歩兵操典

第一篇 各個教練
第二章 戦闘
第四節 突撃
  1. 第68
    突撃は兵の動作中特に緊要なり
    兵は、我が白兵の優越を信じ勇奮身を挺して突入し敵を圧倒殲滅すべし。苟も、指揮官若しくは戦友に後れて突入するが如きは深く戒めざるべからず
    兵は敵に近接し突撃の機近づくに至れば、自ら着剣す
  2. 第69
    突撃を為さしむるには左の号令を下す
    • 突撃ニ 進メ
    「駈歩 前へ」の要領に依り発進し、適宜歩度を伸ばし、突ッ込メの号令にて喊声を発し猛烈果敢に突進し格闘す。之が為突入の稍々前、銃を構う
    突撃を発起せば、敵の射撃、手榴弾、毒煙等に会するも断乎突進すべし
  3. 第70
    兵、突撃の要領を会得せば、各種の状況、地形に於いて周到なる教育を行う。此の際、突撃及び射撃を反復互用する動作、手榴弾の投擲に連繋して行う突撃、装面して行う突撃等に習熟せしむるを要す