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もし巡洋戦艦天城が就役していたら 9号 19/6/17(月) 23:02

速度を犠牲にしたレキシントン級に価値があるか? おうる 19/7/14(日) 21:57
┗ 強気な米戦艦、弱気な米巡洋艦 冷泉 19/7/15(月) 16:44
┗ Re:強気な米戦艦、弱気な米巡洋艦 おうる 19/7/15(月) 19:11
┗ 米戦艦の優位は揺るがない 冷泉 19/7/15(月) 23:20
┗ それは米海軍の認識とは異なります おうる 19/7/16(火) 20:26
┗ 意見を撤回し、議論の方向を修正いたします 冷泉 19/7/17(水) 23:40
┗ 時期はズレますが・・・ おうる 19/7/19(金) 19:27
┗ 戦艦級との戦闘は避けがたい、と思えた? 冷泉 19/7/20(土) 14:11
┗ Re:戦艦級との戦闘は避けがたい、と思えた? おうる 19/7/20(土) 20:00
┗ 技術ではなく決断の問題でしょう 冷泉 19/7/23(火) 17:53
┗ Re:技術ではなく決断の問題でしょう おうる 19/7/23(火) 20:31
┗ 無理が通れば道理が引っ込む 冷泉 19/7/27(土) 7:47
┗ 戦艦ではなく巡洋戦艦が生き残るIFの条件 おうる 19/7/27(土) 20:56
┗ Re:戦艦ではなく巡洋戦艦が生き残るIFの条件 冷泉 19/7/30(火) 23:21
┗ 高速戦艦レキシントン級が建造されるまで 冷泉 19/8/3(土) 6:10
┗ 多分、話は逆の展開になると思います。 おうる 19/8/4(日) 19:56
┗ Re:多分、話は逆の展開になると思います。 冷泉 19/8/11(日) 8:41
┗ 巡洋戦艦/高速戦艦を中心に考えるのは改めた方がいいです。。 おうる 19/8/11(日) 17:46
┗ Re:巡洋戦艦/高速戦艦を中心に考えるのは改めた方がいいです。。 冷泉 19/8/14(水) 22:26
┗ Re:巡洋戦艦/高速戦艦を中心に考えるのは改めた方がいいです。。 おうる 19/8/15(木) 20:09
┗ Re:巡洋戦艦/高速戦艦を中心に考えるのは改めた方がいいです。。 冷泉 19/8/18(日) 21:09
┗ Re:巡洋戦艦/高速戦艦を中心に考えるのは改めた方がいいです。。 おうる 19/8/20(火) 19:57
┗ 試験的にレキシントン級を建造する 9号 19/8/25(日) 14:11
┗ Re:試験的にレキシントン級を建造する おうる 19/8/25(日) 18:58
┗ Re:試験的にレキシントン級を建造する 9号 19/8/27(火) 13:22
┗ 試験的にレキシントン級を建造する意味が無い おうる 19/8/27(火) 20:52
┗ もう少し自分で考えてみます 9号 19/9/9(月) 9:11

速度を犠牲にしたレキシントン級に価値があるか?
 おうる  - 19/7/14(日) 21:57 -
  
 レキシントン級のボイラーは16基あって全力で炊いて33ノットを絞り出しています。仮に30ノットで妥協できるのなら単純計算で12基まで減らせそうです。4基のボイラー削減の結果どれだけ装甲を増やせるのかはわかりませんが、速度のリソースを防御に振ることは可能でしょう。

 しかし、そうして速度を低下させたレキシントン級に米海軍が魅力を感じるかどうかはなはだ疑問です。
 レキシントン級の33ノットという最高速度さえ、妥協した結果の速度であり、本来は35ノットを発揮できる高速艦を米海軍は求めていたからです。
 米海軍がレキシントン級に担わせたかった役割は本来の巡洋戦艦に求められていた偵察と巡洋艦以下の敵支援艦艇の掃討であり、敵巡洋艦を追い回すためには敵巡洋艦より鈍足であってはならないからです。

 実際のところ、初期の段階では14インチ砲装備の巡洋戦艦に35ノットを発揮させるためには機関のスペースが足らず、機関室を二階建て構造にしてボイラーの半数を水平防御区画の上(装甲甲板の上)に据えるつもりでいました。
 それが重装甲巡洋戦艦として登場した英海軍のフッドに感銘を受けた結果、大幅に設計変更して史実のレキシントン級になっています。つまり、あれでも初期の計画からは速度を妥協して防御力を強化してるんです。そこから更に速度を犠牲にして防御に振ったりしたら、それはもう米海軍の求める巡洋戦艦じゃないんです。
 敵巡洋艦に追いつけず、敵戦艦を振り切れない程度の速度であれば、たとえそれが戦艦としては世界最速クラスの高速であったとしても、それはもはや単なる戦艦です。
 求められていたのは強力な巡洋艦キラーなのであって、戦艦ではないんです。戦艦は別の計画があるんですから、そこから巡洋艦を追い回せない戦艦をあえて追加する必要は無いんです。
引用なし
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強気な米戦艦、弱気な米巡洋艦
 冷泉  - 19/7/15(月) 16:44 -
  
レキシントン級を巡洋艦戦力として使ってしまった場合、戦艦として数えられるのはコロラド級4隻とサウスダコタ6隻のみとなってしまいます。ニューヨーク級以降の14インチ砲以上の艦を足しても、戦艦は21隻しかありません。これで日本の八八艦隊の16隻と金剛型、扶桑型の8隻、計24隻を相手取るわけですから、米戦艦はなかなか強気ですね
それとも金剛型4隻を巡洋艦とみなし、戦艦21対20+巡洋艦6対4で数的優位ということなのでしょうか。又は前ド級戦艦まで含めてカウントしているのかもしれません

