものですね。カローラでトラックの役割を代替するようなものですね。それを枝葉末節とかたづけられないだけです。 > > > > 大型セダンでは分かり難かったようですね。混乱させてしまって申し訳ありません。 > > 軽自動車と、マーチ・ヴィッツ・フィット・デミオ・コルト等の小型乗用車程度の差も微妙という程度の話じゃないかと。 そうですね、確かに喩えが浮世離れしすぎでした。 小型乗用車だぞー、軽より速いんだぞー、偉いんだぞー、と言ったところで結局お前ブーンX4じゃん、という程度の話ですね、確かに。 |
> ですから「当初から標準軌」である架空の日本鉄道は、120〜130キロ程度の運転速度は充分に可能だったと考えます。つまり、東京−大阪間6時間です。 日本の鉄道のネックは軌間ではなく、地盤に起因する軌道構造の弱さであり、地形に起因する平面・垂直線形の悪さです。これを解決しないことには狭軌も標準軌も大差ありません。地形克服に関してはトンネル掘削技術や架橋技術などの問題ですから、狭軌と標準軌で線形がそれほど変わるわけではありません。 大正期の広軌化論争においても、従来狭軌の軸重14tに対し、改良狭軌16t、標準広軌18t、改良広軌22tと、軸重強化がセットになっているのです。また、東海道本線の改良は戦時中まで延々と続けられましたが、それでも戦後の110km/hの電車特急のスピードアップでも軌道強化を強いられています。重く軌道破壊の大きい機関車牽引列車で100km/h以上の巡行を可能にする軌道強化が可能かどうかは、基本的にはかける費用の問題ですし、線形を考えれば狭軌でも可能なスピードアップしか実現しないと思われます。 なお非常ブレーキ距離に関しては必要とあれば基準を変えればいいだけの話ですし、現にこの基準は廃止されています。基準を変えても旧基準に合わせた保安装置を丸ごと作り替える必要がありますが、これが東海道本線ならばやるでしょう。 標準軌化でどこまでやるのかを想定するのは、それこそIFが多すぎて何とも言えないのですが、いずれにせよ、国の経済力や技術力の制約によって建設当初の規格は低く、その改良工事を延々と続けるという史実の東海道本線と同じようなものになると思われます。 なお、標準軌化は明治21年に陸軍参謀本部から要求が出され、経済的ではないと鉄道局が拒否しているのが最初です。その後軍部も「鉄道網普及と一元的経営」を求める方向に方針転換しています。これが鉄道国有化へのきっかけとも言えます。 また、弾丸列車構想は日中戦争による輸送力不足を見越した複々線化ですから、何らかの形で計画されたでしょうし、そこに見られる仕様は機関車牽引のための軸重25tを除けば、東海道新幹線によく似たものが計画されています。 超高速鉄道については、フランスはかなり昔から積極的に取り組んでおり、日本の新幹線の特徴は、線路を全部丸ごと作ったことです。TGVの実用化の遅れも、当初開発のガスタービン車がオイルショックで計画が潰れたことが大きく、区間を限っての200km/h運転は普通に実施していたのです。 > 特に運行頻度は新幹線の2〜3分ごとに対して、欧州は1時間なのです。 TGV南東線は現在では3〜4分毎の運転が可能になっており、東海道新幹線とほぼ互角です。1本あたりの輸送力が違いますから、輸送力自体は新幹線の方が上ですが。 |
> 日本の鉄道のネックは軌間ではなく、地盤に起因する軌道構造の弱さであり、地形に起因する平面・垂直線形の悪さです。これを解決しないことには狭軌も標準軌も大差ありません。地形克服に関してはトンネル掘削技術や架橋技術などの問題ですから、狭軌と標準軌で線形がそれほど変わるわけではありません。 以下、改軌ではなく「当初から標準軌であった場合」の話です。 朝鮮・満州の鉄道の車両限界は高さ4.8m、幅3.4mです。弾丸列車も同一仕様で計画されています。日本本土が標準軌なら、日本が朝鮮を領土にした時点で、車両限界を統一しようとすることでしょう(軌間が同じなら車両の航送を行うでしょうから)。 そして狭隘な日本の地形で、このような大柄の車両限界を実現するとしたら、狭軌と同じ線形になるとはとても思えません。標準軌鉄道は性能面でも現実の狭軌とは異なるわけですから、鉄道の建設計画自体が、現実のそれとは異なるものとなったことでしょう。 英国でもブルネルの超広軌鉄道(軌間7フィート4分の1。標準軌が4フィート8インチなので2倍近い)は、標準軌鉄道に対して圧倒的な性能優位を示したものの、建設費が高額すぎることと、建設できる場所が限られてくること(もちろん、既存鉄道と互換性がないことも含まれますが)によって、1848年の軌間法により息の根を止められています。つまり、軌間が違えば線形も何も全て変わってくるということだと思います。 地盤が弱いことは、ご指摘通り日本鉄道における不利な要因だと思います。 しかし、同じく狭軌であるニュージーランドは、わずか軸重14トンの線路、車両限界も高さで日本を50センチも下回る条件下において、400トンの列車を時速137キロ(動輪が毎分465回転ですから、標準軌の175キロに匹敵します)で牽引できるモンスター蒸機・ka形(1939年。C62より前。C59と同世代です)を実現しています。 これは、ローラーベアリング、一体鋳鋼シリンダーフレーム、重油専焼など、当時の日本にはない技術によって実現されたものですし、高頻度運転により、軌間の補修が難しい日本と直接比較できるものではありませんが、軸重が厳しいから日本では130キロ運転は無理と、単純に言えるものではないでしょう。 狭軌で軸重14トンで137キロ運転ができるのに、標準軌で軸重が最低でも16.7トン(史実の東海道線)ある鉄道が、史実通り95キロ運転などということはあり得ません。あじあ号のパシナでも135キロまでは出したことがあるのですから。 そして、130キロを発揮できる区間が限られていたとしても、それが実現したなら、東京−大阪間で6時間は余裕で達成できるでしょう(110キロ運転の151系こだまより、30分短縮するだけなのですから)。 > 大正期の広軌化論争においても、従来狭軌の軸重14tに対し、改良狭軌16t、標準広軌18t、改良広軌22tと、軸重強化がセットになっているのです。また、東海道本線の改良は戦時中まで延々と続けられましたが、それでも戦後の110km/hの電車特急のスピードアップでも軌道強化を強いられています。重く軌道破壊の大きい機関車牽引列車で100km/h以上の巡行を可能にする軌道強化が可能かどうかは、基本的にはかける費用の問題ですし、線形を考えれば狭軌でも可能なスピードアップしか実現しないと思われます。 標準軌である満鉄の軸重は24トンです。「当初から標準軌」の日本鉄道は、最低でも幹線18トンを基準とされるのではないのですか? もちろん、東海道線などは22〜24トンを実現するでしょう。路盤が弱いといっても、広軌下論争において具体的な数値が出ているわけですから、ご指摘通り、維持費の負担をどのように考えるかではないでしょうか。 そして「世界の一等国」のメンツにかけてでも、東海道・山陽本線くらいは、軸重24トンでの高速運転を行うのではないでしょうか。 この線路条件下で欧米の技術導入も行えた場合、東京−大阪間6時間どころか、5時間30分程度は可能であり、弾丸列車と大差ないことになります。 > なお非常ブレーキ距離に関しては必要とあれば基準を変えればいいだけの話ですし、現にこの基準は廃止されています。基準を変えても旧基準に合わせた保安装置を丸ごと作り替える必要がありますが、これが東海道本線ならばやるでしょう。 在来線の600m規定がいつ廃止されたのでしょうか。この基準がなければ、在来線でも踏切のないほくほく線で160キロ、青函トンネルで140キロ運転が行われていることからもわかるように「車両性能を活かした」特急運転が行われるのは間違いないでしょう。 で、ことが安全面だけに、一度600mと決まったら、変えることは困難です(実際に、車両性能が大幅に向上し、最高速度も上がっていますが、一度も改正されていません)。 なお前回英国が850mと書きましたが、訂正します。英国はブレーキ距離の規定がありません。ドイツで1000m、スイスで850mです。 > 標準軌化でどこまでやるのかを想定するのは、それこそIFが多すぎて何とも言えないのですが、いずれにせよ、国の経済力や技術力の制約によって建設当初の規格は低く、その改良工事を延々と続けるという史実の東海道本線と同じようなものになると思われます。 