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作戦要務令
第四部
瓦斯用法
第5章 特殊の地形に於ける戦闘
第67
山地の攻撃に在りては、谷底に位置する敵の側防機能、破壊困難なる洞窟、又は反対斜面等に拠れる敵を制圧する為、瓦斯を局部的に使用するを有利とすることあり
第68
山地の防禦に在りては、敵の前進又は攻撃を困難ならしむる為瓦斯を使用し、特に撒毒地域を構成するを有利とすること多し
第69
敵前渡河に方りては、砲兵、迫撃隊、飛行機等を以って、敵の不意に乗じ、砲兵陣地、機関銃陣地帯、特に渡河正面を側防する敵の要点等に対し瓦斯を使用し、或は所要の正面に対し瓦斯放射を行うことあり。此の際、企図を過早に察知せられざるの着意を必要とす
前岸に進出せる部隊は陣地確保の為、時として瓦斯を使用することあり
第70
河川の防禦に在りては、砲兵、迫撃隊、飛行機等を以って、敵の渡河点、或は材料置場等に対し、不意に乗じ瓦斯を使用するを有利とすることあり
敵の渡河行動妨害の為、瓦斯放射は時として有効なることあり
第71
森林及び住民地は通常瓦斯の流入困難なるも、其の滞留性大なるを以って、一般に瓦斯効果の発揚に便なり。故に、攻防共に瓦斯の適切なる使用に依り、直接局地に投入する兵力を節約すること緊要なり
第72
森林又は住民地に在りては、攻者は敵の抵抗を断念せしむる為、又、防者は陣地間隙の閉塞、攻者の戦果拡張防止等の為、巧に瓦斯を使用し得るものとす
作戦要務令 第四部 瓦斯用法 終
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