一方、巡洋艦は日本がの球磨型以降の大量建造を見ていると、だいぶ不安ですね
また当時の駆逐艦の性能を考えるなら、米駆逐艦が日本まで侵攻した際にちゃんと戦力を維持できているのか怪しいところもあります。多少オハマ級を増産したところで、結局は駆逐艦投入の自由度が高い日本に対し、数量で屈して敗北してしまうかもしれません
レキシントン級というジョーカーを持ちたがるのも納得できるところです

アメリカは自国の戦艦の優位と巡洋艦(+駆逐艦)の劣位を認識しており、それを補うためにレキシントン級を建造したのだと思います。この認識が変わらないのであれば、レキシントン級はそのまま建造されるでしょう
つまり戦艦の優位に疑問を抱いたならば、レキシントン級(又はその一部)を高速戦艦化することで、巡洋艦と戦艦の両方の役割を担わせたのではないでしょうか
引用なし
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Re:強気な米戦艦、弱気な米巡洋艦
 おうる  - 19/7/15(月) 19:11 -
  
 米海軍は決して強気ではありませんでしたよ。

 自国の戦艦が日本海軍にも英海軍にも劣っている事を承知していましたし、それらを上回るどころか同等の戦艦を建造することすら技術的に困難だと理解していました。彼らにとっての最強の切り札だったはずのサウスダコタですら、日本戦艦と砲力と防御力ではと同等だが速力で大幅に劣り、英戦艦(N3型)と速力で同等だが砲力で劣り、双方を上回る戦艦を建造するにはタービン機関技術の立ち遅れとパナマ運河由来の艦幅制限が解決不能な足かせになると考えていました。

 だから、ワシントン条約で戦艦建造競争を政治的に終わらせたんです。

 もし、米海軍が世界最強の戦艦か巡洋戦艦を建造する自信を持っていたなら、ワシントン条約でもレキシントン級が生き残る可能性はあったかもしれませんが、その場合のミリタリーバランスは史実とはすでに大幅に異なっているはずです。
 このスレの本来のお題である「天城級建造が容認される以外は史実とほぼ同じミリタリーバランス」からはかけ離れたものにならざるを得ないでしょう。
引用なし
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米戦艦の優位は揺るがない
 冷泉  - 19/7/15(月) 23:20 -
  
少し勉強不足でしたので、先ほどの発言を修正いたします

ダニエルズプランは、1919年までの3か年計画でしたね。この間に戦艦10隻と巡洋戦艦6隻の建造を(予算上)開始するわけで、年5隻超の建艦計画ですね
一方の八八艦隊計画では、1919年までに戦艦4隻と巡洋戦艦4隻の計画ですから、年2隻の建造計画となります
実際には第一次世界大戦の影響で遅れたり中止になったりするわけですが、当初の計画はこうなっていました

ダニエルズプランが満了する1919年(度)までの艦で艦隊を組んだ場合、日米の戦力は次の通りです
日:16インチ戦艦4、巡戦4、14インチ戦艦4、巡戦4
米:16インチ戦艦10、巡戦6、14インチ戦艦11
これなら、アメリカはダニエルズプランの戦艦10隻で八八艦隊計画の8隻と渡り合えるでしょう。14インチ戦艦も数的優位を確保しております
イギリスに対しても概ね数的均衡を確保できていますよね
少なくともダニエルズプランが審議されていた1915〜16年に、アメリカが戦艦勢力において、対日劣位に転落し、対英劣位を縮められないという予想は立たないかと思います
戦艦勢力は対日優勢、対英均衡ですから、レキシントン級6隻は不安が残る巡洋艦戦力として使った方が有効と考えたのでしょう

私もアメリカが世界最強の戦艦を造れるとは考えておりません
それでも機関技術以外は対英日同等かそれ以上であり、決して弱い戦艦しか造れないわけではないでしょう
そして国力に裏打ちされた建造能力は数的優位を保障します

史実のミリタリーバランスをいじるまでもなく、アメリカは優位なのです
そしてレキシントン級はその優位を前提とした艦であると考えます
ですので、その優位が崩れれば(例えば英日が強固な同盟関係にある等)、計画変更は避けられないと考えております
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それは米海軍の認識とは異なります
 おうる  - 19/7/16(火) 20:26 -
  
 米海軍は自分たちが数的優位を確保しているとは考えていませんでした。理由は2つ。

 一つは米海軍は太平洋と大西洋、東西2つの海を同時に守らなければならないため、一つの国と戦争になったとしても保有戦力を集中させられない事。

 もう一つの理由は日英同盟です。当時、まだ日英同盟は有効(ワシントン条約後の四か国条約成立によって失効)であり、米国は最悪の場合日英両海軍を同時に相手どらねばならない可能性を考慮しなければならなかった事。

 以上の理由からダニエルズプランが完成したとしても、米海軍は数的優位を確立できなかったでしょうし、そのうえ性能面でも優位を確立できない事が確実でした。
 たしかに日本海軍からすれば米国の国力と米海軍の戦力は圧倒的ではありましたが、米国側からすれば国力はともかく、海軍力は決して満足できるものではなかったんです。
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意見を撤回し、議論の方向を修正いたします
 冷泉  - 19/7/17(水) 23:40 -
  
おうる様のお考えは分かりました
納得いたしかねるところですが、私が意固地になったところで、レキシントン級と天城という議論の本題に貢献することはないと考えますので、意見を撤回いたします
議論をあらぬ方向に進めてしまったことにお詫び申し上げます