そこは否定しません。全体的に標準軌となった分だけ底上げされ、建設費の関係で敷設距離は減るでしょう。ただし、欧米と対等条件下で「狭軌だから」の言い訳ができませんから、英国蒸気特急「フライング・スコッツマン」の160キロ運転は無理にしても、近い速度の「一点豪華主義」的高速列車が実現すると思います。 > なお、標準軌化は明治21年に陸軍参謀本部から要求が出され、経済的ではないと鉄道局が拒否しているのが最初です。その後軍部も「鉄道網普及と一元的経営」を求める方向に方針転換しています。これが鉄道国有化へのきっかけとも言えます。 鉄道導入時に確か大隈重信が、英国人技師に「ゲージ(軌間)はどうする」と聞かれたさいに「日本は狭いから、そんなに大きなものでなくてもよい」と答えたのが、狭軌となった原因です。日本の3フィート6インチゲージは、南アフリカやニュージーランドと同じ、植民地用軌間幅であり、だからこそ「一等国らしく国際標準軌に」という動きに対し、技術面での有利以外の支持も、ある程度集まったのです。 > また、弾丸列車構想は日中戦争による輸送力不足を見越した複々線化ですから、何らかの形で計画されたでしょうし、そこに見られる仕様は機関車牽引のための軸重25tを除けば、東海道新幹線によく似たものが計画されています。 私はその件について「弾丸列車ではなく、東海道本線に沿った、複々線化」が行われると申し上げている通りです。画期的な国力増強が行われない限り、標準軌鉄道で高速高頻度運転を行いつつ、新幹線に手を出す余力は、当時の日本にはないと思います。 > 超高速鉄道については、フランスはかなり昔から積極的に取り組んでおり、日本の新幹線の特徴は、線路を全部丸ごと作ったことです。TGVの実用化の遅れも、当初開発のガスタービン車がオイルショックで計画が潰れたことが大きく、区間を限っての200km/h運転は普通に実施していたのです。 そこについては存じ上げております。 記述が不正確だったかもしれませんが、新幹線とTGVは思想の時点で別物であり、同一に比較するべきものではないというのが趣旨です。 > TGV南東線は現在では3〜4分毎の運転が可能になっており、東海道新幹線とほぼ互角です。1本あたりの輸送力が違いますから、輸送力自体は新幹線の方が上ですが。 ご教授ありがとうございます。ホームがステップ付きで二階建て車両の南東線において、3〜4分運転を行うというのは、信じられない思いです。 南東線のダイヤを見ないとなんとも言えませんが(日本のように、速度・停車駅の違う列車が入り交じっているのでしょうか)、新幹線の高頻度運転はTGVができるずっと前からのことであり、数十年遅れていた部分を取り戻してきたということでしょう。 とはいえ鉄道システム全体として、安全面も含めた新幹線のシステム構想がTGVやICEに劣っているとは、まったく思えないことには変わりありませんが。 |
>日本本土が標準軌なら、日本が朝鮮を領土にした時点で、車両限界を統一しようとすることでしょう(軌間が同じなら車両の航送を行うでしょうから)。 大陸との車両限界の統一はそれこそ簡単な話ではありません。 車両限界の拡大で建築限界との余裕をそのままという訳にはいきません。つまり、トンネルの断面は大きくなり、橋梁の幅も巨大化するのです。線路は曲げて作るのではなく曲がってしまうのです。また在来線と弾丸列車(新幹線)の違いには沿線の町をこまめに結ぶか大きな町以外は無視するかという違いもあります。 明治初期の日本に大断面のトンネルを掘り、巨大な鉄橋をかけるだけの金と技術があるのでしょうか。昭和開通の丹那トンネルを掘るのに何年かかりました?この時点での最長トンネルは4km台の笹子トンネルですが、これこそ迂回しようがないから必死で掘ったようなものです。しかも現代においても中央東線の車両には特殊なパンタグラフ(もしくは低屋根)を要するくらいに断面の小さいトンネルです。 また、複線間隔を広げる必要があります(つまり線路に沿って延々と用地買収をする必要がある)し、相対式ホームになっている駅はホームもろとも作り直しです。駅という一番土地の高い場所で土地を買う必要もあります。車両基地も線路を全部敷き直しであり、同等の収容力を持たせる為には基地を広げなければなりません。 それこそ一から全部作り直した方がマシでしょう。それが弾丸列車計画ですが。 ついでに言えば、車両限界が小さい車両が大きい線路に直通するのは技術的には問題無いのですし、特に貨車は全く問題無いのですから、日本国内の車両限界を拡げる必要がどこにあるのでしょうか。 標準軌の方が限界性能が高まるのは事実ですが、史実と同様の費用をかけた東海道本線は今の東海道本線の線路が広いだけの代物ですから、それ以上にするにはそれ以上の予算をかけなければなりません。 さて、軍事面から言えば、日露戦争前後における陸軍の鉄道に対する方針は「軍事輸送の為には鉄道の普及と一元的経営が望ましい」というものであり、当初の改軌から方針転換しています。一元的経営というのは国有化ですが、1899年に国会にかけた時には軍事力増強に予算を取られて実現せず、日露戦争での軍事輸送において私設鉄道との連携がスムーズいかなかったことで一気に実現にこぎ着けました。 一方鉄道網の普及に関して言えば、この当時の鉄道敷設法に定められた鉄道網の完成をもって一応の目安と出来るでしょうけれど、その完成に目処が立ち次なる鉄道建設の一覧をまとめた改正鉄道敷設法の公布が1922年ですから、この頃までは大規模な改良はそれこそ陸軍には許容できないでしょう。 そして1929年には世界恐慌で鉄道改良費は一気に減少します。それまでは営業収入の約4割を建設・改良に注ぎ込んでおり、改良費は建設費の倍以上を注ぎ込んでいます。この状況下で車両限界拡大の予算をどこから捻出するのでしょうか。 |
改良についてや土木技術の問題は承知した上で、発言しているつもりです。 日韓併合以降に建設する鉄道(少なくとも幹線)については、大陸準拠の車両限界が考慮されるのではないか、ということです。 そして必要な幹線については、必要な区間から改築が行われていくのではないかと。もちろん、そのための投資は莫大なものでしょうから、少なくとも戦前の弾丸列車などはあり得ないと申し上げているわけです。 > ついでに言えば、車両限界が小さい車両が大きい線路に直通するのは技術的には問題無いのですし、特に貨車は全く問題無いのですから、日本国内の車両限界を拡げる必要がどこにあるのでしょうか。 標準軌化のメリットは「車両限界を拡大しても、安全性を保てる」ことにもあります。 大陸との海底トンネルまで考慮された時代ですから、その改良を行うことが、将来的にメリットがあると見なされるのではないかと。 > 標準軌の方が限界性能が高まるのは事実ですが、史実と同様の費用をかけた東海道本線は今の東海道本線の線路が広いだけの代物ですから、それ以上にするにはそれ以上の予算をかけなければなりません。 私は改軌の話はしていません(実現しないからです)。最初から標準軌だった場合の話をしています。史実と同じ線形にはならないと思います。「蒸気機関車の挑戦」に、狭軌と標準軌の差が書かれているので、引用します。 1859年、オーストラリアで(中略)独立分離したクィーンズランド州は、独自の選択権を行使して、3フィート6インチゲージを選択することになった。隣のニューサウスウェールズ州は標準軌を採用していたので、接続を考えることは常識だが、当時人口12万人のクィーンズランド州としては、(中略)安上がりとなる狭軌を強硬に主張。議会も同調して、今に残る3フィート6インチ鉄道が生まれることになった。(中略) 穏やかな谷底に近く等高線に沿って曲がりくねって走る線路跡は、当時の狭軌鉄道のメリットを生かしたものだったことがわかる。フィッツギボン技師の計算によれば、ここから山に向かって行くのに、半径160メートルの標準軌でいけば、マイル辺り46000ポンドかかるのに対して、半径100メートルの狭軌で建設すれば15000ポンドと3分の1の費用で済む。高い橋や長いトンネルなどという余計なものがいらないからだという。 このクィーンズランド州と日本鉄道の条件はほとんど同じです。3フィート6インチ(1067ミリ)は日本在来線と同じだからです。 新規建設路線で、標準軌と狭軌が同じ線形ということはあり得ないと思います。 > さて、軍事面から言えば、日露戦争前後における陸軍の鉄道に対する方針は「軍事輸送の為には鉄道の普及と一元的経営が望ましい」というものであり、当初の改軌から方針転換しています。一元的経営というのは国有化ですが、1899年に国会にかけた時には軍事力増強に予算を取られて実現せず、日露戦争での軍事輸送において私設鉄道との連携がスムーズいかなかったことで一気に実現にこぎ着けました。 > > 一方鉄道網の普及に関して言えば、この当時の鉄道敷設法に定められた鉄道網の完成をもって一応の目安と出来るでしょうけれど、その完成に目処が立ち次なる鉄道建設の一覧をまとめた改正鉄道敷設法の公布が1922年ですから、この頃までは大規模な改良はそれこそ陸軍には許容できないでしょう。 もう一度、私のカキコを見て頂きたいのですが、全て「明治初期の鉄道導入時に、大隈重信がゲージの意味を理解しており、最初から国際標準軌を採用していた場合」の話です。 従って、史実の改軌の動きの話をされても、意味がないと思います。 > そして1929年には世界恐慌で鉄道改良費は一気に減少します。それまでは営業収入の約4割を建設・改良に注ぎ込んでおり、改良費は建設費の倍以上を注ぎ込んでいます。この状況下で車両限界拡大の予算をどこから捻出するのでしょうか。 少なくとも1910年(多分、日露戦争後に、満鉄を標準軌化した辺り)から建設する路線は、大柄の車両限界になっていたのではないか、という話です。 これも史実通りの推移とはならず、建設路線自体減っていたのではないか、ともすでに申し上げています。というか、私は一度も「標準軌にしておけばよかった」という立場に立ってはいないのですが。史実通りの狭軌で、戦後に新幹線がベストだと思います。 |
最初にそう書いているはずです。 標準軌だから高規格のものを作れるのは事実ですが、標準軌だから高規格で作らなければならない訳ではありません。工事の費用を決めるのは土木工事の量です。狭軌ならば道床と枕木の幅が40cm狭くできる分は確実に標準軌より安くなりますが、それ以外は土木工事の量(ニュージーランドでも差はこれでしょ)次第です。そして線形を良くするというのは土木工事を増やすということです。 箱根登山は極端にしても、新京成や京成、京阪、阪神なんか国鉄よりもよっぽど線形が悪い線路を敷いているんですよ。(京成は元は馬車鉄ゲージですがそれでも狭軌よりは広かった) そして日本の国鉄は狭軌だからって極端に小さな半径の曲線は基本的には採用しません。そういうのは軽便鉄道法の範疇です。 史実以上の土木工事をやる金が明治の日本にあったんですか?(技術はあったことにしましょう)という話です。 そしてもう一つ、車両限界の拡大を簡単に考えないでください。戦前に東海道本線を長期運休に出来るんですか?改軌だけなら簡単ですが(京成のように)、軌道強化を併せて行えば車両限界そのままのミニ新幹線程度でも数ヶ月の運休になるんです。 |
> 改軌だけなら簡単ですが(京成のように)、軌道強化を併せて行えば車両限界そのままのミニ新幹線程度でも数ヶ月の運休になるんです。 一応補足。 複線間隔を拡げる必要がありますから、道床を作り直し、枕木を並べ直し、線路を全部敷き直す訳で、改軌とやることはたいして変わらない(というかそれ以上の手間がかかる)ので運休した例としてミニ新幹線を出しただけです。 |
> 標準軌だから高規格のものを作れるのは事実ですが、標準軌だから高規格で作らなければならない訳ではありません。工事の費用を決めるのは土木工事の量です。狭軌ならば道床と枕木の幅が40cm狭くできる分は確実に標準軌より安くなりますが、それ以外は土木工事の量(ニュージーランドでも差はこれでしょ)次第です。そして線形を良くするというのは土木工事を増やすということです。 明治初期において、鉄道技術に対して定見を持つ日本人はいませんよね。 模倣から入ったのが我が国の近代化ですから、最初から標準軌を導入したなら、その意味を理解するまでは、英国並みの基準での鉄道建設を行うでしょう。 最初の時点でもう史実と同じにはなり得ないということです。 建設費がやたら高い、ということが問題になってから、基準の緩和を行うでしょうが、車両限界などは「最初に決めてしまった」なら、大きく変えることは無理でしょう。 つまり車両限界も標準軌対応ですから、史実の在来線よりやや大きくはなるでしょう。 > 箱根登山は極端にしても、新京成や京成、京阪、阪神なんか国鉄よりもよっぽど線形が悪い線路を敷いているんですよ。(京成は元は馬車鉄ゲージですがそれでも狭軌よりは広かった) そして日本の国鉄は狭軌だからって極端に小さな半径の曲線は基本的には採用しません。そういうのは軽便鉄道法の範疇です。 あげられた鉄道は全て「電気鉄道」なのですが。「蒸気機関車牽引列車」と「電車」では走行安定性が段違いです。あげられたような「よっぽど線形が悪い」標準軌の上を、蒸気列車が「高速で」走ったというような事実はありますか? 都市間輸送を考えるのが、国鉄の役目です。標準軌鉄道を敷設する以上、諸外国の実例を参考にし、史実よりも大きな曲線を採用したであろうと考えることが、そんなに妥当性がない考えなのでしょうか。建設費の観点からオーストラリアのように、狭軌と標準軌が混ざった国になる可能性もあります。なんであれ、史実通りになるとは思えません。 > 史実以上の土木工事をやる金が明治の日本にあったんですか?(技術はあったことにしましょう)という話です。 だから「史実より建設距離が減るだろう」と前から言っているのですが。 > そしてもう一つ、車両限界の拡大を簡単に考えないでください。戦前に東海道本線を長期運休に出来るんですか?改軌だけなら簡単ですが(京成のように)、軌道強化を併せて行えば車両限界そのままのミニ新幹線程度でも数ヶ月の運休になるんです。 現実に、1921年の建設規定の改正で「車両限界の拡大」が行われています。 これは広軌論を検討する過程の中で、「車両限界と建築限界の余裕サイズが、元々欧米よりも大きい」ことが判明したためです。これにより、車体幅2743ミリが最大3100ミリまで認められるようになっています。 ご指摘のように「施設改良が追いつかない」ために、1929年に実情に合わせて3000ミリに縮小されますが、これでも西欧の標準軌車両に近い大きさなのです。 で、弾丸列車の建築時にも「満州との直通を考慮して」同一車両限界を採用したという記述があります。少なくとも東海道・山陽本線など、重要幹線は、中長期的に「車両限界の拡大」施策を行っていくように思います(軍事輸送のメリットを発揮する上でも必要です)。 そして、前述のとおり「最初から標準軌」の日本鉄道は、史実より大きな車両限界を元から持っていたと思います(英国基準なので大差ない可能性もありますが)。その車両限界が満鉄と大差ないなら、車両限界拡大施策は行われないとは思います。 |
細かい話はさておいて、ツリーの本題に戻れば、史実よりも鉄道網が劣った状態で、日清戦争、日露戦争の軍需輸送を行うわけですね。他に船舶輸送もあるのでどうなるとはいちがいには言えませんが、日清、日露戦争時の軍需輸送への影響はどうなるのでしょうか。 軍隊が鉄道普及を求めた理由も軍需輸送なのですが。 |
皆さんの論議を読んでいると、僕も参加したくなりますが、 議案は「軍事面や史実、仮想戦記と鉄道について」です。 > 皆さんは、鉄道が日本の軍事や史実にどう影響したと考えますか? 鉄道が軍事政策や思想、兵器開発等に与えた影響について、軍が鉄道政策に及ぼした影響について議論しましょうか、と言う意味です。 > また、線路の改軌がされたり、電化が早期に進んだりしたら、こうなったかもしれないというのはあるでしょうか?お聞かせいただけたらうれしいです。 これには、鉄道標準軌開業の場合も含めて戦史に及ぼしたかもしれない影響についてや仮想戦記で考えられることについて議論したいと思います。 あ、僕は改軌や早期電化については疑問符をもっていますのであしからず。 |
仮想戦記のような国力改竄に対する影響:標準軌化や高規格化などの改良を行ったとしても、世界恐慌などで経済全体がうまくいかなくなれば輸送量は減少し、過剰な社会資本が発生するだけのこと。 仮想戦記の世界は、多くの経済的要因、外生変数を考慮しないで国力改竄ごっこやってるわけでしょ。そんな議論はあまりやる意味がありませんね。 |
