テ5/九八式固定機関銃(7.92粍)
直線上に配置
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2002.3.16 Renewal+写真
1.概要
ドイツのラインメタル機関銃を国産化したもの、基になった機関銃はMG17と思われるが確証はない。小倉陸軍造兵廠の水野技師が中心となって開発され、昭和14年度に現品スケッチを完了したが、ドイツと同等のバネを入手出来ず(国産出来ず)、9月下旬復座バネを設計変更した後試作を開始、16年2月初旬2挺完成、試験射撃を実施、結果良好ではあったが、撃発機構および尾筒の改正を実施し、更に試作を重ねた。昭和15年度の技研から10挺の注文を受け、15年2月(時期は原文まま)2挺完成した本銃で技研審査を6月下旬から7月上旬水戸陸軍社射場にて実施、機能は概ね良好で発射速度毎分1050発を達成したが各種部品が若干破損、この頃独国出張者が帰国しラインメタル社の図面入手、尾筒底を100mm延長して試作、16年1月中旬3挺完成、2挺は富津試験場で機関銃口径統一に関する研究試験に提供、また中央発条製緩衝バネを使用し、廠内射場で試験を継続した結果、発射速度1150発/分を達成した。復座バネの研究の結果尾筒底部をラ社製に対し100ミリ延長しないで、ラ社と全く同じ寸法の機銃でも機能を確保出来る目算が立った。
16年1月29日から富津射場で実施された「機関銃の口径統一に関する研究射撃」での7.7ミリ機銃との比較試験の結果、命中精度及び威力に於いて大差無く、生産ラインを混乱させてまで導入を図る価値なしと判断され採用されずに終わった。
掲載の写真は、ラインメタル機銃に国産の七.七粍銃身を付けて射撃を行った時の機銃である。 

2.使用状況
開発中止

3.その他
なおこの7.9粍固定機銃がテ5と呼ばれていたと、陸軍航空本部作成の航空機用火器諸元並びに効力表にあるが、ORDNANCE TECHNICAL INTELLIGENCE REPORT NO.19には、テ5は7.7粍固定機関銃とあり、記述が一致しない。

4.参考文献
四式車載重機関銃 研究原簿

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四式車載重機関銃 研究原簿より、