Page 17 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼艦隊現存主義は臆病者のすることでしょうか? カーフ 01/12/17(月) 8:00 ┣Re:艦隊現存主義は臆病者のすることでしょうか? モーグリ 01/12/17(月) 18:50 ┃ ┗Re:艦隊現存主義は臆病者のすることでしょうか? アリエフ 01/12/19(水) 0:27 ┣Re:艦隊現存主義は臆病者のすることでしょうか? 影十字 01/12/24(月) 22:46 ┃ ┣wwII時の独海軍について 山家 01/12/25(火) 21:02 ┃ ┃ ┗そりゃ独海軍の責任じゃないんじゃない? アリエフ 01/12/25(火) 23:30 ┃ ┣WW1の英海軍について 井中かえる 02/1/19(土) 13:43 ┃ ┗WWIのドイツ海軍を擁護する 井中かえる 02/1/21(月) 1:14 ┣Re:艦隊現存主義は臆病者のすることでしょうか? TAKA 02/1/14(月) 20:51 ┃ ┗Re:艦隊現存主義は臆病者のすることでしょうか? 大塚好古 02/1/15(火) 15:19 ┗そもそも モーグリ 02/1/18(金) 23:29 ┗Re:そもそも まなかじ 02/1/22(火) 20:16 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 艦隊現存主義は臆病者のすることでしょうか? ■名前 : カーフ <kalf@mxk.mesh.ne.jp> ■日付 : 01/12/17(月) 8:00 -------------------------------------------------------------------------
艦隊温存主義ともいえますか・・・ どこの戦記を見ても批判されるこの主義ですが、本当に弱虫、意気地なしでしょうか? イタリアのように艦隊を残して世界からバカにされても生き残るべきなのでしょうか? それとも日本のように特攻で世界から勇敢さを褒められるべきなのでしょうか? |
> 艦隊温存主義ともいえますか・・・ > どこの戦記を見ても批判されるこの主義ですが、本当に弱虫、意気地なしでしょうか? ケース・バイ・ケースだと思います。 レイテ沖海戦で日本陸軍は艦隊温存を主張して、決戦を唱える海軍と対立してます。 陸軍は戦艦を温存して米軍に圧力を加え、その間に海上護衛を強化して内地に 出来るだけ南方の戦略物資を輸送することを提案しています。 ですがこのプランは海軍に拒否されています。 結果論から言うなら、日本海軍はレイテ沖海戦をやらずに艦隊温存に徹するべき だったでしょう。 > イタリアのように艦隊を残して世界からバカにされても生き残るべきなのでしょうか? > それとも日本のように特攻で世界から勇敢さを褒められるべきなのでしょうか? イタリアの場合残存したのは戦艦だけで、重巡以下の補助艦艇はほぼ全滅してるのでは? |
> レイテ沖海戦で日本陸軍は艦隊温存を主張して、決戦を唱える海軍と対立してます。 > 陸軍は戦艦を温存して米軍に圧力を加え、その間に海上護衛を強化して内地に > 出来るだけ南方の戦略物資を輸送することを提案しています。 > ですがこのプランは海軍に拒否されています。 これは本土決戦・長期持久作戦をも念頭に置いた陸軍と、艦隊決戦による局地的勝利により早期に講和交渉を進めようとする海軍の戦略思想の差によるものではないでしょうか。サイパンを失った段階で、海軍は早期講和に向けて非常に前向きになっています(陸軍も海軍とは別のやり方で講和を模索していたが)。 仮に陸軍のやり方で行ったとしても、20年春の段階で戦艦を含む艦隊がまとまって有効な作戦活動をするだけの燃料を温存・確保できたのか、疑問に思えてしまいますが。 |
