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マグダネル XP-67 バット(Bat:こうもり)　翼型断面構造の双発遠距離戦闘機

　マグダネル航空機(McDonnell Aircraft)は 1939 年 7 月 6 日に設立された新興企業でしたが、同社が最初に手がけた軍用機が意欲作 XP-69 でした。本機はマグダネルの自主開発プロジェクトとして 1940 年 7 月に提案されたもので、胴体やエンジンナセルを滑らかな曲線でつながれた翼型断面とし、主翼に埋め込んだ排気タービン付きコンチネンタル I-1430 倒立Ｖ型対抗液冷12気筒エンジン(1350hp)は延長軸で左右逆回転の四翅プロペラを駆動、タービン排気も無駄にせずナセル後方に推力排気管を設けて速度を稼ぐという凝った設計の双発単座長距離戦闘機で、高度 25000ft(7620m) で 475mph(764Km/h) を出し 12.7mm×６＋20mm×４または 37mm×６という重武装を備える予定でした。
　武装・予圧キャビンを持たない試作機 XP-67 は 1944 年 1 月 6 日に初飛行しましたが、性能はまったく期待はずれでした。採用したエンジン I-1430 には各種故障(回転不均一、過回転、過熱など)が続出し、満足に回った場合でも予定より遥かに低い出力(実測 1060hp)しか出せず、最高速度はわずか 405mph(652Km/h) にとどまりました。44 年 9 月にはとうとう右エンジン火災によって不時着し機体は全焼、この事故を契機に計画はキャンセルされました。二号機には水噴射を付けた I-1430 の改良型(2100hp) に二重反転プロペラ、あるいは二段過給器つき マーリン V-1650 またはアリソン V-1710 に I-20 補助ジェットエンジンを装備するアイデアが検討されていましたが、結局実現せずじまいでした。
(文・ささき)
緒元(XP-67)
製作1944年
生産数1 機
乗員1
全幅55ft(16.76m)
全長44ft 9in(13.64m)
全高15ft 9in(4.8m)
主翼面積415ft2(38.6m2)
乾燥重量17745LBs(8049Kg)
全備重量23114LBs(10485Kg)
武装37mm機関砲×６(胴体下面)
発動機コンチネンタル I-1430-17/19 液冷12気筒＋排気タービン 1350hp
最高速度405mph(652Km/h) 高度 15000ft(4572m)
実用上昇限度37400ft(11400m)
航続距離2385ml(3838Km) 増槽使用時

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