作戦要務令

第四部


大河の渡河

第2章 渡河準備

第1節 企図の秘匿
  1. 第10
    渡河準備間に於ける企図の秘匿は、統一せる計画に基き、周到なる注意を以って組織的に之を実施し、敵をして我が真企図を察知し得しめざること緊要なり
    地形広濶にして利用すべき遮蔽物に乏しき場合等に於いては、各種の欺騙行動、就中大規模の陽動を必要とすることあり
  2. 第11
    住民に依る秘密の漏洩を防止する為、広地域に亙り之を他方面に移して監視すると共に、軍事以外の一切の交通、通信を遮断する等の方法を講ずるを有利とす