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トーマス・モース XP-13 ヴァイパー(Viper:毒蛇) 先進的な波板金属外皮の試作機

 トーマス・モース社はアメリカにおける金属機の草分け的存在で、ユンカースに似た波形外皮構造を得意としていました。XP-13 は 1929 年に同社の自主プロジェクトによって開発された機体で、大きなスタガードを持った矩形翼の複葉機です。胴体と舵面は金属骨格に波板外皮を張ったものですが、主翼および尾翼の翼面は金属骨格ながら羽布張りでした。
 XP-13 はカーチス H-1640 エンジン(600hp)を搭載していましたがこのエンジンは失敗作であり、1930 年 9 月にはプラット&ホイットニー R-1340(450hp) に換装され XP-13A と改称しました。馬力低下にも関わらず軽量化によって XP-13A の性能は向上(188.5mph, 303Km/h)し信頼性も高まりましたが陸軍は興味を示さず、やがてトーマス・モース社はコンソリデーテッドに合併されてしまい、ただ一機の XP-13A 試作機も空中火災で失われてしまいました。
 なお、XP-13 はもし採用されればカーチスで生産されることになっており、カーチス製の機体は P-14 と呼ばれる予定でした。
(文・ささき)


緒元(XP-13)
製作1929年
生産数1機
乗員1
全幅28ft(8.53m)
全長23ft 6in(7.16m)
全高8ft 5in(2.57m)
主翼面積189ft2(17.6m2)
乾燥重量2262LBs(1026Kg)
全備重量3225LBs(1462Kg)
武装なし(?)
発動機カーチス H-1640 空冷12気筒 600hp
最高速度173mph(278Km/h) 高度不明
実用上昇限度20775ft(6332m)
航続距離--

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