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作戦要務令
第四部
上陸戦闘
第2章 上陸戦闘実施
第1節 上陸戦闘一般の要領
第2款 上陸戦闘
第58
水際戦闘に勝を占むるは上陸成功の基礎なり
当初に上陸する部隊は、舟艇より直ちに戦闘隊形に移り、全力を尽くして当面の敵を駆逐し、機を失せず所命の目標又は方向に向い果敢に突進するを要す。此の際、要すれば初めて予備隊を控置す
状況に依り、上陸せる部隊は水際附近に於ける拠点を占領し、所要の工事を施して之を確保し、爾後後続部隊の上陸を待ちて攻撃前進することあり
第59
水際戦闘に於いては適時上級指揮官の命令を受け難く、又、自己の位置する地点の標定困難なること多し。故に、各級指揮官は任務に基き当面の状況に処し断乎たる決意を以って放胆機敏に行動するを要す
上陸せる第一線各部隊長は、当面の状況を成るべく速やかに船上の上級指揮官に報告すること緊要なり
第60
各級指揮官は所命の目標に到達するや、機を失せず当面の敵情、地形を捜索すると共に、手段を尽くして確実に部下を掌握し、自ら速やかに上級指揮官の掌握下に入り、又、隣接部隊との連絡を密にし、以って爾後の行動に遺憾なきを期すべし
敵の抵抗頑強にして所命の目標に達し得ざるときと雖も、百方手段を尽くして目的の達成に邁進すべし。止むを得ざる場合に於いても附近要点を確保して戦況の発展を図らざるべからず
上陸部隊の側面は屡々敵に暴露するを以って、上級指揮官は之が援護の処置を講じ、上陸部隊をして一意突進せしむるを要す
第61
夜間の上陸に方り、各級指揮官は既に上陸せる部隊と次いで上陸する部隊との錯誤、相撃の予防に関し、万遺漏なきを期せざるべからず
第62
装甲艇隊は、上陸正面に対する敵の側防機能、探照灯等を求めて制圧若しくは破壊し、水際戦闘を有利ならしむ
状況に依り、装甲艇隊は煙幕の構成に任ずることあり
第63
達着海岸を誤り予定の位置に上陸し得ざりし部隊は、当面の状況に依り独断機宜の行動に出ずると共に、特に機を失せず上級指揮官に報告するに勉むるを要す
第64
上陸部隊は敵の瓦斯使用、特に瓦斯雨下に対し警戒を厳にし、速やかに防護の処置を講じ得る如く、準備に遺漏なきを要す
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