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高校の図書室の百科事典に、ワルタータービン機関の助燃剤である過酸化水素は、海水から作れると書いてあったのですが、これが本当だとしたら、ワルタータービン機関の過酸化水素の供給問題は解決して、現代の潜水艦のAIP機関にワルタータービン機関が使用できないでしょうか? あと、ワルタータービン機関には他にどのような問題点があるのか教えてください。 山口祐也 |
- おそらく某○○の艦隊を読んでの質問かも知れませんが、ワルタータービンの最大の問題は「過酸化水素が非常に不安定な燃料である」ということでしょう。
これは大げさに言うと「ちょっとした衝撃で爆発してしまう液体爆薬を燃料にしている」ようなものですので、潜水艦にとっては「何かの衝撃を受けた瞬間、戦わずして自爆」という結末もありえるわけで…。
(それでも「一応」ドイツは実用化まで持っていきましたが)
それに、水から過酸化水素を作るにもエネルギーは必要です。潜水艦内に過酸化水素製造装置を用意するのは、潜水艦自体のエネルギー効率を悪くするだけで、それほど意味がありません。仮に将来ワルタータービンベースの潜水艦が登場するとしても、過酸化水素は通常の燃料と同様に、港で積み込む形になると思います。
zono
- 過酸化水素供給以前の問題として、HTP(ワルタータービン)にはざっと上げるだけで過酸化水素が爆発を起こす危険性が高い・排気の問題から深々度で使用出来ない・機関使用時の騒音が酷い・機関使用時の艦内温度上昇が物凄い・1950年代の試算で運用経費が原子力潜水艦の倍掛かる、と潜水艦用主機として問題点が数多く存在します。このため米英ソを始めとして、1950年代末期以降潜水艦用主機としてHTPがまともに検討されたことはありません。
大塚好古
- 魚雷用主機ならばワルタータービンは日本でも実際に使用されてますね(72式魚雷)
後、パキスタン海軍の潜水艦に搭載されるフランスのMESMAはワルタータービンの派生型にあたりますが、酸素源を液体酸素にすることで安全性を確保しています。
カーフ
- 皆様、ご回答ありがとうございます。
どうも過酸化水素を使用するということ自体に問題があるようですね。
どうもありがとうございました。
山口祐也