作戦要務令

第三部


第2篇 補給及び給養

第1章 兵器の補給

第3節 其の他の兵器の補給
  1. 第146
    各部隊は、其の所有兵器に対しては自ら整備に任ず
    戦闘間に於いては、各部隊は破損せる部品を交換し、或は予備兵器の交換を受くる等、常に所有兵器の状態を良好ならしめ、以って戦闘遂行に遺憾なきを要す。然れども、整備困難なるものに在りては機を失せず上級指揮官に兵器の種類、数量、破損の程度等を報告するものとす
  2. 第147
    戦闘、局を結ぶや各部隊は直ちに兵器を修理し、戦闘力の回復を図り、以って爾後の作戦に適応せしむるを要す
    高級指揮官以下は各種修理機関を勉めて前方に派遣し、要すれば巡回修理に任ぜしめ、且つ、修理用部品及び材料、工具等の補給を良好にすると共に、現地に在る修理用資材の利用に勉むること緊要なり
  3. 第148
    兵器勤務隊は兵器部長の区処を受け、各部隊と連繋して、兵器の修理、残置(鹵獲)兵器の収集、兵器の修理用部品、材料、及び手入材料等の交付に任す。但し、戦車及び自動車に関する修理を含まず
  4. 第149
    各部隊の兵器修理の為、軍補給諸廠の移動修理班は各師団に分属せられ、又は軍補給諸廠の直轄として巡回修理に任ず
    移動修理班に於いて修理し得ざるものは軍補給諸廠に於いて之を実施するものとす
  5. 第150
    戦闘間各部隊の鹵獲せる兵器は一時使用することを得るも、速やかに之を上級指揮官に報告するを要す
  6. 第151
    化学戦資材の補給は弾薬に準ず
    化学戦資材の取扱には特別の注意を要するものあるを以って、所要に応じ監視者を附する等の着意を必要とす