さて、私が是非お伺いしたいのは、速力が30kn前後に低下した高速戦艦レキシントン級をアメリカが評価することは本当になかったのか、という点です

もし史実と同様のレキシントン級しか存在しえないのだとしたら、そのレキシントン級は史実と同様に廃艦になるでしょう。当然天城も廃艦となります
もしアメリカが追加建造を要求したのが戦艦であれば、日本が対抗して建造するのは加賀型になるでしょう。やはり天城は廃艦になります
9号様の想定が成り立つためには、史実とは異なる形ではあるものの、天城の対抗馬としてふさわしいレキシントン級が存在しなければなりません

このレキシントン級は、アメリカに戦艦保有枠を費やすに足ると思われる存在でなければならず、かつ日本に対抗艦は加賀ではなく天城が好ましいと見られる存在であることも求められます。つまり高速戦艦です

戦艦としては高価かつ装甲が(おそらく)薄く、巡洋戦艦としては低速な艦をアメリカが造ろうとすることはあるのでしょうか
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時期はズレますが・・・
 おうる  - 19/7/19(金) 19:27 -
  
> 戦艦としては高価かつ装甲が(おそらく)薄く、巡洋戦艦としては低速な艦をアメリカが造ろうとすることはあるのでしょうか

 アイオワ級とアラスカ級がそれらに該当すると思います。
引用なし
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戦艦級との戦闘は避けがたい、と思えた?
 冷泉  - 19/7/20(土) 14:11 -
  
引き続き議論にご参加いただきありがとうございます
先日は途中で議論を中断してしまったこと、大変失礼いたしました


さてアイオワ級とアラスカ級ですが、どちらも同クラスの艦との戦闘を想定して計画されているように思えます。だからこそ相応の防御力を備えて完成したわけですよね
一方、史実のレキシントン級はインヴィンシブル級のように、戦艦や巡戦との戦闘を想定しない艦として設計されています。そのコンセプトが変更されるのであれば、高速戦艦レキシントン級が成立するかもしれない、というご指摘でしょうか

私としては、史実よりアメリカが仮想敵とすべき戦艦や巡戦の数が多く、巡戦であっても戦艦・巡戦との戦闘は避けがたいとの見通しが立つのであれば、コンセプト変更がなされ、レキシントン級が高速戦艦化することもあり得たかと考えます

しかし、その前提となるアメリカの仮想敵が増えるようなIFは何かと問われると、回答に窮するところです
引用なし
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Re:戦艦級との戦闘は避けがたい、と思えた?
 おうる  - 19/7/20(土) 20:00 -
  
> さてアイオワ級とアラスカ級ですが、どちらも同クラスの艦との戦闘を想定して計画されているように思えます。だからこそ相応の防御力を備えて完成したわけですよね
> 一方、史実のレキシントン級はインヴィンシブル級のように、戦艦や巡戦との戦闘を想定しない艦として設計されています。そのコンセプトが変更されるのであれば、高速戦艦レキシントン級が成立するかもしれない、というご指摘でしょうか

 史実のレキシントン級は英海軍のフッドの影響で、当初の計画から大幅に変更を施されて重防御巡洋戦艦となっています。それで、アレなんですよ。

 実現するには実現するための力が必要であり、1920年頃のアメリカにはそれが無かった。というのが歴史的事実です。レキシントン級が1920年頃に1920年頃の技術で計画されている時点で、アイオワ級のような高速戦艦化することは不可能でしょう。レキシントン級はあの時点でのアメリカの技術の粋を結集してようやく形に仕上げたものであり、あれ以上のものは当時のアメリカの技術では実現できません。

 レキシントン級がアイオワ級のような対戦艦戦闘をも想定した高速戦艦化するには単純に考えて約20年分の技術革新が必要です。アメリカだけ20年分の技術革新を許すのであればその時点でミリタリーバランスは大きく狂いますし、日英にも20年分の技術革新を許すのであれば今度は天城級の存在意義に疑問が生じます。なぜなら、天城級は史実よりも20年の技術分もっと優れたものになるはずだからです。極端な話、大和型がネイバルホリデー前に登場する可能性すら生じてしまうんです。

 ミリタリーバランスを崩さないように・・・という足かせがある以上、このお題は無理難題でしかないんですよ。

 軍艦一隻が純軍事的な意味でのミリタリーバランスを大きく崩すことはあんまりありませんが、史実に登場していない軍艦を登場させるにはその背景となる政治力・技術力・工業力といった潜在的ミリタリーバランスを大きく崩さなきゃいけないんです。史実に登場しなかったモノはそれがどんなものであれ、それなりに理由があって登場しなかったわけですから
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技術ではなく決断の問題でしょう
 冷泉  - 19/7/23(火) 17:53 -
  
33knの発揮が絶対であれば、おうる様のおっしゃる通り高速戦艦レキシントン級の完成はアイオワ級以降にならざるを得ませんね。ところで、33knを絶対とする根拠は何でしょうか
史実における、オハマ級と組んで戦うことを想定した最も鈍足な巡洋艦は、29knの空母レンジャーですよね。そしてレンジャーの速力は、求められた戦闘力(航空機の搭載力)と排水量(予算、条約の縛り)をバランスさせた結果の妥協点として決められたものです
つまり当時のアメリカ海軍は「もっと速いに越したことはないけれど、29kn出るなら我慢できる」と考えていたことが分かります
実際にレンジャーが艦隊に配属された後の顛末を見るに、29knじゃ駄目だったのは明らかですが、それは実際に艦を造り、使ってみて初めて分かったことです

そして史実のレキシントン級をベースに機関出力を13万馬力に落とし、その分の重量を装甲に充てた場合、甲板3.75インチ、舷側10インチ、砲塔10インチで速力29〜30knと試算しました。限定的な対14インチ防御といったところでしょうか。アイオワと比べると何とも残念な性能ですが、艦としては成立します
別に装甲を強化せず、砲塔を1つ増やしても構いません。装甲はそんなに厚くできない、と試算結果を疑っても構いません。重要なのは、速力を犠牲にすれば火力や防御力を強化できるという点です

