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カーチス XP-10 レーサー似のスマートな複葉戦闘機

 XP-10 は高速性と運動性の両立を狙って設計された意欲的な機体で、同社の速度記録機 R3C の経験が大幅に取り入れられています。鋼管羽布張りながら円形断面を持つスリムな流線形の胴体を持ち、主翼は表層材料に積層木材を使用して表面を平滑に仕上げてあります。上翼はガル翼で屈曲した基部が胴体に直接つながっており、干渉抵抗削減と前方視界向上を狙っていました。エンジンは水冷の V-1570 ですが、通常のラジエターを用いず主翼表面に張った表面冷却器を採用した点が特徴です。XP-10 は 1930 年に初飛行し高度 12000ft(3658m)で 215mph(346Km/h) の性能を発揮しましたが、凝りすぎた設計(特に表面冷却器)は実用に適さず試作に終わりました。
(文・ささき)


緒元(XP-10)
製作1930年
生産数1機
乗員1
全幅33ft(10.05m)
全長24ft 6in(7.47m)
全高10ft 10in(3.30)
乾燥重量3040LBs(1379Kg)
全備重量3975LBs(1803Kg)
主翼面積270ft2(25.08m2)
武装7.62mm 機銃×2(機首)
発動機カーチス V-1570-15 水冷12気筒 600hp
最高速度215mph(346Km/h) 高度 12000ft(3658m)
実用上昇限度26500ft(8077m)
航続距離461ml(742Km)

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