まず艦隊現存仕儀で代表的なのは一次大戦のドイツ海軍でしょう。 これは明らかに失敗です。ジュトラント海戦から2年半戦力を温存して最期は水平の叛乱ですから救いようがありません。 一方でこの時イギリスが優勢な艦隊をスカパフローに居座り続けさせたのはこの方針の成功例といって良いでしょう。 即ち艦隊現存主義は、現段階で制海権を握っている優勢な海軍の執るべき戦法であって、数量で劣勢な海軍は全滅に近い損害も顧みず死力を尽くして敵を殲滅しなければ勝利できません。ドイツ海軍に欠けていたのはフランス流のエイランだったのでしょう。 また日本海軍の1944年の捷号作戦ですが、敗色濃厚な時期に全戦力を結集して敵に打撃を与えるのは決して誤った判断とは言えません。その戦勝の結果如何が講和交渉に与える影響は計り知れません。根底にあったのは1918年10月ドイツ外洋艦隊の出撃未遂と同じものでしょう。 前大戦と同じ過ちをドイツは第2次大戦でも繰り返しました。仮にビスマルクがフッド撃沈後にプリンスオブウェールズを追撃撃沈したとして、KGV級の数が揃っている事もあり戦略上の価値は小さいかもしれませんがイギリスはますます北海に戦力を集中させたでしょう。 要するに劣勢な海軍の執る戦法ではありません。 |
私の手持ちの雑誌資料によると、wwII中の独海軍は、深刻な燃料不足にあえいでお り、艦隊現存主義しか、大型水上艦艇については、作戦の立てようが無かったのでは、 と私には思えます。 1939年10月の時点で、独海軍は、軽油65万t、重油35万tを備蓄しており、 1年間の作戦行動が可能でした。ところが、1940年3月には、その内の軽油30万 tが陸軍に対仏戦のために提供させられる等、独海軍の燃料事情は、開戦前の予想より も悪化し続けました。そして、対ソ戦のため、1941年6月からは、戦闘行動以外の 燃料消費は、レイダー提督により禁止され、同年12月からは、主要艦艇の燃料は配給 制になりました。ティルピッツを例にあげると、配給された燃料では訓練を行うことは 不可能で、艦内を暖房し、整備を行い、調理・換気システムを作動させるのが、やっと という配給量だったのです。これでは、大型水上艦艇を大量に出撃させるということは、 訓練不足も加わり、到底、無理で、艦隊現存主義しか、独海軍は、大型水上艦艇につい ては、取りようがないと私には思えます。 |
弱小艦隊となった独海軍をそのまま安楽死させるか、さも無ければ最後の緊急事態(ドイツ本土での徹底的抵抗)に備えて気休め程度で最小限の温存努力をしておくのが妥当か否かという、独軍中央の戦略的判断の問題と思いますけど。 ま、当時のドイツとしては海軍をこうした半安楽死状態にして、資源を多方面に注ぎ込むことは決して間違っていなかったと思えますがね。 |
> 一方でこの時イギリスが優勢な艦隊をスカパフローに居座り続けさせたのはこの方針の成功例といって良いでしょう。 どうでしょうか。確かにドイツ商船を封鎖し続けたのですから失敗とはいえないでしょうが、海軍力の優勢を戦勝に積極的に結び付けられなかった点は責められるのでは。 WW2では連合国はイタリア・南仏・ノルマンディー等に上陸作戦をおこないましたが、WW1ではダーダネルス作戦で失敗した後はバルト海作戦も中止され、膨大な艦隊が終戦まで事実上遊兵と化していたと思います。 |
> まず艦隊現存仕儀で代表的なのは一次大戦のドイツ海軍でしょう。 > これは明らかに失敗です。ジュトラント海戦から2年半戦力を温存して最期は水平の叛乱ですから救いようがありません。 (中略) > 即ち艦隊現存主義は、現段階で制海権を握っている優勢な海軍の執るべき戦法であって、数量で劣勢な海軍は全滅に近い損害も顧みず死力を尽くして敵を殲滅しなければ勝利できません。ドイツ海軍に欠けていたのはフランス流のエイランだったのでしょう。 (中略) > 要するに劣勢な海軍の執る戦法ではありません。 どうでしょうか。以下に述べるのは一般論ですが。 ドイツ海軍の敵はイギリスだけでなく、開戦直後に限ってもロシア・フランス・日本海軍がありました。それに対して味方で有力なのはオーストリアのみで、これにできるのはせいぜいフランス海軍を拘束するので精一杯でしょう。それを考えると勢力の比は5割程度に落ち込んでしまうのではないでしょうか。 これに対しドイツ海軍はよく知られているドッガーバンクやユトランドの海戦のほかにも何度も何度も出撃して慎重に好機を窺っていました。努力は行っていたのです。 もし「全滅に近い損害も顧みず死力を尽くして」いて本当に艦隊をすり潰していたら、連合国の上陸作戦を招いてあっさり敗北したかもしれません。 終戦までそうさせなかったのですから、艦隊現存主義として立派な例だと思います。 また、温存した艦隊をイギリスに対し集中使用することで大被害を与え、海軍力に頼るイギリスと無理心中するという政治的圧力をかけることもできました。 バルト海の制海権を保ちスカンジナビア諸国との貿易を保ったのも艦隊があったおかげです。 結局、ドイツは海軍を有効利用したと思います。ただ、最善手を打ったとしてさえ、戦争に勝てたかどうかは別ですが。 |