レキシントン級がアイオワ級にならなかったのは技術によるものですが、天城型にならなかったのはアメリカの決断によるものです
当時のアメリカにとって、巡洋艦戦力の整備が急務であり、速力を重視しなければならなかったという、アメリカの都合がレキシントン級の要目を決めたのです
もしアメリカの事情が変わり、速力と防御力を一定の範囲で両立する必要が生じたのであれば、レキシントン級は、1920年前後のアメリカの技術の許す範囲で高速戦艦化したのではないでしょうか
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Re:技術ではなく決断の問題でしょう
 おうる  - 19/7/23(火) 20:31 -
  
 いや、速力を落とすことで防御力は強化できるかもしれませんが、火力は強化できないでしょう。個人的には無理だと思っています。
 理由はパナマ運河由来の全幅制限によって艦形が限定されていることです。
 全幅を制限される分を全長を伸ばすことで浮力を維持する傾向が当時の米艦に見られるようになっていましたが、レキシントン級ではそれが限界に達して船体強度に問題が生じていたのです(Wikiの英語版でちょっと触れていますので、機械翻訳で読んでみてください)。全幅制限からくる船体強度への不安から艦内に機関スペース確保が困難になった結果、機関を2階建て構造にするという苦肉の策に打って出ています。これは後に設計変更されて、ボイラーの数そのものが減らされたことで2階建て構造は廃案となりますが、船体強度の不安が完全に払しょくできたわけではありません。船体が細長すぎる点は変わらないからです。
 機関を減らして機関スペースを圧縮することで、たしかに砲塔1基分程度のスペースは確保できそうな気はしますが、機関よりもずっと重たく重心位置の高い砲塔を追加して船体強度が維持できるかどうかははなはだ疑問です。

 33ノットを絶対とする根拠・・・絶対とするわけではありませんが、米海軍がホントに欲しかったのは35ノットであって、史実のレキシントン級の33ノットは妥協の結果なんだから、そこからさらに3ノットも速度を落として米海軍が納得するとは思えないというのが私の考えです。

 繰り返しになりますがレキシントン級は「巡洋艦キラー」であって、敵巡洋艦を追い回して狩る事が艦の成立条件になるはずなので、敵巡洋艦(含む高速戦艦)よりも優速でなければならない筈です。その敵と同じ速度では務まりません。
引用なし
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無理が通れば道理が引っ込む
 冷泉  - 19/7/27(土) 7:47 -
  
レキシントン級の船体に強度不足の不安があったことは存じ上げませんでした。ご教授いただきありがとうございます

レキシントン級の速力が33knとして計画されたことの妥当性についても同意いたします。高速な巡洋艦を補足するためには、1knでも速い方がいいことは明白です。史実においてレキシントン級の速力をこれ以上下げる方向に行くことはなかったと考えます
    

しかし今回9号様が提示された世界は、レキシントン級(又は類似の艦)と天城が存在する、史実とは異なる世界なのです。そして、この世界が成立するためには高速戦艦化したレキシントン級が不可欠であると考えております
もし史実と同様のレキシントン級が建造されたのであれば、史実と同様に廃艦になるでしょう。いくら強力とはいえ、巡洋艦を保有するために他国に戦艦の保有枠を与えることが合理的とは考えにくいでしょう
もしレキシントン級の建造が放棄され、戦艦が建造されたのであれば、日本は天城ではなく加賀の保有を主張するでしょう。低速艦と殴り合うなら装甲が厚い加賀の方が強いですから
つまりレキシントン級vs.天城が成立するためには、レキシントン級が戦艦であり、かつ高速でなければなりません(もっとも、高速戦艦レキシントン級が存在するとして、それをアメリカが条約を曲げてでも保有したがるかは別問題だと思いますが……)

一方おうる様が示してくださった通り、史実通りのアメリカならば史実通りのレキシントン級を建造するでしょう。私が先ほど試算した、ふやけたアイオワ級のような高速戦艦レキシントン級を建造するとは思えません
つまり史実と異なるレキシントン級が存在するならば、条約交渉より前に何らかのIFが発生し、アメリカの判断が変わった結果と言えます。この世界においては史実のレキシントン級が非合理的な存在になっているのです
と言うよりも、アメリカの判断を変えるようなIFが存在しないのであれば9号様の世界は成立せず、この議論は終わってしまいます

それならば私は、「アメリカの判断を変えたIFとは何だろう」「そんなIFは発生し得るのだろうか」と考えてみたいのです
9号様の世界が成立する要件を少ないIFで説明できるならば、つまり史実との差異が案外少ないのであれば、この世界について議論することができると思います。逆に多数のIFが必要ならば、議論は成立しなくなるでしょう
まず、9号様の世界が成立するために必要なIFを特定してみたいと思うのですが、いかがでしょうか
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戦艦ではなく巡洋戦艦が生き残るIFの条件
 おうる  - 19/7/27(土) 20:56 -
  
 純粋に軍事的・技術的な分野に答えを求めても、おそらくその答えは存在しないと思います。

 そもそも、海軍軍縮条約が何を目的にしていたのかを忘れてはいけません。
 すなわち、際限のない建艦競争により膨張し続ける軍事予算の圧縮です。

 軍事的・技術的理由ではなく、お金の問題なんです。

 お金を圧縮するのが目的である以上、当時存在していたあらゆる艦種の中で最も高価だった巡洋戦艦は消滅させたい艦の筆頭です。戦艦よりも高価で、戦艦ほど頑丈でなく、巡洋艦のように気軽に使いつぶせない巡洋戦艦は贅沢の極みです。 
 自国の海軍軍備の増強をあきらめてでも予算を圧縮したい・・・そのための海軍軍縮条約を史上最も高価な巡洋戦艦が生き残るためのIFは一つしか思いつきません。

