砲兵操典

第二篇 銃教練
第二章 戦闘

第二節 対空戦闘
  1. 第百十
    飛行機に対しては指揮官以下特に沈着して彼我を識別し小隊若くは機関銃班の全火力を所望の目標に集中し之を撃墜すべし
    射撃は敵機我が有効射界に入るを待ち好機に投じ之を開始するものとす
  2. 第百十一
    対空射撃に任ずる機関銃の陣地は地形、地物、砲車、気球などの為射撃を妨害せられざる如く十分なる射界を有し且数銃の火力を同一目標に集中しうる如く選定する事特に緊要なり
  3. 第百十二
    小隊長若くは機関銃班長は対空監視の部署を為し且為し得る限り附近にある対空監視哨、対空班などと連絡を密にし以て監視を周密ならしむるを要す
  4. 第百十三
    目標の指示は的確にして且簡明なるを要す之が為小隊長若くは機関銃班長は予め基準とすべき方向若くは地点要すれば方位を指示し置くを要す
  5. 第百十四
    射距離及び航速の迅速正確なる判定は対空射撃の基礎となるを以て機関銃班長は特に之に習熟しあるを要す
  6. 第百十五
    夜間低空の敵機に対しては為し得れば機影若くは其の火光等を目標として射撃するものとす