> 鉄道が軍事政策や思想、兵器開発等に与えた影響について、軍が鉄道政策に及ぼした影響について議論しましょうか、と言う意味です。 標準軌により鉄道の軸重と車両限界拡大が行われれば、もう少しまともな戦闘車両が作れた、というくらいではないでしょうか。とはいえ、仕様が大幅に変わるとも思えませんから、たかが知れているでしょう。道路は史実並みか、鉄道に予算を取られて史実以下なわけですし。 > これには、鉄道標準軌開業の場合も含めて戦史に及ぼしたかもしれない影響についてや仮想戦記で考えられることについて議論したいと思います。 特にないのではないでしょうか。戦車などの性能が多少違っても、ほとんど何の影響もないでしょうし、国内輸送が史実より順調に推移しても、商船が最初から全然足りないとか、その足りない商船が米潜水艦だの空母だのに食われるという根本問題は、何ら解決しないので。 だから、戦後が変わるのでは? という話をしているのです。もっとも軌間が同じなら、新幹線以前に、米国が自国の中古車両を、日本に対して無理矢理売りつけてきそうなので、その影響がありそうです(車両限界が違うので、影響は限られるでしょうが)。 |
高村様 ごぶさたしております。 議論と言うよりは質問になってしまいますがよろしくお願いします。 > 既存システムの範囲内である以上、鉄道施設改良や、発電所・変電所などのインフラ強化を伴わなければ、電化の効果を発揮できません。その程度の性能差で、多大な投資をするほどのメリットがあるのでしょうか。どちらにせよ、鉄道システム上の問題で、性能差は生かしきれないのです。 > > > 特にないのではないでしょうか。戦車などの性能が多少違っても、ほとんど何の影響もないでしょうし、国内輸送が史実より順調に推移しても、商船が最初から全然足りないとか、その足りない商船が米潜水艦だの空母だのに食われるという根本問題は、何ら解決しないので。 > だから、戦後が変わるのでは? という話をしているのです。 高村氏のご意見の抜書きになってしまい申し訳ないのですが、近似の事例として日本造船業界はまさに戦後に変わっています。そして戦前に船舶の大型化を図っても港湾設備や荷役設備のインフラ強化をしなければ大型化の効果を発揮できません。鉄道においても同じ状態であっただろうというのは容易に推測できます。 ただ局所的に改善しようとした、ないしは技術を自家薬籠のものとしようとした形跡は随所に見られる(勾配区間の電化や本国ですら不安定と思われていた電気機関車の国産化)わけで、公共対策事業としては艦船建造よりは(国内で富というか交通インフラの改善、電気事業・工業界の発展を促せる・技術のムラの是正という意味において)効果が期待できたでしょうし、産業振興策としても意味があったのではないか?と考えているのですがいかがでしょうか? |
> 高村様 > ごぶさたしております。 > 議論と言うよりは質問になってしまいますがよろしくお願いします。 大変ご無沙汰しております。 RNRさまのような博識な方に、私が語れるようなことはあまりないと思いますよ。 > 高村氏のご意見の抜書きになってしまい申し訳ないのですが、近似の事例として日本造船業界はまさに戦後に変わっています。そして戦前に船舶の大型化を図っても港湾設備や荷役設備のインフラ強化をしなければ大型化の効果を発揮できません。鉄道においても同じ状態であっただろうというのは容易に推測できます。 実のところ、鉄道は終戦時に70%の稼働車両を残しています。蒸気機関車14%、客車19%、電車26%、貨車8%が被害内訳です。 この生存車両は、戦時中の整備不足や粗製濫造により、事故を多発する状況であり、乏しい予算をやりくりして、特に危険な木製車両5,949両の鋼体化が進められています。これは、1949年から7年間かけて行われ、3,530両が完成しています(残りは廃車)。 この鉄道からの木製車両追放は、世界でもっとも速く行われています。 また戦前から複線化・電化・軌道強化・自動連結器への一斉取り替え、空気ブレーキの導入といった、周辺改良は車両性能向上と合わせて行われ、改軌論があった時点で60往復が限界とされていた東海道本線は、200往復以上の輸送力を持つに至っています。 この辺りの改善は、海軍の軍備計画同様、戦時を除いては健全なものでした。 > ただ局所的に改善しようとした、ないしは技術を自家薬籠のものとしようとした形跡は随所に見られる(勾配区間の電化や本国ですら不安定と思われていた電気機関車の国産化)わけで、公共対策事業としては艦船建造よりは(国内で富というか交通インフラの改善、電気事業・工業界の発展を促せる・技術のムラの是正という意味において)効果が期待できたでしょうし、産業振興策としても意味があったのではないか?と考えているのですがいかがでしょうか? 質問に対し、直接お答えするようなことは書けませんね。 ただ、昭和初期に英国から電気機関車を大量導入したのは、ロンドン条約を巡っての英国との駆け引きからとも言われています。鉄道自体が軍事施設ですから、国家とは切り離せるものではないですし、納得できるところです。 また、鉄道があることで雇用が生まれたり、各地域における生活レベルの均質化が進んでいくこと。つまり産業振興効果は間違いなくあったでしょう。 |
高村様 こちらこそ多忙にかまけてレスが遅れまして申し訳ございません。 > > 実のところ、鉄道は終戦時に70%の稼働車両を残しています。蒸気機関車14%、客車19%、電車26%、貨車8%が被害内訳です。 やはり電車の被害が多いのが気になります。この内訳からは電化による抗堪性 の低下の懸念を裏付けているように読めます。意外なのは貨車の被害が少ないこ とでしょうか。 > この鉄道からの木製車両追放は、世界でもっとも速く行われています。 戦時急造の63型電車やD52改修などに現れていると思いますが、それでありながら戦後早い時期に湘南80型電車やC62機関車が出現しているのは戦争中にある程度先を見越した設計や仕様検討がなされていたのでしょうか? > また戦前から複線化・電化・軌道強化・自動連結器への一斉取り替え、空気ブレーキの導入といった、周辺改良は車両性能向上と合わせて行われ、改軌論があった時点で60往復が限界とされていた東海道本線は、200往復以上の輸送力を持つに至っています。 そうなると改軌論者の根拠は覆ってしまうのではないでしょうか?弾丸列車にしても貨物列車が客車列車や電車列車のような運航速度を出せないと交通システムである以上、行動不能になった戦車同様、「障害」になってしまうのではないでしょうか? > ただ、昭和初期に英国から電気機関車を大量導入したのは、ロンドン条約を巡っての英国との駆け引きからとも言われています。鉄道自体が軍事施設ですから、国家とは切り離せるものではないですし、納得できるところです。 > また、鉄道があることで雇用が生まれたり、各地域における生活レベルの均質化が進んでいくこと。つまり産業振興効果は間違いなくあったでしょう。 myu5氏とのやり取りでも触れましたが、基本的に日本の内航海運は地場海運を元にして出来ています。それが汽船の出現&重化学工業化により機帆船の混在から汽船化していく途上に昭和初期〜戦後直後はあったのだろうと思います。 これと同じような状況に弱小私鉄(言葉は悪いですが)の省線化があったように思うのです。ここに電化や電気機関車の性能向上は電気部品の性能向上や発電所・変電所建設による地方都市への電力供給といった生活レベルの均質化や雇用創出効果はあったのでは?と愚考するところです。 |