 何らかの理由で巡洋戦艦のコストが戦艦を下回ること・・・ただそれだけです。それ以外のIFで巡洋戦艦が生き残る可能性は、少なくとも私は思いつきません。
 しかし、巡洋戦艦のコストが戦艦を下回ったとしても、その結果ミリタリーバランスを大きく崩さないという条件は満たせなくなる可能性が高いと思っています。
引用なし
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Re:戦艦ではなく巡洋戦艦が生き残るIFの条件
 冷泉  - 19/7/30(火) 23:21 -
  
ネルソン、ダンケルク、KGV、ノースカロライナ。どれも当時の各国の技術の粋を集め、ふんだんに資源を投入した豪華仕様に思えます。つまり条約により艦の保有と建造が制限されるのであれば、新造艦はコストよりも質を重視する方が合理的なのです
条約により建艦競争による経済破綻は回避されました。その代償に戦艦の数によって外交力を担保することができなくなりましたので、多少コストをかけてでも戦艦の質を高めることで、数を補うというのが当時の判断だったということでしょう
また、一度建造してしまえば20年は第一線で使わなければならないのです。安物買いの銭失いは避けるべきでしょう
つまり金銭的な制約は高速戦艦の建造を阻害しません

高速戦艦の敵は低速戦艦なのです
高速戦艦を造る予算で大火力重防御な低速戦艦を造った方がよい。又は高速戦艦を放棄することで他国の戦艦保有枠を削った方がよい。こう思われてしまえば、高速戦艦の命運は尽きるのです
やはり軍事的、技術的な問題でしょう

高速戦艦が生き残る条件については、もう少し考えをまとめたいと思います
引用なし
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<Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Trident/7.0; rv:11.0) like Gecko@h175-177-107-151.gd.netyou.jp>

高速戦艦レキシントン級が建造されるまで
 冷泉  - 19/8/3(土) 6:10 -
  
巡洋戦艦とは、優れた速力を以て火力を任意の場所で発揮することが役割と言えるでしょう。ただ防御力は弱体ですので、任意の場所に到達するためには、速力を生かして戦艦等大火力の敵を避ける必要があります。避けることができないのであれば、敵戦艦を排除して進むしかありません。ここで防御力が必要になってきます。こういった状況が想定されるのであれば、速力を多少犠牲にしてでも防御力を強化することになるでしょう

優速な巡洋戦艦が戦艦等を避けられない状況は、仮想敵の戦艦や巡洋戦艦が多いことを意味します。戦艦・巡戦の数が多いが故に、ピケット艦として気軽に戦線に投入される、又は巡洋艦キラーとして各国が巡洋戦艦を積極的に運用されるといった状況です

そして、こう言った状況を成立させるIFとして、次の2つを提案いたします
1.スカパフローで独戦艦・巡戦が自沈しておらず、賠償艦として各国に分配されている(戦艦+13、巡戦+5)
2.アメリカが他国(当時だと日本か)の建艦計画を読み違え、長門以下の戦艦が巡戦並みに高速であると勘違いする

1.については、独海軍がWWIIの仏伊日海軍並みに戦勝国に従順である、といった前提が必要です。成り立たない前提ではないと思いますが、弩級戦艦・巡戦16隻と超弩級戦艦2隻が増えたところで(戦勝国で山分けされますから、分散します)、アメリカの考えが変わるかというと疑問が残ります
2.については、仮にそういった読み違えが生じるならば、レキシントン級を重防御化する方向に進むと思います。仮に長門が28〜9kn出すのであれば、巡洋艦同士の戦闘に介入できますので、レキシントン級と戦う状況も十分想定できます。ただ、そのように読み違える理由が思い浮かびません(史実の長門の26knだって、当時としては非常識な高速のはずです)

あってもいいIFだとは思いますが、発生して望んだ結果をもたらすことに説得力を持たせるのはなかなか難しいですね
引用なし
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多分、話は逆の展開になると思います。
 おうる  - 19/8/4(日) 19:56 -
  
 長門の速度を高く見積もったのならば、レキシントン級の速力を抑えて重装甲化するのではなくサウスダコタ級を高速化するのが妥当ではありませんか?
 長門級の対抗馬はレキシントン級ではなくサウスダコタ級です。

 いずれにせよ、レキシントン級の高速戦艦化は当時の米国の建艦技術では無理なんですよ。繰り返しますが、史実のレキシントン級が既に(当初の計画よりも)高速戦艦化した結果なんです。

 
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Re:多分、話は逆の展開になると思います。
 冷泉  - 19/8/11(日) 8:41 -
  
お返事が遅くなり申し訳ありません

巡洋艦の役割として、威力偵察、主力部隊の前路哨戒、通商破壊等による敵艦隊の攪乱、自軍重要海域の哨戒といったものがあるかと思います
これらの任務は、どれも戦艦から離れて行うものですよね。つまり敵の戦艦・巡戦と遭遇した場合、自力で敵艦を撃破するか逃げ切るか、あるいは戦艦の救援を待つ必要があります
サウスダコタ級が高速であれば救援までの時間は短くなるかと思いますが、それまでの間は自前の防御力で耐えねばなりません。レキシントン級が巡戦として戦艦サウスダコタ級を支援するという関係である、レキシントン級が敵戦艦・巡戦との戦闘を重視しなければならない、この2つの条件が揃うならば防御力の強化が必要となるのです
    
そして手持ちの戦力が多い、又は高速であるという状況は、戦力を分散配置するという選択を与えます
仮に長門型が13号艦のような29kn戦艦として建造されていたならば(又はアメリカがそのように予測したならば)、日本がスカパフローのドイツ戦艦・巡戦を手に入れていたならば、レキシントンが日戦艦・巡戦の待ち伏せを受けるリスクが高まるのです

