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歩兵操典
第一篇 各個教練
第一章 基本
第一節 不動の姿勢、右(左)向、半右(左)向、後向
第15
不動の姿勢は軍人基本の姿勢なり。故に、常に軍人精神、内に充溢し外厳粛端正ならざるべからず
不動の姿勢を取らしむるには左の号令を下す
「
気ヲ着ケ
」
両踵を一線上に揃えて着け、両足は約60度に開きて斉しく外に向け、両膝は凝らずして伸ばし、上体を正しく腰の上に落ち着け、背を伸ばし少しく前に傾け、両肩を稍々後ろに引き一様に下げ、右手にて銃を握り、左臂(うで)を自然に垂れ(徒手に在りては両臂を自然に垂れ掌を股に接す)、指は軽く伸ばして並べ、中指を概ね袴(こ)の縫目に当て、頸及び頭を真直ぐに保ち、口を閉じ、眼を正しく開き前方を直視す
銃を握るには腕関節(てくび)を稍々前に出し、銃身を拇指(おやゆび)と食指(ひとさしゆび)との間に置き、他の指は食指と共に閉じ、軽く屈めて銃床に添う。銃口は右臂より約10糎離し、銃身を後ろにし、床尾踵(しょうびしょう)を右足尖の傍に置き、銃身を概ね垂直に保つ
軽機関銃を持つときに在りては右手にて脚桿(きゃくかん)を併せ握る
擲弾筒を持つときに在りては、右手にて筒口を前にし、転輪を上にして柄桿(へいかん)上部を握り、筒身を概ね水平にす
第16
休憩せしむるには左の号令を下す
「
休メ
」
先ず左足を出し、爾後片足を旧の所に置き、その場に立ちて休憩す。此の際、照星を擦らざる如く銃を保つ。休憩中、許可なく話すことを禁ず
第17
右(左)向、又は半右(左)向を為さしむるには左の号令を下す
「
右(左)向ケ
右(左)
」
又は
「
半右(左)向ケ
右(左)
」
(なかばみぎ(ひだり)むけ みぎ(ひだり))
右手にて銃を少しく上げ腰に支え、左踵にて90度、又は45度右(左)に向き、銃を静かに下ろす
後向を為さしめるには左の号令を下す
「
廻レ
右
」
右手にて銃を少しく上げ腰に支え、右足を其の方向に引き、足尖を僅かに左踵より離し、両踵にて後ろに廻り、右踵を左踵に引きつけ、銃を静かに下ろす
軽機関銃を持つときに在りては、予令に依り左手にて銃口の下を握り、動令に依り両手にて銃を少しく上げ、小銃を持つときの如く動作したる後、左手を旧に復す
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