1.概 要
従来の九二式七粍七機銃に較べドイツのMG15が発射速度が速く、命中精度が良く、弾丸威力も高かったので、陸軍の採用もあって図面を陸軍から供給を受け国産化を図った。7〜7.9粍クラスの中にあっては高性能の機関砲てあり、生産工数も比較的少ないなどの利点も有ったが、所詮このクラスでは威力不足で、17年4月に量産を開始し、18年4月に彗星の後上方に装備した頃には、次の2式13粍旋回機銃を大慌てで開発中であった。 固定機銃では20ミリ機銃を素早く導入した海軍であったが、旋回機銃の面では先見の明無く、この機銃の開発はかえって13ミリ級の旋回機銃の導入の遅れを招いた感がある。
- 試作は、製造図面及び治工具図面を輸入のものを参考にしたため、概ね順調に推移した。弾倉の試作では、輸入品と同じものが出来るまでには相当数の試作を必要とした。
- 1)昭和16年 3月 陸軍より図面譲渡、横須賀工廠造兵部において試作工事着手
- 2)昭和16年 5月 製造用治工具製造開始
- 3)昭和16年 8月 機械加工開始
- 4)昭和16年12月 試作5丁組立完了、実験開始
- 5)昭和17年 3月 地上,空中実験終了、成果良好制式兵器採用
- 6)昭和17年 4月 横須賀工廠造兵部に於いて量産開始
- 7)昭和18年 4月 彗星後上方に装備開始
- 2.採用後の状況
- 小型機用の旋回機銃として2式13粍旋回機銃1型が開発されると、逐次交換される予定であったが、この機銃の出現が遅れたため、終戦まで小型機用の旋回機銃の主力であった。
- 弾 薬
一式七粍九機銃弾薬包
種類 色別 炸薬又は料薬 同左薬量(g)
1.普通弾薬包一型 黒色環状塗粧 なし −
2.曳跟弾薬包一型 赤色環状塗粧 曳跟薬 0.6
3.徹甲弾薬包一型 白色環状塗粧 なし −
4.焼夷弾薬包一型 緑色環状塗粧 焼夷剤(黄燐) 0.65
5.焼夷弾薬包二型 紫色環状塗粧 第一焼夷剤
ヘキソーゲン 0.26
ペントリット 0.70
3.その他
戦闘機の訓練用機銃としても使用された。
4.参考文献