艦隊現存主義について私の見解 艦隊温存主義ともいえますか・・・ > どこの戦記を見ても批判されるこの主義ですが、本当に弱虫、意気地なしでしょうか? (答)イヤ 必ずしも臆病だから行う物ではないと思います。 戦略としても、相手より劣勢であるが無視できない戦力がある場合、 戦略として有効だと思います。その例がノルウェーにおける 「テルピッツ」の温存にあると思います。 「テルピッツ」の温存によりイギリス海軍は、ソ連支援船団の 護衛に大量の戦力をつぎ込んでいるのですから、その戦力を 拘束するだけで意義があるといえます。 只それには、はったりでも敵に脅威を与える様にしないと 意味がありませんが・・・ > イタリアのように艦隊を残して世界からバカにされても生き残るべきなのでしょうか? (答)イタリアの場合、重油の不足と司令部の臆病があり、「艦隊現存主義」 と言うより、出撃できなかったというのが正しいでしょう。 只自分の国の固有の領土(シチリア・イタリア本土)に敵が攻撃して 来たときにまで、艦隊を温存しているというのは、臆病と馬鹿にされても 仕方ないと思います。(実際に臆病だと思います) それに敵の上陸時にイタリアの全艦隊で攻撃をかければ(特にシチリア 上陸時)敵に損害を与える可能性は大きかったのですから > それとも日本のように特攻で世界から勇敢さを褒められるべきなのでしょうか? (答)この場合、レイテ海戦の場合には、あそこで攻撃しないと後がない状況 でしたし、勝算が立つ戦いだから「艦隊現存主義」ではなく打って出るべき でしたし、あの場面では「艦隊現存主義」は正しくないと思います。 打って出ないと勝てない状況ですし、勝てる可能性がありましたから・・ 只沖縄に出撃していった「大和」の場合、出撃に精神的意味しか考えられ 無いですし、勝算が立たない出撃でしたから出撃の意味があるかと言えば 「特攻攻撃にて連合艦隊此処にありと言う物を示す」という意味しか 無いと言えますし、「特攻攻撃にて大和魂を示す」と言う事しか無いと 言えます。確かに日本人勇敢さを褒められるのですが、この場合出撃の 意味があったのかと言えば・・・ 只戦力が疲弊しすぎて「艦隊現存主義」 も全く意味をなさない状態でもあったので・・・ 「艦隊現存主義」は 臆病者のすることでしょうか、と言うのもイチガイには言えないと 思いますよ! 最終的には「艦隊現存主義」はケースバイケースと言う事になります。 |
イタリアの場合、1943年7月のハスキー作戦開始時点で稼動戦艦は僅かに一隻だというのを考慮すべきでしょう(リットリオ型のうち2隻は6月の空襲で受けた損傷の修理中。ドリア型は予備役から現役復帰工事中)。イタリア海軍としては本土に上陸された場合、5隻の戦艦と数隻の巡洋艦、同数程度の駆逐艦からなる残存艦隊の総力を挙げて、侵攻軍の艦隊に対する最後の決戦を挑む事は方針として決定していました。ただし、7月末にムッソリーニが失脚した結果、予備役から復帰した戦艦を含めて連合軍に抑留されて後世に汚名を残す事になったのは、彼等にとって悲劇であったというべきでしょう。 |
イタリアは本当に艦隊保全政策をとったといえるのでしょうか? 第2次大戦でイタリアは戦艦以外の巡洋艦・駆逐艦・潜水艦等を酷使し、 その多くを喪失しています。日露戦争の旅順艦隊、WW1、WW2の独海軍、 艦隊保全政策を行った海軍はどれもイタリアほど巡洋艦や駆逐艦を喪失していません。 これでイタリア海軍が艦隊保全政策だったといえるでしょうか? |
> イタリアは本当に艦隊保全政策をとったといえるのでしょうか? > > 第2次大戦でイタリアは戦艦以外の巡洋艦・駆逐艦・潜水艦等を酷使し、 > その多くを喪失しています。日露戦争の旅順艦隊、WW1、WW2の独海軍、 > 艦隊保全政策を行った海軍はどれもイタリアほど巡洋艦や駆逐艦を喪失していません。 > これでイタリア海軍が艦隊保全政策だったといえるでしょうか? つ〜か、戦艦もかなり酷使しています。 イタリア戦艦部隊は燃料弾薬があり整備完整しているときには必ず出撃するもので、損傷するまでは作戦を続行します。 |