> > 実のところ、鉄道は終戦時に70%の稼働車両を残しています。蒸気機関車14%、客車19%、電車26%、貨車8%が被害内訳です。 > > やはり電車の被害が多いのが気になります。この内訳からは電化による抗堪性 > の低下の懸念を裏付けているように読めます。意外なのは貨車の被害が少ないこ > とでしょうか。 電車の被害は、都市への空襲の結果、市内、郊外とも、電車庫、電車区の被災により多くの留置車両が焼失しました。抗甚性の低下でなく、都市への空襲による市内・近郊電車線の施設被災が主な原因です。 > 戦時急造の63型電車やD52改修などに現れていると思いますが、それでありながら戦後早い時期に湘南80型電車やC62機関車が出現しているのは戦争中にある程度先を見越した設計や仕様検討がなされていたのでしょうか? 車両の鋼製化は関東大震災以後、車両の高速化、大型化のための強度不足と、木材高騰がその端緒です。客車の鋼製化はすでに1920年代後半のオハ31系から始まっています。そして1929年から32年にかけて、鋼製化20m車たるスハ32系の配備が始まり、38年にはオハ35系の配備が始まります。電車は1926年の30系から始まります。鋼製化の動きは既に戦前からなされているのです。 > > ただ、昭和初期に英国から電気機関車を大量導入したのは、ロンドン条約を巡っての英国との駆け引きからとも言われています。鉄道自体が軍事施設ですから、国家とは切り離せるものではないですし、納得できるところです。 輸入電気機関車は3回に分けて導入されています。第1回は1923年から25年にかけて、電化工事開始と共に、技術導入、運用試験用として4形式、第2回は1925年前後に全て英国、イングリッシュエレクトリック社製で、4形式を東海道線国府津電化にあわせて輸入。第3回は丹那トンネル開通を控えてのもので、1926年に4形式が輸入されています。製造国は英、米、独、瑞西で、確かに最多導入は第2回の英国製ですが、年代的に見てロンドン条約絡みと言うのは有り得ないと思います。むしろ幹線電化を狙った、メーカー及び輸入商社の営業力が大きくモノを言ったようです。 |
> 電車の被害は、都市への空襲の結果、市内、郊外とも、電車庫、電車区の被災により多くの留置車両が焼失しました。抗甚性の低下でなく、都市への空襲による市内・近郊電車線の施設被災が主な原因です。 京王(当時は大東急でしたか?)井の頭線の永福町車庫のような事例が多いのは理解できるのですが、そのような戦略爆撃は当然のことながら工場や港湾施設にも向けられていたわけでその上で貨車が8%というのは少ないのではないか、電車は走行中あるいは停車中に架線が銃撃や爆撃を喰らって動けなくなった(トンネルなどへの退避)時にさらなる銃撃や爆撃を喰らって損害が増したのではないでしょうか? > > 車両の鋼製化は関東大震災以後、車両の高速化、大型化のための強度不足と、木材高騰がその端緒です。客車の鋼製化はすでに1920年代後半のオハ31系から始まっています。そして1929年から32年にかけて、鋼製化20m車たるスハ32系の配備が始まり、38年にはオハ35系の配備が始まります。電車は1926年の30系から始まります。鋼製化の動きは既に戦前からなされているのです。 確か南方軍司令官を務められた寺内元帥がその昔、西日本出張中に乗り合わせた木造客車で転覆脱線した事案があり、それ以降客車の鋼製化が図られたと聞いたことがあります。 ただ、物資の観点から見れば鋼材の生産量にも限りがあるわけで、「動きがあった」というのは判りますが > > 輸入電気機関車は3回に分けて導入されています。第1回は1923年から25年にかけて、電化工事開始と共に、技術導入、運用試験用として4形式、第2回は1925年前後に全て英国、イングリッシュエレクトリック社製で、4形式を東海道線国府津電化にあわせて輸入。第3回は丹那トンネル開通を控えてのもので、1926年に4形式が輸入されています。製造国は英、米、独、瑞西で、確かに最多導入は第2回の英国製ですが、年代的に見てロンドン条約絡みと言うのは有り得ないと思います。むしろ幹線電化を狙った、メーカー及び輸入商社の営業力が大きくモノを言ったようです。 |
すいません途中で誤送信してしまいました。 > 車両の鋼製化は関東大震災以後、車両の高速化、大型化のための強度不足と、木材高騰がその端緒です。客車の鋼製化はすでに1920年代後半のオハ31系から始まっています。そして1929年から32年にかけて、鋼製化20m車たるスハ32系の配備が始まり、38年にはオハ35系の配備が始まります。電車は1926年の30系から始まります。鋼製化の動きは既に戦前からなされているのです。 > 確か南方軍司令官を務められた寺内元帥がその昔、西日本出張中に乗り合わせた木造客車で転覆脱線した事案があり、それ以降客車の鋼製化が図られたと聞いたことがあります。 ただ、物資の観点から見れば鋼材の生産量にも限りがあるわけで、「動きがあった」というのは判りますが、木造車完全排除の動きは桜木町の63型電車炎上事件以降ではないのでしょうか? > > > 輸入電気機関車は3回に分けて導入されています。第1回は1923年から25年にかけて、電化工事開始と共に、技術導入、運用試験用として4形式、第2回は1925年前後に全て英国、イングリッシュエレクトリック社製で、4形式を東海道線国府津電化にあわせて輸入。第3回は丹那トンネル開通を控えてのもので、1926年に4形式が輸入されています。製造国は英、米、独、瑞西で、確かに最多導入は第2回の英国製ですが、年代的に見てロンドン条約絡みと言うのは有り得ないと思います。むしろ幹線電化を狙った、メーカー及び輸入商社の営業力が大きくモノを言ったようです。 数で言えばその通りなのでしょうが、2回目(25年)3回目(26年)の輸入ともなればいい加減、どこの国のメーカーの機関車が使える/使えないぐらいの判別は付くのではないでしょうか?それとも各国製機関車の一長一短は知っていたが鉄道省よりも上の力が働いて4形式の並列輸入をせざるを得なかったのでしょうか? |
> 数で言えばその通りなのでしょうが、2回目(25年)3回目(26年)の輸入ともなればいい加減、どこの国のメーカーの機関車が使える/使えないぐらいの判別は付くのではないでしょうか?それとも各国製機関車の一長一短は知っていたが鉄道省よりも上の力が働いて4形式の並列輸入をせざるを得なかったのでしょうか? 各回の機種を出してみましょう。 第1回 1922年 1000形(ED10) 米国 ウェスチングハウス・ボールドウィン 2両 貨物用 1923年 1010形(ED11) 米国 ゼネラルエレクトリック 2両 貨物用 1923年 1020形(ED12) 瑞西 ブラウンボベリー・シュリーレン 2両 貨物用 1923年 1030形(ED13) 英国 イングリッシュエレクトリック・ペケットアンドサンズアトラスワークス 2両 貨物用 第2回 1923年 1040形(ED50) 英国 イングリッシュエレクトリック・ノースブリティッシュロコモテティブ 17両 旅客用 1923年 6000形(ED51) 英国 同上 3両 旅客用(陸揚げ時、大震災により、英国へ返送し修理 1925年再上陸) 1923年 6000形(ED52) 英国 同上 6両 旅客用 1923年 8000形(EF50) 英国 同上 8両 急行旅客用 第3回 1925年 1060形(ED14) 米国 ゼネラルエレクトリック 4両 貨物用 1925年 6010形(ED53) 米国 ウェスチングハウス・ボールドウィン 6両 急行旅客用 1925年 7000形(ED54) 瑞西 ブラウンボベリー・スイスロコモティブアンドマシンワークス 2両 旅客用 1925年 8010形(EF51) 米国 ウェスチングハウス・ボールドウィン 2両 急行旅客用 別枠 1923年 ED56 英国 メトロポリタンビッカース 1両 三菱電機技術研究用 1925年 ED57 独国 シーメンスシュケルト・ボルジッヒ 2両 技術研究用 上記の通り、結構メーカー、目的等ばらついており、また両数の少ないのが目立ちます。実は価格も結構差があり、第2回の英国製が14万4千円に対し、第3回のGE製は約9万円弱となります。要は技術導入と、国産機製造までの繋ぎが目的であるので、各国製というより、とにかくありとあらゆる新機軸、新機構を盛り込み、各メーカーの面目躍如といった観もあります。また車体メーカーそれぞれに対し、機器メーカーそれぞれの組合せがあったようで、まさしく技術導入の目的そのものが明らかです。当初はその電気機器に多かった故障、不具合も、その後国産機器に換装されました。一方で7000形のように、あまりに高機能すぎ、当時の日本の技術では保守さえろくに出来なかったため、早くに引退した車両もありますが、今でも現役の車両も存在します。 |
