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作戦要務令
第四部
大河の渡河
第2章 渡河準備
要則
第6
渡河準備は特に周到適切ならしめ、且つ勉めて所要の予習を行い、指揮官以下一点の疑念なく必勝の信念を以って一意任務に邁進し得る如くならざるべからず
第7
敵の意表に出んが為には、手段を尽くして違算なきを要す。之が為、或は主力を河岸より遠く離隔せる地域、時として予想渡河点より適宜離隔せる河岸に開進して所要の準備を整えたる後、渡河の直前夜暗を利用して迅速に渡河点に進出せしむるか、或は河岸附近広正面に渡河を準備するが如く開進し、適宜渡河点に集結せしむる等の着意を必要とす
第8
渡河準備の為、所要の中洲は適時之を占領し、渡河の準備及び実施を容易ならしむるを有利とす。之が為、占領地域、時機及び方法の選択を適切にし、企図を過早に暴露せざる如く特に留意するを要す
夜間、濃霧時等に於ける捜索及び警戒を容易ならしむる為、哨艇を使用するを可とすることあり
第9
大河の渡河に在りては屡々予期し難き各種の障碍、敵の渡河出撃等に依り、計画と実施とに齟齬を来すことあり。故に、予め之が対応の準備を整うると共に、諸計画には状況の変化に応じ得る如く融通性を附与すること緊要なり
渡河材料は勉めて之を分散して配置し、手段を尽くして掩蔽し、敵火に依る損耗を避くること緊要なり。敵飛行機、砲兵等の優勢なる場合に於いて特に然り
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