アメリカがこのリスクをどう評価するかが問題かと思います
高々戦艦が数隻増えただけ、多少敵戦艦が高速になっただけ。レキシントン級をもってすれば十分戦闘を回避できると評価すれば、史実通りのレキシントン級が造られます
座視できぬ状況の変化であると評価するならば、重防御化したレキシントン級が建造されることとなります

また速力の低下と引き換えに重防御化したレキシントン級は、立派な高速戦艦であると思います
甲板3.75インチ、舷側10インチという防御力は天城型やアドミラル級と比較して明らかに劣るものではないですし、50口径16インチ砲が8門という火力も優秀です。そしてオハマ級と行動を共にできるだけの機動力を持っています
当時の戦艦と同等以上の防御力と火力を持ち、巡洋艦並みの速力で走り回るアドミラル級。これと同等、一部性能においては勝る重防御化したレキシントン級を高速戦艦と評しないのは無理がありませんか。アイオワ級も同世代のモンタナ級と比べたら装甲は薄くなっていますが、これを以てアイオワ級を高速戦艦でないと言う人は少ないかと思います
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巡洋戦艦/高速戦艦を中心に考えるのは改めた方がい...
 おうる  - 19/8/11(日) 17:46 -
  
 いや、長門が史実より高速だと評価されているのであれば、サウスダコタ級を高速化しなければサウスダコタ級が役立たずの遊兵化してしまう可能性が高くなるんですよ。
 レキシントン級が日本海軍や英海軍の戦艦と接触して救援を求めてきたとしても、そこにたどり着くことすら怪しくなるんです。なんせ軍艦は一つの海域内で足を止めて戦うのではなく、全力で海上を疾駆しながら砲を撃ちあうんですから・・・現に戦っている彼我の艦船で最も鈍足な艦と同等以上の速力が発揮できない艦船には、待ち伏せ以外では敵主力艦とまともに交戦する機会は得られないんです。
 だから敵主力戦艦が高速であることが想定されるなら、自分たちの戦艦も高速化しなければ意味が無いんです。海戦に投入できない戦艦なんて巡洋戦艦以上に予算の無駄にしかなりません。

 そして、戦艦が高速化するのであれば、巡洋戦艦はその存在意義を史実よりもより巡洋戦艦へと純化させる必要が生じるでしょう。その結果、余計に必要性に疑問を持たれることになります。なぜなら、戦艦が高速化して巡洋艦に寄ることで、戦艦と巡洋艦とのギャップが埋まってしまうからです。巡洋戦艦は所詮は戦艦と巡洋艦とのギャップを埋める隙間モデルでしかないからです。
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Re:巡洋戦艦/高速戦艦を中心に考えるのは改めた方...
 冷泉  - 19/8/14(水) 22:26 -
  
おうる様にお伺いしたいのですが、高速化したサウスダコタ級とは、どれぐらいの速度を想定されていらっしゃいますか

私が先ほどから提案している、低速重防御化したレキシントン級は29〜30knを想定しております
この艦の存続が危ぶまれる、より巡洋戦艦として純化した性能が求められるということは、高速化したサウスダコタ級は27〜28knは出すように思えるのですが、いかがでしょうか

その場合、9号様の世界の成立について論じるのであれば、30knレキシントン級も28knサウスダコタ級も大差はないかと。どちらも優秀な戦艦で、かつ天城の対抗馬となり得る高速艦ですので

むしろ、すでに日本が持っている、そして保有を強硬に主張している長門型2隻に対抗すべく、条約を曲げてでも長門型キラーたるサウスダコタ級の保有を主張するというのは、わかりやすいシナリオかと思います
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Re:巡洋戦艦/高速戦艦を中心に考えるのは改めた方...
 おうる  - 19/8/15(木) 20:09 -
  
> おうる様にお伺いしたいのですが、高速化したサウスダコタ級とは、どれぐらいの速度を想定されていらっしゃいますか

 当時の技術で実現可能な範囲で長門の速度に対抗しうる速度になるでしょう。サウスダコタは機関の増強による高速化はほとんど見込めませんから、防御力を削ることになります。計算したわけではありませんが、27ノットは無理じゃないかと思います。

> その場合、9号様の世界の成立について論じるのであれば、30knレキシントン級も28knサウスダコタ級も大差はないかと。どちらも優秀な戦艦で、かつ天城の対抗馬となり得る高速艦ですので

 その場合、レキシントン級が生き残る可能性はやっぱりなくなるんですよ。サウスダコタとレキシントンが大差ないなら、サウスダコタだけで十分ということになりますから両方残す必要性は無くなるんです。
 繰り返しになりますが海軍軍縮条約の目的は軍事費の削減です。コストが一番かかる艦種が一番最初に犠牲になるんです。極論すれば、巡洋戦艦を葬るのはワシントン条約の要なんですよ。
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Re:巡洋戦艦/高速戦艦を中心に考えるのは改めた方...
 冷泉  - 19/8/18(日) 21:09 -
  
ありがとうございます
サウスダコタ級が28kn程度まで高速化するなら、いっそレキシントン級とサウスダコタ級を統合してもよいかと考えましたが、それは難しそうですね。もし火力を維持するなら、舷側装甲は10インチ確保できるか否か、といったあたりまで削っても速力は26kn程度と推算しました
やはりサウスダコタ級は史実通りに造って、別途巡戦を整備した方がよいかもしれません

そして長門型以降の日戦艦が高速化した場合、結局レキシントン級が日戦艦と遭遇するリスクが高まりませんか
史実の26knですら独巡戦と同等以上の高速ですので、レキシントン級もアドミラル級と同様に重防御化するのではないかと。巡洋艦艦隊の速力が33knから30knへ低下するのはかなり痛いですが、我慢するしかないと思います
軽巡洋艦だって、軽巡洋艦として求められる最低限の防御力は備えていますよね。巡洋艦の一形態である巡洋戦艦も同様に、巡洋戦艦として求められる最低限の防御力は備えるのではないでしょうか。そして、その最低限の防御力はジュットランド沖以降跳ねあがってしまったのです