長いので、こちらも分けましょう。 > 京王(当時は大東急でしたか?)井の頭線の永福町車庫のような事例が多いのは理解できるのですが、そのような戦略爆撃は当然のことながら工場や港湾施設にも向けられていたわけでその上で貨車が8%というのは少ないのではないか、電車は走行中あるいは停車中に架線が銃撃や爆撃を喰らって動けなくなった(トンネルなどへの退避)時にさらなる銃撃や爆撃を喰らって損害が増したのではないでしょうか? 東京夜間市街地空襲で、池袋電車区、蒲田電車区が焼失し、この2箇所だけで31系電車は3割近くを失っています。電車の被害が多いのは、市内電車が含まれているのもあり、各地方都市にあった市内電車の、空襲による被害率も相当なものであったようです。 貨車については、都市部で運用された割合が低いと言うことでしょうか。稼働率が高いほど、一箇所に滞留する車両数は減るはずですから、貨車の被害が少ないということはそれだけ全国を行き来していたのでは。 > 確か南方軍司令官を務められた寺内元帥がその昔、西日本出張中に乗り合わせた木造客車で転覆脱線した事案があり、それ以降客車の鋼製化が図られたと聞いたことがあります。 1926年9月23日の山陽本線下り特急第1列車脱線事故のことですね。被害は確かに木造客車の脆弱性も原因とされていますが、以後の「鋼製化」が図られたというより、「木造客車の新造をやめた」ことです。木造客車の鋼製化は1947年の八高線脱線転覆事故以後のことです。 > ただ、物資の観点から見れば鋼材の生産量にも限りがあるわけで、「動きがあった」というのは判りますが 以後の新造車が鋼製化とはいえ、貨車は木製がまだまだ製造されています。鋼製客車の割合は、八高線事故の時点で、当時の国鉄保有客車数10,800両の約6割が木造客車でした。 |
> 戦時急造の63型電車やD52改修などに現れていると思いますが、それでありながら戦後早い時期に湘南80型電車やC62機関車が出現しているのは戦争中にある程度先を見越した設計や仕様検討がなされていたのでしょうか? C62は「開発した」などいうものではありません。軍需がなくなり、貨物輸送量が激減したにも関わらず、旅客輸送は逆に激増したために、余剰となっていたD52のボイラーと部品をC59ベースの足回りと組み合わせた改造機ですから。 そして、1950年以降は幹線電化による電気機関車・電車と蒸気機関車のディーゼル機関車化を柱とした、近代化動力車とする方針が打ち出されます。 そして旧型電気機関車最高性能のEF58、EF15や、これに続いて登場した新型電気機関車EH10型が登場します。しかし1957年には軽量高速電車の小田急SE型や、国鉄101系電車が誕生し、電気機関車よりも電車列車の優位が確認されたため、以降旅客用車輌は夜行を除いて電車・ディーゼルカーとなっていくわけです。 電車については、戦前でも近鉄が136キロに及ぶ中距離運転を実施した実績がありました。1950年3月に登場した80系電車は、そうした流れを受けてのものです。 とはいえ、15両編成の電車は過去に実績がなく、GHQも当初反対でした。蒸気列車に対し、乗り心地・コストで劣るため、国鉄部内でも中距離列車に電車は反対の声がありました。しかし、湘南地域の輸送対策には、他に打つ手がないため、電車となったものです。 例のごとく初期故障が頻発したために“遭難電車”などと呼ばれましたが、乗客には概ね好評で、電車の持つ折り返しの容易さや加速力が優れていたために、電車による長距離運転の礎となりました。同時期に従来の釣りかけ式駆動方式に変わる、カルダン式やWN式の開発も行われた結果、近代化を電車で行うという方向は加速した次第です。 80系もC62も新規技術は少なく、戦前技術の集大成という内容であり、そして戦後に開発されたものですから、戦前に計画されていたわけではありません。 しかし、中長期的には電車・ディーゼル化は当然行われたと思います。 > そうなると改軌論者の根拠は覆ってしまうのではないでしょうか?弾丸列車にしても貨物列車が客車列車や電車列車のような運航速度を出せないと交通システムである以上、行動不能になった戦車同様、「障害」になってしまうのではないでしょうか? 狭軌で構わないという論者は「改良の余地がまだあるので」という趣旨の発言をしたわけですが、実際にその通りだったわけです。とはいえ、蒸気機関車の場合、火室スペースの関係で、ほぼ同サイズのSLでも30%以上の出力増強が行えたとされています。 標準軌化には一定のメリットがあったのは事実だと思います。 弾丸列車の貨物列車については、急行で150キロ(13両編成・700トン)、普通で90キロ(ボギー貨車40両編成・1,200トン)運転を想定していました。ただし、全駅停車を想定しているので、列車速度の違いのみです。 旅客では特急200キロ、急行・普通が150キロでしたから、ある程度平行ダイヤを想定していたのでしょう。貨物用機関車も、HD50〜52の3種類(HD53は重量旅客列車牽引用らしいので)が計画されており、真面目に考えてはいたようです。 ただし「旅客輸送だけでも黒字にできるように」という考えがあったことから、積み替えなどに不安を抱いていたことも伺えます。 > myu5氏とのやり取りでも触れましたが、基本的に日本の内航海運は地場海運を元にして出来ています。それが汽船の出現&重化学工業化により機帆船の混在から汽船化していく途上に昭和初期〜戦後直後はあったのだろうと思います。 > > これと同じような状況に弱小私鉄(言葉は悪いですが)の省線化があったように思うのです。ここに電化や電気機関車の性能向上は電気部品の性能向上や発電所・変電所建設による地方都市への電力供給といった生活レベルの均質化や雇用創出効果はあったのでは?と愚考するところです。 さすがに、そこまではわかりません。ただ、鉄道電化施策自体が水力発電とセット(火力発電でもそこに石炭を使い、鉄道は電気にすると、石炭消費量を60%削減できるという試算があります)ですから、仰るような意味合いもあるのではないでしょうか。 |
皆様が議論をされていますのに、場をわきまえずにこのような枝レスを書いてすみませんでした。 仮想戦記云々についてはスルーされても結構です。 |
> 皆様が議論をされていますのに、場をわきまえずにこのような枝レスを書いてすみませんでした。 > 仮想戦記云々についてはスルーされても結構です。 別に謝るようなことはされていないと思います。 私は管理者ではないので、ここの趣旨はわかりませんが、発端が架空戦記であろうと、そこから何らかの新しい切り口が生まれるかもしれないから、Ans.Qや議論ボードでは「議題・質問の制限」を行っていないのではないでしょうか。このスレッドは貴方が立てたものなのですから、どう議題を設定するかも、貴方の自由だと思いますよ。 |
> 仮想戦記では、日本の国力改竄に鉄道の改軌の話が出てくるときがあります。 > 皆さんは、鉄道が日本の軍事や史実にどう影響したと考えますか? > また、線路の改軌がされたり、電化が早期に進んだりしたら、こうなったかもしれないというのはあるでしょうか?お聞かせいただけたらうれしいです。 改軌や電化云々以前に、そもそも鉄道の輸送力が増強されても、国力や軍事力の強化には意外に貢献しなかったのでは? 戦前の国内貨物輸送の機関分担率については、確かなデータはないみたいですが、重化学工業にとって大事な物資は大部分が内航海運により輸送されていたのではないでしょうか。(多分、データが無かったので、軍や政府もそういう認識が不足していたかも) 一応傍証として、D52型蒸気機関車の出現を上げることができると思います。 大戦後半に港湾を機雷で封鎖され、船舶を空襲で破壊されて内航での輸送が出来なくなったので、従来内航船で輸送していた物資を鉄道輸送に切り替える必要が生じ、そのためにはD51の増備では不十分ということでD52は開発・製造されたとされています。ということは、内航船での輸送に支障が生じていなければ、D52のような機関車は必要なかったということでしょう。このことは、国内貨物輸送(特に重化学工業の需要分)の主体は内航海運であり、鉄道は脇役的存在だったのではないでしょうか? |
