歩兵操典

第六篇 通信隊教練
第二章 通信
第二節 小隊及び通信隊
要旨
  1. 第629
    戦闘に方り、通信隊長は連隊長の企図に基き戦況の推移を判断し、地形及び部下の現況に則して方針を定め、事前の準備を周到にし、適時通信隊を部署し、各小隊を統轄して通信に任ず
    通信隊長は通常連隊長の側近に位置して、通信の運用に関し連隊長を補佐し、連絡主任者及び関係通信部隊との連繋を密にし、要すれば連隊副官を援助し本部附近に開設せる各通信所の整理、施設等に任ず
    通信隊長は、連隊長の命令に依り大隊連絡班を区処し、或は其の業務を統制することあり
  2. 第630
    通信隊は適切なる通信網の構成及び推進、機宜に適する通信諸元の変更、正確なる送受信、ならびに各小隊相互の緊密なる協同に依り、其の任務を遂行す
    小隊は其の特性に応じ、小隊長の意図の如く通信に任じ、其の能力を遺憾なく発揮す。有線小隊長は所要に応じ視号班を設く
  3. 第631
    指揮班は主として命令の受領及び伝達、関係部隊との連絡、情報の収集、器材の整備等に任ず
  4. 第632
    通信隊は常に自衛の処置を講じ、特に通信所及び馬の位置の選定を適切にし、任務の達成に遺憾なからしむ