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作戦要務令
第四部
特種陣地の攻撃
第1章 攻撃一般の要領
第2節 攻撃実施
第27
攻撃は勉めて不意に之を開始し、第一線部隊は必要なる特火点を制圧しつつ、鞏固なる意志を以って所定の目標に向い穿貫突進し、高級指揮官は直ちに之が戦果の利用を図ること緊要なり。状況に依り、一部の奇襲に依り先ず主要特火点等を奪取すること少なからず
第28
攻撃準備射撃を行う場合に於いては、野戦砲兵は特火点以外の一般陣地、及び特火点を補備増強する為の防禦施設の破壊、特火点の偽装の剥奪、ならびに指揮組織の崩壊に着意するを要す
重砲兵を有するときは、主として陣地内部に於ける重要なる特火点の破壊射撃に任ぜしむるものとす
第29
特火点攻撃隊は極力歩兵の最前線に先んじて突進し、速やかに肉薄攻撃を敢行すべし
陣地内部の特火点攻撃に任ずべき特火点攻撃隊は、最初第一線の後方に位置し、戦闘の進捗に伴い適時第一線の前方に進出し、好機に投じ肉薄攻撃を実施するを通常とす
第30
特火点の自衛障碍物の破壊は特火点攻撃隊自ら実施するを通常とす。若し砲兵等に依り予め破壊するを得ば有利なり
第31
銃眼射撃は第一線歩兵の突撃時機に於いて制圧目的を達しある如く、之が開始の時機を定むるを要す
第32
銃眼射撃は好機に投じて至短時間に効果を収むるに勉むるを要す。而して、実施上着意すべき主要なる事項左の如し
野、山砲及び連隊砲は通常、瞬発若しくは短延期榴弾を使用す。状況に依り、野、山砲は瓦斯弾又は発煙弾を使用することあり。而して、特火点の内部にて射弾炸裂せしや否やは銃眼、覘視孔等より噴出する爆煙に依り之を判定し得ること多し
速射砲は通常、短延期若しくは瞬発榴弾を使用するも、閉扉しある場合に於いては徹甲弾を使用するを可とす
機関銃、自動砲は近距離より通常開扉時射撃するも、閉扉しある場合に於いても徹甲弾を以って効果を収むることあり
軽機関銃(小銃)は通常1銃(数銃)を以って近距離より狙撃す。而して、閉扉するも射撃を継続し、鉄扉を開く能わざらしむるを得ば有利なり
第33
特火点攻撃隊を直接支援する火砲及び自動火器は、特火点攻撃隊の前進間、勉めて長く銃眼射撃を続行すると共に、特火点攻撃隊の前進を妨害する敵火点及び逆襲部隊を適時制圧するものとす
第34
敵陣地内、特に反対斜面に於いては、予期せざるか、若しくは単に所在のみ探知しあるも銃眼の方向等不明なる特火点に遭遇すること多きを以って、予め対応の処置を講じ置くを要す。而して、此等特火点の直接攻撃の為には予備特火点攻撃隊を使用するを可とす。此の際、「ソ」号機を使用し得ば有利なり
第35
特火点攻撃隊の攻撃奏効せざる場合に於いては、先ず重火器等を以って臨機の処置を講ずると共に、失敗の原因を除去し、次いで予備特火点攻撃隊等を使用するものとす。此の際に於いても、主力は一意所命の方向に突進すること緊要なり
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