> 一応傍証として、D52型蒸気機関車の出現を上げることができると思います。 > 大戦後半に港湾を機雷で封鎖され、船舶を空襲で破壊されて内航での輸送が出来なくなったので、従来内航船で輸送していた物資を鉄道輸送に切り替える必要が生じ、そのためにはD51の増備では不十分ということでD52は開発・製造されたとされています。ということは、内航船での輸送に支障が生じていなければ、D52のような機関車は必要なかったということでしょう。このことは、国内貨物輸送(特に重化学工業の需要分)の主体は内航海運であり、鉄道は脇役的存在だったのではないでしょうか? 豊田武他の『交通史』や松好貞夫氏の『日本輸送史』などを読むと「汽船企業は内航海運を完全に支配するまでにいたらず,内航海運の近代化は,一方に機械制工業段階にある少数の汽船と,他方にマニュファクチュア段階にある帆船が併存しあうという跛行性と二重性のもとで進行した」とあります。 ここから読み取れるのは日本の内航海運は大手船会社の内航部門などではなく、地場海運を基にした産業構造であると読めます。 また『日本国有鉄道100年史・通史』によればWWIの際に内航の数少ない汽船が近海航路にシフトしたことや戦時活況による船腹不足により運賃が高騰し、鉄道に顧客が拠った事と同書中にもあるように「鉄道輸送の能率の高さは荷役その面でも認識されたため,貨物の輸送需要はさらに高まり,(戦後不況により)海上運賃が低減されたのちも,鉄道貨物に対する輸送需要は固定した」ため、脇役と呼ぶには不適切と考えます。 鉄道輸送拡充のためにD52が開発されたとおっしゃいますが、18年に同車は製造が始まっています。その時点ではまだ機雷封鎖は行われていませんし、内航海運が壊滅的打撃を受けたわけでもありません。また同車はD51ベースで高出力を得るために火室などを拡大した結果、入線出来る路線が限られているはずです。その点はいかがでしょうか? |
> その時点ではまだ機雷封鎖は行われていませんし、内航海運が壊滅的打撃を受けたわけでもありません。 ご教示ありがとうございます。そうでしたか。 ただ、鉄道関係の文献などでは内航海運の代替という趣旨の説がよく見られます。 旧国鉄時代につくられた博物館でも http://www.mtm.or.jp/uslm/dictionary/sl_14.html そういう説明をしています。 軍に船舶を徴用されて、内航海運の輸送力が減退していたとかいうことは なかったのでしょうか? >また同車はD51ベースで高出力を得るために火室などを拡大した結果、入線出来る路線が限られているはずです。その点はいかがでしょうか? はい。軸重の関係で東海道、山陽、函館などの1級線区しか入れません。 ただ、このことがそれ以外の線区では、それほどの輸送量は要求されていなかった ということの現れかも知れません。 (それと、砂兎さんが 07/1/30(火) 22:58の投稿で指摘されているように、機関車だけ 強力にしても、輸送力の強化には直結しない(ヤードや駅を拡張しなければ列車の 全長を長くすることはできないし、路盤や線路の強度やカーブを改善しなければ列車 速度も上げられない)というのもあったと思いますが。他の路線では。) |
myu5さん、こんにちは。 > ただ、鉄道関係の文献などでは内航海運の代替という趣旨の説がよく見られます。 > 旧国鉄時代につくられた博物館でも > > http://www.mtm.or.jp/uslm/dictionary/sl_14.html > > そういう説明をしています。 鉄道屋を批判する気は無いのですが、代替と言うのはどうでしょうか? 例えば石炭ですが、1916−19(大正5−8)年汽船13.7%に対して帆船76.7%(1920年2.03倍)という伸びを示しています。これは汽船船主がその汽船を近海航路に移行したり、それに就航しうる大型の汽船を指向する中にあって,帆船船主はその船腹を著しく拡充(後で船腹調整する羽目になりますが・・・)し、戦時活況を享受することに努めたかに見えます。しかし海上輸送量は、1915−19(大正4−8)年において26.9%の伸びにとどまった(帆船ゆえの生産性の低さが露呈したといえる)のに対して、鉄道輸送量はその間90.2%という大きな伸びを示しています。 さらにいえば明治以来、石炭の海上輸送手段=内航海運において、汽船(2,000重量トンクラス)と帆船(100積トンクラス)という明確な二重構造があったことも挙げられるでしょう。読める史料からは内航海運の停滞期に鉄道の拡充(=輸送力の増大)が重なって顧客のニーズに合致したと考えるのが自然だと思います。 > > 軍に船舶を徴用されて、内航海運の輸送力が減退していたとかいうことは > なかったのでしょうか? 上記と連動していますが、産地によってその輸送形態は大きく異なります。この時期筑豊,北海道,常盤の各炭田の生産高が増加していますが、北海道の石炭は、道外では主として京浜工業地帯で消費されており、その輸送はほとんど汽船で行なわれていました。常盤の石炭は、ほぼもっぱら京浜工業地帯で消費されていて、その輸送は鉄道で行なわれていました。それに対し筑豊・肥前・山口の石炭は、主として阪神・瀬戸内海で製塩用・工場用として消費され、その輸送は帆船・被曳船そして機帆船(一部汽船あり)で行なわれています。この産業構造と内航海運の現状では北海道航路の汽船以外は仮に軍に徴用されても外洋に出られませんし、定時運航性とは遠くかけ離れていますので、どうかと考えます。 また世界大戦で膨張した内航海運は、国内鉄道網が拡充しだした1920年代以降、繰り返し船腹調整が行なわれていますが、それは鉄道にシェアを押されたと言うよりは、汽船・帆船ともに比較的大型な100−500総トン層の減少、それに対する小型の20−100トン層の増加(零細化)、帆船の大幅な減少、そして帆船の機帆船化(帆船では帆船ゆえの生産性の低さと定時運航性が確保できない)として行なわれてきたので戦時徴用があったからといって「即、内航海運が一概に減退」とは言えない部分があります。 > はい。軸重の関係で東海道、山陽、函館などの1級線区しか入れません。 > ただ、このことがそれ以外の線区では、それほどの輸送量は要求されていなかった > ということの現れかも知れません。 上記の産地→消費地を見るとそのように思えます。 > > (それと、砂兎さんが 07/1/30(火) 22:58の投稿で指摘されているように、機関車だけ > 強力にしても、輸送力の強化には直結しない(ヤードや駅を拡張しなければ列車の > 全長を長くすることはできないし、路盤や線路の強度やカーブを改善しなければ列車 > 速度も上げられない)というのもあったと思いますが。他の路線では。) いえ、そういう意味ではないのです。例えば主要幹線は当然攻撃目標になり得るわけで、その場合支線に緊急入線したり、疎開先の工場に輸送するのにかなりの地方路線を走行する必要が生じた際に、入線できる路線が限られてしまうような機関車はいかに出力が大きくとも「走れない」のではないか?と。 ならば結局粗製濫造するのであれば、出力低下を耐えしのんで重連運用にした既存機関車の簡易版なりなんなりを製造した方がよいのではないか?という意味です。生憎にして鉄道は不明ですのでご指摘・ご批判があれば謹んでお受けいたします。 |
資料見ようぜ。 国立公文書館 アジア歴史資料センター http://www.jacar.go.jp/ 「物資動員計画」で検索すれば、この時期の流れも、どの程度の輸送力なのかも丸判りです。 例えば北海道からの石炭輸送では鉄道が船舶とは桁違いに多くなる予定であったとかも、例えば19年度の計画等に具体的な数字で記されてます。 想像で判らない部分を埋めていくのは楽しい作業ですし、それを否定するわけではありませんが、資料が手の届くところにあるのですから、少しは利用してもバチは当たらないと思いますよ。 |
> 資料見ようぜ。 見てますよ。 > 「物資動員計画」で検索すれば、この時期の流れも、どの程度の輸送力なのかも丸判りです。 「交通動員計画」にしていただけますかね?私が読んでいたのはこちらなので。 > 例えば北海道からの石炭輸送では鉄道が船舶とは桁違いに多くなる予定であったとかも、例えば19年度の計画等に具体的な数字で記されてます。 そりゃC船と海が激しく荒れたら使えない機帆船だけ(一部AB船の支援もあったようですが)で鉄道輸送に太刀打ちするのは酷でしょう。積み地・揚げ地の荷役時間(待ち時間含む)&航海時間の長さや中継点での荷役(阪神へ行くのに京浜や中京を経由するとか)を考えたら平時であっても函館か室蘭へ持っていって東北に陸揚げしますよ。産地→積み地→揚げ地→消費地という外航並みの荷役を内航で求められる日本じゃ特に。 ところが同時期の若松港からの瀬戸内海の石炭輸送を見るとまた面白い結果がでてましてね、関門トンネルがあるのにも関わらず、他の物資輸送に押されているのか1500〜170万トン前後で鉄道は推移しているのに対して船舶輸送は平均450万トン(単位を読み間違えていたら失礼)前後で推移しているんですね。 私はこれを優秀船を徴用されてしまった(輸送システムが弱くなった)&長距離・長時間荷役(中継点含む)の必要な北海道航路と地場海運上がりで軍にほとんど徴用されること無く(帆船や西洋型帆船を汽船と併走はさせんでしょう)、地域間輸送システムの確立された(戦時中にもかかわらず関門トンネルの存在に左右されなかった)短距離型北九州・瀬戸内海航路の違いであると読めるのですが。その点はいかがでしょうか? > 想像で判らない部分を埋めていくのは楽しい作業ですし、それを否定するわけではありませんが、資料が手の届くところにあるのですから、少しは利用してもバチは当たらないと思いますよ。 その貴重な史料を読み解けないようではまだまだだなと「自戒」しています。 |
