作戦要務令

第四部


特種陣地の攻撃

第4章 重砲兵の戦闘

第2節 攻撃実施
  1. 第71
    攻撃準備射撃は勉めて其の時間を短縮するに勉むべきも、戦闘指導の方針に基き、攻略すべき敵陣地の縦深に亙り所要の特火点を予め破壊するに要する時間を考慮し、之を定むること緊要なり
  2. 第72
    特火点の破壊に任ずる重砲兵の指揮官は、其の射撃効果の判定を的確ならしむること特に緊要なり。之が為、通常、射弾の命中部位、貫通の成否、跳飛、盲爆の状況、面壁崩壊の状態、破壊口の景況等を正確に観測するを要す
  3. 第73
    攻撃前進間、重砲兵は機を失せず観測所を第一線に近く推進し、関連部隊、特に野戦砲兵との連絡を密にし、其の任務に基き射撃を続行すると共に、適時特火点、就中野戦砲兵の処理し得ざるものを索めて制圧若しくは破壊すること緊要なり
    我が第一線歩兵敵陣地に突入後、新たに活動を開始する特火点に対し、重砲兵を以って之を制圧するを要することあり
  4. 第74
    攻撃の進捗に伴い高級指揮官は戦闘指導の方針に基き、機を失せず所要の重砲兵を推進すべきものとす。之が為、其の陣地変換に関し所要の統制を行い、且つ速やかに進路補修の処置を講ずると共に、砲兵指揮官に所要の運搬機関を配属するを要す
作戦要務令第四部 特種陣地の攻撃 終