仮にサウスダコタ級が28kn程度まで高速化するのであれば、高速戦艦化したレキシントン級であっても条約を生き延びることはできないでしょう。しかしそこまで高速化できないのであれば、高速戦艦レキシントン級はフッドや長門型に対抗する艦として、保有されるのではないでしょうか
費用面についてですが、予算上では長門型、加賀型、天城型はほぼ同額ですね。財政的に厳しいから巡戦を造らない、という理屈は成り立たないかと思います

もし技術・予算的に許すなら、レキシントン級もサウスダコタ級も大型化(レキシントン級は吃水、サウスダコタ級は全長)し、排水量2割増しで52,000tぐらいになった方が性能的にはいい感じになのではないか、と考えております
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Re:巡洋戦艦/高速戦艦を中心に考えるのは改めた方...
 おうる  - 19/8/20(火) 19:57 -
  
> そして長門型以降の日戦艦が高速化した場合、結局レキシントン級が日戦艦と遭遇するリスクが高まりませんか

 だから余計にレキシントン級は要らないってことになるんですよ。
 巡洋戦艦が戦艦と戦ったら確実に負けるってことは既に明らかなんです。それは構想段階から誰もが知っている事でした。だけど、速度差があれば戦艦と戦わずに済むから、戦艦を避けて使えば活躍するという見込みがあったから巡洋戦艦という艦種が誕生したんです。
 で、実際は巡洋戦艦はそんな風に都合よく戦艦を避けて戦うことなんてできなかった。だから、WW1で巡洋戦艦の存在意義に疑問符が付いたんです。
 そこへ戦艦が高速化して巡洋戦艦との速度差が無くなって、会敵する確率が高まったならもう巡洋戦艦の生きる道は残ってないんですよ。


> 費用面についてですが、予算上では長門型、加賀型、天城型はほぼ同額ですね。財政的に厳しいから巡戦を造らない、という理屈は成り立たないかと思います

 建造費はレキシントンとサウスダコタで比べないと意味がありません。・・・といても初代サウスダコタ級のお値段を見つけることが出なかったんですが・・・レキシントン級は1隻4420万ドル、サウスダコタ級の前級であるコロラド級が1隻2700万ドルです。
 機関開発の遅れや船型制限等の条件があるため、日本と同じように作れないアメリカの事情があります。


> もし技術・予算的に許すなら、レキシントン級もサウスダコタ級も大型化(レキシントン級は吃水、サウスダコタ級は全長)し、排水量2割増しで52,000tぐらいになった方が性能的にはいい感じになのではないか、と考えております

 そうなったら既に元の9号氏の提示した条件を満たしませんし、そういう際限のない妄想は意味がありません。
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試験的にレキシントン級を建造する
 9号  - 19/8/25(日) 14:11 -
  
これまでのお二人の議論を聞いていて、レキシントン級に戦術上の価値を見いだすのは難しいかなと思いました。

しかし、もっと長期的な視点で考えてみればどうでしょうか。条約交渉の時点では日英に対等な技術をもたず、低速な戦艦に甘んじていた米国が、造船競争でこれ以上差を広げられないように条約締結を強く望んだというのは理解できます。しかし、ジュットランド沖海戦の結果とその後の各国のトレンドを見て、米国が戦艦の高速化の重要性を認識するのは確実でしょう。

そこで提案するのが、米国が試験的にレキシントン級を少数建造しようとするシナリオです。今は技術的に敵わなくても、将来的にそのレキシントン級の運用で得た大型高速艦のノウハウで、日本の戦艦に対抗できる船を造ろうとした、ということです。

ロンドン条約で米国が、日本が脱退することを狙って強硬な条件を突きつけたという話を聞いたこともあります。高速艦建造に必要な技術、ノウハウが揃ってきたから、条約を維持する必要がなくなった、とも理解できるのではないでしょうか。

戦術的にしろ戦略的にしろ、レキシントン級が1隻でも存在するという事実があれば、天城の存在価値は失われることはないでしょう。

少なくとも、米国にレキシントン級の戦術的な価値を認識させるよりは現実的であると考えたのですがいかがでしょうか。
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Re:試験的にレキシントン級を建造する
 おうる  - 19/8/25(日) 18:58 -
  
> そこで提案するのが、米国が試験的にレキシントン級を少数建造しようとするシナリオです。今は技術的に敵わなくても、将来的にそのレキシントン級の運用で得た大型高速艦のノウハウで、日本の戦艦に対抗できる船を造ろうとした、ということです。

 対抗できる船を建造できない事が明らかになったから条約で縛ろうとしたのがワシントン条約です。
 試験的であれ何であれ、作ってしまえば日英の高速戦艦建造を認めることになるのですから米国にとってはデメリットの方が大きく、容認できるものではありません。
 そもそも金食い虫の巡洋戦艦を葬り去ることがワシントン条約の肝なんです。


> ロンドン条約で米国が、日本が脱退することを狙って強硬な条件を突きつけたという話を聞いたこともあります。高速艦建造に必要な技術、ノウハウが揃ってきたから、条約を維持する必要がなくなった、とも理解できるのではないでしょうか。

 ロンドン条約の頃にはレキシントンは既に空母化されてるでしょ。それにロンドン条約は補助艦を規制する条約で戦艦は対象外です。ロンドン条約が成立しなくてもワシントン条約が失効するわけじゃなりませんのでレキシントン級の建造には影響はしません。