九州発海陸主要物資輸送計画の関門トンネル通過物資は980万トン/年、船舶は1,147万トン/年ですから、別に圧倒的な差ではありませんよ(石炭だけに限れば鉄道は650万トン/年ですから船舶に押されますが、船舶は石炭しか運んでませんな) つまりは上のほうで述べられてる「阪神の石炭は内航海運によるもの」とも言い切れないのです。阪神地区ですら船は63%でしかなく(まあ九州発の石炭等が必ずしも完全に全部阪神で降ろすわけでもないでしょうが)北海道〜京浜等は明らかに鉄道依存です。 19年度の鉄道貨物輸送計画は490億トンキロ(1億9500万トン)各方面を合計しても機帆船等の海運は1,500万トン程度(そして1000万以上が九州〜阪神)平均500キロと乗算しても約75億トンキロでしかない。つまり19年度の貨物輸送シェアの85%は鉄道なのです(自動車をまったく考慮に入れてませんが) そして機帆船等の小型船舶は戦時造船計画に組み込まれるのが戦争末期だったこともあって、実質的に増勢が為されておらず、また19年度の計画にも記されてますが20%程度は軍用に徴用されてます。 また本来内航用であった機帆船ですら南方航路にまで進出させられてるのが、大戦末期の日本の状況ですな・・・。 戦時に於いて輸送需要が増加したこと。内航用の船の数は減る一方。この両面が鉄道に依存する度合いを高めていったと考えられるのでは? |
筑豊炭の阪神地区への輸送が内航船のものとのイメージが強いのは関門のトンネルが開通する前までは一旦渡船を介して下関で積み込むよりも機帆船による艀輸送の方がコストとして安かった面や、国鉄を介するよりも直接一杯船主と契約した方が交渉の面で購入者が優位に立てていた面などから好まれた側面があり、沖荷役、艀がかりが目に判りやすい事などからイメージの強化に寄与したものと思われます。 (そして、ダイヤが確定している国鉄の貨車と違い、どこかから引っ張ってくれば多少の緊急購入などの調整の利く機帆船/艀輸送が重用された部分もあります。(これには荷を積んだまま沖がかりで浮倉庫として溜め込む部分もありますが)) 一方で、戦時下の石炭輸送の陸上輸送化(鉄路への偏重)は元記事でSUDOさんが触れていた点で一通り押えていると思います。機帆船の補充は微々たる物で、同時に支那事変期より大型/優良船から概数で2割方(損耗による喪失を含め)減少し、対米英開戦時にはストックボートの役割を果たす艀、団平船は海軍鎮守府、警備府に徴用される事で荷役効率を大きく下げています。 同時に基幹港に荷役を終えても、そこから各消費地へ輸送する必要があるのですが、この配送手段が欠乏しているために、多少なりと融通の効く鉄道輸送が好まれていた雰囲気さえまります。(あくまで陸海間の荷役からみた1つの視点に過ぎませんが) また、瀬戸内においては内航海運の統制で筑豊炭の輸送に専念する機帆船組合も設立されていますが、これは輸送力増強を謳っているものの、内実は陸海軍による徴用、内航鋼船の減耗による機帆船にたいする雑多な貨物輸送の要求(と輸送計画の混乱)から石炭輸送量を維持するために比較的強い権限を付与したものとみるべきであって、早急な輸送力増強に繋がるものではなかったように記憶しております。 元記事のSUDOさんの内容に重複するものですが、内航/機帆船は頑張れば南方の前線にまで持ち込めるから内地から引っこ抜かれ、その結果本土に留まる鉄道へ依存せざるを得なくなった面を見るべきではないかと思います。 |
> つまりは上のほうで述べられてる「阪神の石炭は内航海運によるもの」とも言い切れないのです。阪神地区ですら船は63%でしかなく(まあ九州発の石炭等が必ずしも完全に全部阪神で降ろすわけでもないでしょうが)北海道〜京浜等は明らかに鉄道依存です。 上で書いたと思うのですが、この航路は本来ならば1000〜2000トン級の大型船が就航して輸送するべき航路です。それが度重なる徴用や2〜30年代の船腹調整があった結果、同航路にはC級貨物船や機帆船ぐらいしか就航できず、その状況で京浜・中京地区に輸送するとなると港湾荷役の回転率を非常識なまでに上げて、おなおかつ船足は20ノット以上(それでも東京まで1昼夜かかります。機関車は70km/h前後で走るでしょうから倍以上ですね)でやっと函館・室蘭→東北積み替えにやや劣るかどうかといった状況でしょう。北海道航路は鉄道依存というよりそうせざるを得なかっただけだと考えます。 > 19年度の鉄道貨物輸送計画は490億トンキロ(1億9500万トン)各方面を合計しても機帆船等の海運は1,500万トン程度(そして1000万以上が九州〜阪神)平均500キロと乗算しても約75億トンキロでしかない。つまり19年度の貨物輸送シェアの85%は鉄道なのです(自動車をまったく考慮に入れてませんが) > そして機帆船等の小型船舶は戦時造船計画に組み込まれるのが戦争末期だったこともあって、実質的に増勢が為されておらず、また19年度の計画にも記されてますが20%程度は軍用に徴用されてます。 これも2〜30年代のWWI後の船腹調整&荷役状況を上で書いています。そのいびつな構成のまま戦時になったため、下で能登氏が触れられているように予備船や事前集積船(団平船とか)が不足して船舶→鉄道への積み替え(まさか岸壁や線路端に捨て置くわけにはいかんでしょう)がスムーズに行われなくなった結果、鉄道でそのまま輸送した方が良いとされたように思います。 > また本来内航用であった機帆船ですら南方航路にまで進出させられてるのが、大戦末期の日本の状況ですな・・・。 > 戦時に於いて輸送需要が増加したこと。内航用の船の数は減る一方。この両面が鉄道に依存する度合いを高めていったと考えられるのでは? それより船舶(特に機関)の手当て(船体が出来ても機関の確保が当時の日本でそれ以上に困難なのはSUDO氏ならばご理解いただけると思います)と逼迫した燃料事情(軍艦が悪いのに商船、それも内航が潤沢だとは到底思えません)によるものではありませんか?南方航路ならば多少は燃料の割り当ては貰えるでしょうし、鉄道はとりあえず国内の石炭で賄えますから。 |
C級貨物船とはなんでしょう? 商工省分類及び戦時造船で、大型から順に振っていって三番目の図体のCクラス(かなり大きいと思うけど)のことですか? それとも動員計画上のC船のことですか? ABが陸海軍に徴用された船で、Cは「徴用されていない船」という分類ですよね。 どちらも戦時に於いて付与された区切りですので「C級貨物船ぐらいしか就航できず」というのはイマイチ腑に落ちません。 できれば判り易い説明をお願いします。 |
> C級貨物船とはなんでしょう? 混同してすみません。別に書いていた米戦時標準船のC:貨物船です。 こちらで書こうとしたのは動員計画上のC船です。訂正させていただきます。 |
遅レスですみません。 > ならば結局粗製濫造するのであれば、出力低下を耐えしのんで重連運用にした既存機関車の簡易版なりなんなりを製造した方がよいのではないか?という意味です。生憎にして鉄道は不明ですのでご指摘・ご批判があれば謹んでお受けいたします。 単なる推測ですが。 既存機(例えばD51)またはより安価・低出力の新型を倍数 製造・配備した場合。 製造に要するコストや材料がD52を製造・配備するのに比べて2倍近く要すること。(当時は資材不足) メンテの工数や乗務員の数が約2倍要すること。(当時は動員により人員不足) 列車の全長に対する機関車の長さが長くなり、その分貨車の長さ(=両数)が減ってしまうこと。 などから、強力な新型が望まれたということだと思います。 |
色々ご教授いただき、ありがとうございます。 現在時間が取れず、返信を行えません。申し訳ありませんが、後日返信致します。 |