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作戦要務令
第四部
上陸戦闘
第1章 上陸戦闘に関する諸準備
第2節 上陸戦闘部署
第28
上陸部隊指揮官は、状況、特に敵情、地形、飛行部隊及び海軍協力の関係、上陸用資材等を考慮して上陸戦闘部署を決定す。而して、上陸部隊は上陸即ち戦闘なるの趣旨に依り、攻撃の部署を以って一斉に上陸するものとす
第29
上陸戦闘部署は一般攻撃の場合に準ずと雖も、特に上陸海岸の配当、揚陸作業隊の作業要領、上陸順序等を定め、且つ勉めて全力を第一線に展開し、迅速なる戦闘の進捗を図ること必要なり
上陸海岸の配当は、上陸後に於ける戦闘地域、泊地、海岸の状況等を考慮して定むべきも、過度に之を局限し部隊の上陸行動を掣肘せざるを要す
上陸順序は戦術上の要求を主とし、乗船区分、部隊の建制、舟艇の多寡等を考慮して之を定む。而して、当初に上陸すべき部隊は歩兵を主とし、所要の戦車、砲兵観測機関、工兵、通信部隊等を加え、且つ手榴弾等を多数携行せしむるを可とす。状況に依り砲兵、特に山砲の一部を速やかに上陸せしむるを有利とすることあり
第30
敵の予期せざる岬角、断崖、磯浜等に一部の兵力を隠密に上陸せしめ、敵の背後に迂回し、或は敵の側防機能、交通路等を急襲破壊し、以って主力の戦闘を容易ならしむるを有利とすることあり
第31
師団長は、揚陸作業隊を直轄使用し、或は一部若しくは大部を上陸の当初第一線部隊に配属す。而して、配属したる場合に於いては復帰の時機を明示し置くを要す。又、配属を受けたる指揮官は機を失せず其の所属に復帰せしめ、以って全般の揚陸作業の進捗を妨害せざること極めて緊要なり
揚陸作業隊は上陸部隊指揮官の企図に基き、舟艇を遺憾なく運用して上陸部隊を整斉迅速に揚陸し、又所要に応じ戦闘に参加す
揚陸作業隊、乗艇部隊に配属せられざる場合に於ける艇隊群(艇隊)の運用は乗艇部隊高級先任指揮官の指示に従い艇隊群長(艇隊長)之に任ず
師団長は揚陸作業隊の陸上に於ける作業援護の為、所要の兵力を之に配属するを要すること多し
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