砲兵操典

附録
其の二 拳銃の操法
  1. 第一
    拳銃の操法は徒歩、馬上及車上にて行うものとす
  2. 第二
    拳銃の取り扱い及射撃に際しては不慮の危害を生ぜざることに注意すべし
    装填したる侭携行する場合に於ては安全装置と為し置くを要す
  3. 第三
    拳銃を嚢より出し又は嚢に収むる操作、弾倉の挿入及抽出並に弾薬の充填、装填及抽出は注目して行うものとす
    馬上に在りては操作に先立ちキズナを左手に取る又弾薬の抽出を行うことなし
  4. 第四
    拳銃を出すには右手を以て嚢の蓋を開き拳銃を出し右拳を右肩の前方約十糎の所に於て此と同じ高さに上げ銃口を上に向け用心鉄を前にし食指を之に添いて伸ばす
    拳銃を納むるには前項と反対の順序に行う
  5. 第五
    弾倉に弾薬を充填するには左手を以て弾倉を保持し右手にてサク杖を受筒板に装し左手の拇指を以て之を圧下しつつ右手にて弾薬を一発ずつ受筒板状に入れ八発を充填す
    弾倉の弾薬を抽出するには前項と反対の順序に行う
  6. 第六
    拳銃を出しあるとき弾倉を挿入するには拳銃を体の正面に下げ銃口を左前下に向け左手を以て弾倉を弾倉室に徐ろに挿入し掌にて十分弾倉底を圧著したる後拳銃を出しあるときの姿勢に服す此の際弾倉止に右手の拇指を触れざるを要す
    弾倉を抽出するには挿入と概ね反対に操作す此の際先ず右手の拇指を以て弾倉止を圧したる後左手を以て弾倉を抽出するものとす
  7. 第七
    装填するには先ず充填せる弾倉を挿入したる後銃口を右前下に向け左手を以て円筒を十分に引き一挙に之を放つべし
    弾薬を抽出するには先ず弾倉を抽出したる後装填時の如く銃を保持し左手を以て円筒を徐ろに引きつつ薬室内に残置せる弾薬を抽出し薬室内を点検したる後遊底を閉鎖するものとす
    弾薬を抽出したる後空弾倉を挿入したる時は空撃を為し置くを要す
  8. 第八
    拳銃を出しあるとき立射の姿勢を取るには先ず示されたる目標に正対し頭を其の方向に保ちたる侭左足尖を以て半ば左に向きつつ右足を約半歩右前に踏出す
    立射の姿勢を止むるには目標の方向に向きつつ左足を右足に引著け拳銃を出しある時の姿勢に復す
    膝(伏)射の姿勢を取る動作及止むる動作は小銃の膝(伏)射の場合に準ず
    馬上に在りて射撃姿勢を取るには目標に対し馬を半ば左に向く車上に在りては射撃に便なる適宜の姿勢を取る
    馬上に在りて射撃姿勢を止むるには馬を目標の方向に向け拳銃を出しあるときの姿勢に復す車上にありては適宜旧姿勢に復す