> 戦術的にしろ戦略的にしろ、レキシントン級が1隻でも存在するという事実があれば、天城の存在価値は失われることはないでしょう。
>
> 少なくとも、米国にレキシントン級の戦術的な価値を認識させるよりは現実的であると考えたのですがいかがでしょうか。

 物事の順序を整理するべきです。
 米海軍は日英の新造艦の性能についてかなりの確度で把握していました。そして、自国の建艦技術の限界からそれらに対抗できる艦を建造できない事を理解していました。だから条約で対抗不能な新造艦を日英海軍が建造できないようにしようと考えたのです。それを成功させるためには、天城級を建造させないためには、レキシントン級は建造しちゃいけないんですよ。
 何で米国が米国に不利になるだけでメリットが何もない決定をしなければならないのですか?
引用なし
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Re:試験的にレキシントン級を建造する
 9号  - 19/8/27(火) 13:22 -
  
>  ロンドン条約の頃にはレキシントンは既に空母化されてるでしょ。それにロンドン条約は補助艦を規制する条約で戦艦は対象外です。ロンドン条約が成立しなくてもワシントン条約が失効するわけじゃなりませんのでレキシントン級の建造には影響はしません。

レキシントンとサラトガは空母にしたうえで、他のレキシントン級を戦艦として生き残らせる設定です。
ロンドン条約に関しては、言葉足らずでした。すいません。米国は、ロンドン条約を成立させることで、日本がワシントン条約から脱退することを間接的に狙ったのではないか、ということが言いたかったのです。
>
>  何で米国が米国に不利になるだけでメリットが何もない決定をしなければならないのですか?

メリットが何もないわけではないと思います。「日本に天城1隻の追加建造を認める」ことと、「米国がレキシントン級を2隻追加建造する」ことを天秤にかけ、後者を選択することはそれほど突拍子もないことではないと考えます。
ワシントン条約交渉の時点で、金剛型の速力は27.5ノット、改装後は25ノットでしたので、天城についていける戦艦、巡戦は日本に存在しません。天城1隻だけ建造されても、その速力が最大限生かされることはないでしょう。
他方、米国戦艦の速力不足は明確です。レキシントン級を「強力な巡戦」ではなく「高速戦艦への布石」と認識を変化させてもおかしくはないと考えます。
天城建造による日本の戦力増強のデメリットは、レキシントン級を獲得することによる米国の戦力増強、及び高速艦の技術、運用ノウハウ獲得のメリットよりも小さいと思うのですが、いかがでしょうか。
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試験的にレキシントン級を建造する意味が無い
 おうる  - 19/8/27(火) 20:52 -
  
> 米国は、ロンドン条約を成立させることで、日本がワシントン条約から脱退することを間接的に狙ったのではないか、ということが言いたかったのです。

 日本がワシントン条約から脱退する可能性は無いです。
 日本が脱退すればワシントン条約そのものが無効になりますし、それは米国が避けたかった建艦競争の再開に繋がります。

> メリットが何もないわけではないと思います。「日本に天城1隻の追加建造を認める」ことと、「米国がレキシントン級を2隻追加建造する」ことを天秤にかけ、後者を選択することはそれほど突拍子もないことではないと考えます。
> ワシントン条約交渉の時点で、金剛型の速力は27.5ノット、改装後は25ノットでしたので、天城についていける戦艦、巡戦は日本に存在しません。天城1隻だけ建造されても、その速力が最大限生かされることはないでしょう。
> 他方、米国戦艦の速力不足は明確です。レキシントン級を「強力な巡戦」ではなく「高速戦艦への布石」と認識を変化させてもおかしくはないと考えます。
> 天城建造による日本の戦力増強のデメリットは、レキシントン級を獲得することによる米国の戦力増強、及び高速艦の技術、運用ノウハウ獲得のメリットよりも小さいと思うのですが、いかがでしょうか。


 十分に突拍子もないです。

 まず、日本がそれを受け入れるとは思えません。天城級1隻を認められたとしても代わりにレキシントン級2隻を受け入れれば主力艦保有量の対米比率が確実に悪化するからです。使い勝手の悪い天城級1隻を得るために、主力艦保有比率を悪化させるのは悪手以外の何物でもありません。
 日本は当然レキシントン級2隻に対して天城級2隻の保有を認めるように要求しますし、米国は到底それを承認できません。仮に話がレキシントン級3隻に対して天城級2隻になったとしても同じです。
 米国にとっても英国にとってもワシントン・ロンドン両条約は史実の通りの条件がベストなんですよ。それ以上の条件は米英にとっては無いんです。彼らにとって史実以上の好条件は日本が承認できない条件にならざるを得ないんですから、あれらの条約は本当にギリギリのところで成立しているので、ちょっとやそっとのことでバランスを崩すことは先ず不可能です。

 また、レキシントン級は天城級に劣る事が明確に理解されている艦です。そんな艦のために米国が天城級の建造を認めることにメリットはありません。レキシントン・サラトガは空母として成立してるのなら、それ以外にワザワザ同じ機関と船体を有する艦を別途建造しなくても技術の蓄積は十分可能なんです。レキシントン級の巡戦を別途建造するのは無駄以外の何物でもありません。

 そもそも最大の目的である軍事費削減が達成できなくなります。
 何のためにワシントン条約やロンドン条約が成立したのかもう一度確認すべきです。
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もう少し自分で考えてみます
 9号  - 19/9/9(月) 9:11 -
  
お返事が遅くなり申し訳ありません。
史実の流れは様々な要因が色々絡み合っており、歴史の改変はどこかで歪みが生じるということを痛感しました。
どれが現実的か、ではなく、どれが最も非現実的な要素が少ないか、という視点の方が適切かもしれません。
お二方の意見をもとに、もう一度自分で考えてみます。
冷泉様、おうる様、議論にお付き合いいただきありがとうございました。
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