作戦要務令

第三部


第3篇 衛生

第1章 人衛生

第2節 駐軍間の勤務
  1. 第203
    駐軍間に於いては、各級指揮官は勉めて軍隊戦闘力の増強を図ること緊要なり。之が為、志気を振作し、給養、休養を適切ならしめ、衛生教育を行い、且つ衛生施設を完備し、以って不良なる環境の感作を克服し、保健、防疫、及び防毒に勉むるを要す
  2. 第204
    駐軍間、伝染病発生するか、或は患者多発するとき、若しくは此等の虞大なるときは、各部隊の将校、衛生部員等を以って防疫委員を編成し、之が防遏に任ぜしむ
  3. 第205
    駐軍間の患者収療の為、師団長は所要に応じ衛生隊をして野戦病院を開設せしめ、或は患者療養所を設置せしむ。又、各部隊は休養室を設け軽症患者を収療す。此の際、地方の病院、或は之に類する建物、材料等を利用するの着意を必要とす
  4. 第206
    駐軍間、絶えず地方住民の衛生状態に注意し、其の衛生施設、衛生思想の向上を図り、調達物資の検査を厳にするを要す。之が為、要すれば軍隊指導の下に地方官憲等を以って衛生委員を編成せしむるを可とす