リノ・エアレース観戦記 2014年 9/12 金曜日
リノ・エアレース2014年は12日金曜日からの参加。オレンジカウンティ空港始発のサウスウェスト航空、ラスベガス経由で10:30にはリノ・タホ空港に到着します。会場には直行せず、Stead Blvd手前のLemmon Valleyで降りてスーパーマーケットのSmith'sに寄ったのには訳がありました。8日月曜日、スポーツクラスの予選でNo.5「Sweet Dreams」GP-5を駆るオーナーパイロットのLee Bahel氏が墜落死する事故が起きていたので、ピットに供える花を買って行きたかったのです。
Bahel氏は2008年にスポーツクラスでランスエア・レガシイを駆って総合優勝の経験もあるベテランパイロット。GP-5はシボレーのV8スモールブロック・エンジンを積んだレーサーで、ただ一機だけ作られたワンオフ機。もともとアンリミテッドへの参加も眼中に入れて企画された機体でしたが最低重量規定が設定されて出場できず、スポーツクラスには量産規定(同型機5機以上が製造されていること、だったか)があって出場できず、規定の変わった2010年からスポーツクラスに出場しました。P-51を思いっきりコンパクトにしたようなスタイル、かつてアンリミテッドで活躍した悲劇のレーサー「ツナミ」に共通する流麗なフォルムにファンの多い機体でした。
3日ぶんのチケットとピットパスを買い、ゲートを入った足でそのままピットを目指します。スポーツクラスのハンガーに入ってすぐ右手、GP-5が居た場所にはかつてBahel氏がゴールド優勝を勝ったランスエア・レガシイNo.5「Breathless」が置かれていました。前輪近くに置かれた花束に持ってきた一輪のバラを差して冥福を祈ります。
そのままピットエリアをうろうろしながらレース観戦。アンリミテッド・シルバー予選では、エンジンブローやパインロンカットで最下位スタートの「タイガー」ディスティファニーの駆るNo.7ストレガが大人げないほどの飛ばしっぷりで、二番手のNo.38プレシャス・メタルを半周以上も引き離して1着。ただしピットに戻ってきたストレガは機体下面がオイルでべたべたになっており、エンジンに相当負担をかけたことを伺わせました。相変わらずのタイガーだなぁ…予選で1着に入りさえすれば土曜日のゴールドには出場できるんだから、無茶なブーストかける必要ないのに…。
さらにピットエリアをうろついていると、漫画家のMさんに遭遇しました。会場外のレース観戦ポイント、通称「アウター」へ行くので一緒に行きませんかとの誘いに二つ返事で応じます。Hさんの運転する車にSさんも加えた4人でアウターへ。昔はもう少し下ったところの、コースに一番隣接するところに車を停めて見られたのが、数年前に立ち入り禁止になってこちらへ移動したとのこと。スポーツクラス・ゴールドは最初の半周だけジョン・パーカーのNo.352サンダーマスタングが先頭を切りますが、すぐにジェフ・ラベルのNo.39グラスエアIIIに抜かれます。このNo.39、外見は何の変哲のない普通の軽飛行機ですがエンジン音が本気マーリンを思わせるチューングぶりで、400mphに達するラップ速度で2012年以降連勝を続けている機体です。今年もサンダーマスタングは悲願の優勝ならずかなぁ…もっとも「ギャロッピングゴースト」墜落事故で中断された2011年のレースでは、予選の結果をもって公式な優勝者が決められており、ジョン・パーカーとサンダーマスタングもスポーツクラス歴代優勝機に「一応」名を連ねてはいるのですが。
続くアンリミテッドも予想通り、昨年優勝機のNo.5ブードゥーが安定のリード。次いでNo.77レア・ベア、No.86チェックメイト、かなり離れてNo.8ドレッドノート、相当離れてNo71ソウボーン、No.117アルゴノートという順位。土曜日のゴールド予選で「タイガー」がどこまで繰り上がってくるか、誰かがエンジン吹っ飛ばして脱落しないかという予想を含んで金曜日の予選を終えます。
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